研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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ミミズ堆肥由来液肥の都市農業における潅水施肥への活用可能性
2016Shlrene Quaik, Kaizar Hossain, Mahamad Hakimi Ibrahim · International Journal of Agricultural Research · Global
前処理済み牛糞を用いたミミズ堆肥から得られる液体(バーミウォッシュとミミズ堆肥浸出液)を、葉焼けを防ぐため希釈してサツマイモに施用した研究。化学分析により植物養分の存在が確認され、クロロフィル含量(a、b、総量)の増加と葉内の養分分布の改善が観察された。バーミウォッシュとミミズ堆肥浸出液は有機葉面施肥剤としての可能性を示し、圃場規模の都市農業における潅水施肥への適用が可能であることが示された。ただし両液の養分含量をさらに高めるには、他の養分豊富な基質の添加が必要とされる。
コンポスト有機資源循環DIY・自作屋上緑化開発に対する市民の期待と認識——イランの事例研究
2016Mohsen Kalantari, Somaye Ghezelbash, Bamshad Yaghmaei · Mediterranean Journal of Social Sciences · Global
イラン・ザンジャン市の各地区で、屋上緑化(グリーンルーフ)開発への参加に関する市民の期待と態度を、行動・社会・人口統計学的変数との関連で調べた調査(2016年)。無作為抽出した住民313人にアンケートを実施し、カイ二乗検定とピアソン相関係数で分析した。市民は屋上緑化の主な便益と障壁について意見を示し、屋上庭園の設置に関心を持ってはいたが、実際に取り組む志願者はいなかった。自治体や都市管理者による資金的・技術的支援が、市民の最も大きな期待であった。
政策コミュニティ生物多様性園芸活動介入とその成果に関する文献レビュー
2016Sin-Ae Park, A-Young Lee, Geung‐Joo Lee, Daesik Kim, Wan Soon Kim, Candice A. Shoemaker, Ki-Cheol Son · 원예과학기술지 · Global
園芸活動介入の研究動向を把握し、その特徴を分析することを目的とした文献レビュー。Web of Science、ProQuest Dissertation and Theses、Academic Search Premier、Research Information Sharing Service、韓国国会図書館デジタルライブラリー等を用いて2014年4月以前に発表された論文14,414件を抽出し、うち509件をレビュー対象として選定した。対象年齢は8〜64歳が最も多く、屋外での栽培、室内での植え付け、生花や造花・押し花を用いたクラフト作りなど複数の園芸活動を組み合わせた介入が一般的だった。介入期間は11〜20セッションの短〜中期間が最多で、1回あたり60〜120分の中程度の長さが多かった。研究の大半は感情知性、自尊心、ストレス、抑うつなど心理的・情緒的効果に焦点を当てており、研究手法や具体的な成果、研究の長所・短所を分析するさらなる研究が必要とされている。
コミュニティ食育健康福祉ウガンダ・カンパラの食料システムにおける周辺都市地域の役割
2016E.N. Sabiiti, Constantine Bakyusa Katongole · Water science and technology library · Uganda
ウガンダの首都カンパラ(人口約151万人)を取り巻く周辺都市地域ワキソ県は、養鶏で全国1位、養豚で全国2位の生産量を誇り、それぞれ全国のニワトリ・ブタ飼育数の7.4%、6.3%を占める。しかし本章は、人口増加、地価の人為的な歪み、建設ブームやレクリエーション・娯楽施設の増加により農業用地と都市的開発との間の土地競争が激化し、周辺都市の農地が都市の拡大による浸食の危険にさらされつつあり、市の食料安全保障に悪影響を及ぼす可能性があると指摘する。
環境負荷のトレードオフ近郊農業コミュニティ食料主権・社会正義経済園芸活動介入とその成果に関するレビュー
2016Sin-Ae Park, A-Young Lee, Geung‐Joo Lee, Daesik Kim, Wan Soon Kim, Candice A. Shoemaker, Ki-Cheol Son · Horticultural Science and Technology · Global
園芸活動介入(ガーデニング活動、菜園プログラム、市民農園、都市農業、園芸療法など)の成果に関する研究動向を明らかにするため、Web of ScienceやProQuest Dissertation and Theses等の検索エンジンを用いて2014年4月以前に発表された論文14,414件を抽出し、うち509件をレビュー対象として選定した文献レビュー。対象年齢は8〜64歳が最も多く、セッション数11〜20回程度の短中期プログラムが最も一般的で、介入時間は60〜120分程度の中程度の長さが多く、研究の大半は情動知能・自尊心・ストレス・抑うつなど心理的・情緒的効果に焦点を当てていた。
コミュニティ健康食育都市農業における地域アイデンティティの役割
2016Insa Theesfeld, Nicole Rogge, Theesfeld, Insa, Rogge, Nicole · · Global
本論文は集合行為理論を都市ガーデンに適用し、特に先進国では都市ガーデンが経済的競争力や地域産品への欲求からではなく、都市開発への参加不足や公共空間の民主的利用・社会的交流の機会の乏しさへの応答として生まれると論じる。この動向を記述する基準と、庭園間で共同利用資源の程度を区別する基準を提示し、3つのパイロット事例研究を通じてその適用可能性を示す。都市ガーデン運動は、時間・知識の共有と公的意思決定への参加を通じて、参加者が新たな地域アイデンティティを築く機会を提供しうることを示した。
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『インハビット』——パーマカルチャーを描いたドキュメンタリー映画のレビュー
2016Irina Stanishevskaya · Educational Media Reviews Online · Global
コスタ・ブツィカリス監督、エメット・ブレナン製作によるドキュメンタリー映画『Inhabit』(2015年、92分)のメディアレビュー。パーマカルチャー概念の共同提唱者ビル・モリソンの引用「良い暮らしに必要なものはすべて、太陽・風・人々・建物・石・海・鳥・植物として私たちの周りにある」で始まり、パーマカルチャーを「permanent(永続的)」と「agriculture(農業)」を組み合わせた語として、生態系の多様な原理を農業や暮らしに適応させる手法だと説明する。米国は年間9億トンの農薬を使用し、1エーカーあたり年間約3トンの表土を失っているという数字を挙げ、農場・果樹園・庭・造園・遊び場の設計にパーマカルチャーの原理を実践する人々——バーモント州のベン・フォーク(Whole System Design Permaculture Research Farm創設者)、マサチューセッツ州のエリック・トエンスマイヤーやリサ・デピアーノ、メイン州のリサ・フェルナンデス、ニューハンプシャー州のスティーブ・ホイットマン、ニューヨーク市の都市デザイナーであるドウェイン・リー(ランドールズ島のファイブ・ボロー・グリーンルーフ)ら——を紹介している。
有機資源循環コミュニティ危機下における都市農業と都市計画の連携——ヨルダン・マフラクの事例
2016B. Borra, R. van Veenhuizen, Marc Schut, Andrew Adam‐Bradford · Coventry University Open Collections (Coventry university) · Global
RUAF(都市農業資源センター)とThe Spontaneous City International(SPcitI)による、2015年開始の共同活動の報告。シリア難民危機を背景に、ヨルダン北部マフラク地域を対象地とし、オランダ自治体協会国際協力機関(VNGI)の委託で食料・農業の役割に関する現況調査を実施したと述べる。グローバルサウスの都市を対象に、都市農業と都市計画を結びつけるパートナーシップ構築を進めているとする。
コミュニティ政策食料主権・社会正義ピョートル大帝植物園アルピナリウムにおける北米・ヒマラヤ山地区画コレクションの種構成の変遷
2016Tkachenko Kirill · HORTUS BOTANICUS · Russia
ロシア・ピョートル大帝植物園のアルピナリウム(高山植物園)にある北米区画とヒマラヤ区画を対象に、過去60年間の導入植物の記録を分析した研究。この間に61科約385種の植物が導入され、1960年代の展示は51科約130種、20年後には55科254種、21世紀初頭には52科249分類群となり、2010年以降の大規模な改修・コレクション追加を経て2015年時点では54科200種の展示構成になっていると報告している。
コミュニティ生物多様性持続可能な都市開発を実現する計画ツールとしての都市農業
2016Maya MITEVA · AGROFOR · Global
国連(2015年)の推計によれば、ブルガリアの人口は2050年までに27.9%減少するとされ(比較対象の日本は15.1%減)、この人口減少・都市縮小に対応する計画手法として都市農業を位置づけた事例研究。2010年に日本の柏市で始まった「カシニワ」制度——縮小都市における空き地対策のための革新的な地方ガバナンス手法——を分析し、日本における都市農業計画手法の研究・実践経験を明らかにしたうえで、ブルガリアの計画実務への応用可能性を論じている。
政策コミュニティ食料主権・社会正義ホスピタリティ産業における地元食材利用の障壁と制約
2016Hiran Roy, C. Michael Hall, Paul W. Ballantine · · Global
この序論部分は北米・欧州における地元食材への関心の高まりを扱う。新鮮な食材へのアクセス、地元農家や地域社会の支援、社会的交流への参加などを消費者が地元食材を支持する理由として挙げ、信頼・地域性・透明性・動物福祉・食品安全への関心の高まりとともに、ファーマーズマーケットや宅配ボックス、地域支援型農業(CSA)などの直売形態が1990年代後半以降に普及したと述べる。標題が示すホスピタリティ産業側の具体的な障壁・制約の内容は、この抜粋には記述されていない。
事業採算・継続性食料流通・フードマイルコミュニティ経済都市・都市周辺農業(AUP)の実験・実演・研修モジュール
2016Luz Andrea Tautiva Merchán, Fabián Enrique Martínez Camelo · · Colombia
コロンビア農牧研究公社(Corpoica)が2006年以降、自社の研究センターで確立・実施してきた都市・都市周辺農業(限られた空間で行う有機食料生産システム)の実演・研修モジュールを紹介するパンフレット。制度の取り組みの説明にとどまり、実証的な成果データは示していない。
食育近郊農業有機資源循環学校菜園への参加が子どもの健康行動に与える影響
2016Stefanie Schneider, Jennifer R. Pharr, Timothy J. Bungum · Health Behavior and Policy Review · Global
2015年4月にWeb of KnowledgeとSCOPUSのデータベースを用いて実施された系統的レビュー。菜園を用いた介入が栄養知識、果物・野菜摂取、味の嗜好、身体活動、算数・理科の学業成績に与える影響を検討した14件の研究を対象とし、うち11件が食事関連の結果を、2件が身体活動を、2件が算数・理科の成績を扱っていた。栄養に関する内容を組み込んだ学校菜園プログラムが、参加者の栄養知識や果物・野菜摂取、味の嗜好の幅を広げる上で有効である可能性が示された。菜園活動に教育カリキュラムを組み合わせることが、健康的な食への態度と食行動を高める効果的な方策であるとしている。
食育健康コミュニティボサ環境協議会による都市農業プログラムへの接近
2016Puentes Torres, Róger Eduardo · · Colombia
本研究は、コロンビア・ボゴタ市ボサ地区における行政と市民の参加・協議の場である「ボサ環境協議会(Mesa Ambiental de Bosa)」が運営する都市農業プログラムについて、その活動を記述した文書を収集・分析し、プログラムの歩みと地域社会への貢献を明らかにしようとするものである。現地での一次データや測定結果を報告する研究ではなく、文書に基づく接近的考察として提示されている。
政策コミュニティアドルフォ・ペレス=エスキベル、ノーベル平和賞受賞者「農業の均衡を取り戻さねば、さもなくば私たちは終わりだ」
2016Javier Melero Llorente · Phytoma España: La revista profesional de sanidad vegetal · Global
本稿は、アルゼンチンの芸術家・建築学教授・人権活動家であり、1980年にノーベル平和賞を受賞したアドルフォ・ペレス=エスキベルへのインタビュー・プロフィール記事である。彼が数十年にわたりアグロエコロジーや、生態系に根ざした代替的な農業生産を擁護する社会運動を支援してきた経緯を紹介し、コロンビアの和平国民投票の国際監視員を務めた直後に、バレンシア工科大学農学部を訪れ、「アグロエコロジー・都市農業・食料主権・農村開発協力」に関する第5回講座を開講した様子を伝える。研究データや調査結果は含まれていない。
食料主権・社会正義コミュニティ政策都市農業、廃棄物管理、食料安全保障:ネパール
2016BibekDhital BibekDhital, Anusha Sharma, Santosh Adhikari · International Journal of Environment Agriculture and Biotechnology · Nepal
ネパールの都市化と農村部の土地遊休化の進行を背景に、ポカラ市とドゥリケル市を事例として都市農業の現状を調査した。その結果、4〜5人家族の野菜需要を満たすには150平方メートルの農地で十分であり、100平方メートルあたり年間6,000〜8,000ネパールルピーの支出削減につながることが示された。
食料主権・社会正義コミュニティ政策農村から都市への持続可能な農業とレジリエントな地域社会の実現
2016George R. Smith, Dilip Nandwani, Vanaja Kankarla · International Journal of Sustainable Development & World Ecology · Global
持続可能な農業に関する共通のパラメータと原則を検証するための概念的研究。代替的な持続可能農業の諸形態と、農村から都市への地域レジリエンスとの比較を行い、複数の持続可能・代替農業システム間の結論を導出・評価した。有機農業のパラメータと原則を概念枠組みとして提案し、米国と英国における都市・農村の持続可能農業のベストマネジメント・パラメータを検討した。都市農業は新鮮で入手しやすい農産物への需要増加とともに拡大しているとし、持続可能な農業と農村・都市コミュニティとの間に相互依存的な関係を支持する証拠があるとする一方、この関係が明確に定義されていないとする異論もあると述べている。
コミュニティ政策食料主権・社会正義都市農業——都市と農村の連続性を育む
2016François Mancebo, Sylvie Salles · Challenges in Sustainability · Global
20世紀末以降に世界各地で増加してきた都市農業プロジェクトが、都市景観や都市の構造そのものを再編し、伝統的な都市生活への代替を試み、新たなコモンズを生み出し、人々を結びつけていることを紹介する論説的論文。シンガポールは食肉、バマコは野菜においてそれぞれ自給を達成し、ベルリンには8万か所のコミュニティガーデンが公有地に存在し、さらに1万6千人が順番待ちであるといった各都市の事例が紹介されている。脱工業化に伴う遊休地・荒廃地やドイツ・日本のような人口減少、一部アフリカ都市での人口流出により生じた未利用地が都市農業の新たな機会となっているとし、デトロイトでは数千ヘクタールの都市用地が失業者に食料生産用として提供され、英国では20都市の議会が荒廃地での都市農業を推進してきたとする。都市農業は徐々に都市計画政策の選択肢となりつつあり、デルフトでは他の土地利用と組み合わせた計画文書に、パリでは農地景観を保護する包括的な地域土地利用計画に、それぞれ都市農業が組み込まれているとしている。
コミュニティ都市農村連携食料主権・社会正義都市農業による都市への食料供給——コミュニティ評価価値
2016Saverio Miccoli, Fabrizio Finucci, Rocco Murro · Agriculture and Agricultural Science Procedia · Global
世界的な都市人口増加に伴う食料需要増大を背景に、もはや持続可能とはみなされない従来型農業生産を補うため、伝統的農業生産を統合する都市農業の推進を提唱する論文(2016年、地域限定なし)。都市農業の統合システム導入を提案した上で、その社会的評価を測定する手法として、討議型評価手続きによって得られる「コミュニティ評価価値(Community Esteem Value)」を提案している。
コミュニティ健康経済新たな高みへ
2016Christine Brown-Paul · Practical Hydroponics and Greenhouses · Global
小規模なコミュニティガーデンから複数の街区にまたがる都市農場、集約的な屋内水耕栽培・養殖施設まで、都市農業の多様な形態を概観する記事(2016年、地域限定なし)。この急成長する現象がコミュニティの健康や社会的結束を育み、農家や地域に経済的機会を生み出す可能性を持つ一方、独自の課題と機会を伴うと述べている。
コミュニティ経済食料主権・社会正義消費との関係における物語の書き換え
2016Iain Black, Deirdre Shaw, Katherine Trebeck · Families Relationships and Societies · Global
「物語を変える:家族にとって重要なことを測ることで進歩を測る」と「消費のための空間:コミュニティガーデンが近隣に『われわれ』を取り戻す」という2本の関連する論考(Open Space欄)を紹介する序論(2016年、地域限定なし)。社会的・環境的に害のある消費に依存しない人間関係を可能にする空間をいかに創出できるか、そして社会的・環境的・経済的に持続可能な社会のための空間をいかに生み出せるかを、この2本の論考が検討していると述べる。
コミュニティ食料主権・社会正義計画という神話と所有の心地よさ
2016· · Global
空間計画家など政策立案者が特定の土地利用を促進・禁止する際には、土地利用者の権利、とりわけ所有権に介入しているとする理論的な論考。土地利用・計画・所有をつなぐ技術的な概念として「土地政策」を位置づけ、良い土地政策とは、複数の所有関係の形態によって多様な土地利用を可能にするものであり、単一種類の所有ルールがすべての土地利用の目的に適合するわけではないと論じる。一戸建て住宅とコミュニティガーデン、幹線道路がそれぞれ異なる所有の「指紋」を必要とする例を挙げ、計画家が現行の所有ルールが自らの目標に全く適合しないと感じる場合には、所有権が計画の実施をどの程度阻害しているのかを理解する必要があると述べる。
政策コミュニティ実在するコモンズとしてのコミュニティガーデン
2016Efrat Eizenberg · · Global
コミュニティガーデンという制度と、政治的実践に関与する機会、および空間生産の過程に参加する機会との間にある、広範で自己生成的な関係性を論じた章。この集合体が持つ自己生成的な力は、それ自体の生命を持ち、新たな参加者を生み出し続け、長期にわたる制度の持続可能性を約束するとされる。政治意識の発展は参加者を異なる種類の都市住民として作り直すものであり、グラムシの議論を敷衍して、著者はこの過程を「有機的住民」を生み出すものと表現する。有機的住民とは、シタディン(都市住民)とは定義されないかもしれないが、ユートピア的な都市の政治的主体への一歩とみなしうる人々を指す概念として提示される。政治的発展のための多様な機会は空間生産の多くの層に埋め込まれており、菜園という現実の空間そのものが政治戦略の青写真であり、この制度がビジョンと空間を結びつけているとされる。
コミュニティ食料主権・社会正義政策「ゼロキロメートル運動」——日常の食を楽しむ都市農業のソマエステティクス
2016Jean-Francois Paquay, Sue Spaid · The Journal of Somaesthetics · Global
身体を通じた美的経験の哲学であるソマエステティクスがこれまで生産者よりも消費者(食べる人)の役割に議論の重心を移し、農家の存在を見過ごしてきたことを指摘したうえで、都市農業をソマエステティクスの事例研究として提起する哲学的論考。都市農業が美学の議論から不在であったことの検討から出発し、都市農業に伴う美的経験が芸術的区分と美的区分をいかに融解させるかを論じ、ソマエステティクスが日常的な美的実践の一部とみなせるかを検討したうえで、都市農業の持つウェルビーイングへの寄与可能性がそれをソマエステティクス的な営みたりうるものにするかを分析する。都市農業がソマエステティクスの議論から不在であった一因として、その成果が訓練された意志よりも運によるところが大きいことを挙げ、ソマエステティクスの実践としてこれを機能させるには、栽培者が「食通の基準」を引き上げるような型破りな方法を採る必要があると論じている。
食料流通・フードマイルコミュニティ食料主権・社会正義危機の局面における都市ガーデニング
2016Christopher Maughan, Christopher Maughan · Exchanges The Interdisciplinary Research Journal · Global
英国ウォーリック大学高等研究所(IAS)とFood GRPが一部資金を提供した1日限りのシンポジウム「Critical Foodscapes」を振り返り、都市コミュニティによる食料栽培という新興の研究領域に批判研究のアプローチを持ち込もうとした試みについて論じたエッセイ。会議自体の振り返りとあわせ、都市ガーデニング全般の今後の展望について考察している。
コミュニティ食料主権・社会正義政策