アーバンファームの制度・法律
各国・州・自治体の、市民の都市農業に関わる法律・条例・計画・支援制度を集めています。農地の保全や貸借、土地利用(ゾーニング)、税制優遇、公的プログラムなど、事業を始める・続けるうえで使える制度を整理します。毎日のルーティンで更新しています。
219 件
米国農務省 食品廃棄物削減・コンポスト(CFWR)協力協定
2026国公的プログラムアメリカ合衆国米国農務省が2026年に公募した26件のコンポスト・食品廃棄物削減協力協定。地域のイノベーティブで拡張可能な廃棄物管理計画を支援する国家資金プログラム。2027年までに実施予定。
都市農との関わり: 都市農業における有機資源循環の制度的支援。市民参加型のコンポスト・食品廃棄物削減プログラムを通じて、コミュニティスケールでの循環農業を実現。
米国Supporting Urban and Innovative Farming Act S.4470(2026)
2026国公的プログラム提案中アメリカ合衆国2026年5月に上院で提案された都市・革新的農業支援法。USDA都市農業・革新的生産事務所の予算拡充と権限強化を規定。農業者支援、競争的補助金へのアクセス、連邦農業プログラムでの認定など、機制度的支援の充実。
都市農との関わり: 米国の都市農業者が連邦レベルの制度支援、競争的補助金、規制サポートを受けられるようになり、事業規模の拡大と持続性の向上が期待される。地域別・分野別の多様な農業形態に対応。
FAO国際女性農業者年(2026)
2026国振興・基本法国際農業機関(FAO)国連・FAOが2026年を「国際女性農業者年」と宣言。農食システムにおける女性の本質的役割を認識し、ジェンダーギャップ解消と女性の生活向上を促進するグローバル・キャンペーン。
都市農との関わり: 女性農業者の経済的エンパワーメント、マイクロファイナンス・協同組合強化、技術・土地アクセス支援。都市農業における女性指導性の認識と促進。
米国農業法2025年:保全プログラム資金(25億ドル年間)
2025国税制・補助アメリカ合衆国2025年の米国予算調整法に含まれた農業法関連の保全プログラム資金:25億ドル/年。5つの人気のある農業法保全プログラムに対する追加の義務的資金。農民と保全に対する政府支援を強化。現在の農業法は2026年9月30日に失効予定。
都市農との関わり: 都市農業と小規模農業への保全資金提供を拡充。有機農業、ローカル食料システム、生物多様性保全支援を含む。都市農業の事業性支援と環境保全の統合的推進を実現。
パナマ都市農業振興枠組み法(法律465号)
2025国振興・基本法パナマ共和国パナマ全域の都市・都市周辺地域における農業実践を促進・規制。持続可能開発、食料安全保障主権、農業教育を目指す。垂直農業、水耕栽培、アクアポニクス、緑の屋根など革新技術の導入を推進。経済財務省と協力し、技術支援・研修・財政支援を提供。2025年3月31日施行。
都市農との関わり: パナマにおける市民参加型都市農業と革新的農法を促進。食料安全保障と持続可能開発を両立させながら、公的支援(財政・技術・教育)により市民農業の実践を支援。
シンガポール「30 by 30」拡張支援プログラム(2025年)
2025国振興・基本法シンガポールシンガポール政府による「30 by 30」政策(2030年までに食料の30%を国内生産)の一環として、屋上ガーデン・コミュニティガーデンへの拡張支援を強化。技術支援、市民参加プログラム、官民連携による推進。
都市農との関わり: 屋上ガーデンが公式に食料戦略の一部として組み込まれ、200以上の屋上が活動中。政府の技術支援と市民参加制度により、都市農業の制度的基盤が強化。
南アフリカ都市食料システム変革政策
2025国食農政策南アフリカ共和国南アフリカの都市食料システムの包括的な変革を指向する政策。67%の人口が都市に居住し、約5800万人が食糧不安に直面している現状に対応する必要性から、都市農業と食料政策の統合が進行中。
都市農との関わり: 南アフリカはアフリカで最も都市化が進んだ国だが、食料安全保障達成に失敗している。都市農業統合による食糧アクセス改善と栽培品目多様化が求められる。
ルワンダ「Urban Green Women Hubs」プログラム(2025)
2025国公的プログラムルワンダ、キガリ市キガリで2025年初頭に開始。3,000人以上の女性にマイクログラントとバーティカルファーミング・キットを供給。デジタル市場アクセスも提供。アグロ・イノベーションと協同組合ガバナンスを統合。
都市農との関わり: 女性のアグロ起業化、マイクロファイナンス、垂直農業技術移転。食料自給と経済的エンパワーメントの統合。デジタル市場へのアクセス支援。
ブラジル 都市・近郊農業国家政策(PNAU、法律14.935/2024)
2024国振興・基本法ブラジル2024年7月29日に施行されたブラジルの連邦法。都市・近郊での農の振興を国家政策として位置づけ、学校・病院など公的調達との連携、家族・協同型の生産支援、環境教育や有機資源(生ごみ)の循環の普及、専用の信用枠などを定める。連邦・州・自治体・市民社会の協働により分権的に実施される。
都市農との関わり: 市民・家族による都市の農的活動を国レベルで初めて体系的に支援する枠組み。生ごみの循環や直売、地域での食料生産を後押しし、運営者が公的調達や信用支援にアクセスする道を開く。
メキシコ適切で持続可能な食料一般法(LGAAS)
2024国食農政策メキシコ2024年4月18日施行。農村部および都市部住民の生産能力開発を規定する食料政策。特に食料主権と食料安全保障に焦点を当てたもの。2025年4月に政府は「Cosechando Soberanía」プログラムを開始し、都市内の被覆栽培(垂直農業など)インフラに4,188百万ドルを配分する計画を発表。
都市農との関わり: メキシコの23%の新鮮農産物輸入ギャップに対応。都市農業を食料主権達成の重要な手段として位置づける。垂直農業などの被覆栽培への国家投資により、市民参加型の都市農業を支援する枠組みを提供。
タイ都市農業振興政策(2024)
2024国振興・基本法タイ王国タイ政府によるバンコク・チェンマイなどの主要都市における都市農業の振興と持続可能な農業管理促進政策。食糧安全保障と地域経済の強化を目的とした国家戦略。
都市農との関わり: 市民参加型コミュニティガーデンと持続可能な都市農業の推進を通じて、タイの都市部における食糧自給率向上と地域コミュニティの形成を支援する。
農業用地の保全と発展に関する法律(2024年)
2024国農地保全・貸借南アフリカ共和国優良農地を非農業利用から保護。農地の評価・分類制度を確立し、国・州レベルの保護農地を指定。食料安全保障と持続可能な農業発展を促進。2024年12月20日施行、2025年1月29日公表。
都市農との関わり: 市民農業を含む都市農業実践の拠点となる農地を法的に保護。都市部の優良農地確保により、持続可能で参加型の農業活動を支援。
UAE都市農業・食料安全保障国家枠組み(2024-2025)
2024国食農政策アラブ首長国連邦(ドバイ)ドバイ2040年都市マスタープランの一部として都市農業を統合。2051年までに地元食料生産を50%増加、2030年までに30%達成目標。2024年後半に地域コミュニティ参加プログラム開始。生産性農場20%増、有機農場25%増、農業廃棄物50%削減を目指す。2025年リスク基準型食品検査モデル導入。
都市農との関わり: UAEの都市部における食料自給率向上と市民農業の推進。都市マスタープランへの組込みにより、インフラ・政策支援の統合的推進を実現。コミュニティ参加プログラムにより市民の農業実践を支援。
エジプト都市農業成功指数イニシアティブ
2024国食農政策提案中エジプトエジプトにおける都市農業の実装促進を目的とした成功指数の開発。砂漠主体の土地、水不足、農地細分化、輸入依存の構造的課題に対応する政策枠組み。
都市農との関わり: エジプトは食料安全保障戦略に都市農業を限定的にしか統合していない。成功指数は政策決定者に対して都市農業の可能性を示し、実装の指標を提供する。
USDA 都市農業・革新的生産助成金プログラム(2024-2025版)
2024国税制・補助米国米国農務省(USDA)が都市農業と革新的生産に 14.4 百万ドルを投資。計画助成金(初期段階の評価・コミュニティ参画・用地分析)と実装助成金(資本投資・設備・労働力訓練・堆肥施設)を提供。助成額は 10-25 万ドル、期間は 24-36 ヶ月。
都市農との関わり: 米国内の市民参加型都市農業プロジェクト、非営利団体、自治体がアクセス可能。施設整備、労働力育成、堆肥基盤、プログラム拡張を支援。
USDA都市農業・革新的生産投資プログラム(2024)
2024国公的プログラムアメリカ合衆国2024年10月、USDA が全米10団体に対して都市農業・革新的生産支援に900万ドル(約9億円相当)を投資。同年1月には、23州でのコンポスト・食品廃棄物削減事業に1,150万ドルを投資。連邦による直接的な財政支援と能力構築を実現。
都市農との関わり: 都市農業と食料循環システムに対する直接的な連邦投資により、市民農業プロジェクトの実施、技術導入、組織支援が可能に。規模・質の両面での向上が期待される。
ブラジル都市・近郊農業国家政策(法律14.935/2024)
2024国振興・基本法ブラジル2024年7月26日に制定。都市・近郊農業を農業・畜産活動として定義。食料・栄養安全保障の向上、都市部脆弱層への代替所得機会、家族農業・協同組合・連帯経済組織の支援を目指す。公共調達(学校・保育園・病院等)との連携を促進。
都市農との関わり: ブラジルの都市農業振興の法的基盤。市民参加型都市農業の実施を法的に保障。国家プログラムとして市民菜園や技術支援を展開予定。
ケニア都市農業振興・規制法(2024年)
2024国振興・基本法ケニアケニアが制定した都市農業の振興と規制の枠組みを確立する法律。ナイロビ市郡に都市農業振興諮問委員会を設置し、法令遵守を監督。全17区域での都市農業プロジェクト展開を予定。
都市農との関わり: 東アフリカにおける初の包括的都市農業法。市民参加型農業に対して法的保護と支援制度を提供。
エチオピア農村土地管理・利用告示第1324号(2024年)
2024国農地保全・貸借エチオピアエチオピア農村部における土地利用権を担保として認める革新的な改革。都市農業の金融アクセスを改善することが期待されている。
都市農との関わり: 都市農業の事業性と持続性向上を支援。小規模農業者の資金調達を可能にする制度的枠組み。
ルワンダ農業変革第5次戦略計画(PSTA 5、2024-2029)都市農業部分
2024国振興・基本法ルワンダルワンダの国家農業戦略計画において都市農業を重要な戦略的介入として位置付け。ハイドロポニクス、垂直農法、屋上菜園、キノコ生産など高強度・気候適応的・栄養対応型モデルへの投資を推奨。
都市農との関わり: アフリカの高密度都市(キガリ)における土地制約下での食糧安全保障と栄養改善を実現。先進的な政策モデル。
ギリシャ 共通農業政策(CAP)戦略計画 都市農業支援(2024年)
2024国振興・基本法ギリシャギリシャの EU 共通農業政策戦略計画が都市農業を支援対象に含める。経済危機後の食糧困難層向けの市民農業を正式に振興政策として位置付け。
都市農との関わり: 経済危機後のギリシャの市民農業運動を公式政策として支援。EU 全体の農業振興枠組みに市民農業を組み込む事例。
ブラジル国家都市・近郊農業法 2024
2024国振興・基本法ブラジル2024年7月26日、ルーラ大統領が国家法に署名。都市農業を都市地域での農業・畜産活動として定義。食糧・栄養安全保障、脆弱層への食糧へのアクセス向上、代替所得創出・雇用機会拡大、家族農業・農業協同組合の支援を目標。
都市農との関わり: ブラジルの都市農業を法的に認識・支援する初めての国家政策。市民参加型の都市農業プログラムの基盤法となり、全国での食糧安全保障強化を支援。
法律14.935/2024 - 都市および周辺農業の国家政策
2024国振興・基本法ブラジル都市農業の包括的な政策枠組みを確立する国家法。コミュニティガーデンへの公有地アクセスのメカニズムを作成。
都市農との関わり: 小規模農民、女性農民、低所得社会層を優先。都市農業プログラムの意思決定における参加的仕組みを確立。
クレマン・ボーヌ法(食糧主権法)2024年
2024国食農政策フランスフランスの食糧主権と都市農業を支援する法律。集団的都市農業プロジェクトへの直接融資を可能にし、2026年には複数のフランス都市がこの法律に基づいて都市計画に共有庭園を統合。
都市農との関わり: 直接融資により、コミュニティガーデンプロジェクトの実行可能性が向上。都市計画への統合により、長期的な土地利用が保障。フランスの庭園数が2015年の3000から12000超に拡大する契機となった。
スペイン国家食品ロス削減政策(2024)
2024国食農政策スペインスペイン政府が食品ロス削減のため€176.5百万を自治州・都市に配分。学校・企業・病院のカンテーンに調理不可食品のコンポスト化や動物飼料への転換を指示
都市農との関わり: 都市農業と有機資源循環の連携を支援。食品ロスの削減がコミュニティガーデン・コンポスティング事業の基盤となり、有機資源が農業に還元される仕組みを整備
USDA『土地・資本・市場アクセス拡大』プログラム(ILCMA)
2023国税制・補助廃止米国(連邦・農務省)施行期間: 2023–2026
新規・零細・条件不利地域の生産者(都市農家を含む)の農地取得や市場参入を支援した連邦助成プログラム。全米約40州のプロジェクトを対象に約3億ドルを措置していたが、USDAが打ち切りを決定し中止。カンザスシティのCultivate KCは農地取得等に充てる250万ドルを失った。
都市農との関わり: 都市農業の土地・資本アクセスを支える連邦助成が事業途中で一方的に打ち切られ、現場に大打撃を与えた最近の失敗事例。
USDA地域食料ビジネスセンター
2023国公的プログラム廃止米国(連邦・農務省)施行期間: 2023–2025
小規模農家や食品事業者が地域の流通・加工インフラを構築するのを支援するため2023年に設けられた連邦のセンター網。USDAが2025年に廃止方針を打ち出し、地域・ローカル食システム支援の縮小の一環として打ち切られた。
都市農との関わり: 都市・地域食システムの基盤支援を担うはずだった連邦制度が稼働間もなく打ち切られた例で、政策の持続性欠如を示す。
フィリピン国家都市近郊農業プログラム(NUPAP)
2022国公的プログラムフィリピンCOVID-19パンデミック後に復活した国家プログラム。農務省(DA)と複数省庁が連携し、都市・近郊地域の食料安全保障、食品マイル削減、生計創出、健康的なライフスタイル促進を目指す。Quezon City LGUなどの地方自治体と連携し、種子・苗木・道具・スターターキット・温室施設などの支援を提供。
都市農との関わり: 都市農民の生計確保と食料安全保障を直結。2025年4月時点でQuezon Cityだけで1,439都市農地が確立され、43,170人の農民が従事している実績がある。市民参加型農業を国レベルで推進する政策的枠組みの好例。
ベトナム決定150/QD-TTg - 2030年までの都市農業開発戦略
2022国振興・基本法ベトナム2030年までに250,000ヘクタールを目標とする都市農業戦略を確立する国家決定。都市計画・開発プロジェクトへの農業統合を促進。
都市農との関わり: 都市貧困社会層と不利な立場のグループの参加を優先。地区および市レベルでのコミュニティ基盤プログラム管理を含む。
アラブ首長国連邦食料セキュリティ戦略2051
2021国振興・基本法アラブ首長国連邦UAE政府が2021年に発表した長期食料セキュリティ戦略。2051年までに国内食料生産を30~40%増加させることを目標に、農業技術スタートアップ、垂直農業ゾーン、屋内農業支援に資金配分。気候変動省が推進。
都市農との関わり: 砂漠・水不足地域での食料セキュリティ確保のため、先進的都市農業技術(垂直・屋内農業)への国家投資。長期的な食料自給化戦略。
マレーシア「ヤング・アグロプレナー・プログラム」
2021国公的プログラムマレーシアマレーシア政府の第12次5年計画(12MP)で2021年9月に導入されたヤング・アグロプレナー・プログラム。次世代による持続可能農業起業を支援し、農業セクターの3.8%成長を実現。スマート農業戦略と連携し、都市・近郊農業への若年起業家育成と支援金提供を実施。食料安全保障と雇用創出を双方向で推進。
都市農との関わり: 若年層の農業参入障壁低減、都市近郊農業への起業支援制度化、持続可能農業への資本流入促進。マレーシアの食料自給能力向上と次世代雇用創出の同時実現。社会起業型都市農業の制度的支援。
マレーシア「社会起業アクション・フレームワーク2030」
2021国振興・基本法マレーシアマレーシア政府が策定した社会起業アクション・フレームワーク2030(SEMy2030)。社会・環境課題の解決に向けた社会起業体育成を目指す。持続可能農業実践を含む複数分野での社会起業支援を規定。都市農業を社会起業の重要領域として明示し、政策的支援と手引きを提供。食料安全保障と社会統合の同時実現。
都市農との関わり: 社会起業型農業の制度化、商業性と社会性の統合、環境課題への創業型アプローチ。マレーシアの包摂的開発戦略における都市農業の位置づけ。持続可能性と起業精神の融合。
ケニア・気候レジリエンス都市農業政策
2020国食農政策ケニア共和国ケニア国が2020年に気候変動・食料セキュリティ対応として策定した都市農業促進政策。特にナイロビの都市スラムにおけるロータップ・サック園芸などの低コスト農業技術の普及を支援。貧困層の自給・生計向上を目指す。
都市農との関わり: 気候脆弱性の高いケニアにおいて、都市農業を気候適応・食料セキュリティの主要戦略に位置づけ。ボトムアップの技術・ナレッジ流布を国策として支援。若年・女性起業家への機会提供。
チェコ自然保護法および都市緑化規定 2020
2020国緑化規定チェコ共和国20,000人以上の住民を持つチェコの都市が2021年末までにコミュニティガーデンを含む都市緑化計画を作成することを要求する環境法。
都市農との関わり: コミュニティガーデン配置を含む都市緑化の参加的計画プロセスを委任。近隣の必要性を考慮することが必須。
フィリピン共和国法11511 - 2020年有機農業法
2020国振興・基本法フィリピン都市有機農業を含む有機農業生産を促進する国家法。有機生産者への認証支援とマーケティング支援を提供。
都市農との関わり: 小規模有機農民協会の規定を含む。女性農民認証とマーケットアクセスプログラムを支援。
シンガポール「30 by 30」
2019国食農政策シンガポールシンガポール食品庁(SFA)が2019年に掲げた、2030年までに国内で栄養必要量の30%を生産する食料安全保障目標。駐車場の屋上や建物を活用した都市型農場の整備、補助金・研修による支援が柱。
都市農との関わり: 屋上・遊休空間での食料生産を国策として後押しする例。高度な施設型が中心だが、都市での食料生産を制度的に正当化・支援する枠組みとして参考になる。
シンガポール「30 by 30」都市農業食糧自給戦略
2019国食農政策シンガポール共和国シンガポール政府が提示した「30 by 30」戦略。2030年までに国内野菜・魚・卵の30%を国内生産で賄うことを目標とする国家食糧自給戦略。垂直農業・高度制御環境農業の活用を含む。
都市農との関わり: 先進的な都市農業技術と国策による推進を通じて、限定的な土地を有する都市国家における食糧安全保障と自給率向上を実現する国家戦略。
シンガポール「30 by 30」国家食糧安全保障目標
2019国食農政策シンガポールシンガポール政府の戦略的食糧安全保障政策。2030年までに栄養需要の30%を地元生産で充当する目標。コミュニティ・イン・ブルーム等の都市農業プログラムが中核。屋上農業と都市農業地の確保。
都市農との関わり: 国家規模での都市農業戦略。市民参加型農業を食料安全保障の中核政策と位置付け、1,900以上のコミュニティ庭園を展開。
都市農地の貸借の円滑化に関する法律
2018国農地保全・貸借日本生産緑地の所有者が、相続税の納税猶予を維持したまま他の農業者や市民・企業に農地を貸せるようにした法律(2018年9月施行)。貸しても自作とみなされ、契約終了時に確実に返還される仕組みを整えた。
都市農との関わり: 農地を持たない事業者・市民団体が、都市部の生産緑地を借りて市民農園や体験農園を開く道を開いた。新規参入の鍵となる制度。
米国農務省 都市農業・革新的生産局(OUAIP)
2018国公的プログラム米国2018年農業法(Farm Bill)に基づき、米国農務省(USDA)内のNRCSに設置された都市農業の専門部局。競争的補助金、都市部のコンポスト・食品ロス削減のパイロット事業、都市農業者向けの政策・支援を担う。
都市農との関わり: コミュニティガーデンや都市農場が連邦の計画・実装補助金を受けられる窓口。自治体・NPO・学校が申請できる。
バングラデシュ「国家農業政策2018」屋上農業条項
2018国振興・基本法バングラデシュバングラデシュの国家農業政策が「専門化農業」の一部として屋上農業を明確に参照。市民に屋上利用による栽培を奨励。しかし、政策過程に支障が生じており、屋上農業が政策アジェンダに組み込まれていない状況が続いている。
都市農との関わり: 屋上農業が正式に国家農業政策の一部として認識されているが、実装とサポートが不十分。市民の屋上ガーデニングへの関心は高いが、既存法制が障壁となっている。
タイ国 都市農業国家イニシアティブ(タイシティファーム)
2017国振興・基本法タイ王国タイ国が2017年以降に推進する都市農業の国家イニシアティブ。バンコク・シティファーム・プロジェクトの成功を受け、全国規模にスケールアップ。タイシティファーム(Thai City Farm)として複数都市でコミュニティガーデンネットワークを構築・拡大。食料セキュリティ、生計向上、コミュニティ結合の統合目標。
都市農との関わり: 市民参加型都市農業の国家戦略。食料・生計・社会資本の多元的価値を国レベルで認識。スケーラビリティと複製可能性を示唆。東南アジアにおける先進的モデル。
都市農業振興基本法
2015国振興・基本法日本都市農業の振興に関する基本理念と国・自治体の責務を定めた基本法(2015年4月施行)。都市農地を「宅地化すべきもの」から「都市にあるべきもの」へと位置づけを転換し、国の基本計画と地方計画の策定を求める。
都市農との関わり: 日本の都市農を後押しする制度群(貸借円滑化法・特定生産緑地など)の上位にある根拠法。自治体の支援策・農地保全の前提となる。
ケニア都市農業振興・規制法(2015年)
2015国振興・基本法ケニア2015年制定。都市農業が公有地で実施可能となる法的枠組みを初めて確立。気候変動対応法(2016年)により、県が気候変動対策に都市農業を組み込むことが要件化。しかし、実装面での法的・政策的体系は未整備。政府による農業普及サービスは限定的。
都市農との関わり: ケニアの都市農業の法的基盤。市民参加型農業の公用地利用を可能にしたが、実装ギャップが課題。屋上菜園、近郊農業など実践の多様化が進行中。
コミュニティ・エンパワメント(スコットランド)法 2015 第9部(市民農園・コミュニティ栽培)
2015国農地保全・貸借スコットランド(英国)スコットランド議会が2015年に制定した法律の第9部。市民農園(allotment)に関する旧法を整理・近代化し、待機者数が一定基準(自治体の保有区画数の50%)を超えた場合に自治体へ市民農園を確保する合理的措置を義務付ける。第119条は各自治体に「食料栽培戦略(Food-Growing Strategy)」の策定を求め、市民農園や地域栽培に使える土地を特定させ、特に社会経済的に不利な地域での提供拡大を計画させる。公正な賃料や余剰農作物の販売も認める。
都市農との関わり: 市民が運営するアロットメントやコミュニティ栽培用地の確保を自治体に法的に義務付け、待機者削減・土地特定を求める点で、市民主導の都市農を直接後押しする土地保有・アクセスの枠組み。
米国USDA都市農業及び革新的生産助成金プログラム
2014国税制・補助アメリカ合衆国USDA農業・食糧省が提供する競争的助成金。コミュニティ庭園、非営利農場が対象。経済困窮地域での食料生産・アクセス向上、職業訓練・教育、ビジネス計画・ゾーニング提案開発。2025年1月に助成金発表。
都市農との関わり: 連邦政府による直接助成。市民農業の資金支援と制度構築を同時に推進。低所得地域への食糧アクセス改善。
家族菜園(ROD)に関する法律(2013年)
2013国農地保全・貸借ポーランド家族菜園(rodzinne ogrody działkowe=ROD)の設置・運営・廃止、区画利用者の権利義務、菜園を運営する団体の仕組みを定める国法。2012年に旧2005年法のうちポーランド菜園連合(PZD)の独占や強制加入規定などが違憲とされたことを受けて制定され、2013年12月13日成立・2014年1月19日施行で2005年法を置き換えた。
都市農との関わり: 全国に約4,600か所・90万区画超とされる家族菜園を支える基盤法で、都市住民が低廉な負担で食物栽培のための土地に安定的にアクセスできるようにする。利用者が自由に団体を結成できる点も含め、市民主導の都市農の土台となる。
インド国家食糧安全法
2013国食農政策インドインド政府2013年可決・署名。食糧安全保障の枠組み。都市農業は補完的食糧生産手段として位置付け。デリーやムンバイなど主要都市での都市農業推進の法的根拠。
都市農との関わり: 国家規模での食料安全保障政策が都市農業を補完的手段として位置付け。市民参加型農業推進の法的根拠。
フィリピン都市農業法(2013年)実装ガイダンス更新(2024年)
2013国振興・基本法フィリピン共和国フィリピン都市農業法(2013年)は、農業省に都市農業と垂直栽培の推進を義務付け、放置政府敷地および建物の農地転用を指示。2024年の実装ガイダンス更新により、地方自治体レベルでの実施が強化。
都市農との関わり: 都市貧困と食料不安への適応的対応として法制度化。国家レベルの推進義務により、地方都市での都市農業基盤を法制度面で支援。公共用地の活用による市民参加型農業の展開。
ギリシャ「市立菜園プログラム」
2012国公的プログラムギリシャ欧債危機に対応する形で2012年から全国的に展開された市立菜園プログラム。自治体が市有地をフェンス付きコミュニティ農園に転換し、失業者・低所得層・シングルペアレント等に区画を提供。土壌改善と給水インフラを整備する。経済危機下での社会的弱者層への食料不安緩和と生計支援を目的とした革新的施策。
都市農との関わり: 欧債危機という特殊な社会経済状況下での緊急的かつ長期的食料安全保障対策。コミュニティ結成と社会的統合を通じた危機克服モデル。都市部の食料不安への体系的対応。
ギリシャ市民庭園支援プログラム(2012年〜)
2012国公的プログラムギリシャギリシャの経済危機対応として実施された市民庭園支援プログラム。2010年の危機以降、市民が公共スペースを農業・社会教育用途に活用する動きが全国に広がった。各自治体が庭園プロジェクトを支援・運営。
都市農との関わり: 食への不安に対する社会的・実践的対応。市民連帯と自律性の回復を促進。栄養アクセスの向上。地域コミュニティの再構築。
都市農業の育成及び支援に関する法律(都市農業法)
2011国振興・基本法韓国2011年11月に制定(法律第11096号、2012年施行)された韓国の国法。都市農業を定義して国の政策として位置づけ、5年ごとの育成・支援総合計画の策定、都市農業支援センターや専門人材の育成、公営・民営の都市農園(テッパッ)の整備基準などを定める。施行後5年で都市農業の面積が大きく拡大したと報告される。
都市農との関わり: ソウル市条例をはじめ韓国各地の都市農業条例の上位にある根拠法。市民菜園の整備・教育・支援組織を国レベルで制度化し、東アジアで最も体系的な都市農業法制のひとつとされる。
都市農業の育成及び支援に関する法律(韓国)
2011国振興・基本法韓国2011年11月22日に公布された韓国の都市農業に関する基本法(法律第11096号)。都市農業を「都市地域の土地・建築物・各種生活空間を利用して農作物を栽培する行為」と定義し、住宅利用型・近隣生活圏型・都心型・農園型・学校教育型の5類型に分類する。農林畜産食品部長官に5年ごとの総合計画策定を、自治体に年次実行計画の策定・実施を義務付け、都市農業支援センターや専門人材育成の根拠を定める。
都市農との関わり: ソウル市など各自治体の都市農業条例の上位にある国家法。市民が住宅・近隣の空閑地・学校・公園などで行うコミュニティ農園や市民農園を制度的に支援する根拠となり、施行後に参加者と地方条例が大きく増えるなど市民主導の都市農を全国に広げた。
フィリピン「政府都市農業プログラム」
2010国公的プログラムフィリピンフィリピン政府が実施する全国都市農業プログラム。農業省が地方政府と連携し、都市農業の推進、農民への支援、コミュニティガーデンの設置、訓練プログラムの実施を目指す。都市部での食料安全保障向上と生計支援を目的とする。バックヤード菜園、コミュニティガーデン、垂直農業、屋上菜園など多様な形態を支援。
都市農との関わり: 都市農業を国家食料安全保障戦略の中核に位置づけ、省庁横断的・地方分権的アプローチにより全国展開。市民農業の多様な形態を制度的に支援。東南アジアにおける国家規模の都市農業推進の先例。
ハンガリー KÉK 都市農業振興・支援プログラム
2010国公的プログラムハンガリーハンガリー現代建築センター(KÉK)が 2010 年から展開する都市農業振興プログラム。法的枠組み、現地適応型モデル開発を実施。全国 79 の活動中の市民菜園をリスト化・支援。
都市農との関わり: 中欧における市民農業の体系的支援モデル。法的課題、資金支援、コミュニティ参加の安定性を総合的に対応。
ビッグ・ロッタリー『ローカルフード』助成事業
2008国公的プログラム廃止英国(全国)施行期間: 2008–2012
2008〜2012年に運営された総額約5,750万ポンドの宝くじ基金助成事業。地元産食料へのアクセス改善や都市部の食料生産スペース創出(ロンドンのCapital Growth等)を数百件支援したが、時限プログラムとして2012年に終了し、同規模での更新はされなかった。
都市農との関わり: 英国の都市食料生産を大規模に押し上げた助成が時限措置として終了し、恒久財源化されなかった例。持続財源設計の欠如を示す。
コミュニティ・イン・ブルーム(CIB)
2005国公的プログラムシンガポール国立公園局(NParks)が2005年に開始した、全国規模のコミュニティ・ガーデニング推進プログラム。住宅団地・学校・団体などでの市民の園芸活動を、助言・資材・表彰などで支援する。あわせて公園内の貸し農園(アロットメント・ガーデン)も各地に拡大している。
都市農との関わり: 土地の限られたシンガポールで市民のコミュニティ農を可能にする中心的な公的枠組みであり、食料自給を目指す国家目標『30 by 30』を市民参加の側面から補完する。
シンガポール「コミュニティ・イン・ブルーム」(緑化推進プログラム)
2005国公的プログラムシンガポールシンガポール国家レベルの緑化推進プログラム。2005年開始。都市農業を食料生産・生物多様性向上・コミュニティ参加の手段として活用。国家食料安全保障戦略「30 by 30」(2019年)に組み込まれ、30年までに国内食料消費の30%を自給する目標を支援。
都市農との関わり: シンガポールの食料安全保障戦略における都市農業の戦略的位置づけ。高度都市国家での食料自給向上の実例。国家食料政策と市民参加型農業の統合。
ジンバブエ 都市・近郊農業の規制枠組み(ハラレ等)
2003国その他ジンバブエ(ハラレ市ほか)多数の住民が食料生産に頼るなか、2003年には都市農業を一定程度保護する法整備もあったが、自治体の条例(バイローズ)は依然として都市農業を禁じ、作物の刈り取りなど取り締まりが繰り返された。実効的な支援政策は根付かず、政府は2025年に都市・近郊農業の禁止を再度打ち出した。
都市農との関わり: 保護的立法があっても条例と執行が都市農業を否定し続け、最終的に禁止へ回帰した例。制度の不整合と政策失敗の教訓事例。
コロニヘーヴ法(Kolonihaveloven)
2001国農地保全・貸借デンマーク2001年6月7日の法律第476号。コロニヘーヴ(市民菜園)区域を都市住民のレクリエーションと余暇活動の重要な基盤と位置づけ、2001年11月1日より前から使われている区域を原則『恒久区域』として保護する。恒久区域は『重大な公共上の必要』がない限り廃止できず、5区画以上の菜園と共用地からなる区域を対象に、通年居住の禁止などの枠組みも定める。
都市農との関わり: 開発圧力から市民菜園の土地を国法で恒久的に守る、世界でも数少ない例。既存の菜園を『守る』法制のモデルとして参照される。
デンマーク家庭菜園法(アロットメント法)2001年
2001国農地保全・貸借デンマークデンマークの家庭菜園文化を保護・強化する法律。所有権確立により、デンマークの庭園文化の消滅を防止。現在、約60000のアロットメント庭園が存在。19世紀後半の工業化に伴う公有地利用の伝統を現代に継続。
都市農との関わり: 長期的な土地利用を確保。市民の庭園文化を法的に保護。都市コミュニティの福祉とレクリエーション機会を保障。
デンマーク 市民菜園法(コロニヘーヴェ法)2001
2001国農地保全・貸借デンマーク(全国)2001年6月7日法律第476号として制定された法律で、市民菜園(kolonihaver)が都市住民のレクリエーション・余暇の重要な機会であり続けることを目的とする。多くの菜園が自治体の借地上にあるため不安定だった存続を、長い解約予告期間と代替地提供の義務によって保護し、「永続的(varige)」菜園区域の解消を制限する。
都市農との関わり: デンマークの何万もの都市市民菜園に法的な土地保有の安定をもたらす中核法。自治体や国が借地を解約して菜園を住宅・開発に転用することを制限するため、市民が長期的に作物を育てられる土地を確保できる。
デンマーク クロニハーヴェ法(市民菜園法 / Kolonihaveloven)
2001国農地保全・貸借デンマーク2001年6月にデンマーク議会(フォルケティング)が可決した、同国初のコロニーガーデン(クロニハーヴェ=市民菜園)法。従来「一時的」だった市民菜園地の地位を「恒久的(varige)」に転換し、公有地上の菜園は原則として閉鎖できず、やむを得ず閉鎖する場合も同等の代替地を確保することを求める。これにより多くの菜園地が恒久的な市民菜園用地として確保された。
都市農との関わり: 市民が利用するクラインガルテン/市民菜園の土地を国の法律で恒久的に保護し、都市の緑地と市民の農的活動の場を安定的に守る制度。市民主導の都市農の継続性を土地保有面から支える。
キューバ 都市・郊外農業国家プログラム(オルガノポニコス)
1997国公的プログラムキューバ(ハバナ中心)1987年に始まったオルガノポニコス運動を基盤に、1997年に「都市農業運動」として全国的に組織化。農業省が集約型有機菜園を規制・課税し、オルガノポニコスの資格を管理する。2009年に郊外農業を加え、29のサブプログラムから成る国家プログラムへ発展した。
都市農との関わり: 経済危機下で都市住民が主体的に食料を生産する仕組みを国家が制度化した希少例で、市民参加型都市農業の到達点として参照される。
ポーランド農地保護法(1995年、2021年11月改正)
1995国農地保全・貸借ポーランド農地を非農業的利用への転換から保護する国家法。2021年11月改正により、農民は農地の30%までの農場建屋で非農業的活動を実施可能。
都市農との関わり: 改正は小規模農業企業を可能にする農場多角化を支援。農地保全による周辺農業を間接的に支援。
生産緑地法(生産緑地地区・特定生産緑地)
1991国農地保全・貸借日本市街化区域内の農地を「生産緑地地区」に指定し、営農継続を条件に固定資産税の軽減と相続税納税猶予を認める制度(1991年の改正で現行の枠組み)。30年の営農義務が満了する『2022年問題』に対し、10年延長の特定生産緑地制度(2017年改正)が設けられた。
都市農との関わり: 日本の都市農地の大半を支える税・土地利用制度。多くの市民農園・体験農園・貸し農園がこの枠組みの上に成り立つ。
プロウエルタ国家プログラム(ProHuerta)
1990国公的プログラムアルゼンチン1990年に始まったアルゼンチンの国家プログラム。社会開発担当省と国立農牧技術院(INTA)が共同で運営し、食料安全保障と食料主権を目的に、家族・学校・地域(共同)のアグロエコロジー菜園を支援する。種子・果樹苗・農具の配布、技術支援、食・環境教育を行い、全国の約8割の自治体で展開し約300万人に届くとされる。
都市農との関わり: 都市・近郊・農村の住民が自分たちで健康的で多様な食を生産できるよう支える基盤的な公的制度で、市民・地域主導のアグロエコロジー菜園に種子・知識・技術を継続的に供給する、ラテンアメリカを代表する都市農支援策のひとつ。
市民農園整備促進法
1990国振興・基本法日本市民農園の整備を適正かつ円滑に進めるための法律(平成2年法律第44号)。市町村が市民農園区域を指定し、開設者(自治体・農協・農家など)が整備運営計画の認定を受ける仕組みを定め、農地法・都市計画法の特例を設ける。休憩施設などの附帯施設を含む「市民農園」を法的に位置づけ、健康的でゆとりある国民生活と良好な都市環境の形成を目的に掲げる。
都市農との関わり: 特定農地貸付法と並ぶ日本の市民農園制度の二本柱で、施設を備えた本格的な市民農園を開設する際の基本ルート。都市住民が農に触れる場を全国に広げた基盤法。
特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律(1989年・平成元年法律第58号)
1989国農地保全・貸借日本1989年6月28日に公布された日本の法律(平成元年法律第58号)。第1条は「この法律は、特定農地貸付けに関し、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)等の特例を定めるものとする」と定める。第2条第2項は「特定農地貸付け」を、農地の賃借権その他の使用収益を目的とする権利の設定であって、(一) 政令で定める面積未満の農地に係る貸付けで相当数の者を対象として定型的な条件で行われるもの、(二) 営利を目的としない農作物の栽培の用に供するための貸付けであること、(三) 政令で定める期間を超えない貸付けであること、(四) 農業協同組合が行う場合は組合員が所有する農地に係るものであること、などの要件をすべて満たすものと定義している。同日付で施行令(平成元年政令第258号)と施行規則(平成元年農林水産省令第36号)が置かれている。
都市農との関わり: 日本の市民農園制度の土台にあたる法律。農地法は本来、農地の権利移動を厳しく制限しているが、この法律が「小さな区画を、多数の市民に、定型的な条件で、営利目的でない栽培のために、期間を区切って貸す」場合の特例を置いたことで、自治体・農協・農地所有者が市民農園(区画貸しの体験農園・レジャー農園)を開設できるようになった。1990年の市民農園整備促進法と組み合わせて使われ、都市住民が農地を借りて耕す仕組みの法的根拠になっている。
キューバ 都市・近郊・家族農業国家プログラム
1987国公的プログラムキューバ1987年に始まったキューバの国家プログラム。都市内外の遊休地でオルガノポニコ(有機培土の菜園)や小区画の家族菜園を広げ、アグロエコロジーに基づく食料生産を全国で組織する。現在は200万ha超・14万超の近郊農場に及ぶとされる。
都市農との関わり: 経済危機下で市民・家族による都市農を国家的に制度化した先駆例。遊休地の活用、有機・無農薬栽培、地産地消を組織的に支え、世界の都市農業政策の参照点となっている。
連邦クラインガルテン法(Bundeskleingartengesetz)
1983国農地保全・貸借ドイツクラインガルテン(市民菜園)の賃料・利用・解約保護を全国的に定める連邦法(1983年制定、1994年最終改正)。1区画は原則400㎡以下、小屋は24㎡以下で居住は不可。区画の少なくとも3分の1を果樹・野菜の栽培に充てることを求める。
都市農との関わり: 約89万区画・44,000haに及ぶドイツの市民菜園を、低廉な賃料と強い借主保護で支える土台となる法律。都市の市民農の安定的な基盤を提供する。
連邦市民農園法(Bundeskleingartengesetz, BKleingG)
1983国農地保全・貸借ドイツ1983年施行。市民農園を都市緑地の一部として保護・振興する法律で、区画は原則400㎡以下、屋根付き構造物は24㎡以下、面積の一定割合を果樹・野菜の栽培に充てることを求める。営利利用は不可で、解約制限と賃料上限により借地人を保護する。
都市農との関わり: 市民農園の借地権を全国一律で長期保障し、都市の市民農業を制度的に安定させている中核法。
クラインガルテン法(オーストリア連邦法)
1958国農地保全・貸借オーストリア1958年12月16日制定の連邦法(BGBl. Nr. 6/1959)。クラインガルテン(原則120㎡超〜650㎡、非営利の利用・レクリエーション目的)の賃貸借契約と菜園団体の法的地位を規律する。期間の定めのある契約は最低10年とし、又貸しを前提とする総賃貸借(Generalpacht)の相手方を自治体・菜園団体等に限定するなど、強い借主保護を定める。ウィーン州のクラインガルテン法など州法が補完する。
都市農との関わり: ドイツの連邦クラインガルテン法と並ぶ、市民菜園の賃借を国レベルで保護する中欧の代表的法制。ウィーンなどの都市で菜園文化が続く法的土台となっている。
英国 市民農園法 1950(Allotments Act 1950)
1950国農地保全・貸借英国(イングランド・ウェールズ)1950年に制定された英国の市民農園(アロットメント)法(1950 c. 31)。全15条と附則1からなり、大きく「市民農園」(第1〜11条)、「契約上の制限の廃止」(第12条)、「補則」(第13〜15条)に分かれる。第1条は1922年市民農園法の定める借地の解約予告期間を6か月から12か月に延長し、予告は当年の4月6日以前または9月29日以降に満了するものでなければならないと定める。第2条以下は、借地終了時の作物・厩肥に対する借主への補償、立退き(disturbance)に対する補償、土地の劣化に対する貸主への補償とその相殺の仕組みを置き、コテージ・ホールディングや戦時中の市民農園を適用除外としている。第12条は、鶏とウサギの飼育を禁じる契約上の制限を廃止した。
都市農との関わり: 市民農園の借主の地位を強くした法律で、区画を耕す市民が予告なく突然追い出されないための最低限の期間と、作物や投じた労力に対する補償を国の法律として保障している。日本でいえば市民農園の利用者保護にあたる部分を、借地法の枠組みで手当てした例。第12条が家庭での鶏・ウサギの飼育を禁じる契約条項を無効にした点は、都市の住宅地で小さな畜産を営む自由を法律が明示的に開いた古い例として参照できる。
米国 戦勝菜園プログラム(Victory Gardens, 第二次世界大戦)
1941国公的プログラム廃止アメリカ合衆国施行期間: 1941–1945
真珠湾攻撃直後の1941〜42年、農務長官クロード・ウィカードの主導で始まった全国的な家庭・共同菜園運動。商業野菜・包装・輸送の需要を減らす戦時施策として、ポスターや手引きで市民の自給生産を促した。第二次大戦終結後に国家プログラムとしては終了した。
都市農との関わり: 国家主導の大規模な市民参加型都市・家庭農業の歴史的到達点であり、戦後に廃止された『失われた/終了した』政策の代表例。
英国 土地入植協会(Land Settlement Association、1934〜1983)
1934国公的プログラム廃止英国施行期間: 1934–1983
1934年に英国で設立された、失業した工業労働者の再定住のための国の枠組み。プランケット財団とカーネギー財団の支援を受け、イングランド北東部やウェールズなど不況地域の失業者を農地に再定住させることを目的とした。1934年から1939年にかけて20の入植地に1,100の小規模農地(small-holding)が設けられ、1937年以降は失業男性向けに約0.5エーカーの区画からなる「コテージ・ホームステッド」型の入植地が5か所つくられた。1983年に解散し、資産は民営化された。解散時点で協会はイングランドの国産サラダ野菜の約4割を生産していたとされる。
都市農との関わり: 都市の失業者に土地と住まいを与えて生計を立てさせるという発想が、国の事業として半世紀続き、そして終わった記録である。生産面では相応の規模(解散時点でイングランドの国産サラダ野菜の約4割)に達していたにもかかわらず組織そのものは存続しなかった点が重要で、「生産量が出ていること」と「事業体として続くこと」が別問題であることを示す。ただし解散の理由は今回参照した出典には書かれておらず、財政・政策転換・運営上の問題のいずれが決定的だったかは本エントリでは断定できない。制度の終わり方を検討する際は一次資料(政府文書・議会記録)にあたる必要がある。
廃止理由: 1983年に協会は解散し、保有していた入植地の資産はすべて民営化された。残余資産は元入植者の支援と園芸教育の振興を目的とする LSA Charitable Trust に移された。出典(Wikipedia の記述)では解散に至った理由そのものは明示されていない。
英国 市民農園法 1925(Allotments Act 1925・法定市民農園の処分制限)
1925国農地保全・貸借英国(イングランド・ウェールズ)英国の市民農園に関する法律(15 & 16 Geo 5 c.61)。中心となる第8条は、自治体が市民農園のために取得した土地について「大臣の同意なしに、市民農園以外の目的で売却・充当・使用・処分してはならない」と定める。大臣の同意は自動的なものではなく、「当該自治体の行為によって立ち退かされる市民農園利用者のために十分な措置が講じられること、またはそうした措置が不要もしくは合理的に実行不可能であること」を大臣が認めた場合にのみ与えられ、大臣はさらに条件を付すこともできる(1931年および1993年の立法により文言が改正され、一部の大臣同意規定は廃止されたが、保護の原則は維持されている)。このほか、都市計画(town-planning scheme)における市民農園の確保(第3条)、将来の市民農園のための土地取得(第5条)、新設市民農園の課税評価(第10条)を定める。legislation.gov.uk 上では現在も有効。
都市農との関わり: 都市農の最大のリスクである「土地を取り上げられること」に、事前の行政的チェックを噛ませた制度。自治体が市民農園用地を再開発や売却に回そうとすれば、原則として大臣同意という手続きを通らなければならず、しかも立ち退く利用者への代替措置が要件になる。土地保有の不安定さ(tenure insecurity)に法制度でどう応えうるかを示す数少ない実例である。ただし限界も明確で、(1) 保護されるのは自治体が市民農園目的で取得した「法定市民農園」に限られ、民有地を借りた区画や暫定利用の菜園は対象外、(2) 大臣は「代替措置は不要または合理的に実行不可能」と判断すれば同意でき、実際に同意が下りて敷地が失われる例もある、(3) 100年前の枠組みのため、近年の英国では市民農園の待機者数や区画の減少といった問題を条文だけでは止められていない。
英国 市民農園法 1922(Allotments Act 1922)
1922国農地保全・貸借英国(イングランド・ウェールズ)市民農園(allotment garden)の借地人保護を定めた英国の法律(12 & 13 Geo 5 c.51)。第1条は借地の終了方法を制限し、地主が一方的に終わらせる場合は「6か月以上前の解約予告で、その年の4月6日以前または9月29日以降に満了するもの」によらなければならないと定める。第2条は明け渡し時の補償を定め、通常の耕作の過程で生育中の作物、施用した肥料について補償を受けられる。一般の allotment については、借地人が自ら用意し植えた果樹・果樹低木や、地主の同意を得て行った施設整備も補償の対象となり、借地終了前に果樹・低木を撤去する権利も認められる。ほかに補償の算定と回収(第6条)、王領地への適用(第7条)、強制取得規定の改正(第8条)、未使用地への立入権限(第10条)などを置く。legislation.gov.uk 上では現在も「未処理の効力(outstanding effects)なし」として有効。
都市農との関わり: 市民が借りて耕す区画の「借り手側の立場」を法律で定めた古典的な例で、日本の市民農園制度や各国のコミュニティガーデンの借地条件を比較する際の基準になる。実務上の意味は、(1) 収穫期をまたいで突然追い出されない予告期間、(2) 立ち退き時に生育中の作物・施肥・果樹の投下費用が補償される、という2点にある。ただし補償は「通常の耕作の過程」で生じたものに限られ、地主の同意なしに設けた小屋や設備は対象外になりうる。また果樹などの撤去権は借地人が自力で撤去することを前提としており、実際に費用を回収できるかは別問題である。1世紀前の法律で用語も古く、条文だけでは現在の運用(自治体の細則や賃料水準)は分からない。
市民農園・小作地令(Kleingarten- und Kleinpachtlandordnung, KGO 1919)
1919国農地保全・貸借廃止ドイツ(ワイマール共和国)施行期間: 1919–1983
1919年7月31日にワイマール国民議会が採択したドイツ初の市民農園保護法。西ドイツでは1983年まで、東ドイツでは1956年まで有効だった。1979年に連邦憲法裁判所が一部規定を違憲と判断したことを契機に、1983年の連邦市民農園法(BKleingG)へ置き換えられた。
都市農との関わり: 現行の市民農園法制の原型であり、廃止・後継法への置換の経緯が、都市農業の借地権保護制度の歴史的変遷を示す。
英国 土地入植(便宜)法 1919(Land Settlement (Facilities) Act 1919)
1919国農地保全・貸借英国(イングランド・ウェールズ)第一次世界大戦後の英国で、小規模農地(small holdings)と市民農園のための土地取得・管理を進めやすくした法律(9 & 10 Geo 5 c.59)。1908年の小自作農地・市民農園法を改正し、州議会(county council)が小規模農地・市民農園のために土地を取得・管理する権限、土地への立入、労働者への補償、教会禄地(glebe land)の売却などを定めた。legislation.gov.uk では法律全体としては現在も有効とされる一方、第1条、第3〜5条、第7条、第10条、第14〜15条、第18条、第20条、第24条、第26条、第29〜30条、第33条など多数の条文が個別に廃止されており、現在残るのは立入・労働者補償・教会禄地売却・市民農園管理に関する規定が中心である。
都市農との関わり: 戦後の失業・復員対策として国が土地を用意する枠組みを作った例で、市民農園が「福祉・雇用政策」として扱われた時代の制度設計が読み取れる。事業者・自治体にとっての実務的な使いどころは現在ほとんど残っておらず、むしろ「制度は廃止されないまま条文だけが削られていき、実効性が空洞化する」典型として参照する価値がある。条文の多くが個別に廃止された結果、この法律を根拠に何ができるかは条文一覧を確認しないと判断できない状態になっている。
小自作農地・市民農園法 1908(Small Holdings and Allotments Act 1908)
1908国農地保全・貸借英国(イングランド・ウェールズ)それまでの小自作農地・アロットメント関連法を統合した英国の基本法。第23条は、アロットメント(市民農園)への需要があると認める場合、市・区・教区の議会に十分な数の区画を確保し住民へ貸し付ける義務を課す。改正を重ねながら100年以上たった今も有効で、住民6人の請願で自治体に検討義務が生じる仕組みも持つ。
都市農との関わり: 市民が公的に菜園用地を求める『権利』の最古級の法的根拠。世界のアロットメント法制の原型のひとつで、現代の英国のRight to Grow運動もこの伝統の延長にある。
ケニア国都市・近郊農業・畜産政策
国振興・基本法ケニアケニア政府の農業部門における制度的・政策的改革の一環として位置づけられた都市・近郊農業・畜産政策。郡政府に対して、都市農業の持続可能性を進める政策開発を指導。都市農業の推進と規制の統一的枠組みを提供。
都市農との関わり: ナイロビをはじめキスム、ナクル、モンバサなどの郡でも同様の戦略が進行中。都市農業の市民参加を支援し、食料安全保障と雇用創出を推進。
中国都市農業発展政策
国振興・基本法中国中国が国家レベルで都市農業を重点産業として位置づけ、技術投資と補助金制度を通じて振興。水耕栽培やアクアポニクスなどの先端技術への大規模投資を展開し、都市部での食糧自給を推進。
都市農との関わり: 国家レベルの政策支援により、都市農業技術の普及と事業化を促進。補助金制度により、市民参加型ガーデンの拡大を支援。
パレスチナ「都市開発への都市農業統合戦略」
国振興・基本法提案中パレスチナパレスチナの都市開発プロセスに都市農業を統合するための戦略的計画。研究により、パレスチナ都市部では都市農業がほぼ欠落していること、都市計画政策と都市農業の間に大きな乖離があること、都市計画者・政策立案者の知識と意思不足が課題であることが指摘されている。
都市農との関わり: パレスチナの都市開発への農業統合の必要性を提示。政策アジェンダへの組み込み、計画者・政策立案者への教育・訓練が必要。
インド・スマートシティ・ミッション(都市農業連携)
国公的プログラムインドインド政府のスマートシティ・ミッションが都市農業振興の枠組みを提供。NMSA(国家持続可能農業ミッション)とともに都市農業を支援。ムンバイ、デリー、ベンガルール、プネ、チェンナイなど主要都市で実装。政策体系はあるが、実装面での規制ギャップ(土地管理権、市民負担配分、農産物帰属など)が課題。
都市農との関わり: インドの都市農業の多層的支援体制。市民参加型農業のスケール化に向けた国家方針。実装ギャップの克服が次課題。
FAO・ブラジル地域プロジェクト - ラテンアメリカ都市農業食料システム変革
2025広域公的プログラムラテンアメリカ・カリブ(7ヶ国参加:アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ペルー)2025年5月、FAO とブラジル政府が開始した都市農業・食料システム変革の地域プロジェクト。参加7ヶ国が都市部と農村部を連結した食料システム構築、小規模農民の能力強化、都市食料安全保障の向上を共同で推進。地域的なナレッジシェア・協力枠組みを構築。
都市農との関わり: ラテンアメリカの都市農業が国際機関・政府レベルでの正式な支援枠組みを獲得。地域内での政策学習・技術移転、小規模農民ネットワークの構築が促進される。市民農業の制度化と規模拡大が加速。
欧州連合エネルギー性能建築物指令グリーンルーフ要件
2024広域緑化規定欧州連合2024年1月15日、欧州議会産業・研究・エネルギー委員会(ITRE)が批准。エネルギー性能建築物指令(EPBD)が初めてグリーンルーフをEU加盟国の太陽光パネル設置義務の対象に含める。EU加盟国に対し、グリーンルーフと壁面緑化の設計・建設・維持管理に関する規制枠組みの整備を促進。
都市農との関わり: 欧州規模での建築物への緑化義務化。屋上農業・屋上庭園を建築基準に組み込む法的インセンティブとなる。既存のドイツやスイスの規制(最低基盤深12-15cm、地域固有の種子配合など)が参照基準となり、生物多様性保全と都市農業の両立が期待される。
欧州連合 エネルギー性能建築物指令 グリーンルーフ要件(2024年)
2024広域緑化規定欧州連合欧州連合がエネルギー性能建築物指令にグリーンルーフ要件を組み込み。建物の屋上緑化を建築規制として義務化。都市農業の実施基盤を拡大。
都市農との関わり: 建築規制による屋上菜園・グリーンルーフの拡大。市民農業と気候適応・建物エネルギー効率を統合。
PARLATINO アグロエコロジー推進モデル法 2024
2024広域振興・基本法ラテンアメリカ・カリブ地域2024年12月、ラテンアメリカ・カリブ議会(PARLATINO)が FAO 技術支援により承認。地域全体での持続可能で強靭な農業実践の推進を目標。市民参加型のアグロエコロジー、有機資源循環、地域食料システムを支援。
都市農との関わり: ラテンアメリカ・カリブの国々が、地域的に一貫したアグロエコロジー推進法を採択。各国での市民参加型都市農業・アグロエコロジーの法制化を促進。
EU自然復興規制(EU 2024/1991)- 都市緑地第11条
2024広域緑化規定欧州連合2030年12月31日までに都市緑地でのNO NET LOSS を要求するEUの拘束力のある規制。都市農場は都市緑地定義に明示的に含まれる。
都市農との関わり: 都市農業を強制的なグリーンスペース目標への道として可能にする法的拘束力のある要件。市立戦略内でのコミュニティガーデン正式化を支援。
EU生物多様性戦略2030 - 都市緑化規定
2020広域緑化規定欧州連合20,000人以上の住民を持つ都市が都市緑化計画を作成することを要求するEUの拘束力のある政策。都市農場は適格なグリーンインフラとして明示的に含まれる。
都市農との関わり: 都市緑化の参加的計画プロセスを委任。庭園の位置と設計に関するコミュニティ入力を可能にする。
メキシコシティ 都市菜園法 2017
2017広域食農政策メキシコ・メキシコシティ2017年2月16日に官報(Gaceta Oficial)に公布された法律で、メキシコシティの住民が都市菜園を持つ権利を認める。住民は区(alcaldía)から菜園の設置・維持の研修を、環境局(SEDEMA)から栽培可能な種に関する技術助言を受ける権利を持つ。2023年には農薬・遺伝子組換えを使わないアグロエコロジー実践を推進する新たな施行規則が公布された。
都市農との関わり: 都市菜園を市民の権利として明文化した珍しい立法。市民は自宅や私有地での菜園を環境局に登録でき、公的研修・技術支援・自営支援を受けられるため、都市農の正当性と公的支援の足がかりになる。
メキシコ市都市菜園法(2017年)
2017広域公的プログラム廃止メキシコ市施行期間: 2017–2020
2016年10月に市議会で可決され、2017年2月16日に官報で公布されたメキシコ市最初の都市菜園法。環境省(SEDEMA)を主管とし、農薬・遺伝子組換えを使わないアグロエコロジー手法による都市菜園の設置・登録・支援を定めた。後により詳細な2020年法に置き換えられて廃止された。
都市農との関わり: メキシコ市で住民が自宅や共同住宅・空閑地に菜園をつくることへの公的支援を初めて法制化したもので、現行の都市菜園制度の前身。市民主導の都市農を制度的に位置づける後続法の土台となった。
廃止理由: 2020年12月31日付の官報で2017年法を廃止する政令が公布され、より包括的な新「メキシコ市都市菜園法」に置き換えられた。新法は2022年3月に改正され、施行規則も整備された。
ブリュッセル『グッド・フード』戦略
2015広域食農政策ベルギー・ブリュッセル首都圏地域2015年12月に地域政府が承認、2016年に開始した持続可能な食料システム戦略。ブリュッセル環境局と地域農業ユニットが推進し、2035年までに果物・野菜の30%を域内で生産することなどを掲げ、屋上農園・地下きのこ栽培・アクアポニクスなど都市農業を支援する。
都市農との関わり: 都市農業を地域経済・食料自給・循環経済に結びつけた包括的な地域食料政策で、欧州都市の参照モデルとなっている。
グッドフード戦略(ブリュッセル首都圏)
2015広域食農政策ブリュッセル首都圏(ベルギー)2015年12月に首都圏政府が承認した、100超の『農場から食卓まで』施策からなる持続可能な食システム戦略。ブリュッセル環境局と地域農業部門が策定し、2035年までに果物・野菜の30%を域内生産すること、食品廃棄の削減などを掲げる。後続の『Good Food 2』戦略へと発展している。
都市農との関わり: 都市・近郊農業や屋上温室、コミュニティ菜園の新規プロジェクトを助成・支援し、市民は研修や支援、『グッドフード』ラベルを通じて関われる。学校菜園など教育プロジェクトも対象。
野菜開発計画(VDP・屋上栽培補助を含む)
2012広域税制・補助インド・ケララ州ケララ州農業局が2012年に開始した州の野菜自給促進事業。空き地・学校・家庭の敷地に加え屋上・垂直栽培・水耕を対象とし、グローバッグや屋上栽培ユニットに最大75%(1ユニット当たり上限2,000ルピー)の補助を出す。ケララ農業大学やLSGD(地方自治体)等が連携して実施する。
都市農との関わり: 家庭・学校・都市空間での市民による野菜栽培を公的補助で直接後押しする、市民参加型都市農業の代表的な州事業。
緑化要素に対する床面積(GFA)緩和制度(スカイガーデン等の屋上緑化)
2011広域税制・補助香港特別行政区香港政府が2021年に更新した緑化建築奨励枠組み。屋上菜園を含む緑化機能を新築建物に求め、開発業者に床面積譲歩(GFA concessions)を提供する制度。BEAM Plus評価基準の一部として実装。
都市農との関わり: 香港の不動産開発と都市農業の統合政策。屋上農業への税制・容積インセンティブを提供し、高密度都市での食料生産と緑化を推進。
CoFarm4Cities プロジェクト(オブダ大学)
広域公的プログラムハンガリー・ブダペストオブダ大学の教育者が中心となって推進する CoFarm4Cities プロジェクト。中央ヨーロッパ各国で持続可能な土地利用モデルを開発。都市農業と生態的実践の統合的なアプローチを実現。
都市農との関わり: 中央ヨーロッパの複数国を対象とした持続可能な土地利用モデルの開発と実装。都市農業の制度的基盤構築と実践的支援を提供。
タミルナドゥ州 屋上菜園DIYキット事業
広域税制・補助インド・タミルナドゥ州タミルナドゥ州園芸・プランテーション作物局が、チェンナイ・コインバトールでの屋上菜園普及のために提供するDIYキット事業。登録者は約50%補助でキットを入手でき(例:定価522.10ルピーを200ルピー)、ナス・トマト・豆類・大根・コリアンダー・オクラ・青唐辛子等を家庭で栽培できる。手動噴霧器や小型農具も補助価格で購入可能。
都市農との関わり: 補助付きキット配布で都市住民の屋上・家庭菜園参加を直接促す州事業。ケララと並ぶインドの市民参加型都市農業インセンティブ策。
サブサハラ・アフリカ堆肥・都市農業統合政策枠組み
広域公的プログラムサブサハラ・アフリカ地域サブサハラ・アフリカの農村~都市間の栄養循環を閉じるための政策枠組み。都市有機廃棄物の堆肥化により、都市・近郊農業への養分還元を図る。堆肥ハブの拡大と自治体・コミュニティレベルでの廃棄物リサイクル・プログラム化を目標。
都市農との関わり: サブサハラ・アフリカの食糧安全保障と廃棄物管理を統合したアプローチ。市民参加型の有機資源循環により、都市農業の持続可能性を向上させ、地域食料システムの強化を支援。
ニューヨーク州都市農園・コミュニティガーデン助成金プログラム(2025-2026)
2025州・県税制・補助米国ニューヨーク州ニューヨーク州が 2025・2026 会計年度予算に都市農園・コミュニティガーデン助成金プログラムの予算を確保。市民農園、コミュニティガーデンの創設・拡張に拠出。
都市農との関わり: ニューヨーク州内の市民農園、コミュニティガーデン、学校、非営利団体が対象。地域の食料安全保障、コミュニティの結集、緑化を推進。
西オーストラリア州 コミュニティガーデン助成制度(2025-26)
2025州・県税制・補助西オーストラリア州西オーストラリア州政府が提供する助成制度。プロジェクトあたり最大AUD 10,000を支給。2024-25年度は35プロジェクトが採択されたコミュニティガーデン支援制度
都市農との関わり: 市民参加型コミュニティガーデンに対する直接的な財政支援。食料安全保障向上、地域結合力強化、持続可能な食料生産を促進するインセンティブ
バーモント州都市農業ゾーニング改革ガイド(2024)
2024州・県土地利用・条例米国バーモント州バーモント法大学院農業食料システムセンターが発行した2024年ガイド「Zoning for Urban Agriculture」。市民向けの都市農業推進のためのゾーニング改革手引書。地方政府・計画立案者向けの法的・実践的指針を提供。
都市農との関わり: 地方自治体のゾーニング条例改革を通じて、法的障壁を除去し、市民参加型の都市農業・コミュニティガーデン実装を促進する実践的ガイド。
オハイオ州 SB 111 「都市農業者ユース・イニシアティブ・パイロット事業法」
2024州・県公的プログラム米国オハイオ州上院議員パウラ・ヒックス=ハドソンが提案した2024年立法。都市農業者が直面する障壁の除去と、ユース向けの都市農業パイロット・プログラムの確立を目的とする。
都市農との関わり: 次世代の市民農業者育成と都市農業の事業化支援を通じて、都市部の食糧生産と若年層への教育・雇用機会創出を促進。
カリフォルニア州都市農業助成金プログラム(2024-2026)
2024州・県税制・補助米国カリフォルニア州カリフォルニア州が 2000 万ドルを都市・郊外の農園・庭園に拠出。地植え菜園、プランター菜園、キノコ栽培、屋上農園、空き地の活用、公園での栽培を対象。
都市農との関わり: カリフォルニア州内の市民農園、コミュニティガーデン、学校・公共施設の農業プロジェクトが利用可能。地域食料生産、緑空間創出、コミュニティ構築に寄与。
オハイオ州 SB 111「都市農業者ユース・イニシアティブ・パイロット事業法」(2024)
2024州・県公的プログラム米国オハイオ州オハイオ州が 2024 年に都市農業と青少年育成を結合したパイロット事業法を制定。青年層の都市農業への参加、技能習得、雇用機会を創出。
都市農との関わり: オハイオ州内の青少年向けの都市農業プログラム。雇用創出、技能開発、食料教育を同時に推進。
ミズーリ州 裏庭養鶏法(HB 2062)
2024州・県土地利用・条例廃止米国ミズーリ州施行期間: 2024–2025
2024年7月に成立し、0.2エーカー以上の土地を持つ住民が最大6羽の鶏を飼えるようにした州法(HOAや地方条例の規制を上書き)。2025年10月、コール郡巡回裁判所がHB 2062は複数題目を含み州憲法に反すると判断し全体を無効とした。州は上訴予定だが、現状は同法が「存在しなかったのと同じ」扱い。
都市農との関わり: 都市・郊外の食料自給(裏庭養鶏)を認めた法が裁判所に無効とされた例で、立法技術上の欠陥が政策を丸ごと失わせた失敗事例。
ベルリン市コミュニティガーデン・プログラム(Plattform Produktives Stadtgrün)
2022州・県公的プログラムドイツ・ベルリン(都市州)ベルリン州(市)が2022年に本格始動させたコミュニティガーデン支援プログラム。環境・交通・気候保護を担う州(市)担当部局が「Plattform Produktives Stadtgrün(生産的な都市緑地のプラットフォーム)」を通じて調整し、市民のコミュニティガーデンに対する用地確保・運営支援・情報提供を行う。2024/25年度予算では人員・財政の拡充も図られた。
都市農との関わり: プリンツェッシンネンガルテンに代表される市民主導のコミュニティガーデンに対し、用地の確保や運営の後ろ盾を制度として与える。市民参加型の都市農を一過性の取り組みから恒常的な都市緑地政策へと位置づける支援策。
カルナタカ州都市農業ゾーン指定制度
2022州・県土地利用・条例インド・カルナタカ州カルナタカ州が都市マスタープランに都市農業ゾーンを正式に指定。市内の公園、遊休地、屋上など複数スペースタイプを農業に適した用地として位置づけ、計画的な都市農業展開を支援。
都市農との関わり: 都市計画に都市農業が組み込まれることで、市民農業プロジェクトが公的な計画に沿い、許可・支援を受けやすくなる。長期的な農業スペースの確保が可能に。
ケララ州園芸ミッション アルカ縦型菜園 都市菜園補助制度
2022州・県税制・補助インド・ケララ州ケララ州園芸ミッション(SHM)が、土地のない都市部の住宅・集合住宅での野菜栽培を普及させるために実施する補助制度。ICAR-インド園芸研究所が開発した1平方メートルに16鉢を4段で配置できる「アルカ縦型菜園」ユニットを対象に、費用の75%(17,505ルピー)を補助し、住民負担は25%(5,835ルピー)となる。
都市農との関わり: 土地を持たない都市住民が安価に野菜を自給できるよう直接的な金銭インセンティブを提供する州レベルの支援策。当初はティルヴァナンタプラムとエルナクラムなどの市域住民を対象に330ユニットを配布し、ベランダや屋上など狭い空間での市民の家庭菜園を後押しする。
メキシコシティ 都市菜園法(Ley de Huertos Urbanos de la Ciudad de México)
2022州・県振興・基本法メキシコ・メキシコシティ(連邦区)メキシコシティ議会が2022年3月に公布した都市菜園に関する法律。2017年制定の旧法を廃止し、環境緩和・食料安全保障・経済的自立・環境教育を目的とする公共政策の概念・原則・手続き・権限を定める。誰でも環境局(Sedema)に登録して都市菜園の開設・維持・拡張ができ、各区(アルカルディア)はSedemaへ年次報告を行う。2023年には施行規則(Reglamento)も整備された。アグロエコロジーの実践を促し、遺伝子組換え作物や農薬の使用を避けることを掲げる。
都市農との関わり: 市民や地域の集団が都市菜園を開設・運営することを法的に位置づけ、登録制度と行政の支援・調整の枠組みを与える。2022年の調査では161の登録コミュニティ菜園と300人超の都市農家の名簿が把握されるなど、市民主導のアグロエコロジー都市農を制度として後押しする、ラテンアメリカの先進的な法律のひとつ。
マハラシュトラ州屋上農業50%補助制度
2020州・県税制・補助インド・マハラシュトラ州マハラシュトラ州が屋上農業システムの導入に対して最大50%の補助金を提供する制度。都市内のルーフトップを農業スペースに転換することで、遊休資源の有効活用と市民の食料自給を推進。
都市農との関わり: 屋上農業を行う市民・事業者が補助金の対象となり、導入コストの軽減が実現。小規模農業や家庭菜園の拡大を促進。
フロリダ州 上院法案82号(住宅地の野菜菜園保護法)
2019州・県土地利用・条例米国フロリダ州2019年7月1日施行。住宅用地の野菜菜園に対する自治体の規制を原則として禁止し、そうした地方条例を無効・執行不能とする州法。家庭菜園による野菜・果実の持続的な栽培の促進を『州の重要利益』と明記する。
都市農との関わり: 前庭などでの野菜栽培を禁じる地方条例を一掃し、市民の自家栽培の権利を州レベルで保護した。ただし住宅地内のHOA(管理組合)規約には及ばない。
タミル・ナードゥ州 都市園芸(屋上菜園)DIYキット制度
2014州・県公的プログラムインド・タミル・ナードゥ州タミル・ナードゥ州園芸局が2014年に始めた、都市住民の屋上・住宅での野菜栽培を促す『DIYキット』補助制度。チェンナイやコインバトールなどで、種・苗・培地・容器などをまとめたキットを約50%の補助で安価に提供する。州の統合園芸開発事業の一部として、都市の家庭菜園を後押しする。
都市農との関わり: 都市住民が初期費用を抑えて屋上・自宅で食物を育て始められるよう公的に支援する、市民の都市農を直接後押しする補助制度。インドの州レベルの都市園芸支援の代表例。
タミル・ナードゥ州 都市園芸・DIY家庭菜園キット制度
2014州・県税制・補助タミル・ナードゥ州(インド)州園芸局が、屋上・ベランダ用の家庭菜園キット(培養袋やココピート、種子、生物肥料、栽培マニュアル等)を補助価格で提供し、都市住民に無農薬野菜の自給栽培を促す制度。当初チェンナイ・コインバトールで導入され、現在は統合園芸開発事業の下でオンライン申込により運用されている。
都市農との関わり: 都市住民はオンラインや園芸局窓口で登録し、補助価格でキットを入手して屋上・ベランダ栽培を始められる。タミル・ナードゥ農業大学(TNAU)が屋上菜園や生ごみ堆肥化の研修・相談を提供する。
カリフォルニア州 都市農業インセンティブ地区法(AB 551)
2013州・県税制・補助米国カリフォルニア州市・郡が「都市農業インセンティブ地区」を設け、空き地・未利用地を5年以上小規模農業に使う契約を結んだ地主に、農地並みの低い固定資産税評価を認める州法(2013年)。対象区画は0.1〜3エーカー、人口25万人以上の都市部が条件。
都市農との関わり: 都市の空き地を借りて農園を開くコストを税面から下げる仕組み。地主と運営者をつなぎ、暫定利用の事業性を高める。
都市農業インセンティブゾーン法(AB 551)
2013州・県税制・補助米国カリフォルニア州カリフォルニア州が2025年に継続する都市農業インセンティブゾーン法。農場経営者と都市農業事業者に対する固定資産税優遇措置。都市部での農地の維持と新規開発を支援。
都市農との関わり: 都市農業事業者の経営継続性を支援;小規模農家と社会企業の財政的基盤を強化;地産地消と地域食料システム構築を促進。
カリフォルニア州 AB-551 都市農業インセンティブゾーン法
2013州・県農地保全・貸借米国カリフォルニア州2013年に制定されたカリフォルニア州法 AB-551。都市農業インセンティブゾーン制度の法的基盤を確立。地方自治体が都市農業用地を指定・管理し、農業者に対する税制優遇や土地アクセス支援を実施できる法的枠組みを提供。
都市農との関わり: 州レベルの法制度により、市町村レベルでの都市農業支援制度の構築を可能にした。市民農業者の土地アクセス改善と経営安定化に貢献。
ナイロビ都市農業食料セキュリティ法案(2026)
2026自治体振興・基本法提案中ナイロビ市郡(ケニア)ナイロビ市郡が農業を都市から排除する従来の政策から転換し、都市農業の推進と規制枠組みを構築する法案。都市飢餓問題への対応。
都市農との関わり: 都市農業禁止から奨励へのパラダイムシフト。市民の食料自給権確保、地域経済活性化の法的枠組み構築。
ナイロビ県都市・近郊農業政策
2025自治体振興・基本法提案中ケニア・ナイロビ県ナイロビ県が策定中の都市・近郊農業専用政策。ベランダ、廊下、バルコニーなど住宅内での栽培や、小規模インフラを活用した農業を対象。都市農家と地方自治体の紛争を防ぎ、安全性を確保しながら農業実践をガイドすることを目的とする。2025年2月時点で策定作業は最終段階にあり、ナイロビ県の Chief Officer of Food, Agriculture, and Natural Resources が推進中。
都市農との関わり: ナイロビを含むケニア都市部ではほぼ全国レベルの都市農業政策がなく、本政策が他県のモデルとなる可能性が高い。技術進展により狭い空間での栽培が可能になったことで、密集都市でも市民参加が容易になる見込み。
クラクフ区画型コミュニティガーデン・パイロット・プログラム(2025)
2025自治体公的プログラムポーランド・クラクフ市ポーランド・クラクフが2025年に開始した最初の区画型コミュニティガーデン・パイロット・プログラム。市民が指定区画で野菜栽培を実施。生態的実践、コミュニティ参加、社会的イノベーションを促進し、EU の持続可能性・包括性・気候レジリエンス目標に合致。
都市農との関わり: 市民参加型の都市ガーデン推進を通じて、食料自給性の向上、生態的実践の拡大、社会的結束の強化を実現。EU 規格への適合も促進。
デトロイト市 コミュニティコンポスティング政策イニシアティブ
2025自治体公的プログラム米国ミシガン州デトロイト市デトロイト市が実施するコミュニティコンポスティングパイロットプログラム。市民主導のコンポスト活動を支援し、食品廃棄物削減と有機資源循環を推進。市の都市農業復興戦略の一部。
都市農との関わり: 市の都市農業復興計画の核となる政策。市民のコンポスト実践を通じて、食品廃棄物削減とコミュニティガーデンへの有機肥料供給を実現。
アレクサンドリア市 食品廃棄物コンポスティング・プログラム
2025自治体公的プログラム米国バージニア州アレクサンドリア市アレクサンドリア市が2025年7月1日から開始した自発的・有料型食品廃棄物コンポスティング収集プログラム。既存ゴミ・リサイクル収集サービスの利用者を対象。
都市農との関わり: 都市部の有機廃棄物管理を制度化し、市民参加型のコンポスト化を促進。コミュニティガーデンや都市農場への肥料循環を支援。
ヘルシンキ大学・Viikki Food Design Factory都市農業支援プログラム(2025-2026)
2025自治体公的プログラムヘルシンキ市(フィンランド)ヘルシンキ大学とViikki Food Design Factoryが協働する都市農業支援プログラム。学生マイクロファーム実験、食システム教育、地域フード・サーキュラリティ実現に向けた制度的支援。
都市農との関わり: 教育機関による都市農業の実践的制度化。若世代への食農教育、大学キャンパス内での持続可能な食システム構築の実験的枠組み。
デトロイト市動物飼養条例(2025年)
2025自治体土地利用・条例米国デトロイト市デトロイト市議会が承認した動物飼養条例。住宅地での鶏・アヒル・ミツバチの飼養を許可。鶏・アヒルは最大8羽、ミツバチは最大4箱。都市農業の推進と市民の食料主権確保を目的。
都市農との関わり: 市民参加型の都市農業を法制度面で支援。10年以上の市民運動を経て実現。食料自給と地域フードシステムの構築を推進。動物を含む多次元的な都市農業活動を可能に。
ポーランド・クラクフ市民農園イニシアティブ(2025年)
2025自治体公的プログラムポーランド・クラクフ市クラクフ市が初の区画貸与型市民農園を開設。市民に指定区画での食糧栽培機会を提供。生態的実践、コミュニティ参加、社会イノベーションを促進。
都市農との関わり: 中欧における市民農業の成長を示す。EU の持続可能・包摂的・気候適応的都市開発目標を実現。
ポモナ市条例第4345号 ゾーニング・開発コード改正(2024年)
2024自治体土地利用・条例米国カリフォルニア州ポモナ市ポモナ市が1950年代以降初めてゾーニング・開発コードを包括的に改正。コミュニティ・コンポスティングへの障壁を大幅に削減。都市農業運営に関する制限を緩和。
都市農との関わり: 半世紀以上ぶりのゾーニングコード改正により、都市農業関連の規制障壁を大幅削減。特にコンポスティング施設の設置許可が容易に。有機資源循環と市民参加型農業の推進。
スウェーデン・ストックホルム市民農園地域政策(2024年)
2024自治体振興・基本法スウェーデン・ストックホルム市ストックホルム市が持続可能性政策の中で市民農園を重要な施策として位置付け。年間契約ではなく長期リース制度の確保が課題。
都市農との関わり: 北欧の先進的都市における市民農業の位置付けを示す。長期的運営の安定性が市民参加を促進。
ハル市『Right to Grow(育てる権利)』決議
2023自治体公的プログラム英国ハル市2023年9月、英国で初めて市議会が全会一致で可決した『育てる権利』の決議。市有の未利用地で住民・団体・近隣グループが食物を育てられるよう、市が適地マップを作成し、保険や水の確保といった実務上の障壁の解消を支援する。Incredible Edibleの全国運動に基づく。
都市農との関わり: 市民による公有地での食物栽培を『権利』として位置づけた先進事例。コミュニティの食・健康・荒廃地の再生につながり、他都市への波及が期待される。
アムステルダム・フード戦略(Voedselstrategie、2030年までに地域産25%)
2023自治体公的プログラムオランダ・アムステルダム市アムステルダム市が2025年に推進中の都市農業イニシアティブ。屋上農場を新築建設に組み込むことを助成金、建築基準改定、LEED認証ポイントなどでインセンティブ。2030年までに市内食料需要の25%をローカル供給、2026年までに市民参加の認識を20%に高めることを目標。
都市農との関わり: 市街地での食料自給率向上;環境負荷の低減(水使用量・農薬削減);都市緑化と生物多様性保全;市民参加型の食料システム構築;建築基準と都市計画への統合。
デトロイト市 Farm-A-Lot グラント・プログラム
2023自治体税制・補助米国ミシガン州デトロイト市デトロイト市が2023年に設立した都市農業局(Urban Agriculture Division)による支援プログラム。市民のアーバンファーミングプロジェクトに対し、市営用地へのアクセスと資金を提供。2026年には9つのローカル農業プロジェクトをオンボード。
都市農との関わり: 市営地の活用と資金支援を通じて、市民参加型アーバンファーミングを実現。食料セキュリティ、コミュニティ形成、雇用創出を促進。
メキシコシティ都市庭園法
2023自治体振興・基本法メキシコシティメキシコシティが制定した都市庭園法。コミュニティの庭園設置と管理を法的に支援。自治体による設置支援と市民参加の枠組みを構築。
都市農との関わり: 都市農業の法的基盤を確立。市民参加型のアーバンファームの成長を可能に。市営住宅・集合住宅での庭園設置を推進。
フィラデルフィア都市農業計画「Growing from the Root」
2023自治体食農政策米国ペンシルベニア州フィラデルフィア市フィラデルフィア市公園・レクリエーション局が、黒人・ブラウン系の草の根アグロエコロジー連合 Soil Generation や都市計画事務所 Interface Studio と共同で策定した、市初の都市農業計画(2023年公表)。全地区での栽培空間へのアクセス確保や、市の政策・プログラムへの都市農業支援の組み込みなど6つの目標を掲げる10年計画。最大の課題として土地の安定的確保(land security)を据える。
都市農との関わり: 空き地に育ったコミュニティ・ガーデンの多くが法的に土地を所有せず再開発で失われてきた問題に対し、ランドバンクを通じた永続的な土地アクセスの確保を打ち出すなど、市民主導のコミュニティ農園の存続を市政策として支える枠組み。
アムステルダム市 食料戦略(Voedselstrategie)
2023自治体食農政策オランダ・アムステルダム市アムステルダム市の食をめぐる包括的な政策方針。食の社会的機能、健康的な食環境、地域生産と消費の結びつき、食品ロス削減、植物性たんぱく質の推進など6つの行動ラインからなり、2023〜2026年の実行アジェンダで具体化されている。市民・大学・研究機関・農家・企業と連携し、循環型で環境にやさしい食のシステムへの転換をめざす。
都市農との関わり: 地域生産と都市の消費を結びつけ、市民菜園(moestuinen)や近郊農を含む短い食のサプライチェーンを後押しする政策枠組み。市が都市農やコミュニティガーデンに用地・支援を振り向ける根拠となる。
デリー市民都市農業政策案
2022自治体食農政策提案中インド・デリー市デリー市政府に2022年9月提出。総合的な都市農業フレームワーク。屋上・台所庭園、空き地農業利用、市場開発、動物飼育政策、啓発活動を推奨。デリーの既存慣行を基盤に策定。
都市農との関わり: 市民参加型農業の総合的枠組み。屋上利用から空き地活用、市場構築まで包括。デリー市民の食糧主権実現の戦略。
ポーランド・クラクフ「都市農業計画」
2022自治体振興・基本法ポーランド・クラクフクラクフ市が開発した都市・近郊農業計画。都市計画システムに都市農業を統合し、市民農業の政策的承認を実現。トリン、ローマ、ゲント、ブリストル、オスロ、ヴィリニュスと並ぶ先進都市として、UPA(都市農業)計画・規定を策定。市民参加型農業を都市開発計画の中心要素として制度化。
都市農との関わり: 都市計画システムにおける都市農業の公式承認、トップダウン・ボトムアップの統治モデル統合。地域コミュニティの自主性と行政支援の最適バランス実現。ポーランドの社会主義後社会における市民参加型都市復興の実例。
デリー市民農業政策(案)
2022自治体振興・基本法インド・デリー市デリー市が2022年9月に提案した都市農業の総合政策案。屋上・台所菜園を通じた家庭・コミュニティ農業の推進、遊休地の農業利用、市場の構築、動物飼育ポリシー、市民啓発の5項目を推奨。総合的な市民農業の枠組みを提供。
都市農との関わり: 包括的な市民農業政策により、デリー市民が屋上・台所菜園、コミュニティガーデンなどを展開する際の指針・支援を得られる。複数の施策が統合されることで、市民農業の定着と拡大が促進される。
ニューヨーク市 都市農業局(2021年市条例 121・123号)
2021自治体公的プログラム米国ニューヨーク市2021年の市条例(Local Law 121・123)により、市長直属の都市農業局と都市農業諮問委員会を設置。都市農業のオンラインポータルや事例マップ、教育・普及、政策提言を担う。
都市農との関わり: 市民菜園・都市農業者が情報・支援に一元的にアクセスできる窓口を制度化。GreenThumbと並ぶNYCの都市農基盤。
モントリオール都市農業戦略
2021自治体公的プログラムカナダ・ケベック州モントリオール市モントリオール市2021-2026年戦略。耕地面積を120ヘクタールから160ヘクタールに拡大。学校での都市農業推進、農業ビジネス増加。市民と多くのステークホルダーの協力で策定。コミュニティ庭園97カ所運営。土壌、堆肥、道具、水を提供。
都市農との関わり: 市民参加型農業の拡大戦略。学校教育との統合と地域経済活性化を組み合わせ、都市農業の制度化を推進。
ベルリン・コミュニティ庭園プログラム
2021自治体振興・基本法ドイツ・ベルリン州ベルリン環境交通気候保護局が2021年3月開始。参加型でコミュニティ庭園プログラムを作成。近所庭園、教育庭園、気候庭園、異文化庭園など多様な形態。プラットフォーム・プロダクティブ・シティグリーンが2019年に設立。
都市農との関わり: 多様な市民参加型庭園形態を支援。教育、気候変動対策、文化交流を統合した総合的プログラム。
キト市土地利用・開発計画 食料安全保障規定(2021年)
2021自治体食農政策エクアドル・キト市キト市が都市計画に食料安全保障を基本戦略として組み込み。包摂的・生態的発展の基盤として都市農業と関連する食料システムを位置付け。
都市農との関わり: 南米における市民農業の長期的振興政策の事例。2002年開始の AGRUPAR プログラムと連携して 20 年以上継続。
ブルアンSAE(統合型アーバンファーミング事業)
2020自治体公的プログラムインドネシア・バンドン市バンドン市食料農業局(DISPANGTAN)が2020年に開始した統合型都市農業事業。「Buruan」は庭、「SAE」はSehat(健康)・Alami(自然)・Ekonomis(経済的)の頭字語。野菜だけでなく畜産・漁業・薬用植物・果樹・生ごみの堆肥化を統合し、近隣コミュニティ単位でグループを組織。2022年時点で151地区335グループに拡大し、ミラノ都市食料政策協定(MUFPP)で受賞している。
都市農との関わり: 近隣コミュニティを単位に組織する住民参加型の都市農業モデルで、国際的に評価された自治体事業として参照価値が高い。
ワルシャワ「グラスルーツ都市農業運動」
2019自治体公的プログラムポーランド・ワルシャワ2019年にワルシャワで設立されたZasiej(ボトムアップ市民農業組織)。緑色教育、都市園芸、包摂性を中心に活動。コミュニティ種子銀行、パーマカルチャー設計・実装、園芸療法、芸術・教育プログラムを展開。学校・社会療法・健康センター・芸術機関・自治体と連携。市民主導の都市農業推進と地域統合。
都市農との関わり: ボトムアップ型市民農業運動による都市再生、多セクター連携による包摂性の実現、グラスルーツからの都市農業制度化への道筋提示。社会統合と環境改善の同時実現。
インドネシア・ジャカルタ都市農業実装規則
2018自治体公的プログラムインドネシア・ジャカルタ市ジャカルタ総督規則第14号(2018年)。都市農業の実装と「都市農業グレートデザイン2018-2030」を規定。緑地法(Law No. 26 of 2007)で規定された都市内農業活動(私有地・家庭菜園・バルコニー・屋上・建物の縦型スペース利用など)の具体的な実装。
都市農との関わり: インドネシアの大都市ジャカルタにおいて、屋上・バルコニー・隙間スペースの活用を公式に認める規制枠組み。市民参加型農業の場所確保と、官民の役割分担を明確化。2018年以降、南ジャカルタなど複数地域でコミュニティの取り組みが推進されている。
南アフリカ・ヨハネスブルグ「都市農業イニシアティブ」
2018自治体公的プログラム南アフリカ・ヨハネスブルグヨハネスブルグ市が展開する都市農業イニシアティブ。食料安全保障プログラムの一環として実施。小規模農業による短い食価値鎖を活用し、市民食料生産を通じた都市食料システムの変革を目指す。インフォーマル経済における短鎖フードシステムの商品化と自給的農業の統合。
都市農との関わり: 都市食料システムの根本的変革、インフォーマル経済セクターの正当化と支援、市民主導の食料生産による地域経済活性化。南アフリカの多層的食料不安への創造的対応。
ヨハネスブルク食料レジリエンス戦略・屋上菜園プログラム
2018自治体食農政策南アフリカ・ヨハネスブルク市ヨハネスブルク市が2018年より推進する食料レジリエンス戦略。食料レジリエンス部門(Food Resilience Unit)とヨハネスブルク開発機関(JDA)が連携し、インナーシティの建物屋上をハイドロポニック野菜農園として整備・運営。脆弱層の食料セキュリティと都市農業の推進を統合。
都市農との関わり: 脆弱層(都市貧困層)の直接的な食料アクセス向上、起業・雇用機会創出、インナーシティの経済活性化、ヒートアイランド対策。市当局による直接投資と運営モデル。
イスタンブール市都市農業フレームワーク・ガイドライン
2018自治体振興・基本法イスタンブール市(トルコ)イスタンブール市が制定した都市農業支援フレームワーク。屋上菜園、空地活用、コミュニティガーデンの設置と支援に関する指針を示す。古い庭園の保全と新しい都市農業イニシアティブの両立を目指す。
都市農との関わり: 市民による屋上・空地農業の正当化と支援。旧市街地のヨディキュレ・ボスタンラルなどの歴史的菜園保全と、新規プロジェクトの奨励を両立させる政策枠組み。
クラクフコミュニティガーデン規制 - 市長令2715/2023
2018自治体公的プログラムクラクフ、ポーランドコミュニティおよび学校ガーデンの枠組みを確立する市立規制。イニシアチブグループへの市立地の無料リース提供で25以上のコミュニティガーデンを支援。
都市農との関わり: イニシアチブグループ形成を通じた正式な参加的ガバナンスを含む。社会的結束とコミュニティ構築目標を優先。
ポーランド・ワルシャワ都市庭園支援
2017自治体振興・基本法ポーランド・ワルシャワ市ワルシャワ市2017年設立プログラム。住民がコミュニティ庭園の立ち上げと管理を支援。知識、資材、能力構築教育、ネットワーキング機会を提供。コミュニティ庭園委員会がプログラム実施に参加。
都市農との関わり: 市民参加型庭園の設立と管理を直接サポート。知識・資材・ネットワークの提供により、市民農業を実装。
メキシコシティ 都市菜園法(Ley de Huertos Urbanos)
2017自治体振興・基本法メキシコ・メキシコシティ2015年のミラノ都市食料政策協定への加入を受け、2017年に公布。食料持続可能性システムの一環として、樹木・壁・ファサード・屋上などの既存要素を活用して市民が都市菜園を設けることを認める。都市農業プログラム(2007年開始、Sederec)を法的に補強する。
都市農との関わり: 市民が公共・私有の都市空間で菜園を設ける権利を法で後押しした例で、屋上緑化を含む参加型都市農業の法的基盤となる。
メキシコシティ都市庭園法 2017
2017自治体緑化規定メキシコシティ、メキシココミュニティガーデンと都市農業を促進する自治体法。公開空地をコミュニティガーデン設立用に指定。2022年改正で保護空地を拡大。
都市農との関わり: 近隣参加を伴うコミュニティガーデン管理委員会を設立。青年雇用と女性農民訓練プログラムを含む。
パリ市 レ・パリスクルトゥール(Les Parisculteurs)
2016自治体公的プログラムフランス・パリ市2016年にパリ市が始めた都市農業プログラム。屋上・壁面・駐車場・空き地などの公共・民間サイトを公募し、農業プロジェクトの事業者をマッチングする。これまでに70件超のプロジェクトが実現した。
都市農との関わり: 行政が場所を募り事業者に開放する『マッチング型』の代表例。都市の遊休空間を農的利用へ動かす公的な仕組みとして参考になる。
サンフランシスコ市 ベター・ルーフ条例(生きた屋根/太陽光)
2016自治体緑化規定アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ市2016年制定・2017年1月施行(条例第221-16号、都市計画法第149条)。新築建物に対し、屋根面積の15%を太陽光、または30%を「生きた屋根(緑化屋根)」とすることを義務づける。SOMA地区ではより厳しく、太陽光15%かつ緑化屋根50%。緑化屋根は培土の深さ4インチ以上が求められる。雨水流出・エネルギー消費の削減、生物多様性向上を目的とする。
都市農との関わり: 緑化屋根を新築に義務づける代表的なグリーンビルディング条例。培土のある屋根は食用栽培への転用余地があり、都市の栽培空間創出の制度的基盤となる。
バンクーバー市 アーバンファーム・ガイドライン(2016年)
2016自治体土地利用・条例カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市2016年にゾーニング・営業許可条例の改正とともに導入されたアーバンファーム・ガイドライン。都市農業を正当な事業活動として認め、規模・立地を問わず全農場に営業許可取得を義務づける。農場を「住宅型」と「商業型」に区分し、住宅型は10ドルの許可、商業型は開発許可と農場管理計画の提出を要する。公衆衛生上、栽培は果物・野菜に限定される。
都市農との関わり: 都市農業を正規の事業として制度化し、住民が住宅地でも許可を得て栽培・販売できる枠組み。市民参加型の都市農業事業化の参照事例。
クライストチャーチ市 コミュニティガーデン・ガイドライン
2016自治体振興・基本法ニュージーランド・クライストチャーチ市クライストチャーチ市議会が食料レジリエンス方針に沿って策定したコミュニティガーデンのガイドライン。市の役割をコミュニティガーデンや食用栽培空間を「可能にし奨励する」ことと位置づけ、リースやライセンスを通じた公的用地でのガーデン設置の手続きを定める。ニュージーランドの地区計画(District Plan)の中でも、市場菜園・菜園区画・コミュニティガーデンを都市環境で明示的に認める数少ない例とされる。
都市農との関わり: 市民グループが公共用地にコミュニティガーデンを設置するための具体的な手順と市の支援を示す文書。ニュージーランドでは都市農が「農村活動」として扱われがちな中で、都市部での菜園を明確に位置づける先進例として市民が活用できる。
ローマ市 共有菜園・市民農園規則(2015)
2015自治体農地保全・貸借イタリア・ローマ市2015年7月に承認された、市民が管理する共有菜園・市民農園(orti urbani)を公有地で正式に位置づけ、その設置・運営の枠組みを定めたローマ市の規則。Zappata Romanaなど市民運動の高まりに対する行政の応答として生まれた。
都市農との関わり: 市民主導の都市菜園を制度的に認め、公有地を菜園として利用する道を整えた。市民の農的活動に法的な裏づけを与える。
ナイロビ市郡都市農業振興・規制法(2015)
2015自治体振興・基本法ナイロビ市郡(ケニア)ナイロビ市が2015年に制定した都市農業振興・規制法。都市での農業実践を法的に許可し、規制の枠組みを確立。ナイロビ市郡都市農業振興アドバイザリーボードを設置し、屋上庭園、アクアポニクス、ハイドロポニクスなどの革新的な都市農業形態を認識・保護。
都市農との関わり: ナイロビのスラム地域(キベラなど)における市民参加型都市農業を合法化し、ライセンス制度、食料安全性基準、廃棄物管理ガイドラインを導入。農民と土地所有者に保護と正当性を提供。
メキシコシティ都市農業振興プログラム(2015~)
2015自治体公的プログラムメキシコシティ市(メキシコ)メキシコシティ市が2015年以降に導入した都市農業振興プログラム。27のプロジェクトを支援し、うち8つは年間95トンの食料生産を達成。空地、屋上、バルコニーなど既存空間を活用した市民農業を支援。
都市農との関わり: メキシコシティの食料安全保障、環境衛生、コミュニティ開発、市民参加を統合した政策。失業対策と家族経済の向上も含む。
台北市ガーデンシティ・ポリシー及びコミュニティ農業振興
2015自治体振興・基本法台北市(台湾)台北市が2015年に開始したガーデンシティ政策。2020年までに740以上の市民菜園を推進、計21万3,000㎡以上の農業地を市民に開放。コミュニティ農業推進センターを設置し、市民による農業スペース導入を支援。
都市農との関わり: 台北市が市民農業の組織化と支援体制を整備。高密度都市における市民参加型農業を大規模に展開する政策モデル。
ミラノ都市食料政策協定(Milan Urban Food Policy Pact)
2015自治体食農政策イタリア・ミラノ市(発起)・世界200超の署名都市2015年10月15日、ミラノ万博を機に113都市の市長が署名した、都市間では世界初の食料政策に関する国際協定。持続可能で包摂的・強靭な都市食料システムづくりを掲げ、ガバナンス、持続可能な食生活と栄養、社会的・経済的公正、食料生産(都市農業と都市・農村連携を含む)、供給と流通、食品ロス削減の6分野37の推奨行動を示す。署名都市は現在200を超える。
都市農との関わり: 都市農業とコミュニティガーデンを都市食料政策の柱として国際的に正当化した枠組み。多くの署名都市がこの協定を根拠に食料政策室や都市農業支援策を立ち上げている。
台北市「田園城市」政策(Garden City Initiative)
2015自治体公的プログラム台湾・台北市柯文哲市長が2015年に開始した市の政策。市民運動『都市農耕ネットワーク』の政策白書を市が受け入れて成立した経緯を持ち、コミュニティガーデン・屋上菜園・学校菜園・市民農園の4類型を市が支援する。用地を集約する『ガーデンバンク』や農業技術の指導体制を整え、対象サイト数は2015年の292から2020年には733へと拡大した。
都市農との関わり: 市民運動の提言がそのまま市の看板政策になった、市民主導の都市農政策の代表例。高密度都市での可食ガーデンの制度化モデルとして国際的に研究されている。
ナイロビ市県都市農業振興規制法
2015自治体振興・基本法ケニア・ナイロビ市県ナイロビの都市農業実践の規制枠組みを確立。土地・水アクセス、食品安全、環境保全、有機廃棄物管理の基準を規定。ナイロビ市県都市農業振興アドバイザリーボード設置。
都市農との関わり: ナイロビにおける市民参加型都市農業の実践を法的に支援。土地アクセス、食品安全、環境規制の基準化により、持続可能な農業実践を推進。
ボゴタ 都市・近郊アグロエコロジー農業地区プログラム(市議会合意第605号/2015)
2015自治体振興・基本法コロンビア・ボゴタ首都特別区2015年の市議会合意第605号が、都市・近郊アグロエコロジー農業プログラムを制度化する指針を定めた。ホセ・セレスティーノ・ムティス植物園が実施主体となり、市内20地区で「ボゴタは私の菜園」等を通じて技術支援・研修・資材提供を行い、食料主権と都市緑化を進める。
都市農との関わり: 2万人超の都市農民と4千超の菜園を支える、ラテンアメリカ先進の参加型都市農業公共政策として参照される。
台湾台北市ガーデンシティ・イニシアティブ(2015年)
2015自治体公的プログラム台北市(台湾)2015年に台北市が都市農業を優先政策として制定。公園局が主要機関。市有地の一時的利用スキームにより、ゾーニング変更なしに市民団体が農業スペースを採択・管理。2020年には 733 サイト(コミュニティ菜園 102、屋上菜園 76、学校菜園 284、学校屋上菜園 253、家庭菜園 18)に拡大。
都市農との関わり: 市民参加型都市農業の体制的転換モデル。行政多部門連携による制度設計。コンパクト都市での市民農業の実装可能性を実証。
エジプト・カイロ都市農業支援プログラム
2015自治体公的プログラムカイロ市(エジプト)カイロ市が公式に認定した都市農業支援プログラム。屋上菜園、ハイドロポニクス、コミュニティガーデンを食料安全保障戦略の一部として位置付け。市民による農業実践の正当化と支援制度を提供。
都市農との関わり: エジプトの水資源制約下で食料安全保障を向上させるため、屋上ハイドロポニクスなど効率的な都市農業形態を促進。市民参加のエンパワーメント。
ナイロビ都市農業法 2015
2015自治体土地利用・条例ナイロビ、ケニアナイロビにおける都市農業を可能にする条例。地域および商業農業のための適切なゾーンを指定。
都市農との関わり: 農業グループの確立による強力なコミュニティ参加。女性参加を奨励(割り当てプロットの30%)。
ワシントンDC食料政策協議会・食料政策局
2014自治体食農政策米国ワシントンD.C.(コロンビア特別区)2014年に全米初の行政直轄型として設置された食料政策協議会と食料政策ディレクター局。生鮮処方や農産物市場アクセス等の政策を進めたが、2025年以降ディレクター職が空席のまま体制が空洞化し、市長のFY2027予算案は根拠法の廃止と協議会・局・常勤3ポストの廃止を提案した。
都市農との関わり: 『全米初』とされた行政直轄の食料政策機関が予算削減で法的に廃止提案されるに至った象徴的な後退例。
ヤラ市 都市農業戦略 2014–2018
2014自治体公的プログラムオーストラリア・ビクトリア州ヤラ市(メルボルン都市圏)メルボルン都市圏のヤラ市が策定した、2014–2018年を対象とする都市農業戦略。コミュニティガーデン、ナチュラルストリップ(歩道脇)での栽培、食用樹木、公共用地での食料生産を支援・拡大し、市民が地域で食料を育てられる環境づくりを目指す自治体計画。期間としては2014–2018年だが、ヤラ市の都市農業への取り組みの基盤として継続的に参照されている。
都市農との関わり: オーストラリアの自治体による都市農業政策の代表例。コミュニティガーデンや歩道・公共空間での栽培に対する市の支援枠組みを示し、住民グループが用地確保や許可を得るための根拠となる。
デトロイト市 都市農業条例(2013)
2013自治体土地利用・条例米国デトロイト市都市農場(1エーカー超)と都市菜園(1エーカー未満)を定義し、ゾーニング上の扱いを明確化した市条例(2013年)。住居系を含む多くの用途地域で菜園を「許可された用途」とし、敷地内での農産物販売や少数の家禽飼育も認めた。
都市農との関わり: 大量の空き地を抱える都市で、農的利用を合法化・標準化した代表例。空き地活用型の都市農の制度モデルとして参照される。
バルセロナ「空地活用計画」(Pla BUITS)
2013自治体農地保全・貸借スペイン・バルセロナ市市が所有する未利用地を、非営利団体・公益団体に1年(更新で最長3年)の暫定使用として割り当て、近隣の社会的・コミュニティ的活動に活用する仕組み。割り当て先の多くが社会的な市民菜園で、第1回(2013年)は12件、第2回(2015年)は5件が選ばれた。
都市農との関わり: 都市の遊休地をコミュニティ菜園へと転換する公式の手続きを市民・団体に提供し、住民の参加と地域のつながりづくりを後押しする。
ロサンゼルス都市農業インセンティブゾーン法
2013自治体土地利用・条例米国カリフォルニア州ロサンゼルス市カリフォルニア州2013年。地主が都市農業に土地を利用することに同意すれば、固定資産税優遇を提供。低所得地域での農業推進が目的。ロサンゼルス市議会は6月13日に全会一致で承認。
都市農との関わり: 市民参加型農業を促進する税制優遇制度。土地所有者のインセンティブを提供し、遊休地の農業利用を推進。
デトロイト市 都市農業条例(2013年)
2013自治体土地利用・条例アメリカ・ミシガン州デトロイト市2013年4月に成立したゾーニング条例で、都市農業の用途定義と付属用途の基準を定める。「マーケットガーデン」と「アーバンファーム」を区別し、それぞれにゾーニング規則を設定。かつてゾーニング上禁止されていたコミュニティ菜園を合法化し、住宅地の菜園敷地では小規模な直売スタンドでの販売を認める。大学・地域団体・住民の協働で起草された。
都市農との関わり: 空き地が多い縮退都市で、住民の非公式な菜園活動を合法化・制度化した象徴的条例。市民参加を制度に取り込んだ好例。
ソウル特別市 都市農業の育成及び支援に関する条例
2012自治体振興・基本法韓国ソウル特別市2012年にソウル市が制定した都市農業の育成・支援条例。週末農園・屋上菜園・箱型菜園(상자텃밭)の普及、教育、コミュニティ支援の根拠となり、その後の韓国各地の都市農業条例の先駆けとなった。
都市農との関わり: 東アジアの大都市が市レベルで市民農業を制度化した代表例。区ごとの支援事業や公共空間の菜園化を支える。
ソウル都市農業計画
2012自治体振興・基本法韓国ソウル特別市ソウル市2012年計画。屋上農地展開、都市野菜庭園設置、コミュニティ参加促進。春の抽選で住民にプロット割り当て。農場クリニックで技術支援。19地区の4,000農場でクリニック開催。200ヘクタール以上の屋上農地を運営。
都市農との関わり: 市民参加型食糧生産の大規模展開プログラム。屋上空間の活用と農業技術支援により、都市農業を制度化。
ロッテルダム『食と都市』都市農業戦略(Food and the City)
2012自治体振興・基本法オランダ・ロッテルダム市2012年に市が公表した都市農業促進政策(stadslandbouw)。健康・持続可能な経済・都市環境の質という3目標のもと、市民・事業者による都市農業を支援し、市がどこで都市農業が可能かを示す。2010年設置のシンクタンクと2013年の地域フードカウンシルが体制を支える。
都市農との関わり: 市民・起業家主導の都市農業を市が明示的に後押しした、オランダの代表的な自治体都市農業戦略。
プラハ・コミュニティガーデニング・ガイドライン
2012自治体公的プログラムチェコ共和国・プラハプラハ市が2012年に制定した、コミュニティガーデン設立・運営のガイドライン。公的および民有地でのコミュニティガーデン設立を支援・規制する枠組みを提供。
都市農との関わり: 市民農業をまちづくり・コミュニティ形成の中核に位置づけ、包括的なガイドラインにより実践者のアクセス障壁を低減。社会的農業(Social Farming)の公的認識と法的基盤整備。
リマ都市圏 都市農業振興 枠組み条例 第1629号
2012自治体振興・基本法ペルー・リマ都市圏(リマ・メトロポリターナ)2012年9月にリマ都市圏(リマ・メトロポリターナ)が制定した枠組み条例。環境管理・食料安全保障・社会的包摂・地域経済発展の戦略として都市農業を振興する。家庭菜園、共同菜園、学校・公共/民間機関の菜園、生産的菜園、アグロパーク(公園菜園)、所有者との合意に基づく空地活用など、多様な都市農の形態を位置づける。
都市農との関わり: 市民の都市農を市政の枠組みに組み込み、後続の区レベルの条例(コマス区など)の基盤となった。世界有数の乾燥都市リマで、住民が土地にアクセスして食物を育てる活動を制度的に後押しする。
リスボン市営園芸公園プログラム(Parques Hortícolas Municipais)
2011自治体公的プログラムポルトガル・リスボン市リスボン市が2011年にベンフィカ地区(キンタ・ダ・グランジャ)で始めた市営園芸公園プログラム。市内に21の園芸公園・約850区画・計9.5haを整備し、有機栽培の研修と常設の技術支援を提供する。区画は公報での公募・公開抽選で市民に割り当てられ、誰でも応募できる。
都市農との関わり: 都市住民が低廉な負担で食物栽培のための土地に安定的にアクセスできる公的な仕組みで、市民主導の都市農を制度として支える。区画は園芸公園(広場・遊び場等を含む)に統合され、市街地の緑化・交流の基盤にもなっている。
シカゴ市 都市農業ゾーニング条例改正(2011)
2011自治体土地利用・条例米国イリノイ州シカゴ市2011年9月に市議会が可決したゾーニング条例の改正。コミュニティガーデン(上限25,000平方フィート=約2,300㎡)と都市農場を土地利用として正式に定義し、市内の大半の用途地域で原則許可(by right)とした。水耕・アクアポニクスや養蜂も条件付きで認め、大規模農場の柵・駐車場要件を緩和して、長い許認可手続きなしに菜園・農場を開ける環境を整えた。
都市農との関わり: デトロイトと並び、米国大都市が都市農業をゾーニングで正面から位置づけた初期の代表例。菜園を『合法な土地利用』にすることが市民農の普及の前提であることを示した。
シカゴ市 都市農業ゾーニング条例改正(2011年)
2011自治体土地利用・条例アメリカ・イリノイ州シカゴ市2011年9月に市議会が可決したゾーニング条例改正。「コミュニティガーデン」を公園・レクリエーション用途と定義し、屋内・屋外・屋上の3種の「アーバンファーム」を定義。コミュニティガーデンは全ゾーニング区で許可、アーバンファームは多くの非住宅区で許可。菜園規模上限を25,000平方フィートに拡大し、水耕・アクアポニクスや養蜂を一定条件で認め、大規模商業農場の柵・駐車要件を緩和した。
都市農との関わり: 大都市が都市農業を正式な用途区分として全域的に許可した重要な事例。市民のコミュニティガーデンを全区で右許可とした点が参加型に直結。
リスボン市 都市菜園プログラム(園芸公園網)
2011自治体農地保全・貸借ポルトガル・リスボン市リスボン市が空地や荒れた公園を市民農園区画を備えた『園芸公園(parques hortícolas)』へと転換するプログラム。2008年の市グリーンプランと生物多様性行動計画の目標を実現するため2011年に開始され、2020年までに20の園芸公園・約750〜800区画に拡大した。失業者・高齢者・低所得層に区画が優先される。
都市農との関わり: 市民・家族・地域団体・学校に低廉で安定した栽培用地を供給し、緑のインフラと社会包摂を結ぶ。キンタ・ダ・グランジャなど市内の市民農園を生み出す制度的枠組み。
ワルシャワコミュニティガーデンプログラム - サシエズカ(近隣)
2010自治体公的プログラムワルシャワ、ポーランド野菜、果実、ハーブの生態的栽培を強調するコミュニティ管理ガーデンの市立支援プログラム。コミュニティガーデンプロジェクト向け助成金を提供。
都市農との関わり: 近隣ベースのガーデン管理委員会による参加的ガバナンス。都市農業と社会統合に関する教育プログラムを含む。
トロント市 グリーンルーフ条例
2009自治体緑化規定廃止カナダ・トロント市施行期間: 2009–2025
2009年制定、北米初の屋上緑化義務条例。延床2,000㎡以上の新築建築に、屋根面積の20〜60%の緑化を義務づけ(代替の納付金制度あり)。約16年間(2009〜2025年)施行され、1,200超の屋上緑化を生んだ。
都市農との関わり: 屋上緑化を起点に屋上農園が広がる土壌をつくった制度。廃止の経緯も含め、緑化義務と都市農の関係を考える素材になる。
廃止理由: オンタリオ州政府が2025年(10月23日署名のorder-in-council、11月3日発効)により、トロント市法の根拠条項を削除して廃止。「住宅・インフラを速く建てる」政策(Bill 17:Protecting Ontario by Building Faster and Smarter Act 2025 ほか)の一環で、緑化を任意化しコスト削減を図るとした。協議・猶予期間・補償はなく、チャウ市長ら反対派は雨水流出抑制・省エネ・温室効果ガス削減の効果が失われると批判した。
トロント市 緑化屋根条例
2009自治体緑化規定カナダ・オンタリオ州トロント市2009年に北米初の自治体レベル緑化屋根義務化条例として制定。延床2,000㎡以上の商業・集合住宅・施設等の新築に、規模に応じ屋根面積の20〜60%の緑化を段階的に義務づける。雨水管理・都市ヒートアイランド緩和・省エネが主目的。2025年11月にオンタリオ州建築法上の適用が変更された旨の報道があり、Eco-Roof助成や都市基準は継続している。
都市農との関わり: 緑化屋根を制度的に都市へ組み込んだ先駆的条例。緑化された屋根は食用栽培(可食緑化屋根)への展開余地があり、都市農地創出の基盤として参照される。
コペンハーゲン屋上緑化義務化政策
2009自治体緑化規定コペンハーゲン市(デンマーク)コペンハーゲン市の気候計画(2009年採択)の一環。傾斜30度未満の全屋根に植生被覆を義務付け。屋上農場・屋上庭園を推奨。2011年に初の学校屋上農場がBlågårds Schoolに設置。
都市農との関わり: 強制的な屋上緑化を通じた都市農業推進。気候中立性達成と食料自給率向上の統合的戦略。商業的垂直農業施設の補助施策と連携。
ポルトガル・リスボン「2008年グリーンプラン」
2008自治体振興・基本法リスボン市リスボン市の2008年グリーンプランに基づく都市アロットメント庭園プログラム。2011年から実施開始。遊休地・劣化公園を市民庭園に転換。20の都市アロットメント公園、750のアロットメントを運営(2020年時点)。失業者・高齢者・低所得層へのアクセス優先。2020年、リスボンは欧州グリーン首都賞受賞。
都市農との関わり: 遊休地の有効活用。環境・社会・経済の多面的便益。社会的包摂と福祉向上の施策。市民の緑空間アクセス保障。
南アフリカ・ケープタウン「都市農業政策」
2007自治体食農政策南アフリカ・ケープタウンケープタウン市が策定した都市農業政策。食料不安が深刻な非公式定住地での食料安全保障向上を目的とする。西ケープ州農業局と連携し、拡張部門を通じた農業支援を実施。市民参加型の都市農業を公式政策化し、政府と市民社会の連携による食料正義と地域発展を推進。
都市農との関わり: 都市部の食料不安への体系的対応、非公式定住地への食料アクセス改善、官民連携による持続可能食料システム構築。南アフリカのポストアパルトヘイト社会における社会正義と食料民主主義の実装。
クリーブランド市 都市菜園地区(ゾーニング条例第336章)
2007自治体土地利用・条例アメリカ・オハイオ州クリーブランド市2007年にゾーニング条例を改正して創設した「都市菜園地区(Urban Garden District)」。地域の食料生産・健康・教育・緑地保全のために都市菜園を正式な用途区分として位置づけ保護する。営利目的の「マーケットガーデン」とコミュニティガーデンを区別し、温室・フープハウス・農具小屋等の付属構造物や、離隔距離・高さ・駐車・柵などの基準を定める。
都市農との関わり: 都市農業を独立したゾーニング区分として明文化した米国の先駆例。市民のコミュニティ菜園を「最善の土地利用」として保護する点が参加型に直結する。
ケープタウン市 都市農業政策(2007年)
2007自治体振興・基本法南アフリカ・ケープタウン市2006年12月承認・2007年に採択された、南アフリカで唯一の市の都市農業政策。世帯の食料安全保障の改善と、恵まれない世帯の収入創出という二本柱を掲げる。一定所得以下の個人・グループが市に申請すれば、種子・農具・研修・水の補助等の基本的支援を受けられる。明確な実施戦略と行政体制を定め、最貧困層を主要な受益対象とする。
都市農との関わり: 貧困層への直接支援を制度化した市政策で、市民(特に低所得層)の農業参加を公的に後押しする枠組みとして重要。
カンパラ市 都市農業条例(2006年)
2006自治体農地保全・貸借ウガンダ・カンパラ市2005年に承認され2006年に施行された、都市・近郊農業を合法化する条例群(5本の一つ)。それ以前カンパラでは都市農業は違法だった。市内で農業を行う個人には許可、農業事業者には免許を義務づけ、公有地を都市農業に開放して住民の家計食料安全保障を高めることを狙う。安全・衛生基準を伴う法的枠組みを整備した。
都市農との関わり: 都市農業を「違法」から「許可制の正当な土地利用」へ転換した先駆的条例で、公有地開放と住民参加の制度設計として重要。
カンパラ市都市農業条例(5件) 2005-2006
2005自治体土地利用・条例ウガンダ・カンパラ市カンパラ市が2005年に認可、2006年に施行した5つの市条例。都市農業の法的枠組みを確立。農家のライセンス・許認可制、衛生・安全基準の設定、農業従事者への土地保有権付与、支援サービスの提供、湿地地保護を規定。
都市農との関わり: カンパラの都市農業が1980年代から非公式に展開されていたため、初めて法的規制枠を創設した重要な条例。市民農家の土地保有権を認め、ライセンス制で農業従事者を支援・保護。アフリカの都市農業政策の先例。
カンパラ都市園芸条例 2005
2005自治体土地利用・条例カンパラ、ウガンダカンパラにおける都市園芸の枠組みを確立する自治体条例。公開空地と住宅敷地の食料生産利用を許可。
都市農との関わり: 近隣ガーデン委員会による高いコミュニティ参加。女性農民グループと青年雇用の正式な仕組みを含む。
パリ市「メインヴェルト憲章」(共有菜園プログラム)
2003自治体公的プログラムフランス・パリ市2003年にパリ市が始めた共有菜園(ジャルダン・パルタジェ)の制度。市有地に住民団体が菜園を開設・運営するための憲章と枠組み協定を定め、団体は参加型の運営、社会的つながりづくり、環境に配慮した庭づくり、定期的な一般公開を約束し、市は土地と支援を提供する。以降、市内の共有菜園ネットワークが継続的に拡大する基盤となった。
都市農との関わり: 市民団体と市の役割分担を『憲章』という形で定式化した、コミュニティガーデン制度の古典的モデル。後のパリスクルトゥールなど都市農政策の素地をつくった。
ロサリオ市 都市農業プログラム(PAU)・市営コミュニティ菜園条例
2002自治体公的プログラムアルゼンチン・ロサリオ市2001年の経済危機を受けて2002年に始まった市の公共政策。条例7341号(2002年)で市営コミュニティ菜園プログラムを制度化し、市域の36%と推計された遊休地(線路脇・低湿地・未整備緑地など)をアグロエコロジー菜園として開放した。道具・種子・研修の提供から常設の青空市(ferias)での販売支援まで一貫して支え、開始2年で約800の菜園が約4万人分の野菜を生産。2020-21年にはWRIのPrize for Citiesの大賞を受賞した。
都市農との関わり: 危機対応から恒久的な土地利用政策へと発展した、南米で最も著名な市民都市農業の制度。遊休地の農的利用と生産者の生計支援を一体で設計したモデルとして世界的に参照される。
キト 参加型都市農業プログラム(AGRUPAR)
2002自治体公的プログラムエクアドル・キト首都圏1990年代の経済危機を受け、2002年にキト首都圏市が創設。当初は持続可能人間開発局が運営し、2005年以降は経済振興公社CONQUITOが実施。女性・難民・高齢者・障害者・先住民など周縁化された層を対象に、食料生産・市場向け農業・環境保全・消費習慣改善を支援する。
都市農との関わり: 社会的包摂とジェンダー平等を明示した参加型都市農業の代表例で、食料安全保障と生計向上を両立させた運用実績が長い。
ロサリオ 都市農業プログラム(Programa de Agricultura Urbana)
2002自治体農地保全・貸借アルゼンチン・ロサリオ市2002年の経済危機下に市が創設し、住民に研修・種子・資材・栽培地を提供。2004年の市条例で空き公有地を都市貧困層へ一時的に貸与する仕組みを整え、2015年には『緑のベルト』条例で800haの近郊地をアグロエコロジー生産用に恒久指定した。
都市農との関わり: 空き公有地の一時貸与を条例化して市民の耕作地アクセスを保障した、土地保有面での参加型都市農業の代表例。
ポートランド・マルトノマ食料政策協議会
2002自治体食農政策廃止米国オレゴン州ポートランド市・マルトノマ郡施行期間: 2002–2012
2002年に市・郡の市民諮問機関として設置され、都市農業を認める区画整理の変更や新規就農者研修などに関わった食料政策協議会。委員と行政スタッフの方向性の不一致や役割認識のずれから機能不全に陥り、2012年夏に「存在意義を失った」として解散された。
都市農との関わり: 先進的とされた自治体食料政策協議会が制度設計・役割合意の欠如で解散に至った代表例で、失敗要因が学術論文に詳細記録されている。
ロサリオ市立都市農業プログラム(PAU)2002-2020
2002自治体公的プログラムロサリオ、アルゼンチンロサリオ全域で700以上のコミュニティガーデンを運営する長年の市立プログラム。年間2,500トンの野菜を生産し、2,400以上の家族を農業生態的生産で訓練。
都市農との関わり: コミュニティ主導のガバナンスを重視。農民協会の正式な参加メカニズムを伴う不利な立場の地域を優先。
トロント都市農業アクションプラン
2001自治体公的プログラムカナダ・オンタリオ州トロント市トロント市2001年2月。カナダ初の包括的な複数セクター食糧安全保障計画。トロント・フード・チャーター承認。正式プランでは農業が開放空間ゾーンで許可された土地利用。コミュニティ庭園は100カ所以上。
都市農との関わり: カナダ初の総合食料安全保障計画。市民参加型農業を都市計画に統合し、制度化。100以上のコミュニティ庭園を展開。
ニューヨーク市コミュニティガーデン競売計画(グリーンサム)
1999自治体農地保全・貸借廃止米国ニューヨーク州ニューヨーク市施行期間: 1999–2002
1999年、ジュリアーニ市政が住宅開発のため114のグリーンサム・コミュニティガーデン用地を競売にかけようとした市の土地処分方針。住民の訴訟・抗議と非営利団体による買取、さらに州司法長官の環境影響審査を巡る提訴を受けて競売は中止され、2002年の和解で多数の農園が恒久保全された。
都市農との関わり: 都市農地を一方的に処分しようとした自治体方針が訴訟と世論で撤回された典型例で、土地保有の脆弱さと保全スキームの重要性を示す。
ベロオリゾンテ 食料安全保障政策(市条例第6.352号/都市農業・アグロエコロジー支援政策)
1993自治体食農政策ブラジル・ベロオリゾンテ市1993年の市条例第6.352号が食料安全保障の政策枠組みを定め、食料供給市局(SMAB、現SUSAN)を創設。地元生産者と消費者の直結、公共調達による地域農業の多様化などを進め、都市農業・アグロエコロジー支援を市の食料供給政策の一部として位置づけた。
都市農との関わり: 市民の食料アクセスを軸に都市農業を都市政策へ統合した先駆例で、参加型の食料システム構築のモデルとされる。
シアトル市 Pパッチ・コミュニティ園芸プログラム
1973自治体公的プログラム米国シアトル市シアトル市が運営する全米有数の自治体コミュニティ園芸プログラム。1973年にウェッジウッド地区のピカルド家の農地の一角で始まり、1974年に市議会が制度化した(「P」はピカルド家にちなむ)。現在は近隣局(Department of Neighborhoods)と非営利の土地信託が共同で管理し、2023年時点で91のPパッチ・3,000区画超を約3,500世帯が耕している。
都市農との関わり: 市が用地・運営の枠組み・スタッフを提供し、市民が低廉な負担で安定的に菜園区画を借りられる、市民主導の都市農を半世紀にわたり支える制度。自治体がコミュニティガーデンを恒常的な公共サービスとして位置づけたモデルケースで、各地の都市農政策の参照点となっている。
マイアミショアーズ村 前庭野菜栽培禁止条例
自治体土地利用・条例廃止米国フロリダ州マイアミショアーズ村施行期間: ?–2019
美観を理由に住宅前庭での野菜栽培を禁じた村の条例。2013年、17年続けた前庭菜園の撤去を命じられた夫婦が訴訟を起こし、2017年に州地裁は条例を支持したが、2019年の州法SB 82により無効化された。
都市農との関わり: 自治体の景観規制が市民の自家栽培を阻みうることを示す事例。最終的に州の先制法によって覆された。
廃止理由: 2019年のフロリダ州法 SB 82 により、住宅地の野菜菜園を規制する地方条例は無効・執行不能とされた。
バンクーバー市 都市農業ガイドライン・市民菜園支援
自治体公的プログラムカナダ・バンクーバー市バンクーバー市の都市農業に関する一連の方針・運用指針。公園や市有地での市民菜園・果樹園の設置運用の指針、民間開発地での食の景観づくりの設計指針を整え、市が用地探し・利用協定・環境教育を支援する。『グリーネスト・シティ行動計画』の地域食料目標とも連動する。
都市農との関わり: 市民による菜園づくりを公有地・民間地の双方で制度的に後押しし、用地確保や運営協定のハードルを下げる。北米の自治体による都市農業支援の代表例の一つ。
タイ・バンコク市農業プログラム
自治体公的プログラムタイ・バンコク市バンコク都市圏が実施する都市農業プログラム。空き地の公有地活用許可、地区自治体との連携、経験農家と初心者農家の相互支援とメンタリング、種子・資材・施設の提供。EAST枠組み(Easy, Attractive, Social, Timely)に基づいた長期継続を促進するコミュニケーション戦略。
都市農との関わり: 地域内ネットワークに根ざした都市農業支援モデル。政府機関が土地(空き地)と初期支援を提供し、コミュニティが知識・資源を相互共有する仕組みが機能している。タイの13地域・325世帯の参加実績があり、市民参加型農業の効果実証となっている。
フォートワース市 § 5.146 「都市農業・コミュニティガーデン条例」
自治体土地利用・条例米国テキサス州フォートワース市フォートワース市が定める都市農業・コミュニティガーデンに関する市条例。住宅地の前庭・空き地での菜園栽培、コミュニティガーデン、屋上農業などを規制・許可する基準を提供。
都市農との関わり: 市条例による都市農業許可枠組みを通じて、住宅地での市民農業の実装と地域コミュニティの食糧生産を推進。
バンコク市街地農業支援プログラム
自治体公的プログラムタイ・バンコク市バンコク市が大学や地域組織と連携して、屋上菜園やコミュニティガーデンを支援する総合プログラム。有機栽培技術の普及と市民参加の拡大を目標とする。
都市農との関わり: 屋上ガーデニングの公式支援、市民参加型ガーデンの推進、技術訓練の提供により、都市農業の実践的基盤を構築。
ブラジル・サンパウロ市都市農業制度化プログラム
自治体振興・基本法ブラジル・サンパウロ市サンパウロ市の都市農業政策は、市民社会と政府の協働により発展。市民団体による提案・実行が政策立案者に認識され、市政府の官僚が社会活動に関与しながら、都市・近郊農業政策の段階的な制度化を推進。
都市農との関わり: 市民主導のガーデン・プログラムが政策化される过程を示す。官民連携による都市農業の制度的基盤構築のモデルケース。
カナダ・トロント市ゾーニング改正による都市農業の制度化
自治体土地利用・条例カナダ・トロント市トロント市がゾーニング条例を改正し、コミュニティガーデン・屋上菜園・空き地活用農業を法的に正規な用途として明記。公有地・私有地の双方で市民参加型ガーデンの設置を可能にし、都市農業を都市計画に統合。
都市農との関わり: ゾーニング改正により、市民ガーデンの法的地位が確保され、都市農業の実践的基盤が拡大。民間事業者の参加も促進。
メデジン『きみと菜園を(Huertas con Vos)』プログラム
自治体公的プログラムコロンビア・メデジン市市の農業菜園プログラム。食料援助から機会創出型の補助へと市の政策を転換する社会革新事業として位置づけられ、有機資材を用いたクリーン農業を採用。参加者に道具・堆肥・種子のキットを配布し、都市・農村の菜園を通じて食料安全保障と地域コミュニティを強化する。3年間で1,707菜園を整備した。
都市農との関わり: 公共空間の再定義を伴う市民参加型都市農業を、食料援助に代わる自治体施策として制度化した事例。
オレンジ郡食料協議会(ノースカロライナ州)
自治体食農政策廃止米国ノースカロライナ州オレンジ郡施行期間: ?–2022
郡の食料アクセス・食料安全保障政策を扱った食料協議会。郡委員会の要請で食料アクセス評価報告書をまとめ2022年9月に提出したが、その報告直後の2022年12月に郡委員会が予算を打ち切り、協議会は解散に追い込まれた。
都市農との関わり: 行政に求められた分析を提出した直後に予算を切られた例で、食料政策協議会が予算緊縮で容易に切り捨てられる脆弱さを示す。
デンバー持続可能食料政策協議会・市食料システムチーム
自治体食農政策米国コロラド州デンバー市郡市の気候部門に置かれ、健康的な食のアクセスや地域食産業、レジリエンスを掲げる長期計画『Food Vision 2030』を策定した食料システムチームと、それが支える食料政策協議会。2億ドル規模の財政危機を受け2025年に長年の担当者を含むスタッフが削減され、体制が空洞化した。
都市農との関わり: 策定した長期食料ビジョンを実行する行政基盤が財政難で静かに解体された例で、計画はあっても担い手が消える失敗パターンを示す。
南アフリカ・ケープタウン市コミュニティガーデン支援政策
自治体公的プログラムケープタウン市(南アフリカ)ケープタウン市と州農業局が低所得地域のコミュニティガーデンを支援。ボーリング掘削、水タンク、灌漑システムの提供。食料安全保障と栄養改善を目標。実装はケープフラッツ地域の複数タウンシップで進行中。
都市農との関わり: 南アフリカにおける低所得地域への食料アクセス向上の取組。市民参加型の食料安全保障戦略。環境正義と栄養改善の統合アプローチ。
サンディエゴ市都市農業インセンティブゾーンプログラム
自治体税制・補助米国カリフォルニア州サンディエゴ市サンディエゴ市の都市農業インセンティブゾーン(UAIZ)プログラム。0.1~3エーカーの市有地等を農業利用に提供し、農業のみに完全に専用される土地に対し、市街地での農業展開を支援。
都市農との関わり: 市民農業者が低コストで土地利用できるため、アーバンファーミングの起業・展開を促進。税制優遇と土地アクセスの改善により、市民参加型農業の拡大に寄与。
ロサンゼルス市都市農業インセンティブゾーン(UAIZ)プログラム
自治体税制・補助米国カリフォルニア州ロサンゼルス市ロサンゼルス市が AB-551 に基づいて実施する都市農業インセンティブゾーン(UAIZ)プログラム。市民農業者が空き地やコミュニティスペースで農業活動を行う際の土地利用・許可取得をサポート。
都市農との関わり: LA 市の都市農業支援。市民農業者が適切な法的枠組みで農業を展開できる環境を整備。土地へのアクセス改善と規制環境の透明化により、市民参加型農業を促進。
香港における建物統合型農業ガイドラインと支援制度
自治体緑化規定香港特別行政区香港における高密度都市環境での建物統合型農業(バーティカルファーム等)の推進。低炭素高層ビル内での垂直農業システムの設計導入に向けたガイドラインと支援。
都市農との関わり: 高密度都市での食料自給率向上と CO2 削減を両立。市民が参加できる屋上・建物内農業の設計・運営支援を通じ、都市での農業参加機会を拡大。
メルボルン市 コミュニティガーデン政策
自治体農地保全・貸借オーストラリア・メルボルン市メルボルン市が所有・管理する土地でのコミュニティガーデンの設置・運営の条件を定める市の政策。誰が・どのように区画を申請し管理できるかを示す一方、文化財指定地・街路樹帯・主要な公園庭園などガーデンに適さない土地も明記する。市はオーストラリアでも数少ない統合的な食料政策をもつ自治体の一つとされる。
都市農との関わり: 市民がコミュニティガーデンを公有地に開設するための明確な手続きと土地アクセスの枠組みを提供し、都市内の市民主導の農的活動を制度的に支える。
米国カリフォルニア州オークランド市 都市農業・コミュニティガーデン ゾーニング規定
自治体土地利用・条例米国カリフォルニア州オークランド市オークランド市が都市の農的活動を3区分に分けて用途地域ごとに扱うゾーニング規定。(1)コミュニティガーデン=自家消費・寄付を目的とし季節限定の販売のみ認められる区分で、住宅・商業・工業の多くの地域で許可不要、(2)限定的農業(Limited Agriculture)=敷地内外での販売を目的とした作物生産で、住宅系・商業系では条件付き、(3)拡張的農業(Extensive Agriculture)=家畜飼養や機械化農業を含む最も制約の強い区分で、原則として条件付き使用許可(CUP)が必要。養蜂は3群以下なら可、それを超えると拡張的農業の扱いになる。市の公開ページは規定が旧来の内容を更新したものと説明しているが、制定年は明示されていない。
都市農との関わり: 市民主体の菜園にとっては、コミュニティガーデンが多くの用途地域で許可不要になっている点が使いやすい。一方で販売を伴う活動に移った瞬間に区分が変わり、条件付き使用許可(CUP)ではゾーニング・ワークシートや配置図、開発審査の基本申請書に加え、騒音・臭気・交通・農薬の流出について近隣に悪影響がないことを示す判断(findings)が求められるため、収益化を目指す小規模事業者ほど手続き負担が重くなる。またコミュニティガーデンで認められる販売は「季節限定」に留まり、通年の直売所的な運営はこの区分では行えない。ヘーゲンバーガー通り周辺など、一部の区域では特定の活動が全面的に認められない点にも注意が必要。
神戸市 こうべコンポストプロジェクト(環境局資源循環課の生ごみ堆肥化推進事業)
自治体公的プログラム日本・兵庫県神戸市神戸市環境局資源循環課が事業主体となり、一般社団法人オンドが事務局を務める市の事業。市内各所の協力菜園・団体を会場に無料のコンポスト講習会を巡回開催し、受講者にはコンポスト容器を無料で贈る。会場となる協力菜園は東灘・灘・中央・兵庫・長田・須磨・垂水・北・西の各区に広がり、コミュニティ農園、商業施設屋上の菜園、高校敷地内の菜園、公園内の菜園、レンタル菜園、閉校校舎の複合施設、里山の拠点、マルシェなど多様である。放置竹林の整備で出た竹チップを使う「竹コンポスト」の講習も行い、竹林整備関連団体も協力団体に位置づけている。講習会の受講・見学には公式LINEでチェックインポイントが付き、9月末までに5ポイントを貯めた神戸市在住者には「コンポストマイスター証」と景品(オリジナルTシャツ、不織布コンポスト容器等)が贈られる。
都市農との関わり: 自治体の廃棄物部局が、生ごみ減量の施策を市民の菜園ネットワークに載せて実施している例。講習会の会場を市の施設ではなく市内各地の市民菜園・農的な拠点にすることで、堆肥化の学びが「その場で堆肥が使われる畑」と直結し、コンポスト容器の無料配布とポイント制度で継続を促している。放置竹林という別の地域課題(竹の利活用)を堆肥の資材として取り込んでいる点も、都市農の資源循環の設計として参照できる。