ファーム・オククナ(ナミビア・ウィントフック市ゴレアンガブ地区の都市パーマカルチャー農園)
Windhoek (Goreangab), Namibia · 運営: ウィントフック市(2021年6月に運営を引き継ぎ)。設立は同市・World Future Council・Eloolo Permaculture Initiative の3者
概要
ウィントフック市北西端、ゴレアンガブのインフォーマル居住区に接する約3ヘクタールの市有地で2018年に始まった都市農園。ナミビアの厳しい乾燥気候に合うパーマカルチャーの手法を現地で作り、住民に手渡すことを目的にしている。個人区画・生産センター(堆肥、苗、自然由来の防虫剤)・研修センターの3つを1か所に持つのが特徴で、単なる菜園ではなく「都市農業の研修拠点」として設計されている。
市民の参加
インフォーマル居住区の住民が個人区画(開所後しばらくは16人が区画会員)を持って栽培するほか、Eloolo Permaculture Initiative と南アフリカのパーマカルチャー実践者による研修を受けられる。農業系の卒業生向けのマスタークラス、月1回のオープンデー(収穫物の直売)もある。狙いは「小屋住まいの人が自分の家のまわりで食べものを育てられるようにする」ことに置かれている。
運営・収益モデル
土地はウィントフック市が提供。立ち上げ期の資金は Liselotte Foundation、英国 Waterloo Foundation、南部アフリカ・イノベーション支援基金(SAIS、18か月の「Living Permaculture」事業)による。収入源として堆肥「Okukuna SPICE」を製造し、Agrigro やクライン・ウィントフックの Green Market といった小売店に卸している。2021年6月に World Future Council が手を引き、市が運営を引き継いだ。
成果・社会的インパクト
研修を受けた住民が自宅まわりで栽培を始め、さらに近隣に教える連鎖が生まれている。国連開発計画(UNDP)ナミビアが日本政府拠出で進める「Build Back Better」都市農業事業でも、ゴレアンガブでの堆肥づくり・冬夏の野菜栽培の研修拠点として使われ、古タイヤなど手元の資材を使う栽培法が広められた。2021年に市へ引き渡され、公共のサービスとして継続している。
土地・運営形態
ウィントフック市の市有地で、2021年6月以降は市自身が運営している。
作物
- ほうれん草
- ビーツ
- にんじん
- ハーブ
規模
30,000 m² — 市が提供した約3ヘクタール。個人区画の菜園、堆肥・苗・自然農薬をつくる生産センター、パーマカルチャーの研修センターからなる。
出典(2)
関連する事例
セレス コミュニティ環境公園
AUMelbourne, Australia
1982年設立、メルボルン近郊の元埋立地を再生した10エーカーの環境公園・都市農場。環境教育と都市農業、社会的企業を組み合わせた持続可能性の拠点。
ceres.org.au+1
パリの共同菜園「マン・ヴェルト」
FRParis, France
パリ市が2003年に始めた「マン・ヴェルト(緑の手)」憲章に基づく共同菜園の仕組み。市民団体が空き地などを借りて運営し、一般開放・イベント・堆肥づくり・有機栽培を約束することで、都市に社会的つながりと緑を広げる。
paris.fr+1
アバリミ・ベゼカヤ(ケープタウン)
ZACape Town, South Africa
1982年設立、ケープタウンのタウンシップで小規模な市民農業を支援するNPO。「家の農民」を意味する名のとおり、貧困地域の住民が有機菜園で野菜を育てられるよう研修と資材を提供し、食料保障と生計を支える。
abalimibezekhaya.org.za+4
Pパッチ(シアトル市民農園)
USSeattle, United States
1970年代に始まったシアトル市の公営コミュニティ菜園制度「Pパッチ」。市内各地で市民が有機的に野菜を育て、各園の「Giving Garden」で育てた作物をフードバンクに寄付する仕組みが根づいている。
seattle.gov+3