DIY・市民でつくる
DIY型は、初期費用を抑えて『まず始める』ための現実的な入口です。プランター・木製レイズドベッド・移動可能な栽培容器など、市民の手でつくれる仕掛けが事例に数多く見られます。
146 件の事例
要点
- 収録 146 件がDIY・自作の要素を含む。
- 移動可能なプランター/コンテナは暫定利用と好相性・原状回復が容易。
- 一緒に作る過程がコミュニティと当事者意識を生む。
データから見えること
移動可能なプランターやコンテナは、暫定利用の土地と相性が抜群です。土を地面に固定しないため原状回復が容易で、再開発前の遊休地を短期間だけ借りて始める初期投資の軽いモデルが成立します。
ワークショップで一緒に作ること自体がコミュニティづくりになり、参加者が『自分の場所』として関わり続ける動機になります。設備は最小限から始め、必要に応じて段階的に拡張するのが定石です。
代表的な事例
関連する事例を見る →さかのうえん(長崎市中新町)
JPNagasaki, Nagasaki, Japan
長崎市中新町の斜面市街地で、市民団体「長崎都市・景観研究所/null」が空き地を貸し農園化するプロジェクト。2020年の中新町ベース開園以降、年1カ所ペースで拡大し2025年時点で5拠点。自治会管理地・民有地に加え、九州初となる市民団体への有休国有地管理委託(ザ・ビュー)も実現。高齢化で増える空き地の管理負担を減らしつつ、若い世代や福祉・教育との接点をつくる。
nagasaki-null.design+6
コミュニティ菜園 みんな畑(国立市・くにたち農園の会)
JPKunitachi, Tokyo, Japan
国立市谷保でNPOくにたち農園の会が運営するコミュニティ菜園。個人区画と共同区画の二層構造で、「農ある暮らし」と子育て・地域の居場所づくりを重ねる。はたけんぼ等の農体験拠点群と連動したローカル実践。
k-nouennokai.org+4
ヒンメルベート(ベルリン・ヴェディングのコミュニティガーデン)
DEBerlin, Germany
ベルリン・ヴェディング地区の代表的なコミュニティガーデン。サッカー教育施設の建設に伴い旧地からの移転を迫られたが、市民の運動を経て2021年末にガルテン通りの恒久的な用地へ移転した。菜園・カフェ・教育プログラムを一体で運営し、都市の緑と社会的包摂の拠点となっている。
himmelbeet.de+4
みんなのうえん北加賀屋
JPOsaka, Japan
大阪・住之江の住宅跡の空き地を、開発前の暫定活用としてコミュニティ農園化した代表例(2012年開園)。地主の遊休不動産活用とクリエイティブなまちづくりを結びつけた。
greenz.jp+4
関連する研究
より緑豊かな都市を育てる(FAO)
FAOによる都市・近郊農業の意義と政策をまとめた取り組み。食料安全保障、雇用、環境、栄養の観点から、都市での市民の食料生産を支援する枠組みを提示している。
FAO · 2010 · Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
都市農業の社会文化的便益:文献レビュー
57カ国の事例を含む272本の査読論文を分析し、都市農業の社会文化的便益を「結束したコミュニティ」「健康と幸福」「経済的機会」「教育」の4領域に整理した大規模レビュー。社会的つながりや学びの場としての価値が最も多く報告された。
Ilieva R.T., Cohen N., Israel M. ほか · 2022 · Land (MDPI), 11(5):622
コミュニティガーデンが食事・健康・心理社会的・コミュニティ的成果に及ぼす影響:系統的レビュー
基準を満たした53研究を統合した系統的レビュー。コミュニティガーデンへの参加は野菜・果物の摂取量増加や一部の心理社会的・コミュニティ的成果と正の関連を示したが、身体的健康指標への効果は一貫しなかった。
Hume C., Grieger J.A., Kalamkarian A. ほか · 2022 · BMC Public Health, 22:1247
都市農業は参加者の健康にどう寄与するか:東京の市民農園と体験農園の事例研究
東京の市民農園・体験農園の参加者783名と非参加者1254名を比較した横断研究。両タイプの都市農業への参加者は、非参加者に比べて自己評価による健康度および精神的健康が有意に良好であり、参加者間の交流が健康に寄与することを示した。
Harada K., Hino K., Iida A. ほか · 2021 · International Journal of Environmental Research and Public Health (IJERPH), 18(2):542
社会住宅における学びの場としてのコミュニティガーデン:幸福感とコミュニティのつながりに関する参加者の認識
シドニーの社会住宅団地に住む42名を対象に、6つの新設コミュニティガーデンの効果を混合研究法で評価。参加者は健康・幸福への意識向上、新鮮な食物を育てる関心、収穫物やレシピの共有、幸福感、そして頻繁な交流とコミュニティのつながりを報告した。
Gray T., Tracey D., Truong S. ほか · 2022 · Local Environment, 27(5):570-585