東京近郊における食の循環をもつコミュニティガーデンのガバナンス
The governance of a community garden with a food cycle in suburban Tokyo
Shimpo N.
Urban Agriculture & Regional Food Systems (Wiley), 6:e20015
Urban Farm DB の要約
東京近郊のコミュニティガーデン「せせらぎ農園」を事例に、近隣の生ごみを回収して堆肥として畑に還す食の循環型ガーデンのガバナンスを分析。創設者がボトムアップで運営を立ち上げ、障がい者への就労機会や子どもへの食育の場を提供し、地域の福祉施設・幼稚園・学校と連携してきた過程を明らかにした。
主なポイント
- 1東京郊外のコミュニティガーデンは、近隣の生ごみを回収し堆肥として利用することで、地域内での食の循環を成功裏に実現しました。
- 2ガーデンの創設者はボトムアップでプロジェクトを開始し、強いモチベーションと柔軟な姿勢で課題を克服しました。
- 3このガーデンは、障がい者への就労機会提供や子どもたちへの食育を通じて、地域社会との連携を深め、その存在意義を強化しました。
- 4ガーデナーと生ごみ提供者(2km圏内居住者)間の密接なコミュニケーションが、生ごみの品質維持に不可欠でした。
- 5本研究は、日本のコミュニティガーデンにおけるガバナンスの利点と課題を明らかにし、今後の研究の必要性を示唆しています。
抄録・収録テキスト
OpenAlex都市住民は、コミュニティガーデン(CG)で野菜や果物を育て、生ごみを堆肥化することで、食の循環についてより深く学ぶことができます。食の循環を含むCGの持続可能なガバナンスに関する理論を構築するためには、事例研究が不可欠です。特にアジアの都市は、都市と農村の土地利用が混在しているため、食の循環を確立する高い可能性を秘めています。本稿では、近隣の生ごみを回収し、直接肥料として土壌に利用している東京郊外のCGのガバナンスについて考察します。インタビューとガーデンの内部資料から得られた定量的および定性的なデータを分析し、ガーデンの歴史、ステークホルダーの関与、ガーデナーと生ごみ提供者の関係を把握しました。その結果、創設者がボトムアップでガーデンを立ち上げ、強いモチベーションと柔軟な姿勢を維持することで課題を克服したことが示されました。ガーデナーは障がい者に就労機会を提供し、子どもたちに教育教材を提供しました。これらの協力関係が、ガーデン存続の必要性を裏付けた可能性があります。ほとんどのガーデナーとすべての生ごみ提供者はガーデンから2km以内に住んでおり、彼らの間の密接なコミュニケーションが可能であったことが、生ごみの品質を維持した可能性があります。本研究は、日本のCGのガバナンスにおける利点と課題を示していますが、本研究の知見の一般化可能性を高めるためには、さらなる事例研究が必要です。
アーバンファームとの関係
この研究は、市民が運営する都市農園が、地域社会と連携し、持続可能な食の循環を構築するための具体的なヒントを提供します。特に、生ごみ堆肥化を通じた資源循環、障がい者や子どもたちへの教育・就労機会提供、そして近隣住民との密なコミュニケーションが、都市農園の成功と地域貢献に不可欠であることが示されています。あなたの都市農園でも、地域のごみ問題解決や多世代交流の場として、このような取り組みを参考にできるでしょう。