ワワ・イリャリ(リマ・パチャカマック)
Lima, Peru · 運営: International Child Development Program (ICDP) ペルー、パチャカマック保健センター(保健省)、マギル大学ほかの共同事業。地域保健推進員(CHP)が現場の担い手。
概要
ペルー・リマ首都圏の南、パチャカマック地区の岩がちな周縁集落で、0〜3歳児のいる世帯を対象に行われた多部門プロジェクト。地域保健推進員が家庭菜園・共同菜園づくり、栄養、養育ワークショップを順に手渡し、乳幼児の発達と世帯の食料不安の改善をねらった。菜園単体ではなく、菜園を入口に栄養と養育をつなげる設計になっている。
市民の参加
地域保健推進員(CHP)が「ステップ・バイ・ステップ」の学習方式で、(1)家庭・共同菜園づくり、(2)「意識的な栄養」、(3)養育ワークショップ(ICDP方式)を順に住民に手渡していく。保健センターの看護師が「最も支援を要する」と挙げた集落が対象。評価には0〜3歳児をもつ介入コミュニティ113世帯と対照コミュニティ127世帯が参加した。
運営・収益モデル
期間を区切った助成金型のプロジェクト。Grand Challenges Canada の「Saving Brains」助成(#R-SB-POC-1707-09076)を主資金とし、Susila Dharma International とその各国組織、Aspen Community Foundation(米国)などの寄付が補完した。参加世帯の負担ではなく外部資金で運営された。
成果・社会的インパクト
12か月の比較で、食料不安のリスク比は0.20(95%CI 0.08〜0.51)、言語発達の遅れは0.39(0.19〜0.82)と有意に下がり、下痢と呼吸器感染も減った。一方で運動発達と社会・認知発達の遅れは有意に改善せず、論文は介入期間がより長ければ追加の改善が検出できた可能性と、感染症とペットの管理が必要な可能性を指摘している。菜園・栄養・養育の3点セットで実施されたため菜園単独の寄与は取り出せない。助成期間を区切ったプロジェクトであり、資金終了後の継続状況は公表資料から確認できなかった。
作物
- vegetables
規模
リマ首都圏の南約59kmに位置するパチャカマック地区の、岩がちで乾いた周縁集落。菜園は家庭菜園と共同菜園の組み合わせ。
出典(1)
関連する事例
MUSA プロジェクト(女性による食糧・環境安全保障)
PELima, Peru
Cuso International が中心となるMUSAプロジェクトは、リマの低所得地域で女性農家への農業訓練と市民菜園の拡大を推進。350人以上の農家と204の菜園を通じ、食糧不足と栄養不良に対抗する。
cusointernational.org
アバリミ・ベゼカヤ(ケープタウン)
ZACape Town, South Africa
1982年設立、ケープタウンのタウンシップで小規模な市民農業を支援するNPO。「家の農民」を意味する名のとおり、貧困地域の住民が有機菜園で野菜を育てられるよう研修と資材を提供し、食料保障と生計を支える。
abalimibezekhaya.org.za+4
シデナム・ガーデン(社会的処方の療法ガーデン)
GBLondon, United Kingdom
ロンドン・ルイシャム区にある、よりよいメンタルヘルスのためのコミュニティ資源。緑の空間で食物を育て、調理し、アートや交流を通じて回復・自立を支える社会的処方の代表的拠点。
centreformentalhealth.org.uk+1
シティ・ブロッサムズ(こども主導の地域庭園・ワシントンDC)
USWashington, DC, United States
ワシントンDC出身の二人が2008年に設立した非営利団体で、安全な緑地が乏しい黒人・ラテン系・移民が多い地域で、未利用地を「こども主導の庭」に変える事例。2〜19歳が栽培や調理、青少年協同組合での産品販売を通じて食育とコミュニティづくりを学ぶ。DCと全国で100以上のプロジェクトを展開してきた。
cityblossoms.org+1