研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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持続可能なスマートシティ構築における基礎科学の役割
2024Akpınar, Musab Talha, Korkut, Cem · Munich Personal RePEc Archive (Ludwig Maximilian University of Munich) · Global
本章は物理学・化学・生物学・数学という基礎科学がスマートシティの構築にどう寄与するかを概説するものである。物理学はエネルギー効率と構造設計、化学は持続可能な素材や廃棄物・汚染管理、生物学は緑地・生物多様性保全や都市農業を含む生態系サービス、数学・データサイエンスはリアルタイム監視や資源配分の最適化を支えるとし、各分野の連携と継続的な研究投資の必要性を論じている。
政策生物多様性気候変動都市農業の枠組み——近隣開発と都市の持続可能性への便益
2024Albin Mathew -, Sanu K Thekkath -, N Sneha · International Journal For Multidisciplinary Research · Global
本稿は都市農業の多様な形態と定義を整理し、循環経済戦略の実施や都市の食料安全保障の強化における役割を論じるレビュー論文である。学校やアンガンワディ・センターなど教育機関における事例を取り上げながら、都市農業の取り組みが持続可能性・コミュニティ参加・公平な関与を促進しうるとし、都市農業と近隣開発の相互関係が包摂的な社会の形成や持続可能な都市デザイン原則の推進に寄与すると論じ、都市計画において都市農業を中核に据えることを提唱している。
コミュニティ政策気候変動食育都市化した世界のための環境制御型農業か?——ロンドン・ナイロビ・シンガポールにおけるイノベーションシステムの比較分析
2024Victoria Dietze, Amna Alhashemi, Peter H. Feindt · Food Security · Global
「都市食料生産イノベーションシステム(UFoPrInS)」の概念を用い、環境制御型農業(CEA)の導入を巡る都市文脈と促進・阻害要因を、ロンドン、ナイロビ、シンガポールという対照的な3都市で分析した研究(2024年)。文献分析と専門家への半構造化インタビューに基づく。結果、シンガポールは食料輸入依存の低減と食料供給の強靭化を目的にCEA導入を後押しする公共政策があり、有利な立地であることが示された。ロンドンでは高い食料輸入依存が問題視されつつあるものの、他の政策優先事項によってCEA導入が阻まれている。ナイロビでは人口の半数以上が食料・水・衛生設備の整わないインフォーマル居住地に暮らしており、CEAが食料安全保障に経済的に効率よく貢献する可能性は低いとされた。結論として、CEAの導入は、資本と知識が豊富で、政治・社会・インフラの条件が安定し、空間が限られ、その価値が接客・観光業と結びつき、資源節約に対する価格設定が伴う立地に適していると考えられる。
政策経済食料主権・社会正義都市農業に関するレビュー——可能性・課題・機会
2024Shu Hua Teoh, Gwo Rong Wong, Purabi Mazumdar · Innovations in Agriculture · Global
都市農業(コミュニティ農園、屋内農業、屋上農業、垂直農業などのモデルと、エアロポニクス・水耕・アクアポニクスなどの技術)に関する文献分析と都市農家への聞き取りに基づくレビュー。持続可能性と収量が都市農業の可能性を十分に実現する上での主要な課題であり続けていることを指摘し、限られた土地・水資源、病虫害の発生、初期投資・維持費の資金制約、参加者の知識・技能不足、大学・行政・産業間の効果的な連携の欠如が主な課題として特定された。
事業採算・継続性コミュニティ経済政策技術的特性と経済・社会的持続可能性を組み合わせた都市農業の分類スキーム
2024Mélanie Douziech, Stefan Mann, Stefan Galley, Jens Lansche · Agronomy for Sustainable Development · Global
都市農業は持続可能な農法と結び付けられることが多いが、都市農業に分類されるシステムの多様性と、その持続可能性に関する情報の乏しさがこの関係に疑問を投げかけるとして、論文91本の知見に基づき、都市内農業システムを技術的・社会的・経済的特性から統合的に分類する枠組みを提示した研究。生産の経済的集約度や関係者間の協働の強度が主要な区分軸となり、分類の一端には協働強度が高く生産強度が低い、地上型・開放型で社会的動機に基づくシステムが、他端には生産強度が高い建物一体型・準閉鎖型システムが位置づけられる。文献上の持続可能性に関する主張を分類枠組み上にマッピングした結果、「アーバンファーミング」は雇用創出・食料安全・節水・高収量と、「アーバンガーデニング」は教育効果・生物多様性向上・低収量と結び付けられた。
コミュニティ経済政策有機資源循環都市再生と公共空間——コミュニティに基づくマイクロプランニングの早期介入から得られた教訓
2024Seng Boon Lim, Nur Wildaniah Syafiqah Mohd Razib, Imam Mukhlis, Na’asah Nasrudin, Isnen Fitri · PLANNING MALAYSIA · Malaysia
マレーシア・プタリンジャヤ市の都市再生プロジェクト「Special Area Action Plan Section 13」のもと、コミュニティガーデニング/都市農業の取り組みに対する早期介入を評価した混合研究法によるシングルケーススタディ。定量調査では質問票による200サンプルを記述統計で分析し、定性調査では8件のインタビューをテーマ分析した。結果、対象地であるスンガイ・ペンチャラ雨水排水路地域でのコミュニティガーデニング提案について、回答者は認知度、安全インフラと支援サービス、管理担当者、土地所有権をめぐる懸念に懐疑的であった。研究は、都市の未利用公共空間を再生する際、より多くの啓発介入キャンペーンの計画、安全インフラ設計の強化、管理担当者任命への政策支援、土地取得問題の解決を当局に推奨している。
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コミュニティガーデンとSDG11ターゲット7——安全で包摂的でアクセス可能な緑地・公共空間への貢献(オーストラリア)
2024Joanne Dolley, Michael Howes · Australian Planner · Australia
オーストラリアの複数のコミュニティガーデンの参加者へのインタビューをもとに、国連持続可能な開発目標(SDG)11のターゲット7「安全で包摂的、アクセス可能な緑地・公共空間への普遍的アクセスの提供」にコミュニティガーデンがどう貢献しうるかを検討した論考である。ターゲットが示す「包摂的」の定義をより広く適用して分析した結果、コミュニティガーデンはデザインの特徴、運営体制、地域住民の関与を通じて公共空間の包摂性と活用を高め、ターゲット11.7の達成に寄与することが示された。地域住民が設計・運営に関与すること、確実な土地保有、立地の適切さ、十分な資源配分が、目標達成能力を高める要因として挙げられた。進捗を測るための追加指標の開発は、今後の研究課題とされている。
コミュニティ政策伝統的な生計を追い求めて——シンガポールにおける都市農業と伝統的農家の視点(政治生態学的検討)
2024Jessica Ann Diehl · · Global
世界の食料システムへの依存に伴うリスクの高まりを背景に、各国の都市自治体は多様な規模で都市農業を統合する戦略を進めている。輸入依存度が高く食料の90%を輸入する高所得都市国家シンガポールは、国内食料生産を30%まで引き上げる「シンガポール・グリーンプラン2030」の「30 by 30」目標を掲げている。本章は、食料生産が伝統的な農業から屋上農場や垂直農場といったハイテク型の生産へと移行する中で、この食料自給目標が達成可能かを問い、政治生態学の視点から伝統的な商業農家の立場に立ってシンガポールの食料安全保障を検討した。半構造化質的インタビューは、一般的な農業慣行、社会的ネットワーク、便益と障壁、生計の代替手段という4テーマで実施された。得られた知見は、土地・労働力の不足の中で消費者需要に応えようとする新世代のハイテク起業型農家の台頭という文脈の中で検討された。この詳細な事例研究は、都市国家シンガポールの地域食料システムの持続可能性を左右する要因の中で、技術は数ある要因の一つに過ぎないことを示している。伝統的な商業農家は、政策がハイテク型生産へ傾く中で生計の圧力に直面している。
制度・ガバナンスの不全政策経済都市農村連携生態系サービス提供者としての都市農業——レビュー
2024Assyifa Fauzia, Evi Frimawaty, Hadi Susilo Arifin · Holistic Journal of Tropical Agriculture Sciences · Global
都市環境の劣化緩和における都市農業の役割を、生態系サービス提供者という観点から検討した文献レビューである。都市農業は景観の異なるスケールに多様な機能を付加し、適切に管理されれば数多くの便益をもたらすとされる。方法として、供給・調整・文化的サービスの観点から都市農業と生態系サービスに関する文献をレビューした。結果として、都市農業は個人庭園からコミュニティ農園まで多様な形態をとり、限られた公的資金や緑化推進といった課題に対応する解決策として位置づけられ、生物多様性保全に寄与し、都市のヒートアイランド現象の緩和、防風、汚染物質吸収といった都市微気候の調整に関わるとされる。加えて美的価値を都市空間に付加し、文化的統合を促進すること、食料安全保障、レジリエンス、ウェルビーイングに対応する持続可能な都市開発のための多面的戦略として機能することが示された。都市の生物多様性への脅威や適切な緑地管理の必要性といった課題が残る中で、都市農業は都市の視覚的・文化的・環境的側面に寄与する包括的アプローチとして論じられている。
生物多様性気候変動コミュニティ政策ガーナとオランダにおける食料生産・水資源管理のための自然基盤型解決策(NbS)導入の障壁除去・促進要因強化における空間情報の活用
2024J.A. Veraart, Cora van Oosten, Vincent Linderhof, Confidence Duku, Wilfred Appelman, A.M.E. Groot, Marjolein Sterk, Ilse Voskamp · International Journal of Water Governance · Global
気候変動による水問題がオランダとガーナ双方の食料システムの将来を脅かしているとの認識のもと、オランダのライン・スヘルデ川河口域とガーナのボノ・イースト州における雨水集水と排水再利用の事例を比較分析した。分析は、気候変動を踏まえた自然基盤型解決策(NbS)の導入に伴う障壁除去・促進要因強化における、専門家・関係者による空間情報の活用の類似点を特定することに焦点を当てた。雨水集水と排水処理の技術はいずれも利用可能で、農家や食品加工業界に受け入れられ適用される準備は整っているものの、その普及は生物物理的・技術的な障壁から社会的・制度的な障壁まで、複数の要因によって妨げられていた。水不足への対応として食料生産を含む幅広い解決策の評価に適用可能であれば、空間情報はNbS導入の促進要因となりうると結論づけられたが、両事例とも将来像を空間的に明確化することに苦慮していることが観察された。また両事例において、それぞれ排水再利用と雨水集水が生物多様性に及ぼす影響は、関係者間の対話の中で直接的な論点にはなっていなかった。
コミュニティ政策有機資源循環持続可能な都市農業管理——タイとインドネシアの比較研究
2024Assyifa Fauzia · Trend and Future of Agribusiness · Global
タイ(バンコク首都圏)とインドネシア(ジャカルタ)における都市農業管理を、2015~2023年の文献レビューと比較分析により検討した論文。バンコク首都圏は2010年以降、運河を灌漑・輸送に活用しつつ食料自給率向上を図ってきたが、都市農業従事者と既存の流通市場との連携不足が課題となっている。ジャカルタでは人口密度の高さと農地転用が深刻で、1998年の経済危機後に住民が農地転用で都市農業を広げた一方、工業化に伴い土地権利の不確実性が増した。両国に共通する課題は農業規制とインフラの調整不足であり、農業従事者・小売業者・非農家世帯間の連携強化が挙げられている。
コミュニティ政策近郊農業舞台設定——都市農業、公共空間、そして人間のウェルビーイング
2024Beata Sirowy, Deni Ruggeri · The Geojournal library · Global
都市農業研究に関する書籍の序章にあたる編者による総説。都市農業への参加機会を都市住民の全ての層に広く、かつ自宅の近くで利用可能にすることが最大の効果を得る条件だと論じている。都心の密集地域では土地が乏しく地価も高いため、既存または計画中の公共空間に都市農業を組み込むことが、この目標を達成する最も現実的な戦略だとしている。本書は公共空間における都市農業の統合について、ウェルビーイングへの影響、デザイン、組織運営、教育的文脈、都市計画上の側面に関する理論的・実践的な知見を提供することを目的としている。
コミュニティ健康政策キャッチーな見出しを超えて都市農業の影響を定義する
2024Francesco Orsini, Giuseppina Pennisi, Giorgio Gianquinto, Michael Martin · International Journal of Vegetable Science · Global
都市農業の環境影響に関して報道や世間の注目を集めている数値の多くは、比較分析に必要な方法論的に健全な根拠を欠いていると指摘する論考である。都市農業と農村農業の環境パフォーマンスを比較評価する上での問題点を取り上げ、結論を導く前に、多機能的な都市農業を包括的に評価できるよう特別に設計された指標が必要であることを論じている。
方法論への批判気候変動生物多様性政策土地闘争と労働者——古典的な農地改革枠組みでは捉えきれない現代の分散した闘争
2024Jennifer C. Franco, Saturnino M. Borras · Oxford University Press eBooks · Global
本章は、批判的農業研究および農民運動における支配的な理解——大土地私的独占から土地を収用し、無土地・半無土地の労働者階級へ再分配する「農地改革」の枠組みが土地闘争を最もよく捉えるという理解——を検討している。この種の土地闘争は今日も重要である一方、農村と都市、農業と非農業にまたがる労働者の土地闘争の広がりを十分には捉えられていないと論じる。近年数十年で労働者階級は分断化し、農業的・非農業的、農村的・都市的な生計を組み合わせる層が拡大した結果、労働者の土地闘争は農業と資本主義をめぐる古典的な議論から中心を外れてきた。今日の土地闘争は分散し、複数の場所にまたがり、政治的指導部と権力の面で多極的であり、複数の空間スケールにまたがっている。
制度・ガバナンスの不全食料主権・社会正義政策都市農村連携街路と広場の都市園芸の歴史的起源
2024M. S. (Mahmudova) Abdusattorovna · Neliti · Global
論文(Neliti、2024年)は、ティムール朝時代における文化・レクリエーション公園、ランドスケープデザイン、公共公園の建設の結果として、道路・沿道・建築物の建設が大規模に行われたという事実についての調査を行ったと述べる。抄録にはデータ・手法・具体的な知見についてのそれ以上の記述はない。
コミュニティ政策近接性を軸とした周辺都市空間における食料生産・消費 — 農業食料システム形成の社会的・領域的プロセス
2024Héctor Ávila Sánchez · Investigaciones Geográficas Boletín del Instituto de Geografía · Global
周辺都市化(periurbanización)が現代社会で最も動態的な領域的現象の一つであるとの立場から、大都市圏システムの一部をなす周辺都市の食料生産空間の再編を、社会的・領域的なプロセスとして論じる理論的考察。近接性、短い流通経路の定着、都市・地域フードシステムや「農業公園(parques agrarios)」といった新たな領域的形態の確立に言及し、特に欧州では農業公園が都市圏化の進行に対抗する領域的イノベーションとして機能していると位置づける。フードハブ、協同組合型スーパー、共同作業所など協同組合的基盤に立つ形態の広がりや、社会運動・生産者団体・行政機関が周辺都市のガバナンス形成に果たす役割を、連帯経済と社会正義の観点から検討する。
都市農村連携政策経済コミュニティ米国とスペインにおける食料不安に関連する脆弱性・危険性・リスクの研究
2024Iman Mamnoon · GeoFocus Revista Internacional de Ciencia y Tecnología de la Información Geográfica · Global
地理情報システム(GIS)を用いたリスク評価手法により、都市内で最も脆弱な人口が直面する食料不安を定量的に測定する尺度を開発した研究。リスクは社会的脆弱性と危険性(食料流通へのアクセス困難度)を組み合わせて算出し、米国ワシントンD.C.南東地区とスペイン・マドリードのプエンテ・デ・バジェカス地区の2事例に適用した。社会的脆弱性指数は平均所得・教育水準・失業率・年齢のデータから、危険性値はスーパーマーケットへの近接性から算出した。分析の結果、両地区で緊急の介入措置を必要とする高リスク地域が特定された。プエンテ・デ・バジェカスでは、国勢調査区07913143が食料不安の高リスクホットスポットとして特定され(社会的脆弱性指数1.646495、範囲0.901〜3.223、リスク値3、範囲3〜10)、ワシントンD.C.南東地区では国勢調査区7601・7605が高リスク地域として選定された(社会的脆弱性指数それぞれ2.221・1.737、範囲1.040〜3.525、リスク値それぞれ2・5、範囲0〜10)。両地区とも住宅地と商業地を組み合わせたエリアが全般的に不足していること、公共交通の供給に限界があることも指摘されている。
公平性・立ち退き政策コミュニティ福祉グローバルサウスにおける都市農業の空間的組織化——食料安全保障と持続可能な都市
2024Górna, Ada · · Global
ハバナ(キューバ)、シンガポール、キガリ(ルワンダ)の3都市の事例研究を通じて、グローバルサウスの都市における都市農業が空間・機能構造の中でどのような位置づけにあるかを検討した書籍。各都市での現地調査に基づき、社会経済・空間・政治・環境の条件が異なる中での都市農業の多様な特徴と、その発展を制約する要因を提示している。
食料主権・社会正義コミュニティ政策気候変動経済ゲリラガーデニングの異質な性質
2024Agnieszka Gralińska–Toborek · Journal of AESTHETICS & CULTURE · Global
公共空間への植栽を行う草の根活動であるゲリラガーデニングを、園芸・アクティビズム・アート・農業という4類型に分けて論じ、それぞれが都市空間の美化・社会変革の推進・食料供給・教育の推進・コミュニティ形成といった下位領域に細分化されると整理した論考。実証研究の蓄積は、軍事的な用語の使用に象徴されるような理論家側の想定と、実際には控えめな活動を行う園芸実践者の実態との間に乖離があることを示しており、また、ゲリラガーデニング研究には美学的な考察の深まりが欠けていると指摘している。
DIY・自作コミュニティ政策土地利用とその帰結
2024Madison Powers · · Global
この章は、農業的土地利用が抱える食料安全保障上の含意と、広く見られる食料生産の持続不可能な特徴、集約化と拡大化をめぐる論争を概観したうえで、土地そのものを超えて地下水・地表水・海洋・大気質や地球規模のシステム機能に及ぼす影響を検討する。「高リスク商品」生産のための森林用地の世界的拡大が引き起こす森林破壊・分断化の要因、森林減少と陸域生物多様性の減少との連関、両危機を推進する世界市場の力学を説明する。一部の自然に基づく解決策(nature-based solutions)については社会経済的・生態学的な欠陥を指摘し、それらが持続不可能な現状維持路線を存続させていることを示す。最後に、これらの土地利用問題が人権上の懸念としてどう概念化され、具体的な政策提案に翻訳されているかをまとめている。
環境負荷のトレードオフ政策気候変動食料主権・社会正義気候変動と食料不安に直面する中東・北アフリカ地域——都市・近郊農業の現状と課題
2024Tarek Ben Hassen, Hamid El Bilali · · Global
本章は、中東・北アフリカ(MENA)地域の学術・グレー文献の書誌的・テーマ別分析に、同地域各国の事例研究を組み合わせ、気温上昇や頻発する干ばつが限られた水資源を損ない、農業と食料安全保障を脅かす気候圧力のもとでの都市・近郊農業(UPA)の現状を検討している。同地域のUPAは、水・適地・機材へのアクセスを含むインフラ・資源が不足していると報告されており、多くのMENA都市では政府の取り組みの欠如に土地保有問題と高い地価が重なり、UPAの普及・実行可能性を低下させているとしている。結論として、UPAの拡大にはゾーニング規則を含む政策支援と、それを可能にする規制、資金・技術支援の改善が必要だとしている。
制度・ガバナンスの不全政策近郊農業食料主権・社会正義気候変動都市農業:都市化に伴う土地制約への一つの解決策
2024Bambang Tri Kurnianto · West Science Nature and Technology · Global
屋上菜園・垂直農場・コミュニティガーデンなど都市農業の実践を、急速な都市化に伴う土地不足と食料安全保障上の課題への対応策として検討するレビュー論文。世界各都市の事例研究を踏まえ、食料アクセスの改善・カーボンフットプリント削減・社会的結束の醸成に果たすとされる役割を論じ、支援的な政策とコミュニティの関与とあわせて都市農業を都市計画に組み込むことを主張する。独自データや特定の調査地、定量化された成果の記載はない。
政策気候変動福祉食料主権・社会正義持続可能な農業と食料システムの環境・経済・社会的影響を読み解く——レビュー論文
2024Rosli Muhammad NAIM, Maisarah Abdul MUTALIB, Aida Soraya SHAMSUDDIN, Mohd Nizam LANI, Indang Ariati ARIFFIN, Shirley Gee Hoon TANG · Frontiers of Agricultural Science and Engineering · Global
持続可能な農業・食料システムに関するレビュー論文。持続可能な農業を、当面の需要に応えつつ将来世代の需要充足能力を損なわない一連の農法群と位置づけ、生産性維持・汚染削減・経済的持続性を主目的とする。既存研究は気候レジリエンスの向上、温室効果ガス排出の抑制、水質改善、生物多様性の促進、土壌肥沃度の向上、農村生計の強化などの便益を報告する一方、移行に伴う多額のコスト、政策目標間の対立、従来手法の根強い影響という課題も挙げる。アグロフォレストリー、アグロエコロジー、都市農業、農民間の知識共有、生態系サービス支払い、サプライチェーン短縮などの戦略が進展を後押しうるが、その成否は適切な政策・インセンティブの提供次第だとしている。
政策気候変動経済グローバルサウスの都市栄養:現行研究のナラティブ・レビュー
2024Neetu Choudhary, Alexandra Brewis · Journal of Urban Health · Global South
低・中所得国の都市の食と栄養に関する研究169本を対象としたナラティブ・レビュー。都市農業は最も多く扱われるテーマで、食事多様性や食費への好影響が報告される一方、実際に都市農業を営んでいるのは貧困層ではなく比較的余裕のある層であり、土地へのアクセス制約から最貧層は恩恵から外れていることが指摘されている。あわせて、都市化に伴う加工食品・高脂肪高糖食品への移行(栄養転換)と、低栄養と過体重が併存する「栄養の二重負荷」が確認された。現金給付は危機時に一定の効果を示すが、社会保障だけでは食料不安を解消できないとする。ジェンダー、水・衛生との関連、都市内の公平性、地方自治体の役割の4点が研究の空白として挙げられている。
健康政策経済INDIGOの節目——インパクトボンド300件、そしてなお増え続ける
2024Government Outcomes Lab, University of Oxford · Government Outcomes Lab (GO Lab), Blavatnik School of Government, University of Oxford · Global
2024年11月5日公開。オックスフォード大学のGovernment Outcomes Labが運営するINDIGOインパクトボンド・データセットの収録件数が300件に達したことを伝える記事。同データセットはこの種のものとしては世界最大のオープンアクセス資源だとされ、政府・実務者・投資家・研究者が標準化された形式でデータを共有できるようにしている。成果連動型資金(Outcomes-Based Financing)のパイプラインは過去3年で3倍以上になり、南アジア・東南アジア・アフリカ・欧州・英国の実務者8名が、事業設計や研究にINDIGOを使っていると証言している。
政策経済