植物栽培における保育者と子どものやり取りの特徴 ―擬人化の使用に着目して―
Interactions Between Kindergarten Teachers and Children While Raising Plants: Focusing on Personification
Miyagi R.
Journal of Science Education (Japan), 63(3):645–654
Urban Farm DB の要約
沖縄県の公立幼稚園A園5歳児クラスで6か月間、園庭・畑での植物栽培における保育者と子どものやり取りを観察。保育者が擬人化(植物を「育てる」「かわいい」等)を用いて声かけすることで、子どもが植物への共感と知識を広げる過程を分析。幼稚園における栽培・食育の実践知を示す。
主なポイント
- 1本研究は、植物栽培における保育者と子どものやり取りを6ヶ月間観察した。
- 2子どもが植物に親しみ、知識を学ぶ上で、擬人化がどのように機能するかを明らかにした。
- 3年長児と保育者が使用する擬人化には4つの機能があることが明らかになった。
- 4これらの機能は、植物への感情移入、人間や他の植物に関する知識の類推、植物の状態説明を促すものである。
- 5擬人化を用いたやり取りを通じて、子どもは植物に親しみ、栽培方法を類推することを学習する。
- 6保育者の信念や経験が、擬人化の使用機能に影響を与える可能性がある。
抄録・収録テキスト
OpenAlex本研究は、植物栽培における保育者と子どもの6ヶ月間のやり取りを観察し、子どもが他者との関わりの中で植物に親しみ、知識を学ぶ上で擬人化がどのように機能するかを明らかにすることを目的としました。その結果、年長児と保育者が使用する擬人化には4つの機能があることが判明しました。これらは、①植物への感情移入的な親しみや思いやりを促す機能、②人間に関する知識を類推する機能、③他の植物の知識を類推する機能、④植物の状態を説明する機能です。このような擬人化を用いたやり取りを通じて、子どもは栽培対象の植物に親しみ、栽培方法を類推することを学習すると考えられます。また、保育者の信念や経験によって、擬人化の使用機能が異なる可能性も示唆されました。
アーバンファームとの関係
この研究は、植物栽培において擬人化が子どもの植物への愛着と栽培知識の習得にどのように貢献するかを示しています。市民が運営する都市農園、特に家族や教育プログラムを巻き込む場合、参加者(子どもも大人も)が植物に感情移入し、「話しかける」などの擬人化された関わりを促すことで、植物への関心と学習を深めることができます。これは、都市農業における教育的・感情的利益を高めるための実践的なアプローチを提供します。