研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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要約:ハバナ・シンガポール・キガリ3都市の都市農業比較研究
2024Ada Górna · · Global
ハバナ・シンガポール・キガリの3都市を対象とした書籍のための調査研究をまとめた章。分配の特性、内部(構造・生産、組織・技術)的特徴、流通方法、果たす機能という4つの主要な比較軸に基づき、グローバルサウスの選定都市間の類似点・相違点を構造的比較分析によって明らかにする。さらに、空間的・社会経済的・政治的・環境的条件から独立して繰り返し現れる都市農業の普遍的属性と、その発展を規定する固有の仕組みを特定する。仮説の検証と研究目的の達成度についての議論、調査過程で生じた各都市固有の課題、都市農業の今後の研究方向についても述べている。
コミュニティ食料主権・社会正義政策都市農業が人・場所・地球に与える影響について、私たちは本当に何を知っているのか
2024Agnès Fargue‐Lelièvre, Jason K. Hawes, Benjamin Goldstein, Lidia Poniży, Erica Dorr · Bulletin of the Atomic Scientists · Global
このエッセイ(2024年、Bulletin of the Atomic Scientists掲載)は、都市農業が参加者に多くの便益をもたらす一方で、従来型農業より気候に優しいとは限らないと述べている。その上で、都市農業の実践者が炭素排出を減らすために取りうる具体的な手段がいくつかあるとしている。
効果は限定的気候変動コミュニティ都市園芸——都市への統合を支えるエビデンス基盤の構築
2024Jill L. Edmondson · Plants People Planet · Global
都市園芸——世界数百万人に食料をもたらしている都市部での果物・野菜栽培——に関するこの特集号序文は、都市や町により広く食料生産を組み込むために解決すべき、科学・工学・社会文化にまたがる学際的な課題を整理している。新たな実証結果を提示するものではなく、特集の趣旨と残されている知識のギャップを示すものである。
コミュニティ食育学校としての知覚する惑星、コミュニティガーデンとしての学校——エコクリエイティブなシンク・プラクティシングに向けて
2024Mónica G. Rocha-Bravo, Polina Golovátina‐Mora · Qualitative Inquiry · Global
この論文は、コロンビアの学校における環境教育のカリキュラムプロジェクトと、コロンビアの火山性熱帯林(セルバ)を歩く実践という2つの営みを回折的に読み解き、理論を差異的な生成として捉え直し、教室と学術的な文章を書くプロセスの両方をエコシステムとして扱う。生きた知は純粋に実践的・道具的なものではなく、共創され創発するものだと位置づけ、脱植民地化的な探究には個人・分野・学術界それぞれのレベルでの内的な脱植民地化が必要だと論じている。
コミュニティ食育食品廃棄物由来の水耕栽培用肥料に関する系統的レビュー
2024Oscar Wang, Rosalind Deaker, Floris van Ogtrop · Agricultural Systems · Global
PRISMAプロトコルを用いた系統的レビューは、「食品廃棄物」「水耕栽培」「肥料」「有機」を組み合わせた検索語で食品廃棄物由来の水耕栽培用肥料(FWBHF)に関する文献6,840件を特定し、タイトルと抄録の関連性から308件に絞り込んだ後、最終的に37件をレビューに含めた。このレビューは、食品廃棄物由来の水耕システムにおける収量を制限する主な課題を特定し、慣行的・非慣行的な改善策を検討し、今後の研究のための標準化された報告枠組みを提案することを目指しており、2018年に世界で生産された食料の17%にあたる推定9億3,100万トンが廃棄されたという背景のもとで論じられている。
コミュニティ有機資源循環屋上農業と大気中水分収穫の統合――吸湿性マンガン錯体による水・食料生産
2024Shan He, Primož Poredoš, Hao Qü, Xinge Yang, Mengjuan Zhou, Lulu Bai, Jiadong Shi, Wenshuai Chen, R.Z. Wang, Swee Ching Tan · Advanced Functional Materials · Global
多層構造でポリピロールをドープした相互連結マトリクスにマンガン(II)-エタノールアミン錯体を組み込んだ複合吸着材を開発し、スケールアップ時の速度論を妨げる主要因である水蒸気拡散抵抗を低減した結果、相対湿度90%で1グラムあたり2.54グラムの吸水量、30分以内に62%の放出率を達成し、1日に複数回の捕集・放出サイクルを可能にした。太陽光発電による電力加熱と太陽熱を組み合わせたハイブリッド脱着方式により安定した高収量の水生産を実現し、シミュレーションと実現可能性検証を通じて、大気中水分で灌漑する屋上農場が外部からの給水なしに人手を介さず14日間で吸着材1平方メートルあたり日量879.9グラムの水と、装置1平方メートルあたり1.28キログラムの食料を生産しうることが示された。
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都市農業の枠組み——近隣開発と都市の持続可能性への便益
2024Albin Mathew -, Sanu K Thekkath -, N Sneha · International Journal For Multidisciplinary Research · Global
本稿は都市農業の多様な形態と定義を整理し、循環経済戦略の実施や都市の食料安全保障の強化における役割を論じるレビュー論文である。学校やアンガンワディ・センターなど教育機関における事例を取り上げながら、都市農業の取り組みが持続可能性・コミュニティ参加・公平な関与を促進しうるとし、都市農業と近隣開発の相互関係が包摂的な社会の形成や持続可能な都市デザイン原則の推進に寄与すると論じ、都市計画において都市農業を中核に据えることを提唱している。
コミュニティ政策気候変動食育サーマル画像とCNNによる都市農業のマイクロクリメート予測——湿度・土壌水分は高精度、光強度は低精度
2024Arturs Kempelis, Inese Poļaka, Andrejs Romānovs, Antons Patļins · Future Internet · Global
都市農業のマイクロクリメート監視を対象に、サーマル画像から相対湿度・土壌水分・光強度のセンサー計測値を予測する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を検討した論文(地域指定なし)。相対湿度と土壌水分の予測は平均絶対パーセント誤差(MAPE)10~12%と精度が高く、これはサーマルパターンへの強い依存性をCNNが捉えたためとされる一方、光強度の予測は都市環境における要因の複雑さと変動性により精度が低かった。著者は都市農業モデルへの技術実装には課題が残ると認めている。
コミュニティデジタル農業屋上庭園における植物成長調整剤(PGR)散布が交互湛水灌漑(AWD)下のギマカルミ(Ipomoea aquatica)の生育反応に及ぼす影響の評価
2024Khadezatul Kubra, Md. Rofekuggaman, Md. Habibullah Siddiki, Rebeka Sultana, Jakaria Chowdhury Onik, Md. Abubakar Siddik · Plant Science Archives · Global
バングラデシュのハビガンジ農業大学の屋上庭園で、2024年1〜6月のボロ期にシルト質壌土(pH6.14、有機物2.25%、全窒素0.12%)を用い、交互湛水灌漑(AWD)と植物成長調整剤(ジベレリン等のPGR)の併用がギマカルミ(Ipomoea aquatica)の生育に及ぼす影響を、無処理(T0)・化学肥料100%+PGR(T1)・PGR+AWD(T2)・化学肥料100%+PGR+AWD(T3)の4処理×3反復の乱塊法で検証した。播種後21日時点の葉数は対照区の3.83枚に対しT3区で7.50枚、収量は初回収穫(播種後21日)で対照区の1ヘクタール当たり5.68トンに対しT3区で11.51トンとなり、以降の収穫でも一貫してT3区が最も高い葉数・草丈・収量を示した。
コミュニティ都市農業に関するレビュー——可能性・課題・機会
2024Shu Hua Teoh, Gwo Rong Wong, Purabi Mazumdar · Innovations in Agriculture · Global
都市農業(コミュニティ農園、屋内農業、屋上農業、垂直農業などのモデルと、エアロポニクス・水耕・アクアポニクスなどの技術)に関する文献分析と都市農家への聞き取りに基づくレビュー。持続可能性と収量が都市農業の可能性を十分に実現する上での主要な課題であり続けていることを指摘し、限られた土地・水資源、病虫害の発生、初期投資・維持費の資金制約、参加者の知識・技能不足、大学・行政・産業間の効果的な連携の欠如が主な課題として特定された。
事業採算・継続性コミュニティ経済政策技術的特性と経済・社会的持続可能性を組み合わせた都市農業の分類スキーム
2024Mélanie Douziech, Stefan Mann, Stefan Galley, Jens Lansche · Agronomy for Sustainable Development · Global
都市農業は持続可能な農法と結び付けられることが多いが、都市農業に分類されるシステムの多様性と、その持続可能性に関する情報の乏しさがこの関係に疑問を投げかけるとして、論文91本の知見に基づき、都市内農業システムを技術的・社会的・経済的特性から統合的に分類する枠組みを提示した研究。生産の経済的集約度や関係者間の協働の強度が主要な区分軸となり、分類の一端には協働強度が高く生産強度が低い、地上型・開放型で社会的動機に基づくシステムが、他端には生産強度が高い建物一体型・準閉鎖型システムが位置づけられる。文献上の持続可能性に関する主張を分類枠組み上にマッピングした結果、「アーバンファーミング」は雇用創出・食料安全・節水・高収量と、「アーバンガーデニング」は教育効果・生物多様性向上・低収量と結び付けられた。
コミュニティ経済政策有機資源循環マイクログリーン——都市農業に焦点を当てた包括的レビュー
2024Jagarlamudi Nethra, B. Srinivasulu, Vadada Vinay Kumar, C. Lakshmana Rao · International Journal of Environment and Climate Change · Global
都市農業における意義に焦点を当て、栄養価の高いマイクログリーンを多角的に扱ったレビュー論文。栄養組成、料理での用途、栽培技術を農学・栄養学・都市計画の観点から概観しているが、具体的な実験データや数値は示されていない。
コミュニティ食育マレーシアにおける都市コミュニティガーデニングを通じたエンパワーメント促進
2024Nafisah Awang, Suhana Saad, Sarmila Md Sum · International Journal of Academic Research in Business and Social Sciences · Malaysia
マレーシアでは人口の76%が都市部に居住し、手頃で栄養価の高い食料へのアクセスが難しくなっているとの背景から、政府の都市農業プログラム(屋上菜園、コミュニティガーデン、垂直農法、水耕栽培など未利用空間の活用)と、農業局(DOA)およびマレーシア農業研究開発機構(MARDI)による農家支援を紹介する論考。都市農業は食料アクセスの改善、収入創出、社会的交流、コミュニティのエンパワーメントをもたらすとし、参加・知識共有・スキル開発を促進することが経済的エンパワーメントにつながると論じている。
コミュニティ食育福祉都市再生と公共空間——コミュニティに基づくマイクロプランニングの早期介入から得られた教訓
2024Seng Boon Lim, Nur Wildaniah Syafiqah Mohd Razib, Imam Mukhlis, Na’asah Nasrudin, Isnen Fitri · PLANNING MALAYSIA · Malaysia
マレーシア・プタリンジャヤ市の都市再生プロジェクト「Special Area Action Plan Section 13」のもと、コミュニティガーデニング/都市農業の取り組みに対する早期介入を評価した混合研究法によるシングルケーススタディ。定量調査では質問票による200サンプルを記述統計で分析し、定性調査では8件のインタビューをテーマ分析した。結果、対象地であるスンガイ・ペンチャラ雨水排水路地域でのコミュニティガーデニング提案について、回答者は認知度、安全インフラと支援サービス、管理担当者、土地所有権をめぐる懸念に懐疑的であった。研究は、都市の未利用公共空間を再生する際、より多くの啓発介入キャンペーンの計画、安全インフラ設計の強化、管理担当者任命への政策支援、土地取得問題の解決を当局に推奨している。
コミュニティ政策コミュニティガーデンとSDG11ターゲット7——安全で包摂的でアクセス可能な緑地・公共空間への貢献(オーストラリア)
2024Joanne Dolley, Michael Howes · Australian Planner · Australia
オーストラリアの複数のコミュニティガーデンの参加者へのインタビューをもとに、国連持続可能な開発目標(SDG)11のターゲット7「安全で包摂的、アクセス可能な緑地・公共空間への普遍的アクセスの提供」にコミュニティガーデンがどう貢献しうるかを検討した論考である。ターゲットが示す「包摂的」の定義をより広く適用して分析した結果、コミュニティガーデンはデザインの特徴、運営体制、地域住民の関与を通じて公共空間の包摂性と活用を高め、ターゲット11.7の達成に寄与することが示された。地域住民が設計・運営に関与すること、確実な土地保有、立地の適切さ、十分な資源配分が、目標達成能力を高める要因として挙げられた。進捗を測るための追加指標の開発は、今後の研究課題とされている。
コミュニティ政策生態系サービス提供者としての都市農業——レビュー
2024Assyifa Fauzia, Evi Frimawaty, Hadi Susilo Arifin · Holistic Journal of Tropical Agriculture Sciences · Global
都市環境の劣化緩和における都市農業の役割を、生態系サービス提供者という観点から検討した文献レビューである。都市農業は景観の異なるスケールに多様な機能を付加し、適切に管理されれば数多くの便益をもたらすとされる。方法として、供給・調整・文化的サービスの観点から都市農業と生態系サービスに関する文献をレビューした。結果として、都市農業は個人庭園からコミュニティ農園まで多様な形態をとり、限られた公的資金や緑化推進といった課題に対応する解決策として位置づけられ、生物多様性保全に寄与し、都市のヒートアイランド現象の緩和、防風、汚染物質吸収といった都市微気候の調整に関わるとされる。加えて美的価値を都市空間に付加し、文化的統合を促進すること、食料安全保障、レジリエンス、ウェルビーイングに対応する持続可能な都市開発のための多面的戦略として機能することが示された。都市の生物多様性への脅威や適切な緑地管理の必要性といった課題が残る中で、都市農業は都市の視覚的・文化的・環境的側面に寄与する包括的アプローチとして論じられている。
生物多様性気候変動コミュニティ政策ガーナとオランダにおける食料生産・水資源管理のための自然基盤型解決策(NbS)導入の障壁除去・促進要因強化における空間情報の活用
2024J.A. Veraart, Cora van Oosten, Vincent Linderhof, Confidence Duku, Wilfred Appelman, A.M.E. Groot, Marjolein Sterk, Ilse Voskamp · International Journal of Water Governance · Global
気候変動による水問題がオランダとガーナ双方の食料システムの将来を脅かしているとの認識のもと、オランダのライン・スヘルデ川河口域とガーナのボノ・イースト州における雨水集水と排水再利用の事例を比較分析した。分析は、気候変動を踏まえた自然基盤型解決策(NbS)の導入に伴う障壁除去・促進要因強化における、専門家・関係者による空間情報の活用の類似点を特定することに焦点を当てた。雨水集水と排水処理の技術はいずれも利用可能で、農家や食品加工業界に受け入れられ適用される準備は整っているものの、その普及は生物物理的・技術的な障壁から社会的・制度的な障壁まで、複数の要因によって妨げられていた。水不足への対応として食料生産を含む幅広い解決策の評価に適用可能であれば、空間情報はNbS導入の促進要因となりうると結論づけられたが、両事例とも将来像を空間的に明確化することに苦慮していることが観察された。また両事例において、それぞれ排水再利用と雨水集水が生物多様性に及ぼす影響は、関係者間の対話の中で直接的な論点にはなっていなかった。
コミュニティ政策有機資源循環持続可能な都市農業管理——タイとインドネシアの比較研究
2024Assyifa Fauzia · Trend and Future of Agribusiness · Global
タイ(バンコク首都圏)とインドネシア(ジャカルタ)における都市農業管理を、2015~2023年の文献レビューと比較分析により検討した論文。バンコク首都圏は2010年以降、運河を灌漑・輸送に活用しつつ食料自給率向上を図ってきたが、都市農業従事者と既存の流通市場との連携不足が課題となっている。ジャカルタでは人口密度の高さと農地転用が深刻で、1998年の経済危機後に住民が農地転用で都市農業を広げた一方、工業化に伴い土地権利の不確実性が増した。両国に共通する課題は農業規制とインフラの調整不足であり、農業従事者・小売業者・非農家世帯間の連携強化が挙げられている。
コミュニティ政策近郊農業舞台設定——都市農業、公共空間、そして人間のウェルビーイング
2024Beata Sirowy, Deni Ruggeri · The Geojournal library · Global
都市農業研究に関する書籍の序章にあたる編者による総説。都市農業への参加機会を都市住民の全ての層に広く、かつ自宅の近くで利用可能にすることが最大の効果を得る条件だと論じている。都心の密集地域では土地が乏しく地価も高いため、既存または計画中の公共空間に都市農業を組み込むことが、この目標を達成する最も現実的な戦略だとしている。本書は公共空間における都市農業の統合について、ウェルビーイングへの影響、デザイン、組織運営、教育的文脈、都市計画上の側面に関する理論的・実践的な知見を提供することを目的としている。
コミュニティ健康政策私たちの都市、私たちの農地:気候ストレス下における都市世帯の都市農業参加の社会経済的決定要因
2024Godwin K. Naazie, Isaac Agyemang, Anthony Mwinilanaa Tampah-Naah · Heliyon · Ghana
ガーナの都市部362世帯を対象に、気候変動下での都市農業参加に影響する社会経済要因を、記述統計・カイ二乗検定・二項ロジスティック回帰で分析した。世帯規模と世帯収入が有意水準0.05で参加を左右し、中間層・高所得層の世帯が低所得層より多く参加していた一方、土地取得は主に購入によるもので都市農業の課題となっていた。
気候変動経済コミュニティ食料主権・社会正義街路と広場の都市園芸の歴史的起源
2024M. S. (Mahmudova) Abdusattorovna · Neliti · Global
論文(Neliti、2024年)は、ティムール朝時代における文化・レクリエーション公園、ランドスケープデザイン、公共公園の建設の結果として、道路・沿道・建築物の建設が大規模に行われたという事実についての調査を行ったと述べる。抄録にはデータ・手法・具体的な知見についてのそれ以上の記述はない。
コミュニティ政策近接性を軸とした周辺都市空間における食料生産・消費 — 農業食料システム形成の社会的・領域的プロセス
2024Héctor Ávila Sánchez · Investigaciones Geográficas Boletín del Instituto de Geografía · Global
周辺都市化(periurbanización)が現代社会で最も動態的な領域的現象の一つであるとの立場から、大都市圏システムの一部をなす周辺都市の食料生産空間の再編を、社会的・領域的なプロセスとして論じる理論的考察。近接性、短い流通経路の定着、都市・地域フードシステムや「農業公園(parques agrarios)」といった新たな領域的形態の確立に言及し、特に欧州では農業公園が都市圏化の進行に対抗する領域的イノベーションとして機能していると位置づける。フードハブ、協同組合型スーパー、共同作業所など協同組合的基盤に立つ形態の広がりや、社会運動・生産者団体・行政機関が周辺都市のガバナンス形成に果たす役割を、連帯経済と社会正義の観点から検討する。
都市農村連携政策経済コミュニティ米国とスペインにおける食料不安に関連する脆弱性・危険性・リスクの研究
2024Iman Mamnoon · GeoFocus Revista Internacional de Ciencia y Tecnología de la Información Geográfica · Global
地理情報システム(GIS)を用いたリスク評価手法により、都市内で最も脆弱な人口が直面する食料不安を定量的に測定する尺度を開発した研究。リスクは社会的脆弱性と危険性(食料流通へのアクセス困難度)を組み合わせて算出し、米国ワシントンD.C.南東地区とスペイン・マドリードのプエンテ・デ・バジェカス地区の2事例に適用した。社会的脆弱性指数は平均所得・教育水準・失業率・年齢のデータから、危険性値はスーパーマーケットへの近接性から算出した。分析の結果、両地区で緊急の介入措置を必要とする高リスク地域が特定された。プエンテ・デ・バジェカスでは、国勢調査区07913143が食料不安の高リスクホットスポットとして特定され(社会的脆弱性指数1.646495、範囲0.901〜3.223、リスク値3、範囲3〜10)、ワシントンD.C.南東地区では国勢調査区7601・7605が高リスク地域として選定された(社会的脆弱性指数それぞれ2.221・1.737、範囲1.040〜3.525、リスク値それぞれ2・5、範囲0〜10)。両地区とも住宅地と商業地を組み合わせたエリアが全般的に不足していること、公共交通の供給に限界があることも指摘されている。
公平性・立ち退き政策コミュニティ福祉グローバルサウスにおける都市農業の空間的組織化——食料安全保障と持続可能な都市
2024Górna, Ada · · Global
ハバナ(キューバ)、シンガポール、キガリ(ルワンダ)の3都市の事例研究を通じて、グローバルサウスの都市における都市農業が空間・機能構造の中でどのような位置づけにあるかを検討した書籍。各都市での現地調査に基づき、社会経済・空間・政治・環境の条件が異なる中での都市農業の多様な特徴と、その発展を制約する要因を提示している。
食料主権・社会正義コミュニティ政策気候変動経済パース都市圏(オーストラリア)のコミュニティガーデンにおける土壌の健全性と炭素貯留
2024Haochen Zhao, James T. O’Connor, Sarah Zou, Zakaria M. Solaiman, Bede S. Mickan, Nanthi Bolan · Soil Use and Management · Australia
オーストラリア・パース都市圏の6か所のコミュニティガーデンで、3つの土壌区分(石灰質深砂土・着色砂土・淡色砂土)にまたがり、栽培用の高床花壇と隣接する裸地(対照)から採取した土壌試料を比較した。高床花壇の土壌は周辺の都市土壌に比べて仮比重が低く、pH緩衝能や窒素・リン・カリウムなどの有効養分、陽イオン交換容量、全炭素、微生物バイオマスが高く、表層10cmで1平方メートルあたり0.55kg(1ヘクタールあたり5.5トン)の炭素を蓄積していたと推定され、いずれのコミュニティガーデンの土壌にも有意な重金属汚染は認められなかった。この土壌の健全性と炭素貯留能力の向上は、主にガーデン内で作られる堆肥の定期的な施用によるものとされている。
コミュニティ気候変動有機資源循環