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生産緑地地区の買い取りによる都市農地の保全・継承に関する研究

Nakajima Y., Akita N.

都市計画論文集 58(3):767-773

Urban Farm DB の要約

2015年の都市農業振興基本計画で「宅地化すべき土地」から「あるべき土地」へと位置づけが転換された都市農地について、農業者の高齢化により減少が続くなか、生産緑地の買い取り申出制度の運用と自治体による戦略的位置づけのあり方を、先進的に買い取りを進める世田谷区を事例に検討した。

主なポイント

  • 12015年の都市農業振興計画で「あるべきもの」と位置付けが転換された都市農地、特に生産緑地は、農業者の高齢化などにより減少が続いている。
  • 2本研究は、生産緑地を農地として保全するための自治体の戦略的方針と買い取り請求制度の運用方法を明らかにすることを目的とした。
  • 3先進的に生産緑地の買い取りを進める世田谷区がケーススタディとして用いられた。
  • 4世田谷区は、買い取りを進めるために策定した方針に基づき、保全すべき生産緑地を選定している。
  • 5世田谷区は、生産緑地を運用中に都市計画公園として決定するなど、既存の仕組みを組み合わせて農地を戦略的に保全している。

抄録・収録テキスト

OpenAlex

都市農地は2015年の都市農業振興計画にて「宅地化すべきもの」から「あるべきもの」へ位置付けが転換されたように貴重な存在である。しかし、都市農地の大部分を占める生産緑地は営農従事者の高齢化等の理由により減少が続いている。そこで本研究は、生産緑地を農地として保全する場合、自治体はどのような戦略のもとで生産緑地に位置付けをし、生産緑地の買い取り請求制度を運用することが求められるのかを明らかとすることを研究目的とし、先進的に生産緑地の買い取りを行なってきた世田谷区をケーススタディとして研究を行った。 研究の結果、世田谷区は保全すべき生産緑地を、生産緑地の買い取りを進めるために策定した方針に沿い選定し、生産緑地として運用中に都市計画公園として都市計画決定をするなど、既存のしくみを上手く組み合わせることによって、保全すべき生産緑地に位置付けをし、農地を戦略的に保全しようとしていることが明らかとなった。

アーバンファームとの関係

この研究は、自治体が都市農地をどのように保全し、市民が利用できる緑地として維持していくかを示しています。世田谷区の事例から、市民は地域の自治体に対し、生産緑地の買い取り制度の活用や、都市計画と連携した戦略的な農地保全策を提案・働きかけることができます。これにより、身近な場所で新鮮な農産物を手に入れたり、農作業体験を通じて地域コミュニティに参加したりする機会が増える可能性があります。