市民農園の供給とその影響要因:東京を事例として
Provision of Allotment Gardens and Its Influencing Factors: A Case Study of Tokyo, Japan
Zheng H., Akita N., Araki S., Fukuda M.
Land 11(3):333
Urban Farm DB の要約
行政オープンデータから抽出した東京の市民農園313区画を、区画数・区画面積・契約価格・契約期間・施設などの属性によりクラスター分析で分類した。市民農園の供給が農地割合や住民の人口・若年人口比・所得水準といった社会人口学的特性によって都心から郊外へと分化していることを明らかにした。
主なポイント
- 1東京の市民農園のほとんどは市街化促進区域に位置している。
- 2市民農園は東京の中心から20〜30km圏内に集中しており、そのクラスターは自治体境界に位置する傾向がある。
- 3市民農園の供給は、人口密度、地価、生産緑地比率といった自治体レベルの要因に関連している。
- 4政策立案者は、市民農園の空間的特性に基づいてその配置戦略を検討する必要がある。
抄録・収録テキスト
OpenAlex世界の都市圏では、都市住民に農業の機会を提供するために市民農園(AGs)が広く利用されています。しかし、都市での園芸のために住民が借りられる個々の区画は十分ではなく、都市全体の視点からの市民農園に関する研究は進行中です。さらに、東京では市民農園に長い歴史がありますが、アジアの都市における市民農園の現状に関する国際的な研究はほとんどありません。したがって、本研究は東京における市民農園の供給とその影響要因を分析することを目的としています。ArcGISと地理座標マッピングによって作成された472点のデータセットを都市GISデータと組み合わせることで、4つの側面における空間的特性を明らかにしました。結果として、ほとんどの市民農園は市街化促進区域にあり、ほとんどの自治体に市民農園が存在し、東京の中心から20〜30km圏内に集中しており、市民農園のクラスターは自治体境界に位置していることが示されました。自治体レベルでの影響要因を特定するために重回帰分析を実施したところ、市民農園の供給は人口密度、地価、生産緑地比率に関連していることが判明しました。本研究の政策的示唆は、政策立案者が市民農園の空間的特性に基づいてその配置戦略を検討する必要があるということです。
アーバンファームとの関係
この研究は、東京における市民農園がどこに存在し、どのような要因がその設置に影響を与えているかを市民に示します。市民農園が都心から20〜30km圏内、市街化促進区域、自治体境界付近に集中しているという知見は、新たな市民農園の場所を探したり、行政に働きかけたりする際に役立ちます。人口密度や地価、生産緑地の割合が重要であるという点は、市民が地域での農園設置の可能性を評価する上での参考になります。政策立案者が市民農園の配置戦略を考慮する必要があるという提言は、市民がより計画的でアクセスしやすい都市農園の実現を求めるための根拠となります。