都市の食・関連産業との接点
飲食・流通・地産地消とつながる
農園はカフェ・レストラン・直売・流通など、都市の食関連産業との接点になります。地産地消やシェフとの協働は、農園の価値を経済の側からも裏づけます。
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この効果が表れている事例
EAT LOCAL KOBE FARMSTAND(北野坂)
JPKobe, Japan
毎週土曜のEAT LOCAL KOBE ファーマーズマーケットを日常的に体験できるよう常設化した実店舗。神戸の北野坂で毎日営業し、市内産の農水産物・加工品・飲料・パンを扱い、カフェも併設する。生産者と消費者をつなぐ地産地消の常設拠点となっている。
eatlocalkobe.org+2
ブルックリン・グレンジ屋上農園
USNew York, United States
ニューヨークで最大規模の屋上農園。2010年創設、3つの屋上(約5.6エーカー)で有機野菜とハチミツを生産。年間8万ポンド以上の野菜を生産し、CSA、ファーマーズマーケット、レストラン供給、100以上のハチミツ蜂巣を都市内で管理。公正流通プログラムにより低所得層への食料配分も実施。
brooklyngrangefarm.com+2
SLOTH JINNAN TERRACE FARM by grow
JPShibuya, Tokyo, Japan
渋谷区神南のSLOTH JINNAN TERRACEに併設されたgrow対応ファーム。幻の銘茶「渋谷茶」やキクイモ・葉物などを育て、都心のど真ん中でFarm to Tableと地産地消を実践する。
growshare.jp
ハックニー・シティファーム(英国・ロンドン)
GBLondon, United Kingdom
ロンドン・ハックニー区のハガーストン公園内にある都市の農場。1984年に地域と教育のための資源として設立され、家禽・羊・ウサギ・ミツバチ・豚・ロバを飼う。農場の中庭、放牧地、庭、蝶の家をそなえた樹木のナーサリーがあり、教育プロジェクト・展示・工芸講座・ファームトレイルを開いている。2009年には当時のプリンス・オブ・ウェールズ(現チャールズ3世)が訪れた。
en.wikipedia.org
フレッシュ・ダイレクト・ナイジェリア(コンテナ型都市農場)
NGAbuja, Nigeria
ナイジェリアの首都アブジャで、輸送用コンテナを活用した垂直水耕農場により都市のなかで野菜を生産するパイオニア的事業。少ない土地と水で高い収量を上げ、都市の若者を農業に呼び込むモデルとして国内外で紹介されている。
thenationonlineng.net+2
Viikki Urban Farmers(ヴィッキ都市農民・ヘルシンキ)
FIHelsinki, Finland
ヘルシンキ大学農学部とViikki Food Design Factoryが協働。都市キャンパス内での持続可能な農業実践と食教育。2025年夏にViikki Local Food Fairで初の販売体験を実施。
helsinki.fi
裏づけとなる研究
小規模有機果樹・野菜生産者のための流通チャネルの選択と最適化
カザフスタン・アルマトイ州で有機園芸に転換した小規模生産者を対象に、有機製品の一般的な販売チャネルを特定・分析し、代替的なマーケティング戦略導入の可能性を検討した研究。デスクリサーチに加え、業界公開情報、学術文献、事業者調査を用いた。カザフスタンでは有機製品の生産は約20年の歴史を持つが、これまでは輸出志向の穀物を扱う大規模生産者が中心で、間接的な取引チャネルが主だった。国内のエコ製品市場が形成されつつある中で小規模生産者がこの分野に参入するには、効果的なマーケティングプログラムの導入と、直接販売チャネルの拡充が必要とされる。検討された販路には、注文情報に基づく「オーガニックボックス」、地域支援型農業(CSA)、集中管理型の摘み取り販売プラットフォーム、有機農家市場・即売会、有機農場併設の直売所、有機レストラン、公共調達、アグリツーリズム、eコマースなどが挙げられる。販売拠点の選択は農業経営の経済効率に影響する重要な経営判断であり、小規模経営の生産者は消費者と直接つながる複数の流通チャネルを構築すべきだと結論づけている。
Ye. V. Klimov, B. O. Assilov · 2022 · Problems of AgriMarket
まちづくり団体による都市農業の市場外流通支援の特徴と課題
まちづくり団体が都市農業の市場外流通(直売・契約販売など)を支援する取り組みの特徴と課題を分析した査読論文。柏市・国分寺市の事例を扱い、神戸のEAT LOCAL KOBEのような官民連携によるファーマーズマーケット・地産地消支援を学術的に位置づける参考となる。
· 2021 · 都市計画論文集(公益社団法人 日本都市計画学会)56巻2号
食、ジェントリフィケーション、変わりゆく都市
食を切り口にジェントリフィケーションの政治・過程を論じた論考(対象地域は明示されず、世界の都市を事例として言及)。従来の説明が政治経済的要因または文化的要因のいずれかに偏りがちであったのに対し、両者の関係を示すことで食のジェントリフィケーションが多面的であり、近隣地区の階級・エスノレイシャルな人口構成、フードスケープ(食の風景)とフードウェイ(食習慣)、住宅事情を変化させると論じる。世界各地の貧困地域では、開発業者が新規住民を呼び込み不動産価値を高める手段として都市農業を利用するなど、食を媒介としたジェントリフィケーションの有害な影響を受けうるとしている。さらに、食そのものもジェントリフィケーション化され、人種・エスニシティにより周縁化されたコミュニティにとって文化的に重要な食が「クール」なものとして扱われ手が届かなくなる収奪と、従来のバー・カフェ・レストラン・食料品店・菜園を排除する食品小売の高級化という二つの側面があるとする。論考の結びでは、食のジェントリフィケーションの有害な影響を防ぐための社会運動戦略と政策アプローチについて簡潔に論じている。
Joshua Sbicca · 2017 · Digital Collections of Colorado (Colorado State University)
都市菜園とレストラン:クリチバの「シェフの菜園」プロジェクトとその美食とのつながりの分析
本研究は、クリチバ市で実施された「シェフの菜園」プロジェクトに焦点を当て、都市菜園とシェフの関係における課題、期待、可能性を分析した。2022年12月から2023年2月にかけて、文献レビューと2人のシェフおよび1人の公務員への半構造化質的インタビューを含む横断研究が実施された。結果として、「シェフの菜園」プロジェクトはCOVID-19パンデミックによる衰退のため中止されたことが示された。
Ricardo de Amorim Cini, Juliana Hrycyna · 2025 · Ágora