研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
2645 件(67 / 106)
サンラファエル市場——記憶とアイデンティティの回復のための交流・結束の中心
2018Ronald Gomez Londoño · instname:Universidad Santo Tomás · Colombia
建築計画案(コロンビア・サントトマス大学、2018年)は、サンラファエル市場の建物において既存構造を保存しつつ、建物内部に都市菜園(huertos urbanos)の空間を導入して農業的な活動を活性化することを提案する。同時に、商品や農産物が市場に直接流入する取引拠点として、屋内外での商業活動を促進する。設計は建物の歴史性と、最大3階建ての住宅や低層商業施設に囲まれた周辺環境の保存を目指し、木製の外装処理などを含むが、実証的な結果は報告されていない。
コミュニティパターンに沿ったデザイン——食を育てる人々のためのストーリーテリング・プロトタイプ
2018Peter Lyle, Jaz Hee-jeong Choi, Marcus Foth · Multimodal Technologies and Interaction · Australia
デザインおよびパイロット研究(Multimodal Technologies and Interaction、2018年)は、オーストラリアの大都市における住宅地の園芸実践者や園芸コミュニティを対象とした先行研究から導かれたデザインパターンをもとに構築された、モバイル・ストーリーテリング・プラットフォーム「QuickTales」を紹介する。都市の園芸実践者が栽培の経験を共有できるよう設計されており、パイロット評価はこの文脈でのストーリーテリング活用について初期的な知見を提供したとされる。定量的な結果は示されておらず、論文はデザインパターンのさらなる発展の可能性を提案するにとどまる。
コミュニティデジタル農業結論と政策提言
2018Kwaku Obosu-Mensah · · Ghana
ガーナおよびサブサハラ・アフリカ諸国における都市農業の政策提言をまとめた文献(2018年、ガーナ)。私有地所有者はインセンティブがあれば他者への耕作許可に前向きになるとし、ガーナの都市住民は農村への再定住をほとんど選ばず、魅力的な政府パッケージでさえ余剰都市住民の農村移住を引き起こせなかったと述べる。サブサハラ・アフリカの農業慣行では男性が現金収入のために働き女性は自給農業を担う傾向から、商業的都市農業の経営者の大半は男性になると見込む。小規模でオープンスペースでの栽培が中心の場合、政府はオープンスペース栽培者の課題に対応し収量向上に資する環境整備を優先すべきだが、政府の過度な干渉を避けるため都市農家に農村農家より優遇的な扱いを与えるべきではないとしている。
政策コミュニティ経済グローバル都市における公平な都市緑地の創出戦略
2018Chhaya Kolavalli · Journal of Agriculture Food Systems and Community Development · Global
『Just Green Enough: Urban Development and Environmental Gentrification』の書評。都市の温室効果ガス排出が世界全体の7割超を占める中、気候変動の緩和・適応策として都市緑化(都市食料システムの推進・支援を含む)が公平に実施されるための戦略を扱った書籍として紹介している。同書は主に建造環境における環境ハザードに起因する問題を扱い、複数の章で都市における食料生産・流通が具体的に取り上げられており、都市計画者・活動家・都市食料システムに関わるコミュニティメンバーにも応用しやすい戦略が提示されているとしている。
コミュニティ政策気候変動海外の住民主導型コミュニティガーデンデザインガイドラインに関する事例研究
2018Ai-Ran Lee, Jae-Min Park · Journal of the Korean Institute of Landscape Architecture · Global
韓国での美的・文化的なコミュニティガーデンへの関心の高まりを背景に、英国・カナダ・米国・オーストラリア・日本の6つのコミュニティガーデンデザインガイドラインを分析し、その特徴と示唆を導き出した。多くのガイドラインはオンラインで無料公開されており、導入・敷地選定・デザイン・施工・維持管理という時系列の構成を持つ一方、デザインの章は図面や事例写真に乏しく説明が不十分であることが分かった。
コミュニティ食育コミュニティ・大学パートナーシップを通じた研究と都市ユースワークの脱植民地化
2018Illana C. Livstrom, Amy Smith, Mary Rogers, Karl Hackansan · Interdisciplinary Journal of Partnership Studies · Global
世代を超えた実践コミュニティを通じた持続可能な都市農業・園芸によって食・環境・認知的正義を構築することを目指すコミュニティ主体の協働教育プログラム「グラウンディング・ルーツ」を対象とした質的事例研究。リンダ・トゥヒワイ・スミスの脱植民地化方法論の枠組みに依拠し、コミュニティ・大学パートナーシップが研究と実践を通じて脱植民地化に取り組んだあり方と、逆にそのパートナーシップが植民地主義的な実践を温存する働きをしたあり方の両方を検証した。データ分析は脱植民地化実践に関する理論に基づく演繹的コーディングによって行われた。脱植民地化的な実践としては、コミュニティと若者にとって価値のあるプログラムの実施、コミュニティ主導のアジェンダに基づく構築、学術的な研究アジェンダよりもコミュニティの癒しと変容を優先することが確認された。一方、植民地主義的な実践としては、リーダーシップチームやガーデングループ内における不公平な権力階層、マイノリティ化された若者に対する欠陥志向の語り、若者の声の軽視が確認された。この結果を踏まえ、研究者は自らの実践に埋め込まれた白人至上主義的な起源について自ら検証し、脱植民地化的で人間性を尊重する実践を取り入れる必要があるとされる。加えて、コミュニティを基盤とした活動に携わる研究者は、成果物よりもプロセスを優先するコミュニティ主導のアジェンダに関与し、コミュニティメンバーと協働した分散的リーダーシップを促進し、コミュニティとともに価値ある成果を生み出す必要があると結論づけている。
制度・ガバナンスの不全食料主権・社会正義コミュニティ食育論文は毎週増えています
あなたの関心のあるテーマが、来週追加されるかもしれません。世界の新着論文を毎週水曜、無料でお届けします。
シトピアへ向けて
2018Carolyn Steel · · Global
本エッセイは、食を意識的な道具として社会を形づくる「シトピア(Sitopia)」という概念を提示し、米国のボルチモア、デトロイト、ニューオーリンズのように空き地が多く低所得住民の多い都市では、都市農業が都市の緑化と地域の再生に寄与しうると論じる。都市での食料生産がコミュニティの食料需要全体に占める割合はごくわずかにとどまるとしつつも、地元での食料生産は環境の質や社会的つながりを向上させ、持続可能な地域経済の発展を促しうるとしている。
コミュニティ都市農村連携食料主権・社会正義都市の持続可能性のための手段としての都市農業と市民農園
2018İşık Sezen · ATLAS JOURNAL · Global
建築家や都市計画家による都市農業に関する見解を整理した論考。都市の持続可能性と都市農業の関係、世界各都市における都市農業の概況、および市民農園(アロットメント・ガーデン)という形態に焦点を当てている。実証データや調査手法は示されていない。
コミュニティ政策生きられた空間としての都市の菜園——社会主義期・ポスト社会主義期ベオグラードの非公式な園芸実践と住まいの文化
2018Djokić V., Ristić Trajković J., Furundžić D., Krstić V., Stojiljković D. · Urban Forestry & Urban Greening · セルビア・ベオグラード
ベオグラードの非公式な(制度化されていない)菜園づくりを、社会主義期からポスト社会主義期にかけての住まいの文化のなかに位置づけて読み解いた論考。菜園を制度の産物ではなく、住民が日々使いこなす「生きられた空間」として扱う。
コミュニティ政策キトの参加型都市農業プログラム(AGRUPAR)
2018World Future Council · World Future Council (futurepolicy.org) · Ecuador
エクアドル・キト市の参加型都市農業プログラムAGRUPARを紹介する政策事例集。過去16年間で直接73,936人、間接的に113,774人が裨益し、毎年960,000kg以上の食料を生産、訓練を受けた21,746人のうち84%が女性だったと報告する。2018年にFuture Policy Silver Awardを受賞した。
食料主権・社会正義コミュニティ経済政策菜園が食生活を改善し社会関係を強化する
2018Heidy Yohana Tamayo Ortiz · El Tiempo · Colombia
メデジン市の「Huertas con Vos」プログラムを取り上げた記事。バリオ・ドセ・デ・オクトゥブレでは約270平方メートルの菜園を5世帯が共同利用し、1世帯あたり月5万ペソの節約につながっている。市内には食料安全保障上脆弱な世帯が約10万世帯おり、うち1万世帯が優先支援対象となっている。2018年には都市部450カ所・農村部250カ所、計700カ所の新規菜園を整備し、3年間で累計1,707カ所の菜園設置を目標としている。
DIY・自作コミュニティ福祉経済都市コミュニティガーデンの10の意外な効能
2018Equipo LS · Ladera Sur · Chile
都市コミュニティガーデンの効能を10項目にまとめた記事。チリの首都で最初の都市コミュニティ菜園は2007年にラ・ピンタナで始まった市営プロジェクトで、700平方メートルの敷地に11区画を設けたものだったと紹介する。2012年ごろにはサンティアゴ市内に約40か所の同種の菜園が存在したとし、その後もバリオ・ジュンガイなど新規プロジェクトが広がっていると伝える。
コミュニティ食育健康カラカスの都市農業 — 社会生態学の視点から見た農生産空間の診断
2018Herrera F. · Cuadernos de Desarrollo Rural · Venezuela
カラカスの都市農業生産ユニット13か所を対象に、経済・社会・生態の各側面をまたぐ多次元の診断を行い、食料主権と持続可能性を左右する条件を整理した研究。組織面の強みを認める一方で、種子の入手が限られること、栽培する作物の多様性が乏しいことを制約として挙げる。2003年に開設されたオルガノポニコ・ボリバル1をはじめ、市内のユニットがどう生まれ運営が移り変わってきたかも記録している。
政策コミュニティ食料主権・社会正義食べられるグリーンインフラ:都市環境における供給的生態系サービスとディスサービスのアプローチとレビュー
2017Alessio Russo, Francisco J. Escobedo, Giuseppe T. Cirella, Stefan Zerbe · Agriculture, Ecosystems & Environment, 242, 53-66 · Global
都市の緑地計画では調整・文化的サービスが重視されてきたのに対し、食料生産(供給的生態系サービス)が見落とされてきた点に着目し、「食べられるグリーンインフラ(EGI)」という概念枠組みを提示・レビューした基礎的論文。市民農園・屋上菜園・食用景観・都市林などを多機能な緑のネットワークと捉え、適切な管理によってディスサービスを最小化しつつ食料安全保障とレジリエンスを高めうると論じる。
生物多様性経済コミュニティ有機資源循環環境的・社会的ウェルビーイングのための生産的グリーンインフラとしての都市農業
2017Brenda B. Lin, Stacy M. Philpott, Shalene Jha, Heidi Liere · Greening Cities (Advances in 21st Century Human Settlements), Springer, 155-179 · Global
コミュニティ農園・屋上菜園・食用景観・都市果樹園などの都市農業を、高い生物多様性と多様な生態系サービスを供給する「生産的グリーンインフラ」として位置づけた章。送粉・害虫の生物的防除といった生態系サービスと、食・栄養・文化・レクリエーションといった社会的便益の双方を都市の緑のインフラがもたらすことを整理した。
生物多様性コミュニティ健康経済園芸は健康に有益である:メタ分析
2017Soga M., Gaston K. J., Yamaura Y. · Preventive Medicine Reports · Global
園芸活動が抑うつ・不安の軽減、生活満足度や身体活動の向上など幅広い健康便益をもたらすことをメタ分析で示す。職場・地域庭園プログラムの健康根拠を提供。
健康福祉コミュニティ食を奪う都市における都市農業:都市の食の正義の再定義とエンパワメントの政治の再構想
2017Tornaghi C. · Antipode 49(3):781-801 · Global
新自由主義都市が市民から食の権利を奪う『食を奪う都市』を批判的に概念化し、都市の食の正義を再定義してエンパワメントと食料主権に根ざした都市農業の政治を提唱する。
政策福祉コミュニティ都市計画・都市農業・食の正義の交差点:文献レビュー
2017Horst M., McClintock N., Hoey L. · Journal of the American Planning Association 83(3):277-295 · Global
学際的文献をレビューし、都市農業が誰に利益をもたらし誰に及ばないかを問い、食の正義を支えるかたちで都市計画が都市農業を構築する方法を提案する。
政策福祉コミュニティ危機の時代における都市菜園:動機から生きた経験へ
2017Partalidou M., Anthopoulou T. · Sociologia Ruralis, 57(2), 211–228 · Greece (Thermi, Northern Greece)
本研究はギリシャ北部のテルミ市にある自治体の菜園を事例に、経済危機下における都市住民の菜園参加の動機を分析した。マズローの欲求段階説を用いた統計分析により、参加者のタイポロジーを構築し、基本的ニーズの充足から自己実現への移行を明らかにした。菜園が単なる食料確保の場を超え、場所への愛着や新たなスキル習得の場となっていることが示された。
コミュニティ福祉経済政策危機の時代におけるギリシャの自治体市民農園の出現:新たな都市農業実践のためのガバナンスの課題
2017Anthopoulou T., Nikolaidou S., Partalidou M., Petrou M. · In: Soulard CT., Perrin C., Valette E. (eds) Toward Sustainable Relations Between Agriculture and the City. Springer, Cham, pp. 181–199 · Greece
本章はギリシャ三か所の自治体市民農園を対象とした実地調査に基づき、経済危機を背景に急速に普及した市民農園の制度的・政治的文脈を分析した。地方自治体と市民の双方が代替的な食料確保と生活支援の場として菜園を受け入れたプロセスを検討し、新たな都市農業実践のガバナンス課題を明らかにした。
コミュニティ福祉政策経済フィリピンの都市農業:取り組み、実践、意義、そして脅威
2017Guzman C. · Sustainable Landscape Planning in Selected Urban Regions (Springer, Tokyo) · Philippines (Metro Manila)
フィリピンにおける都市農業の政府・学術的取り組みを概観し、メトロマニラ内の商業野菜生産やサンペドロ市のサンパギータ(ジャスミン)栽培を事例に都市近郊農業の実態を示した。雇用・収入創出や社会的価値の促進といった肯定的影響が確認された一方、土地利用の競争激化と明確な政府政策の欠如により多くの都市農業が縮小していることが明らかになった。
政策経済コミュニティ生物多様性フィンランド・ヘルシンキにおける都市農業
2017Hagolani-Albov S.E. · Focus on Geography, Vol. 60, No. 1 · Finland (Helsinki)
ヘルシンキの都市農業の空間・場所・実践をフォトエッセイ形式で探求した研究。コロニーガーデン(シールトラプータルハ)、市民農園、箱型ガーデニング、地域支援型農業(CSA)という4種類の都市農業形態を記録し、それらが都市景観にどう統合されているかを示した。ヘルシンキでは1918年からの100年以上にわたる都市農業の歴史があり、近年は草の根活動と行政支援の両面で急速に多様化している。
コミュニティ生物多様性食育昆虫送粉者の避難場所としての都市
2017Hall D.M., Camilo G.R., Tonietto R.K., Ollerton J., Ahrné K., Arduser M., Ascher J.S., Baldock K.C.R., Fowler R., Frankie G., Goulson D., Gunnarsson B., Hanley M.E., Jackson J.I., Langellotto G., Lowenstein D., Minor E.S., Philpott S.M., Potts S.G., Sirohi M.H., Spevak E.M., Stone G.N., Threlfall C.G. · Conservation Biology, 31(1):24-29 · Global
農地での農薬使用や単作化で送粉者が世界的に減少するなか、都市が在来ハナバチなど昆虫送粉者の重要な避難場所となりうることを国際的な研究者チームが論じたレビュー。菜園やコミュニティガーデンなど都市の緑地を送粉者に配慮して設計・管理することの保全価値を示し、市民の都市農業が生物多様性の保全に貢献しうると位置づけた。
送粉者・ミツバチ生物多様性コミュニティ政策包摂と排除を超えて:責任の空間としてのコミュニティガーデン
2017· Annals of the American Association of Geographers · Singapore
シンガポールのコミュニティガーデンを事例に、「責任化(responsibilization)」が必然的に包摂と排除の実践を生み出すと論じる。コミュニティガーデンが誰にどのような責任を課すかを問うことで、その排他性を批判的に検討する。
コミュニティ政策空き地の芽吹き? 危機後アイルランドの都市農業と緊縮財政
2017Mary P. Corcoran, Patricia C. Kettle, Cian O'Callaghan · ACME: An International Journal for Critical Geographies · Ireland (Dublin)
危機後ダブリンの緊縮ガバナンスが、空き地の都市農業を開発ブーム間の安価な『つなぎ』として扱い、開発再開までの一時利用に留めた実態を示す。緊縮下で都市農業が道具化され、不安定化した。
政策経済コミュニティ