研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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持続可能な食料生産と食料安全保障のための都市園芸
2022Ningombam Sushma Devi, Preeti Hatibarua, Ningombam Bijaya Devi, Tadar Jamja, Nangki Tagi, Ruthy Tabing · Ecology Environment and Conservation · Global
この総説は、人口の急増、都市居住地の拡大、気候変動、天然資源の制約という文脈のもとで、果樹・野菜の家庭菜園、屋上や小規模区画での小規模野菜生産の活用が、家庭への十分な生産量確保と収入創出につながりうると論じる。増大する都市人口の食料・栄養需要を満たすには、情報技術ツールの統合、都市農業に適した品種の育種、水・廃棄物・エネルギーの循環の確立が必要だとし、都市園芸の現代的特徴と、それを支える伝統的手法および技術革新を概説している。
食育健康コミュニティ食料主権・社会正義学校の食環境
2022Suzanne Spence, Grace Gardner, Dorota Zarnowiecki, Katie Adolphus, Clare Lawton, Louise Dye, Emma Patterson, Charlotte Evans · · Global
本章は、子どもの食生活改善と小児肥満の削減を目的とした、イングランドをはじめとする学校を場とする食政策をレビューしている。英国全域で学校給食基準が再導入され、学校提供の食事の質が向上した一方、弁当(持参昼食)に関する政策はより少なく、結果として給食に比べ質が低い水準にとどまっていると指摘する。また、学校菜園や児童の野菜・果物摂取を増やすプログラムを含む、より広い学校の食環境についても、子どもの食生活改善の機会として論じている。
食育健康コミュニティIPCC第6次評価報告書 第3作業部会 附属書II:定義、単位、慣例
2022Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) · IPCC Working Group III, Sixth Assessment Report (AR6) · Global
IPCC AR6第3作業部会の附属書で、温室効果ガスのGWP100(100年地球温暖化係数)等の定義・単位・換算方法を定める。メタンのGWP100は発生源により異なり、生物起源メタンおよび化石燃料燃焼由来メタンは27、化石燃料の漏出・プロセス由来メタンはより高い29.8とされる。
気候変動政策シンガポールとその先のための持続可能な食料システム
2022Singapore Food Agency · Singapore Food Agency (SFA) · Singapore
2022年11月11日にシンガポール食料庁(SFA)が公開した記事。シンガポールは国土の1%未満しか農地に充てられない制約の中、輸入食品への依存度が90%を超えるため供給ショックに脆弱であるとし、2030年までに栄養必要量の30%を国内生産で賄う「30 by 30」目標を掲げていると説明する。
食料主権・社会正義政策経済都市農村連携COVID-19パンデミック初期段階における園芸(ガーデニング)体験
2022Kingsley, Jonathan, Diekmann, Lucy, Egerer, Monika H., Lin, Brenda B., Ossola, Alessandro, Marsh, Pauline · Health & Place · Global
Health & Place誌の論文。2020年5〜8月に国際的に集められた3,743人のガーデナーへの調査(オーストラリア・米国・ドイツ等)をもとに、COVID-19パンデミック初期段階における園芸体験を分析した。ロックダウンで時間的余裕が生まれ庭が安全な社会的交流の場となった一方、種苗・資材の不足や共有菜園への立ち入り制限といった障壁も報告された。
健康コミュニティ都市農村連携都市コミュニティガーデンの土壌と野菜における金属(半金属)濃度・生物学的利用能・安定鉛同位体
2022Edgar Hiller, Zuzana Pilková, Lenka Filová, Martin Mihaljevič, Veronika Špirová, Ľubomír Jurkovič · Chemosphere · Slovakia (Bratislava)
スロバキアの首都ブラチスラバのコミュニティガーデンで、土壌と栽培されたトマト・レタスの金属(半金属)総濃度、生理学的抽出試験(PBET)による消化管内での生物学的利用能、および鉛の安定同位体比を測定した2022年の研究。一部の土壌はスロバキアの農地基準に照らせば汚染とみなされる水準だったが、腸管相での生物学的利用能はカドミウムを除いて20%を超えず、トマトとレタスの金属濃度は総量・利用能ともに低く、自家栽培野菜を食べる人にとって安全と判定された。鉛同位体比は土壌・野菜・利用能画分で異なり、放射壊変起源の少ない鉛が優先的に可溶化していた。統計解析と濃縮係数により、ヒ素・コバルト・クロム・鉄・マンガン・ニッケル・バナジウムは自然由来、その他は人為由来の寄与があると区別された。土壌の総濃度が基準を超えることと、実際に人体に取り込まれる量が危険であることは別問題だと示す点で、重金属汚染を一律に危険視する見方への反証となる。
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参加型都市農業(CONQUITO)
2022CONQUITO · CONQUITO (Agencia Metropolitana de Promoción Económica) · Ecuador
CONQUITOが運営する参加型都市農業プログラムAGRUPARの紹介ページ。毎年4,500人以上の農業従事者が参加し、その世帯主の84%が女性であること、約105種類の有機製品を扱っていることを紹介する。
食料主権・社会正義コミュニティ都市農村連携政策ロサリオの都市農業プログラム、アグロエコロジー食品を生産し360人に雇用を生む
2022Jorgelina Hiba · Infobae (América/Soluciones) · Argentina
2001年の経済危機を機に始まったロサリオの都市農業プログラムが20年を経て360人分の雇用を生んでいると報じる記事。市内の菜園に30ha、周辺の畑地に120haが充てられ、7つのパルケ・ウエルタで300人以上(6割が女性)が農業生態的技術で野菜を生産し、39か所の販売拠点で流通、CARの種子バンクには約400種の在来種が保存されているとする。
経済政策コミュニティ近郊農業ロサリオの都市農業——都市に走る「命の亀裂」
2022Bárbara Corneli Colombatto · enREDando · Argentina
菜園従事者(ウエルテロ)への聞き取りを軸に、ロサリオの都市農業を評価と限界の両面から描くルポ。7つのパルケ・ウエルタと6つの共同菜園に250人以上が携わり25haで年間2,500トンを生産、2021年に25万ドルの国際賞を受けたことを紹介する一方、菜園従事者間の組織的分断、土地の安定した貸借契約(コモダート)の不足、国際的評価に見合う投資が伴わない持続的な州政策の不在、近隣住民との対立に市が介入しない実態を指摘する。ラテンアメリカ・カリブ地域全体で農地経営者の女性比率が18%にとどまるという統計にも触れる。
制度・ガバナンスの不全コミュニティ政策経済近郊農業エディブル・シティ:地域食料供給のスケールアップへの新たなアプローチか?ドイツ・アンダーナッハの事例
2021Artmann M., Sartison K. · Making Green Cities: Concepts, Challenges and Practice (Springer, Cities and Nature series), 173-194 · Global
ドイツ・アンダーナッハ市の「エディブル・シティ(食べられるまち)」を、市民が公共空間で収穫できる多機能な生産的緑地として分析した事例研究。主要関係者へのインタビューから、食料安全保障・生物多様性・社会的結束といった都市課題に対し、社会・生態・経済の多機能な便益を生み出していることを明らかにし、地域食料供給のスケールアップ可能性を検討する。
コミュニティ食育福祉経済生物多様性先住民の就学前児童のための部族主導型ガーデニング・カリキュラムの開発:FRESH研究
2021Wetherill M.S., Bourque E.E., Taniguchi T., Love C.V., Sisk M., Jernigan V.B.B. · Journal of Nutrition Education and Behavior 53(11):991-995 · Global
米国オセージ・ネーションで、就学前児童向けに部族主導で開発されたガーデニング・カリキュラム(伝統的な「スリーシスターズ」栽培を含む)の開発過程を報告する。
固定種・在来種食育コミュニティ健康中国・シンガポール・英国・米国における垂直農法(人工光型植物工場)への消費者態度:多手法研究
2021Ares G., Ha B., Jaeger S. R. · Food Research International 150:110811 · Global
4カ国の消費者を対象にオンライン調査とテキストハイライト法で垂直農法への態度を分析。サステナビリティ等の利点と価格・自然さへの懸念を比較し、市場受容の国別差を明らかにする。
経済栽培サービスシステム:モジュール型都市垂直農業の新しいビジネスモデル
2021Martin M., Bustamante M. J. · Frontiers in Sustainable Food Systems 5:787281 · Sweden
モジュール型都市垂直農業向けの「栽培サービスシステム(製品サービスシステム)」という新しいビジネスモデルを提案・分析。製品販売を超えたサービス志向の価値提供による事業機会を検討する。
経済都市屋上農業の世界的拡大:世界の事例レビュー
2021Appolloni E., Orsini F., Specht K., Thomaier S., Sanyé-Mengual E., Pennisi G., Gianquinto G. · Journal of Cleaner Production 296:126556 · Global
世界各地の屋上農業事例を体系的にレビューし、商業型・社会型など多様な事業形態と都市政策上の位置づけを整理した包括的研究。
経済政策食料安全保障:都市・近郊農業の役割。タンザニア・ダルエスサラーム市の事例
2021Malekela A. A., Nyomora A. M. S. · International Journal of Biosciences (INNSPUB) 18(6):204-214 · Tanzania
ダルエスサラームで都市・近郊農業の食料安全保障への寄与を調査。作物生産に従事する農家の84%が食料と所得の獲得を主目的とし、UPAが食料安全保障に正の貢献をすると示す。
福祉経済家庭菜園は食事多様性を改善する:タンザニア女性を対象としたクラスターランダム化比較試験
2021Blakstad M. M., Mosha D., Bellows A. L., Canavan C. R., Chen J. T., Mlalama K., Kinabo J., Noor R. A., Madzorera I., Sando M. M., Spiegelman D., Masanja H., Fawzi W. W. · Maternal & Child Nutrition 17(2):e13096 · Tanzania
タンザニアの女性1,006名を対象としたクラスターRCT。家庭菜園介入は1年後に食事の多様性と世帯の食料安全保障を改善した。
福祉健康都市-農村流域圏の世界地図が示すサービスアクセスの不均等
2021Cattaneo, A., Nelson, A., McMenomy, T. · PNAS (Proceedings of the National Academy of Sciences) 118(2) · Global
URCA(Urban-Rural Catchment Areas)タイポロジーの原著。7つの都市規模×3つの移動時間帯=30類型で都市-農村連続体を世界規模でマッピングし、サービスアクセスの不均等を実証した。
政策経済都市-農村連続体に沿った経済社会発展:政策に資する新たな視座
2021Cattaneo A., Adukia A., Brown D.L., Christiaensen L., Evans D.K., Haakenstad A.M., McMenomy T., Partridge M., Vaz S., Weiss D.J. · World Development / World Bank Policy Research Working Paper 9756 · Global
世界人口の25%が中小都市の近郊(peri-urban)に居住する。大都市近傍居住と貧困は強く負相関し、中規模都市の周縁部では「peri-urban penalty」が発生。URCAを政策分析の主要枠組みとして体系化した。
政策経済都市圏食料システム:COVID-19等のショックへのレジリエンス構築
2021FAO, RUAF · FAO / RUAF · Global
CRFS(City Region Food Systems)アプローチを用いた都市農村食料接続のCOVID-19耐性強化の事例集。食料流通・廃棄・食料安全保障・農家生計の相互連結を実証する。
政策都市農業の環境負荷と資源利用:系統的レビューとメタ分析
2021Dorr, E., Goldstein, B., Horvath, A., Aubry, C., Gabrielle, B. · Environmental Research Letters 16, 093002 · Global
都市農業の環境負荷と資源利用の系統的レビュー+メタ分析(53研究)。農業形態・規模・技術によって環境効果が大きく異なることを定量的に示し、農村農業との比較でLCAを評価する。
生物多様性都市農業——都市レジリエンスとグローバルサステナビリティへの必要な経路か?
2021Langemeyer J., Madrid-López C., Mendoza Beltran A., Villalba Méndez G. · Landscape and Urban Planning 210, 104055 · Global
都市農業が都市レジリエンス・グローバルサステナビリティへの「必要な経路」であるかを批判的に論じる。食料・水・エネルギー・生態系サービス・社会統合の5次元で貢献と限界を評価する。
生物多様性都市が成長するとき農家は何をするか:グローバルサウスの急速な都市成長下の都市・近郊農業の系統的レビュー
2021Follmann, A., Willkomm, M., Dannenberg, P. · Landscape and Urban Planning 215, 104186 · Global
アフリカ・アジア・ラテンアメリカ83都市・92論文のメタ分析。急速な都市化に直面するグローバルサウスの近郊農業が「農地転用・周縁化」と「食料需要増による拡張・集約化」の双方の圧力を受けることを示す。
経済新自由主義的都市開発への抵抗闘争としてのヘリニコン・コミュニティ・ガーデン:危機後のアテネにおける空間的自治と都市への権利
2021Apostolopoulou E., Kotsila P. · Urban Geography, 43(2), 293–319 · Greece (Athens)
本研究はアテネの旧国際空港跡地に形成されたゲリラ・ガーデン「ヘリニコン自治菜園」を事例に、コミュニティ・ガーデニングが新自由主義的都市開発への抵抗の媒体となるプロセスを分析した。空間的自治(autogestion)と都市への権利という概念を用いて、危機後のアテネにおける都市コモンズの政治的可能性を論じている。
コミュニティ政策福祉経済アグロエコロジー的社会自然の組み立て——アルゼンチン・ロサリオにおける都市・都市近郊農業の政治生態学分析
2021Hammelman C., Shoffner E., Cruzat M., Lee S. · Agriculture and Human Values · Argentina (Rosario)
政府・市民社会・農業生産者30名へのインタビューに基づき、ロサリオの都市・近郊農業プログラムにおける権力関係を政治生態学の視点から分析した。アセンブラージュ概念を用いて、制度化されたアグロエコロジーが都市土地への圧力や経済的周縁化の文脈でいかに価値ある「社会自然」を構築するかを明らかにした。土地保全と小農の権利をめぐる政治的闘争が食料システムの形成に深く関与していることが示された。
コミュニティ政策経済ケニア・カメルーン・南アフリカにおけるコミュニティ食料生産の取り組みが与える影響:系統的スコーピングレビュー
2021Hutton G.B., Brugulat-Panés A., Bhagtani D., Maadjhou Mba C., Birch J.M., Shih H., Okop K., Muti M., Wadende P., Tatah L., Mogo E., Guariguata L., Unwin N. · Journal of Global Health Reports · Cameroon
ケニア、カメルーン、南アフリカにおけるコミュニティ食料生産の取り組み(CFPI)の影響を体系的に検討したスコーピングレビューで、4,828件の論文から118件を選定した。カメルーン関連研究(全体の約8.5%、10件)では経済的影響が最も多く調査されており(70%)、健康・社会的影響の研究は少ない。理論的枠組みを明示した研究が皆無である点が課題として指摘されている。
コミュニティ健康経済食育