DIY・市民でつくる
DIY型は、初期費用を抑えて『まず始める』ための現実的な入口です。プランター・木製レイズドベッド・移動可能な栽培容器など、市民の手でつくれる仕掛けが事例に数多く見られます。
96 件の事例
要点
- 収録 96 件がDIY・自作の要素を含む。
- 移動可能なプランター/コンテナは暫定利用と好相性・原状回復が容易。
- 一緒に作る過程がコミュニティと当事者意識を生む。
データから見えること
移動可能なプランターやコンテナは、暫定利用の土地と相性が抜群です。土を地面に固定しないため原状回復が容易で、再開発前の遊休地を短期間だけ借りて始める初期投資の軽いモデルが成立します。
ワークショップで一緒に作ること自体がコミュニティづくりになり、参加者が『自分の場所』として関わり続ける動機になります。設備は最小限から始め、必要に応じて段階的に拡張するのが定石です。
代表的な事例
関連する事例を見る →野村不動産 都市型体験農園サービス(JA世田谷目黒 連携)
JPSetagaya, Tokyo, Japan
野村不動産がJA世田谷目黒と業務提携し、2020年11月に世田谷区中町でスタートした会員制の都市型体験農園。組合員所有の生産緑地約2,000㎡超を借り受け、約200区画(1区画3.6㎡)を住民・市民に貸し出す。JAの農家・アドバイザーが栽培をサポートし、種・苗・肥料・農具がそろうため、初心者でも手ぶらで作付けから収穫まで本格的な農業を体験できる。減少する都市農地の保全と食育・コミュニティ形成を狙う。
jacom.or.jp+3
1.2 mile community compost(表参道・4Nature)
JPTokyo, Japan
東京・表参道のフードコートを拠点に、半径2km圏の住民が家庭の生ごみを持ち寄って共同で堆肥化するコミュニティコンポスト。できた堆肥や野菜づくりを通じて『土から始まるご近所付き合い』を都心で実践する。
corp.4nature.co.jp+2
下北線路街・シモキタ園藝部(小田急線上部利用のグリーンインフラ)
JP東京都世田谷区 / Setagaya, Tokyo, Japan
小田急線地下化で生まれた線路跡地(下北線路街)を、雨庭広場・原っぱ・植栽帯からなる連続した緑のインフラとして再生。区立シモキタ雨庭広場は雨水を貯めても飛び石で渡れるよう設計され、雨水管理・生物多様性・コミュニティを担う。市民組織シモキタ園藝部が植栽・養蜂・コンポストで運営に深く関わる。
shimokitazawa.info+2
いちばたけ(灘中央市場)
JPKobe, Japan
創立約100年の神戸・灘中央市場の通路沿いにあった空き地を、手づくりのプランターと照明でコミュニティ農園に再生。20年以上放置された空き地を、有機栽培の貸し畑と市場の賑わいの場に変えた。
ichiba-kobe.gr.jp+2
関連する研究
より緑豊かな都市を育てる(FAO)
FAOによる都市・近郊農業の意義と政策をまとめた取り組み。食料安全保障、雇用、環境、栄養の観点から、都市での市民の食料生産を支援する枠組みを提示している。
FAO · 2010 · Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
都市農業の社会文化的便益:文献レビュー
57カ国の事例を含む272本の査読論文を分析し、都市農業の社会文化的便益を「結束したコミュニティ」「健康と幸福」「経済的機会」「教育」の4領域に整理した大規模レビュー。社会的つながりや学びの場としての価値が最も多く報告された。
Ilieva R.T., Cohen N., Israel M. ほか · 2022 · Land (MDPI), 11(5):622
コミュニティガーデンが食事・健康・心理社会的・コミュニティ的成果に及ぼす影響:系統的レビュー
基準を満たした53研究を統合した系統的レビュー。コミュニティガーデンへの参加は野菜・果物の摂取量増加や一部の心理社会的・コミュニティ的成果と正の関連を示したが、身体的健康指標への効果は一貫しなかった。
Hume C., Grieger J.A., Kalamkarian A. ほか · 2022 · BMC Public Health, 22:1247
都市農業は参加者の健康にどう寄与するか:東京の市民農園と体験農園の事例研究
東京の市民農園・体験農園の参加者783名と非参加者1254名を比較した横断研究。両タイプの都市農業への参加者は、非参加者に比べて自己評価による健康度および精神的健康が有意に良好であり、参加者間の交流が健康に寄与することを示した。
Harada K., Hino K., Iida A. ほか · 2021 · International Journal of Environmental Research and Public Health (IJERPH), 18(2):542
社会住宅における学びの場としてのコミュニティガーデン:幸福感とコミュニティのつながりに関する参加者の認識
シドニーの社会住宅団地に住む42名を対象に、6つの新設コミュニティガーデンの効果を混合研究法で評価。参加者は健康・幸福への意識向上、新鮮な食物を育てる関心、収穫物やレシピの共有、幸福感、そして頻繁な交流とコミュニティのつながりを報告した。
Gray T., Tracey D., Truong S. ほか · 2022 · Local Environment, 27(5):570-585