研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
4433 件(11 / 178)
キト南部カウピチョ渓谷における都市-農業境界の水文モデリング——トトラ入り土製溜池による洪水シナリオ評価
2026Javier Cañarejo-Antamba, Mónica Delgado Yánez, Nieves Anderson, Pamela Quinatoa León, Tatiana Elizabeth Freire Rosero · Eídos · Colombia
キト南部に位置し、都市域と農業域の境界にあたるカウピチョ渓谷を対象に、極値統計に基づく比較水文解析を行った研究。最も影響の大きい洪水は再現期間50~100年に相当する一方、実際の記録では「ルチャ・デ・ロス・ポブレス・バハ」地区で約5年周期の洪水が発生し、経済的損失と社会的レジリエンスの低下を招いていることが示された。脆弱性の地図化とシナリオモデリングに基づき、トトラ(フトイ)を生体材料に用いた土製溜池の整備を、下流域の被害軽減とリスク管理・国土計画の要として位置づけ、避難・救助区域の設定を提案している。
コミュニティ政策気候変動家庭向け小型ウィッキングベッド式アクアポニックスの構築
2026Santanu Maiti, 2S. Aanand, 3Rajalakshmi Kalaivanan, 4V. Mahendra Varman, · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
家庭規模の食料生産のための資源効率的な生産システムとして、アクアポニックスの一形態であるウィッキングベッド方式を解説した技術資料。魚の排泄物を微生物によって植物用の養分に変換する養殖と無土壌栽培を組み合わせ、貯水槽から植物の根圏へ毛細管現象で給水するサブイリゲーション方式により、蒸発損失を抑えつつ安定した水分供給を可能にする仕組みが説明されている。
近郊農業コミュニティ有機資源循環DIY・自作高密度化する都市におけるグリーンインフラとしてのコミュニティガーデン——貢献・制約・可能性
2026Brenda B. Lin, Shalene Jha, Heidi Liere, Stacy M. Philpott · Frontiers in Sustainable Cities · Global
2013年以降、カリフォルニア州セントラルコースト地域の都市コミュニティガーデンを対象に実施されてきた長期の学際的研究プログラムを基に、都市の高密度化が進む中でコミュニティガーデンがどのようにグリーンインフラの一形態として機能しうるかを検討した論文。特定の地域的文脈に根ざしつつ、そこで論じられるメカニズムの一般化可能性を探っている。
コミュニティ近郊農業生物多様性食料主権・社会正義気候変動都市菜園における生態系サービス・ディスサービスの視点から見たフード・ウォーター・ソイル・ネクサスの解明
2026Phạm Trung Kiên, Liliane Jean-Soro, Huong Le Thi Thu, Bernard De-Gouvello, Béatrice Bechet · Earth Environmental Sustainability · Global
都市菜園のような都市の自然に基づく解決策の複雑さを、既存の「水・エネルギー・食料ネクサス」の枠組みでは十分に捉えられていないという課題認識のもと、土壌の基盤的役割と、生態系サービス(ES)と表裏一体で生じる生態系ディスサービス(EDS)を組み込んだ「フード・ウォーター・ソイル(FWS)ネクサス」という枠組みを提案する視点論文。ESとEDSを単なる結果ではなく、システムの可能性と限界を規定する中核的な媒介機能として位置づけ、土壌を管理によって動態的特性が変化する「生きたインフラ」として概念化することで、食料生産と水動態のトレードオフと相乗効果を左右する要因とする。
コミュニティ近郊農業生物多様性気候変動有機資源循環教育における薬用・芳香植物の活用——子どもへの自然への愛の醸成(就学前教育での実践)
2026Nahide AYDIN MARAL, Pınar AYDIN ÇAYCIOĞLU, Hasan MARAL · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
この概念的な論文は、就学前教育での薬用・芳香植物の活用に関する枠組みを提案する。芳香植物の揮発性成分は視覚・触覚刺激に加えて嗅覚刺激をもたらし、嗅覚系と大脳辺縁系のつながりから、注意力・情動記憶・環境意識の発達を支える可能性があると論じる。学校菜園やミニ植物コーナーには非毒性・低アレルギー性の種を選ぶこと、種から育つ一年生の芳香植物を用いて子どもがライフサイクルを直接体験できるようにすること、観察・記述・描画活動を用いること、曝露の時間と強度を管理することを提言している。実証データは示されていない。
食育健康コミュニティ人類と地球の健康のための都市農業
2026Rattan Lal · · Global
世界人口の55%が都市に居住し、2050年には70%に達すると見込まれる中、サブサハラアフリカや南アジアなどの急速な都市化が食料・栄養の不安を高めている状況を扱った書籍章。都市で消費される食料の10〜20%は都市内で栽培可能とする一方、土壌汚染やプラスチック汚染、灰色水・黒水のリサイクルや都市廃棄物由来の堆肥利用に伴うリスクを減らすには計画が重要だとする。屋上庭園、多層ガラス建築、養殖・水耕・エアロポニックスなどの土を使わない栽培を現代の都市農業の形態として挙げ、土地保有制度など普及の障壁と研究優先課題を論じている。
コミュニティ健康食料主権・社会正義政策気候変動論文は毎週増えています
あなたの関心のあるテーマが、来週追加されるかもしれません。世界の新着論文を毎週水曜、無料でお届けします。
美しさと矛盾のはざまで——手の届かない「清く緑豊かな」ウェリントンのタウンベルト
2026Crystal Victoria Olin · Journal of urban regeneration and renewal · New Zealand
ニュージーランドの首都ウェリントンにある、19世紀の計画思想を体現するグリーンベルト「タウンベルト」を扱った論文。都市形態を規定してきたこの永続的な緑地帯は、それが取り囲むコンパクトな市街地内での公平で日常的な緑地アクセスに大きな格差を残しているとし、特に経済的に恵まれない住民や移動に制約のある住民にとって、急峻な地形や周縁的な立地が日常の利用を妨げていることを指摘する。また、都市の植民地時代の歴史は、現在タウンベルトと呼ばれる地域からかつて流れていたが後に暗渠化・地下化されたマオリの聖地(歴史的な小川ワイマピヒなど)を見えにくくしてきたとする。論文はタウンベルトの植民地的遺産とワイマピヒを検討し、周縁部での保護と中心部での象徴的承認それぞれの限界を示す。公営住宅地における2つの新たな取り組み——先住民主導のコミュニティガーデンと計画中のフレデリック・ストリート・パーク——を、密集する中心部の既存空間を再整備し、アクセス性と質を改善し、多様な日常利用に対応するための重要な応答として検討している。グリーンベルトから、水域も含む接続された緑のインフラネットワークへと移行する議論の中にウェリントンを位置づけ、周縁部の保護は重要であり続けるが、公平で文化的配慮のある投資——自然環境と建造環境を統合しアクセス性・レジリエンス・生活の質を支える投資——によって補完される必要があると論じている。
コミュニティ政策「次善」の生態学——都市における緑とグレーインフラのバランスから得られた教訓
2026Joan Casanelles-Abella, Monika Egerer · Frontiers in Sustainable Cities · Global
人間のニーズと自然のニーズが不均衡または対立する「次善」的状況下にある都市の生物多様性保全を論じた展望論文。人間主体の景観では土地利用の集約化により、メタ個体群の安定に不可欠な大規模生息地パッチが失われ、より小さく孤立した生息地パッチからなる景観に置き換わることが多く、島嶼生物地理学理論はこうした状況で生物多様性が低下すると予測する。都市、特に人口が急増し建築インフラが密集化している都市では、この状況が最も極端になり得るとし、バルコニー・自宅や貸し農園の庭・小規模な森林パッチ・グリーンウォールといった小規模な都市緑地が、生物多様性を維持するための主要な代替的介入策となっている。しかし、土地分割型か土地共有型かをめぐる論争(SLOSS論争)など一部の保全枠組みの下では、こうした小規模で分散した都市緑地は、規模や孤立度が存続可能な個体群サイズの維持を妨げる場合、生物多様性にとって次善的、あるいはむしろ有害な結果をもたらすと予測されうる。論文はこの「次善の生態学」という比喩的枠組みが、都市における自然保全の可能性について徒労感を招きかねないと指摘しつつ、この状況を踏まえて都市環境を再考・構想・構築する視座にも言及している。
環境負荷のトレードオフ生物多様性政策気候変動アグロ・ブルー・コモンズ——グローバルサウスにおける食・水・レクリエーション統合による余暇の再定義
2026Daniel Etim Jacob, Imaobong Daniel Jacob, Koko Sunday Daniel, Pius Agaji Oko · Sustainable Food Connect · Global
グローバルサウスにおけるレクリエーション計画が、地域の社会生態的危機よりも装飾的な美観を優先する西洋型モデルに縛られ、代謝的に非効率で排他的な景観を生んでいると指摘し、食料生産・持続可能な水管理・共同レクリエーションを統合した「アグロ・ブルー・コモンズ(ABC)」という枠組みを提案する論文。ラゴス、ムンバイ、ラジャスタン、ナイロビの4件のプロトタイプ事例を、多様な生態圏と気候脆弱なインフォーマル地域の類型を代表するものとして有意抽出し、代謝循環性・統治のポリセントリシティ・社会空間的アクセス性に着目した多基準評価(MCA)を用いた質的メタ統合により検証した。分析の結果、食料・水・レクリエーションの三位一体統合とポリセントリックな管理の組み合わせが都市のレジリエンスを高め資源依存を減らすことが示された一方、制度的な惰性や不安定な土地保有といった行政上の障壁への対応が、脆弱なコミュニティの投機的な立ち退きを防ぐために必要であるとしている。
食料主権・社会正義政策コミュニティ気候変動近郊農業ReGrow——住まい・育てる・考え続ける:木造集合住宅とヴァーティカルファーミングの複合構想(オーストリア)
2026Patrick Sobotka · reposiTUm (TU Wien) · Austria
都市の人口増加と住宅不足、気候変動や社会的課題への対応を背景に、ウィーン工科大学(TU Wien)の学位論文として、ヴァーティカルファーミング(垂直農法)を組み込むことで都市農業を支える集合住宅のあり方を検討した設計研究である。持続可能な木造建築と都市農業を組み合わせたハイブリッドな住宅コンセプトの構築を目的とし、モジュール式の木造構造により生態的利点、短い工期、後年の増築(新たな土地を舗装せずに住戸を増やす)を可能にするとしている。若年層、学生、カップル向けのコンパクトな住戸を中心に据え、持続可能性・木造建築・ヴァーティカルファーミングに関する文献調査と参照事例の分析に基づき、独自の設計コンセプトを提示した。定量的な検証結果は示されていない。
気候変動コミュニティ政策食料主権・社会正義文化的表現としての都市農業と食料主権——ボゴタ市サンタフェ第三地区UPZ96ロウルデスにおける地域的実践
2026Eduardo Antonio CastroNemocon · Institutional Repository of the National University Open and Distance UNAD (Universidad Nacional Abierta y a Distancia) · Colombia (Bogotá)
コロンビア・ボゴタ市サンタフェ第三地区のUPZ96ロウルデスを対象地とし、持続可能な食料システムを構築する手段として都市農業を位置づける取り組みを報告した論文。環境的な観点から、私的空間においてアグロエコロジー的なアプローチによる知識の形成と交換のプロセスを進め、農産物の自給自足と自家消費を生み出し、住居スペースを利用した有機食料の栽培・収穫を進めることで、食の安全性を損なう殺菌剤を使わず、消費者の生活の質の低下や健康被害を防ぐことを目指している。政治生態学の視点から、日常の食生活で消費される食品の質を改善しようとする直接的な社会的行動の政策的方向性を探り、都市空間における有機農産物の生産と実践に対する責任ある環境管理を重視することで、健康的な食習慣を促進すると同時に、知識の交換や種まき・収穫・消費に関する祖先由来の実践を文化的に継承し、農業を歴史的な特徴としてきたこの国における食料主権を保証することを目指している。
食料主権・社会正義コミュニティ有機資源循環健康食用林の造成は北西欧の農業景観における土壌生物多様性を高めうる
2026Isabelle van der Zanden, Lieke Moereels, Stephanie Schelfhout, Pallieter De Smedt, Koen Lock, Wouter Dekoninck, G.W. Korthals, Wim H. van der Putten, Kris Verheyen, G. F. Veen · npj Biodiversity · Global
北西欧の食用林(フードフォレスト)15カ所と、近隣の草地・農地・森林を対象に、土壌生物12分類群の群集を比較した。食用林の土壌群集は草地・農地とは異なり、バイオマスや個体数の点で多くの分類群において森林群集により近く、特に大型節足動物の個体数が高かった。群集組成では、食用林は多くの分類群で草地・農地と森林の中間的な特徴を示したが、微生物・微小動物群では森林よりも草地・農地に近かった。非アーバスキュラー菌根菌と一部の大型節足動物群でアルファ多様性が高かったものの、アルファ・ベータ多様性の差は全体としては限定的だった。食用林の造成は農業景観における土壌生物多様性を高めうるとされた。
生物多様性送粉者・ミツバチ富栄養化が都市農業地帯の湿地における難分解性溶存有機物の生成・蓄積を引き起こす
2026Xiaoya Lin, Jiajun Xu, Ting Wang, Randy A. Dahlgren, Lanyue Feng, Wenli Qin, Qinglong Liang, Zhixia Qin, Zengling Ma, Liyin Qu · Environmental Technology & Innovation · Global
富栄養化した都市農業地帯の湿地を対象に、水質と溶存有機物(DOM)の光学特性(吸光度・蛍光)を2年間にわたり毎月調査した研究。溶存有機炭素(DOC)は両年とも春から夏にかけて増加し、栄養状態指数(TLI)、全窒素(TN)、化学的酸素要求量(COD)、クロロフィルaと有意に相関しており、富栄養化が下水流入と藻類生産の両方を通じて有機炭素プールに寄与していることが示された。タンパク質様成分C3の減少と、微生物腐植様成分C2と溶存酸素(DO)の間の有意な負の相関から、夏季には微生物による脱酸素化が生物分解性の高いDOMを難分解性溶存有機物(RDOM)へと変換していることが示唆された。冬季は低温により微生物による変換が制限され、継続的な下水流入とあいまってタンパク質様成分C3が増加した一方、粒子への吸着・沈降や光分解によるRDOMの除去が生成を上回った。機械学習分析では、腐植様成分の変動の39.1~41.2%を微生物による変換が説明し、陸域からの流入・下水・藻類生産による寄与(2.1~31.6%)を上回った。以上から、微生物による変換が湿地におけるRDOM生成の主要な駆動要因であると結論づけられた。富栄養化は湿地生態系に悪影響を及ぼすものであるが、下水と藻類を適切に管理すれば炭素隔離を高める可能性があるとも述べられている。
環境負荷のトレードオフ有機資源循環作物と種子の生物多様性
2026Dorothee Benkowitz · International explorations in outdoor and environmental education · Global
種子と植物のライフサイクルに関する生物多様性教育をテーマとした書籍の一章。工業的農業はモノカルチャーと特許化されたハイブリッド品種により遺伝的多様性を減少させ、小規模農家を大手種子企業への依存に追い込んでいると指摘する。高収量をもたらすF1ハイブリッド品種は自家採種に適さず(採種しても同じ性質を再現できず)、遺伝的浸食を助長し、気候変動や病害への植物の適応能力を制限していると述べている。また、多くの人々が植物のライフサイクルについて十分な理解を持っておらず、学生の間では特に種子の分類や、種子が植物のライフサイクルで果たす役割の説明において理解不足が見られることが研究で示されているという。学校菜園などの体験的な学びはこうした理解と自然とのつながりを育むとし、生物多様性と植物のライフサイクルに関する知識は健康的な食生活・地域性・気候適応といったテーマにとって重要であり、これを教育に組み込むことは持続可能な開発のための教育(ESD)や生物多様性条約(CBD)の目標達成に資すると述べている。
環境負荷のトレードオフ食育生物多様性固定種・在来種都市土壌と土地再生
2026Neha Toppo, Shashi Kumar Sah, Vipin Chandra Mishra · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
本章は都市土壌という概念を紹介し、都市化に伴う掘削・締固め・汚染や、建設廃材・レンガ・アスファルト・金属・プラスチックとの混合によって自然の土壌層が乱され、農地や自然生態系の土壌と比べて構造・肥沃度・汚染度が変化する過程を説明する。抜粋された本文は都市土壌の形成と生態系機能に関する導入的背景説明であり、特定地点の実測データや調査結果を報告するものではない。
有機資源循環IoT技術を用いたスマート農業モニタリングと自動灌漑システム
2026Yogi Priyo Istiyono, Siti Rokhmanila, Ojak Abdul Rozak · Jurnal Otomasi Kontrol dan Instrumentasi · Global
研究チームは、小規模・都市農業向けにIoTを用いた環境モニタリングと自動灌漑システムを開発し、実験評価を行った。システムはNodeMCU ESP8266マイコンに静電容量式土壌水分センサー、土壌pHセンサー、DHT11温度センサーを組み合わせ、Wi-Fi経由でBlynkクラウドにデータを送信してスマートフォンと16×2液晶ディスプレイで監視でき、リレー制御の5V DC水中ポンプがあらかじめ設定した土壌水分閾値に基づき灌漑を行う。基準機器(ETP-302)との比較検証では、土壌水分3.4%、土壌pH 4.1%、気温2.8%の平均誤差が確認され、灌漑は土壌乾燥域(ADC値430〜520)で作動し、十分な水分に達すると自動的に停止した。
デジタル農業食料安全保障強化のための教育戦略としての学校アグロエコロジー:コロンビア・トリマ県カサビアンカの事例
2026Kelly Johanna Molano Betin, Leo Danny Valencia Pinto · Ibero Ciencias - Revista Científica y Académica - ISSN 3072-7197 · Colombia
コロンビア・トリマ県カサビアンカの公立学校(Institución Educativa Técnico General José Joaquín García, Sede 10 Peñolcitos)で、食料安全保障を強化する学校アグロエコロジー教育戦略を混合研究法(非実験的・記述的デザイン)で検証した。量的診断アンケートに続き、概念研修・アグロエコロジー学校菜園・健康料理ワークショップから成る指導計画を実施した結果、生徒はアグロエコロジーや食料安全保障、菜園の意義について肯定的な前提知識を持ちつつも理解には具体的な不足があり、研修活動によってその不足が縮小したことが示された。
食育コミュニティ食料主権・社会正義有機資源循環ケソン市立大学の学生におけるイノベーション育成のツールとしての都市農業
2026Melissa Caballes, Jose Mari S. Uy · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Philippines
フィリピン・ケソン市立大学で、起業家教育を専攻する学生から層化無作為抽出で選ばれた250人を対象に、構造化されたGoogleフォームアンケートを用いて、都市農業が学生のイノベーション創出をどう促すかを調査した。研究は、都市農業を起業家教育に組み込むことがスキル開発と環境意識の両方を促す包括的な枠組みを提供すると結論づけ、教育機関がカリキュラムへの都市農業の統合と地域関係者との連携を進めることを推奨している。
食育コミュニティDIY・自作オーストラリアとキューバのあいだ——経済の砂糖依存に対処し食料安全保障を強化するパーマカルチャーの導入
2026Sasha Gillies-Lekakis, Heidi Zogbaum · International Journal of Cuban Studies · Cuba
キューバの歴史叙述は1959年革命前と革命後に区分されることが多いが、両時代を貫く連続性として土地利用慣行がある。200年にわたる輸出向けサトウキビ栽培により、キューバはまず米国、後にソ連への食料輸入依存を強いられた。1991年以降、キューバは2世紀にわたる単一栽培で疲弊した土地の上で、自力での食料確保を迫られた。オーストラリアで生まれ都市農業に適したパーマカルチャーの導入により、キューバは食料供給の課題の一部に対処し、パーマカルチャー実践における世界的な先進国となった。
食料主権・社会正義有機資源循環コミュニティ気候変動循環型経済とゼロウェイスト実践を水耕栽培に統合した持続可能農業のフレームワーク研究
2026Abhijeet Das, Satchidananda Mishra · Green Technology Resilience and Sustainability · Global
世界各地の水耕栽培システムを対象に、循環型経済(サーキュラーエコノミー)とゼロウェイストの原則を組み込むための概念的・分析的フレームワークを構築した研究。システムマッピングと資源フロー分析、指標体系の構築により、線形型・部分循環型・ほぼ無排出型の水耕システムを比較する手法を提示した。分析の結果、養液の連続循環と投与制御によって資源保持率が向上し、水・養分・エネルギーの各サブシステムの緩衝能力が釣り合っている場合にシステムの安定性が高まることが示された一方、実測データによる検証は行われていない概念研究である。
経済気候変動近郊農業体験型サステナビリティ学習における研修転移——近隣ガーデンプログラムにおける従業員コンピテンシーと組織的支援の役割
2026Norlina Muhammad, Zanariah Kadir, Ismi Arif Ismail, Mohd Mursyid Arshad, Ahmad Aizuddin Md Rami · Pertanika Journal of professional Development and Continuing Education · Malaysia
マレーシア・パシルグダン市議会(MBPG)が実施する「持続可能なグリーン近隣ガーデンプログラム」を対象に、従業員のコンピテンシーと組織的支援が研修転移に与える影響を検討した質的事例研究。3か月間のプログラムに直接参加したMBPG各部署の職員6名を対象に半構造化インタビューを行い、テーマ分析を実施した。結果、優れたプログラム設計、農業・造園担当職員による効果的なファシリテーション、組織的な連携が学習転移を支えたことが示され、参加者は栽培技術・土壌肥料管理などの技術スキルに加え、自己規律・チームワーク・自信・意欲・仕事への前向きな姿勢の向上を報告した。部署間連携の強化、社会的関係の強化、業務ストレスの軽減も報告された。
食育コミュニティ政策イスラーム的視座から見た都市農業に基づく家族の食料レジリエンス
2026Nur Choiro Siregar · Acceleration · Malaysia
マレーシアを対象に、24本の学術論文の文献レビューという質的アプローチにより、イスラーム的価値観を取り入れた都市農業が家族の食料レジリエンス強化に果たす役割を検討した。分析はイスラーム原則と既存の実証知見に基づいて行われ、khalifah fil ard(統治の託身)、ishlah(改善)、tawazun(均衡)といったイスラームの概念と整合する形で、都市農業へのイスラーム的価値観の統合が新鮮な食料の入手可能性を高め、家計支出を減らし、環境意識を促進するとの結果を示した。都市部では土地の制約から輸入食料への依存が課題となっており、狭小空間の活用を妨げる技術的知識の不足も指摘されている。
コミュニティ食料主権・社会正義福祉スリランカ・カル・オヤおよびムドゥン・エラ流域における生態系サービスの経済評価
2026Chaturangi Wickramaratne, Avinandan Taron, Mark Mulligan, Sophia Burke, Matthew McCartney · · Global
スリランカ・ガンパハ県、ケラニ川流域内の郊外部小流域であるカル・オヤおよびムドゥン・エラ流域(面積78km²、人口548,232人、湿地面積10.50km²、洪水緩和・水質浄化・生物多様性支援・炭素貯留・都市農業などのサービスを提供)を対象とした評価研究は、市場価格法とベネフィット・トランスファー法により湿地固有の13サービスを評価し、2025年時点の総経済価値(TEV)を2,510万~2,760万米ドルと推計した(静的な炭素蓄積を除く年間換算では1,298万~1,445万米ドル)。別途、Co$tingNatureモデルにより流域全体の11の生態系サービスを解像度30mで評価したところ、25年間のTEVは16.7億米ドル(年間6,680万米ドル)と推計された。湿地は流域全体のTEVのわずか2.7%を占めるにすぎないが、ヘクタール当たりの価値は年間6,807米ドルと最も高かった。保全投資の収益率は含める費用によって23~341%と推計され、評価手法が異なると概念的基盤やデータ源の違いにより結果も異なることが指摘されている。
生物多様性近郊農業ハチと学ぶ — コロンビア農村部の学校を拠点とした花粉媒介者の市民科学プロジェクト
2026Ligia Tobar, César Augusto Gutiérrez, Leidy Yurani Villa García, Jonathan S. Pelegrin · Applied Environmental Education & Communication · Colombia
コロンビア・ビヘス村の学校菜園が、花粉媒介者の生息地および体験学習の場としてどう機能するかを調べた研究。小学生が観覧・医薬・果樹・作物の4区画で、限られた観察時間の中、3週間にわたり花への訪問208件を記録した。訪問活動はハリナシバチの一種Tetragonisca angustula(49%)とセイヨウミツバチApis mellifera(36%)が中心であった。花粉媒介者は主に観覧区画、とりわけジニア(Zinnia peruviana)を訪れ、作物区画ではカボチャ(Cucurbita maxima)への訪問が見られた。モニタリングへの参加は、生態への意識、協働、生物多様性への理解を育んだとしている。
食育送粉者・ミツバチ生物多様性コミュニティパキスタン・パンジャブ州ラホール・カント地区における農業分野の女性エンパワーメント — 参加、障壁、政策的含意
2026Rabia Admin, Malka Shahzadi, Malika Shahzadi, Muhammed Faisal Rasheed · Social Sciences Spectrum · Pakistan
パキスタン・パンジャブ州ラホール・カントニメント地区で農業活動に従事する女性118人を対象に、混合手法(記述統計、カイ二乗検定、相関分析、重回帰分析)を用いて女性の農業参加とエンパワーメントを検討した研究。結果は、女性の参加率自体は高いものの、既存の社会文化的・資源的な障壁により、女性はいまだエンパワーメントされていないことを示した。土地所有と意思決定、教育と参加、信用・普及サービスへのアクセスと農業活動への関与との間にはそれぞれ有意な関連が見られ、相関分析では主要変数間に正の関係が確認された。重回帰分析では、土地所有、教育、信用アクセスが女性エンパワーメントの有意な予測変数であることが示された。本論文は、周辺都市農業における女性のエージェンシーを高めるために、法制度・資源へのアクセス・社会的支援の変革が必要であるとし、土地権改革、女性特化型の教育施策、より良い資源へのアクセスといった政策提言を行っている。
制度・ガバナンスの不全コミュニティ福祉政策経済