都市農業の一部
生産緑地・都市農地と地続きの営み
市民参加型の農園は、生産緑地や都市農地、自治体施策と地続きの営みです。制度や都市計画の文脈に位置づけることで、持続性と公共性が増します。
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この効果が表れている事例
ソウルの屋上ボックス農園(都市農業)
KRSeoul, South Korea
ソウル市が政策的に進める都市農業。ビル屋上や建物の隙間にボックス型の区画を設け、住民が共同で野菜を育てる。市と区が設置費の大半を補助し、各地で栽培講座を開いてコミュニティづくりを後押しする。
m.koreatimes.co.kr+1
練馬区 農業体験農園
JPNerima, Tokyo, Japan
練馬区は1996年に全国初の農業体験農園を生み出した都市農業の先進自治体。農家が園主となり区民を指導する『練馬方式』は全国に広がり、現在も区内で十数園が運営されている。都市の農地を市民の学びと交流の場として活かす代表的モデル。
city.nerima.tokyo.jp+1
大邱 学校菜園・都市農業支援プログラム
KRDaegu, South Korea
大邱広域市が運営する学校菜園を中心とした都市農業支援プログラム。45校の学校菜園のほか、ボックス・屋上・ベランダ菜園、高齢者向けの癒しの菜園などを補助し、食育と世代横断の市民参加を進める。
cityfarm.daegu.go.kr+1
江戸川区 小松菜の都市農業と学校給食
JPTokyo (Edogawa), Japan
小松菜発祥の地とされる東京都江戸川区で、住宅地に点在する都市の畑で在来由来の小松菜を栽培。生産者が区内92校へ直接納入し、全校一斉給食や収穫体験を通じて地域の食文化と都市農業を子どもたちへ伝えている。
ja-tokyosmile.or.jp+1
ロサリオ都市農業プログラム(パルケ・ウエルタ)
ARRosario, Argentina
2002年に経済危機への対応として始まったロサリオ市の都市農業プログラム。2004年の条例で『パルケ・ウエルタ(菜園公園)』が制度化され、遊休地をアグロエコロジー生産の公共空間に転換した。
agriurbanarosario.com.ar+2
アグロシテ(R-Urban:コロンブ/ジュヌヴィリエ)
FRGennevilliers, France
パリ郊外の空き地を市民主体の農・文化拠点に変えるR-Urban戦略の代表事例。都市農業とリサイクル、省エネ建築を組み合わせた「アグロシテ」はコロンブで生まれ、2017年に駐車場建設のため撤去されたのち、住民運動を経てジュヌヴィリエに再建された。都市コモンズの国際的なモデルとして知られる。
urbantactics.org+2
裏づけとなる研究
都市農業をめぐる情勢について(令和3年11月)
農林水産省都市農業室がまとめた都市農業の現況・政策動向の資料。都市農地の面積推移、生産緑地・特定生産緑地、都市農業振興基本法に基づく施策、市民農園・農業体験農園・農福連携など多様な機能の発揮に向けた取り組みを整理。全国の自治体が都市農業施策を検討する際の基礎資料となる。
農林水産省 農村振興局農村計画課都市農業室 · 2021 · 農林水産省(都市農地活用支援センター セミナー資料)
生産緑地地区の買い取りによる都市農地の保全・継承に関する研究
2015年の都市農業振興基本計画で「宅地化すべき土地」から「あるべき土地」へと位置づけが転換された都市農地について、農業者の高齢化により減少が続くなか、生産緑地の買い取り申出制度の運用と自治体による戦略的位置づけのあり方を、先進的に買い取りを進める世田谷区を事例に検討した。
Nakajima Y., Akita N. · 2023 · 都市計画論文集 58(3):767-773
都市フードスケープの計画:アオテアロア・ニュージーランドにおける都市農業の政策と規制
本論文はニュージーランドの四大都市(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ、ハミルトン)における都市農業の政策と土地利用規制を分析した。結果として、都市農業に特化した政策指針が欠如しており、ゾーニングの制約、マオリの食の実践への配慮不足、現代的な都市農業の形態への対応の遅れが明らかになった。都市食料主権を支援するための自治体による政策改定の必要性が勧告された。
Hanna C., Wallace P. · 2022 · Kōtuitui: New Zealand Journal of Social Sciences Online, Vol. 17, No. 3, pp. 313–335
バケツ一杯の水:水に強靭な都市農業と都市食料システムのレジリエンスに向けた実践と政策の検討
水不足に脆弱なサンフランシスコ・イーストベイを対象とした本混合手法ケーススタディは、91の都市農業サイトのマッピング、34名の関係者へのインタビュー、地域計画の分析を通じて、水管理と都市農業のレジリエンスの可能性を検討している。栽培者が主な水管理の担い手である一方、自治体や水道事業者の関与は限定的で、土地へのアクセスが水へのアクセスを規定しており、長期的な土地・水アクセスを安定させる制度的支援がレジリエンス向上に必要であると見出している。
Kristida Chhour, Maya Carrasquillo · 2025 · Frontiers in Sustainable Food Systems