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緑地協定による自主管理型開発公園の空間的特徴と所有者の維持管理意識

緑地協定による自主管理型開発公園の空間的特徴と所有者の維持管理意識 ‐神戸市のマンション開発事例を対象としたケーススタディ‐

福本 優, 大平 和弘, 藤本 真里, 赤澤 宏樹

都市計画論文集 55巻3号 pp.777-782

Urban Farm DB の要約

民間デベロッパーのマンション開発で緑地協定に基づく自主管理型開発公園をケーススタディ。空間類型と所有者の維持管理意識の関係を分析し、コミュニティ菜園等を含む開放的な緑地運営の設計誘導の必要性を示す。

主なポイント

  • 1神戸市の自主管理型開発公園は、空間的特徴から「エントランス型」「分離型」「裏型」の3タイプに分類され、これらは開発規模や接道条件に影響される。
  • 2「エントランス型」と「分離型」の公園では、所有者の自主管理意識が高く、可能な管理項目は自ら実施している。
  • 3「裏型」の公園では、維持管理が外部委託される傾向があり、自主管理意識が低下する。
  • 4「エントランス型」と「分離型」の公園は地域への開放意識が高いが、「裏型」ではその意識が低い。
  • 5自主管理には多くの課題があり、所有者が開発公園を自主管理するための支援が必要である。
  • 6持続可能な自主管理型公園のためには、開発協議段階でのデザイン誘導や維持管理支援の仕組みが不可欠である。

抄録・収録テキスト

OpenAlex

本研究は、神戸市の緑地協定に基づく自主管理型開発公園について、空間的特徴と協定に基づく管理や責任に関する所有者意識の実態について文献調査とアンケート調査により明らかにした。調査の結果、自主管理型開発公園は空間的特徴から「エントランス型」「分離型」「裏型」の3つに類型され、それらは開発規模や接道条件により影響されることがわかった。「エントランス型」「分離型」として計画されると公園の自主管理意識が増加し自分たちで実施できる管理項目については自主的に管理している一方で、「裏型」として計画された自主管理型公園は維持管理が外注され自主管理意識が減少することが明らかとなった。加えて、「エントランス型」「分離型」では自主管理型開発公園を地域へ開放する意識は高いが、「裏型」になるとその意識も低下することが明らかとなった。また、自主管理自体の課題も多く所有者が開発公園を自主管理するための支援の必要性も明らかとなった。今後は開発協議の時点でのデザイン誘導や維持管理の支援の仕組みを検討することで都市空間の質的な向上に寄与し、持続的な管理が可能な自主管理型開発公園の在り方が必要であると考えられる。

アーバンファームとの関係

この研究は、マンション開発に伴う緑地の管理形態が、その緑地の地域への開放性や住民による自主的な活動意欲に大きく影響することを示しています。都市農園を計画する際、特にマンション敷地内や隣接する場所で市民が主体となる農園を考える場合、「エントランス型」や「分離型」のような、地域に開かれた設計と住民の自主管理意識を高めるような初期段階でのデザイン誘導が極めて重要です。「裏型」のような閉鎖的な配置では、コミュニティ菜園のような活動が根付きにくく、維持管理も外部任せになりがちです。持続可能な市民農園を実現するためには、計画段階から地域との連携や住民の主体性を促すデザイン、そして継続的な運営を支える仕組みを考慮することが不可欠です。