ジュニナト・エル・ハフシア(チュニス旧市街のコミュニティ菜園)
Tunis, Tunisia · 運営: 地域住民(コミュニティ憲章にもとづく共同運営)。農学技師 Firas Khelifi、Cities Alliance、BlueFish、チュニス市が立ち上げを支援
概要
チュニス旧市街ハフシア地区で、駐車スペース兼ごみの捨て場だった一角を整備した公園が、住民が共同で管理する都市農業の場へ育った事例。南部チュニジアの伝統的なやり方に着想を得たアグロエコロジーで、たとえばナツメヤシの葉を使って猛暑から若い苗を守る。整備から4年経ったいまも活動が続いていることが、この事例の要点である。
市民の参加
7家族が個別の区画を持ち、日々の段取りは小さな調整チームが担うが、何を植えるか・どんな活動をするかといった大きな判断は定例の住民会議で全員が話し合って決める。開設当初は苗を抜かれることが続き参加者も少なかったが、週次の活動を定着させ、住民自身に管理役をお願いしていくうちに参加が増え、近隣の商店も世話を手伝うようになった。運営側は「本当の主役は住民、とりわけ子どもたちで、彼らが菜園のいちばん厳しい番人になり、家族を巻き込む起点になった」としている。
運営・収益モデル
2021年、Femmedina プログラムによる旧市街の公共空間改善事業の一環として、女性・家族・地域に開かれた公園として整備された。2022年に農学技師 Firas Khelifi が Cities Alliance、BlueFish、チュニス市や地域団体と組み、この公園を土台に都市農業プロジェクトを立ち上げた。収穫物は各家庭の食卓に回り、余った野菜は近隣で販売される。運営は住民と市民団体が共同で作った「コミュニティ憲章」に沿って行われ、アグロエコロジーの実践、在来種の優先、環境教育を掲げ、菜園内での商業ブランドの露出を制限している。
成果・社会的インパクト
これまでに植え付け・播種のワークショップを60回以上、上映会や近隣の集まりなどのコミュニティ行事をおよそ50回開いてきた。学生・住民・子ども・障害のある人など550人以上が参加してつくったレリーフ壁画「1001 Bricks」(アーティスト Anne Francey の指導)はいまも現地に残る。2026年初めには学校向けの都市農業の授業が始まり、メラシン地区では若者が屋上菜園を立ち上げるための職業訓練プログラムが動いている。
作物
—
規模
チュニス旧市街ハフシア地区の小さな一角。7家族がそれぞれ区画を管理する。もとは使われていない駐車スペースと不法投棄の場だった。
メディア掲載(1)
出典(1)
本データは下記の公開情報・公式サイト・研究をもとに整理しています。
関連する事例
ジュバル・ラフメル・コミュニティガーデン(チュニス)
TNTunis, Tunisia
チュニスの低所得密集地区で、住民が放置地を共同菜園として再生し、新鮮な野菜と収入、そして食料主権への一歩を得ている事例。北アフリカの都市における住民参加型アグロエコロジーの新しいモデルとして注目される。
hivos.org
セレス コミュニティ環境公園
AUMelbourne, Australia
1982年設立、メルボルン近郊の元埋立地を再生した10エーカーの環境公園・都市農場。環境教育と都市農業、社会的企業を組み合わせた持続可能性の拠点。
ceres.org.au+1
シェア畑(アグリメディア)
JPTokyo, Japan
アグリメディアが運営する全国最大級のサポート付き貸し農園「シェア畑」。初心者でも手ぶらで通える仕組みで都市住民に野菜づくりの機会を提供し、遊休農地の活用にもつなげている。
agrimedia.jp+1
緑と農の体験塾(練馬区農業体験農園)
JPTokyo, Japan
1996年に練馬区南大泉で誕生した全国初の「農業体験農園」。農家が園主となって指導する仕組みで、貸し農園とは異なり質の高い栽培体験と都市農地の保全を両立させ、全国に広がるモデルとなった。
city.nerima.tokyo.jp+4