研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
4434 件(60 / 178)
進行中の研究:地域支援型農業における脱資本主義的労働関係への変革における権力
2023Guilherme Raj, Giuseppe Feola, Hens Runhaar · Agriculture and Human Values · Portugal
ポルトガルの3つの地域支援型農業(CSA)イニシアチブを比較事例研究として、脱資本主義的労働関係への変革を権力がどのように形成するかを分析した。CSAは非疎外、非貨幣化、ケアに満ちた脱資本主義的労働関係を創出する一方で、資本主義的労働関係で確立された不均衡な権力関係を十分に解消できていないことが示された。選ばれたCSAイニシアチブは、内部階層を積極的に解体し、農場所有者からの意思決定権を分散させ、地域および文化的文脈で固定化された抑圧的な権力関係に対処することで、脱資本主義的労働関係の確立において改善できる可能性がある。
公平性・立ち退きCSA・提携コミュニティ経済食料主権・社会正義インフォーマル居住地における自然ベースの解決策:東南アジアおよび太平洋諸国のプロジェクトに関する系統的レビュー
2023Erich Wolff, Hanna A. Rauf, Perrine Hamel · Environmental Science & Policy · Global
本研究は、東南アジアおよび太平洋諸国のインフォーマル居住地における過去の自然ベースの解決策(NbS)プロジェクトを、グレー文献と学術文献の両方を用いて分析した。インフォーマル居住地における様々な社会的、生態学的、文化的課題に対処するために使用される6つの主要なNbSタイプが特定され、伝統的なコミュニティガーデンの利用から人工湿地の導入まで、グローバルノースとは異なるNbSも含まれる。NbSは、地域社会主導の草の根イニシアチブまたは「アップグレードプログラム」の一環として実施される技術システムとして位置づけられることが多い。
コミュニティ食料主権・社会正義気候変動政策学校菜園における人尿の野菜生産への応用:参加型アクションリサーチ
2023Govinda Prasad Devkota · Pragyaratna प्रज्ञारत्न · Nepal
ネパールの公立高校で行われたこの参加型アクションリサーチは、有機野菜生産と衛生改善のための尿分離型トイレの適用可能性を調査しました。尿分離型トイレは地表水汚染を防ぎ、生徒の衛生行動を改善することが判明しました。さらに、同じ面積の区画で人尿を肥料として使用すると、動物性肥料と比較して野菜の生産量が40%増加しました。
有機資源循環食育コミュニティ灌漑都市農業における廃水処理と土壌改良のためのバイオ炭:作物収量と土壌肥沃度に対する単独および複合効果
2023Isaac Asirifi, Korbinian Kaetzl, Steffen Werner, Stefanie Heinze, Felix K. Abagale, Marc Wichern, Manfred Lübken, Bernd Marschner · Journal of soil science and plant nutrition · Ghana
本研究は、ガーナのギニアサバンナ農業生態系地域の土壌において、都市廃水または嫌気性処理廃水による灌漑とバイオ炭施用が、農学的効果および土壌肥沃度に与える影響を評価した。ポット試験では、レタスとニンジンを、未処理都市廃水、嫌気性処理廃水、またはきれいな水で灌漑し、生バイオ炭、水洗浄バイオ炭、または廃水フィルター材として使用されたバイオ炭を20 t ha−1で土壌に混合して栽培した。結果として、未処理都市廃水および嫌気性処理廃水による灌漑は、きれいな水よりも作物生育と収量(最大90%増)を向上させ、嫌気性処理廃水は未処理都市廃水よりもさらに有益であった(最大10%増)。生バイオ炭と嫌気性処理廃水の組み合わせは、風化の進んだ酸性土壌のpH、CEC、およびPの利用可能性を増加させた。
有機資源循環コンポスト周辺都市/周辺都市農業:生態学的、社会的、領土的の3つの視点
2023Juan Camilo Ochoa Céspedes · Entorno Geográfico · Colombia (Medellín)
本稿は、周辺都市および周辺都市農業を批判的に分析し、都市部の土地不足により不動産建設が周辺都市地域へ加速的に拡大することから生じる領土的緊張の問題に対処しています。この議論は、この拡大がもたらす経済的、環境的、社会的なリスクに疑問を呈し、緊張と抵抗を浮き彫りにしています。本稿は、メデジン市とその大都市圏の周辺都市地域の事例を用いてこれらの問題を説明しています。
制度・ガバナンスの不全近郊農業経済気候変動コミュニティ農業におけるスマート灌漑システム:系統的レビュー
2023David Vallejo-Gómez, Marisol Osorio, Carlos A. Hincapié · Agronomy · Global
本研究は、スマート灌漑システムに関する既存文献の系統的レビューを実施することを目的としている。都市および農村農業における土壌作物向けに人工知能技術を使用するシステムに焦点を当て、現在使用されているか、都市農業に適応可能なシステムを特定する。修正されたPRISMA 2020法を適用し、170の記事をスクリーニングし、そのうち50の記事を詳細に分析した。
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モロッコ、フェズ上流の農業土壌における希土類元素と重金属の分布、発生源、汚染レベル
2023Naoual Zerrari, Naoual Raïs, Mustapha Ijjaali · Soil and Sediment Contamination An International Journal · Morocco (Fez)
モロッコ、フェズ上流の農業土壌9サンプルを分析し、主要元素、希土類元素(REEs)、重金属の濃度を評価した。土壌は軽希土類元素に富み、汚染係数と汚染度はそれぞれ中程度と低い汚染を示した。しかし、全てのサンプリング地点でPLI値が1を超え、人為的活動による明らかな汚染が示された。
汚染・食品安全健康近郊農業自然基盤解決策の参加型計画のためのシリアスゲーム設計:エディブル・シティ・ゲームの経験
2023Josep Pueyo‐Ros, Joaquím Comas, Ina Säumel, Joana Castellar, Lucía Alexandra Popartan, Vicenç Acuña, Lluís Corominas · Nature-Based Solutions · Global
市民参加型プロセスを促す手段として複数の研究でシリアスゲームが提案されてきたが、資金不足やゲーム設計スキルの不足によりその取り組みが失敗に終わることが多いという課題を踏まえ、自然基盤解決策(nature-based solutions)の参加型計画のためのシリアスゲームを設計する新たな枠組みを提示した論文。定義・内容・評価という各段階についての指針を示し、その有用性を、食に関する要素を含む都市の自然基盤解決策(edible city solutions)の参加型計画を目的としたデジタルシリアスゲーム「エディブル・シティ・ゲーム(ECG)」の設計事例を通じて示している。設計されたECGは都市計画向けシリアスゲームのグラフィカルインターフェースを提供するプラットフォーム「Tygron」上に実装された。Tygronはシリアスゲーム設計のための使いやすいソフトウェアを提供するものの、最終的な成果物がその目的を果たすためには、なお適切なデザイン志向のプロセスが必要であるという論旨を提示している。
コミュニティ政策デジタル農業スケーラブルなアグリテック・グロウボックス・アーキテクチャ
2023Ryan Fraser Kirwan, Farhat Abbas, Indriyati Atmosukarto, A. W. Y. Loo, Jong‐Hwan Lim, Sang-Soo Yeo · Frontiers in the Internet of Things · Global
本研究はシンガポールの都市農業企業と共同で行われた、IoTを基盤とする自動栽培システムに関するものであり、汎用型グロウボックスと作物の生育を監視するウェブアプリケーション・ダッシュボードから構成される。レタスにおけるクロロシス(黄化)と葉先枯れの病害表現型を分類するため、画像解析による手法を用い、同一データセットで機械学習による手法と比較した。結果として、画像解析手法は病害検出において拡張性・処理時間・精度の面で優れており、時間・コストの効率性においても機械学習手法に対して優位性を示した。
デジタル農業コミュニティコンポスト化——廃棄物管理への持続可能なアプローチ
2023Alpana Kusum · · Global
本章は有機廃棄物を養分に富んだ堆肥へ転換するコンポスト化について概観したものであり、都市廃棄物・農業残渣・産業由来の有機廃棄物という発生源の違いを整理した上で、好気性コンポスト化・嫌気性コンポスト化・ミミズコンポストといった手法を解説している。有効なコンポスト化には炭素と窒素の比率、水分、温度、通気の管理が重要であるとし、土壌肥沃度の向上、養分循環、保水力、土壌侵食対策への効果、および温室効果ガス削減や炭素隔離といった環境面の効果を挙げている。農業・園芸・造園・都市園芸・土地再生・バイオエネルギー生産への応用を紹介する一方、汚染物質の管理、臭気対策、モニタリング、規制対応といった課題にも言及している。
コンポスト有機資源循環学校給食システムの環境持続可能性を強化する介入——ナラティブ・スコーピングレビュー
2023Grace Gardner, Wendy Burton, Maddie Sinclair, Maria Bryant · International Journal of Environmental Research and Public Health · Global
Arksey and O'Malleyの手法に基づくスコーピングレビューが、学校給食システムの環境持続可能性を強化することを目的とした介入を特定するため、Scopusおよびグレーリテラチャーを検索した。6,016件のレコードをスクリーニングし、24件が採用された。最も多い介入タイプは、より持続可能に設計された学校給食メニュー、学校での食品廃棄物削減、学校菜園を通じた持続可能性教育、環境要素を加えた食事介入であり、レビューはこれらの介入の効果を確立するにはさらなる研究が必要だと結論づけている。
食育政策気候変動ブルー・グリーンインフラストラクチャーの最前線
2023Michael Hardman, Katherine C. R. Baldock, Stuart Connop, Kenny Taylor, Ross Stirling · · Global
ブルー・グリーンインフラストラクチャー(BGI)に対する関心の高まりを背景に、開発者・都市計画者・技術者・建築家などの関係者がBGIの都市・農村環境への導入をどう進めているかを検討する章。従来型の景観設計手法に依拠する事例が多く、BGIシステムの可能性を十分に探索できていない現状を指摘した上で、「急進的」なアプローチの進展とその利点を考察する。授粉者の生物多様性をBGIによって高める手法のレビューに始まり、食料生産をBGI戦略に組み込む方法、低炭素エネルギーとBGIの相乗効果へと論を進める。
政策生物多様性送粉者・ミツバチ都市農業廃棄物由来の新規建築外皮材料の環境評価——トマト茎の事例
2023Pere Llorach-Massana, Laura Cirrincione, Jorge Sierra-Pérez, Gianluca Scaccianoce, Maria La Gennusa, Javier Peña, Joan Rieradevall · The International Journal of Life Cycle Assessment · Global
屋上都市農業(UA)のトマト温室栽培から生じる廃棄物(トマトの茎)を原料とする新しい建築用充填壁材の環境影響を、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法(ISO 14044・ISO 14067準拠)により評価した研究。実験室規模で製造した試料のデータをもとに、カーボンフットプリントと組込みエネルギーを算出した。結果、都市農業廃棄物中に固定された生物起源炭素を考慮すると、材料1kgあたり-0.2kg CO2eqという負のカーボンフットプリントが得られ、この材料はライフサイクルの観点から炭素排出ではなく炭素固定を行いうることが示された。対象シナリオでは、年間・平方メートルあたり約0.42kg CO2eqが隔離されると算出された。ただし、この材料を1単位製造するために必要な廃棄物を生産する栽培面積はかなり大きいことが分かり、今後の研究では材料の密度低減策や、廃棄物生産率がより高い都市作物の活用が課題として挙げられている。
気候変動スプラウトを超えて——野菜マイクログリーンの栄養プロファイルと治療的可能性
2023Santosh Kumar · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
このレビューは、穀類・ハーブ・野菜から子葉が形成された直後に収穫される小さな食用の若葉であるマイクログリーン——通常草丈1〜3インチで播種から7〜14日で収穫可能——を、COVID-19パンデミック期およびその後、風味・色彩・栄養含有量から人気が高まった作物として紹介している。マイクログリーンは通常水耕栽培され、都市の菜園家や狭小スペースでの栽培者に適していると特徴づけているが、独自の新たな実験データや栄養データは提示していない。
コミュニティ健康食品安全のための循環性の実現——屋上農業モデル
2023Tufan Özsoy · International Journal of Agriculture Environment and Food Sciences · Global
人口増加、環境変化、都市化、消費パターンの変化、廃棄物、国際情勢、感染症などが世界の食料安全保障に負荷をかけているとの前提から、グリーンエコノミーへの移行に向け地域自給を高める方策として、住宅・商業施設・公営住宅の屋上での農業運営を奨励・発展させるモデルを提案する論考。屋上農業を地域経済の強化、格差の縮小、責任ある生産と消費の内在化、都市生活の質の向上などに資する戦略的手段と位置づけ、実際の事例も紹介しているが、具体的な数値や検証結果は示されていない。
食料主権・社会正義政策タンザニア、キノンドニ市における都市作物生産への気候変動の影響と適応戦略
2023CHRISTINA FELIX KIFUNDA · Asian Journal of Agriculture · Tanzania
タンザニア気象庁の過去30年分の気温・降水量データと、キノンドニ市の都市農業従事者386世帯(ブンジュ118、クンドゥチ42、マブウェパンデ102、ムジムニ28、ワゾ96の5行政区)への質問票調査、フォーカスグループ討議、キーインフォーマント面接、直接観察を組み合わせ、都市作物生産への気候変動の影響と適応戦略を検討した研究。回答した零細農家の70%超が気候変動の指標を認識しており、これはタンザニア気象庁のデータとも一致した。気温上昇(76%)と降水量の減少(73%)が指標として挙げられ、病害虫の発生は気候変動の重大な影響の中で最も高い割合(88%)で挙げられた。土地不足も都市農業における重大な課題であり、適応戦略としては農薬・肥料の使用が最も高い割合(65%)で挙げられた。
環境負荷のトレードオフ気候変動政策経済多忙な人々との調査実践——小学校教員を対象とした「歩きながらのインタビュー法」
2023Rachael Walshe, Lisa Law · Cities · Global
本稿はオーストラリア・クイーンズランド州北部の急速に都市化が進む地域の公立小学校の教員を対象に、「ウォーキングインタビュー法」と「フリーリスティング技法」を組み合わせた新たな調査手法を提示している。これはコミュニティガーデン(重要な緑地として)を学校に組み込む際の障壁と機会を探る大規模プロジェクトの一部であり、天候・騒音・中断といった単純な要因が教員の20分間の1日にどう作用したかを反省的に分析し、状況的な時間性やモア・ザン・ヒューマンな影響が調査で得られる知見にどう作用するかを検討している。
コミュニティ食育政策パンゴル地区(シンガポール)の将来マスタープランに向けたシステムズアプローチ
2023Madhvi Chulet, Sahil Fadia, Shweta Suhane · · Singapore
シンガポールのパンゴル地区を対象に、25年ごとの改定を前提とする将来マスタープランについて、グリーン・水・公共空間・エネルギー・食料の5つのシステムを軸に検討した論文。気候変動対策としてのシンガポールの持続可能な建築政策とCOVID-19が空間・建物のデザインに与えた影響を背景に、システム思考が建築形態と敷地計画に与える正の効果を論じ、パンゴル地区のブルー・グリーンインフラ整備の指針を提示している。
コミュニティ政策気候変動ロシアの食料安全保障を支える園芸の課題——1億2500万人が自作の食料を得る一方、農地数と生産効率は減少
2023A. N. Pokataev · Mezhdunarodnaja jekonomika (The World Economics) · Russia
ロシアの国家農業産業における最重要要素の一つである個人副業経営(自家菜園・ダーチャ等)に注目し、園芸の発展が家計の食料安全保障を安価かつ安定的に改善する手段だと論じた研究。ロシア園芸家連合の推計では1億2500万人のロシア人が自ら耕作する土地から食料を得る世帯に属し、ロスタットの推計では2022年の農業生産総額(実勢価格)8兆8510億ルーブルのうち世帯部門が2兆710億ルーブル(全体の4分の1)を占めるとされる。一方で、対ロシア制裁が強まる中、農地・生産主体の数と個人消費・販売双方の生産効率指標がいずれも顕著に減少しており、「ダーチャ恩赦」制度が大半の家庭菜園組合に適用できないこと、地籍の重大な誤り、放棄地の増加、家庭菜園での家畜・家禽飼育を制限する法改正など、発展を著しく妨げる規制上の課題が指摘されている。
食料主権・社会正義経済健康建物の高さが異なる屋上でのトウガラシ(Capsicum annuum L.)の生育・収量——バングラデシュ、高さが増すほど生育・収量は低下
2023Md. Ujjal Husen, Nazmun Naher, Zannatul Firdaus Binte Habib, Hapsa Rahaman, Abdul Halim · Journal of Experimental Agriculture International · Bangladesh
バングラデシュ・ダッカのシェレバングラ農業大学で、2021年11月から2022年4月にかけて、異なる高さの建物屋上と圃場でトウガラシ(BARIモリッチ3号)の生産性を検討したポット試験。完全無作為配置法(4反復)で、対照区(地上0.0m)、3階建屋上(11.28m)、6階建屋上(21.34m)、10階建屋上(34.75m)の4処理を設けた結果、建物の高さが増すにつれて土壌水分・草丈・茎径・葉数/枝数/果数・地上部生重/乾重・単果重/長さ/径・株当たり収量の生重/乾重はいずれも有意に低下し(地上>3階>6階>10階)、逆に気温・地温・光強度は有意に上昇した(10階>6階>3階>地上)。地上が最も生産性が高く、3階建屋上までは屋上菜園の適地として選択しうるとされている。
食料主権・社会正義近郊農業都市農業モデルにおける持続可能性推進の課題——系統的レビュー
2023Luiza Vigne Bennedetti, Paulo Antônio de Almeida Sinisgalli, Maurício Lamano Ferreira, Fabiano Lemes de Oliveira · International Journal of Environmental Research and Public Health · Global
PRISMAプロトコルに基づき、Web of Scienceに収録された都市農業と持続可能性の相互関係に関する研究26件を評価した系統的レビュー(2023年)。都市農業は都市の持続可能性を推進し、都市住民向けの公衆衛生政策に情報を与える行動として位置づけられ得るが、グローバルノースとグローバルサウスの双方の国々で、その実施にはなお課題が残ることが確認された。レビューは、大気・土壌汚染、緑地の確保、都市インフラの配置、食料流通など、都市農業導入における多くの主要な課題を特定した。都市部が抱える多様な社会経済的・環境的文脈要因、とりわけグローバルノースとグローバルサウスの現実の違いから、これら異なる文脈に適応可能なモデルを開発する必要があるとされた。結論として、持続可能性という概念には普遍的な理解が存在せず、環境面の課題に対して社会的課題への対応が依然として最も重要な欠落領域の一つであると指摘されている。
制度・ガバナンスの不全政策コミュニティ食料主権・社会正義気候変動生物多様性に配慮した都市(バイオフレンドリー・シティ)——気候変動に対する新たな概念
2023Prof. Dr. Hasan YILMAZ · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
気候変動対策としての「生物多様性に配慮した都市(バイオフレンドリー・シティ)」という概念を提示する論考(2023年)。国連の開発報告書は2050年までに世界人口の約70%が都市部に居住するようになると予測しており、その結果として都市緑地と農地の急速な喪失、交通・インフラ・エネルギー・健康・栄養問題、大気汚染、視覚公害、固形廃棄物など多様な環境問題が生じているとする。緑地・オープンスペースの不足や風の通り道の遮断、誤った都市計画、ガラス・光沢面からの光の反射がヒートアイランドの形成に寄与し、自然・生態学的な限界への配慮不足が都市生態系に回復困難なダメージをもたらし、都市を災害に脆弱にしているとされる。都市化は都市緑地や農地といった生産的な景観を悪化させ、生息地を分断し、都市の生物多様性への圧力を高める一方、都市は新たな生息地や種を生み出し、とりわけ温帯の都市では維管束植物や鳥類の多様性が周辺の景観を上回ることもあるとされる。IPCCによれば、世界の平均気温はすでに1.1度上昇しており、1.5度に向けて進行中であるとされる。
気候変動政策生物多様性文脈の中で都市農業を理解する:シンガポールにおける農業の環境的・社会的・心理的便益
2023Sean Olivia Nicholas, Shiloh Groot, Niki Harré · Local Environment · Singapore
シンガポールの都市農業イニシアチブ(UAI)1か所の従業員・ボランティア13名を対象に、詳細な半構造化インタビューを行い、続いて同じ参加者にインタビューから抽出した36の発言に基づくQソート法を実施した研究。結果、環境的・社会的・心理的な便益として、自然との真のつながりの醸成や環境配慮行動の波及、多様な人々との友情構築とコミュニケーション、自己認識と感謝の増大がそれぞれ確認された。一方、当該UAIの雇用や食料生産面での経済的インパクトは財政難によって妨げられており、ボランティアと従業員の双方が心理社会的便益を認識していたのに対し、財政難を特に強調したのは従業員であった。
コミュニティ健康都市環境をつくる——権力・抵抗・交渉のインフラストラクチャー
2023The Urban More-than-Human Collective, Sonja Dümpelmann, Robert Gioielli, Stephan Pauleit, Anindya Sinha, Kate Wright, Amy Zhang · Global Environment · Global
歴史学、人類学、動物研究、ランドスケープ計画・管理を専門とする研究者たちが、都市および都市化するインフラとその政治的な絡み合いのさまざまな形態を論じている。廃棄物管理のためのバイオテクノロジー的インフラとして用いられるアメリカミズアブから、独自の都市性を展開・交渉するマカクなどの非人間存在、そして日陰と食料を提供する緑のインフラ、また耐え忍び抵抗するための社会的インフラとして用いられる植物やコミュニティガーデン、さらに人々を分断すると同時に生活と結束をもたらす交通インフラまで、多様な主体とその実践が都市環境をどのように構築・形成しているかを検討する。世界各地の事例研究を通じて、インフラを人間と非人間の複雑な共同生産物として捉える様々な概念化を提示し、それが現代都市を形づくっていることを示す。
コミュニティ政策都市農業の採用に対する知識・態度・実践——概念論文
2023Ahmad Shukry Yahya, Nur Bahiah Mohamed Haris, Jasmin Arif Shah, Nurulnadiatulamira Ahmad Zaki · International Journal of Academic Research in Business and Social Sciences · Global
都市農業の実践採用に影響する知識・態度・実践(KAP)の要因を検討することを目的とした概念論文。都市農業がもたらす生鮮食品へのアクセス向上や食料輸送コストの削減、地域の健康・幸福の改善といった便益や、温室効果ガス削減・生物多様性促進への貢献を紹介した上で、KAPの各要素を個別に扱う既存研究と、KAPモデル全体を統合的に扱う研究の両方のアプローチを整理し、都市農業の普及に向けたKAPモデルの理解を深めることを狙いとしている。実証データは提示されていない。
食育食料主権・社会正義気候変動