研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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地面を通して思考する
2025Cassandra Tytler · · Global
「Think Like a Worm(ミミズのように考える)」という多感覚的・身体的アプローチのプロジェクトを通じて、場所に根ざしたアート実践、生態への感応、関係性としてのウェルビーイングの交差を検討する書籍の一章。コミュニティガーデンを感覚的なアートスペースへと変容させたこのプロジェクトについて、フェミニズムおよび反植民地主義の学術的視座を踏まえ、環境影響と知識生産における不平等を認識する「位置の政治学」を論じている。
コミュニティ生物多様性集団的アーバンガーデニングの政治生態学
2025Ioana Florea · · Global
この章は、集団的アーバンガーデニング事業が、市場主導の食料システムや都市的自然の不安定化、不動産市場の支配に対する抵抗の一形態である一方、日常の実践はしばしばこうした理想や意図を実現できず、不完全・矛盾的・一時的な結果しか生まないという知見を示す。空間・時間・階級の関連を明らかにする発見的枠組みを提案し、これを用いて先行研究を政治生態学の観点から整理し、都市ガーデニングに内在する矛盾——空間の物質性、植物栽培に根ざした時間性、庭師の空間・時間へのアクセスと行動を条件づける階級差——を追跡する。
効果は限定的コミュニティ経済食料主権・社会正義水耕栽培——持続可能な都市農業のための解決策:植物成長と資源消費の比較研究
2025Luciana Daniela Portella Carreño, Carla-Maria Strejanțu, Florica Morariu, Dumitru Popescu, Eugen Cătălin Zoican · DOAJ (DOAJ: Directory of Open Access Journals) · Global
小型ビニール温室内の管理された条件下で6週間にわたり、バジル(Ocimum basilicum)を水耕栽培システムと従来の土壌栽培で育てて成長性能を比較した研究。草丈、葉数、総水消費量を測定した結果、水耕栽培のバジルは成長が速く、必要水量が有意に少なく、目に見える欠陥の少ない健全な葉の構造を示した。
食料主権・社会正義経済気候変動マレーシアの小学校における都市ガーデニングとボードゲームを用いた栄養教育が、女児と肥満傾向の児童の野菜・果物に関する知識を向上させた——パイロット研究
2025Zahara Abdul Manaf, Louise Tee, Nurul Mirza Mohamad Shah, Siti Hajar Mohammad, Abdul Arieffarid Abdul Wahid · Journal of Health Population and Nutrition · Malaysia
マレーシア・クランバレーの小学校に通う10歳児童72名を対象に実施された準実験研究。介入群は2か月間、果物・野菜に関する講話、体験型ガーデニング、調理活動、教育用ボードゲームで構成される介入プログラムを受け、対照群は栄養士による講話のみを受けた。身長・体重からBMIを算出し、自記式構造化質問票で果物・野菜摂取に関する知識・態度・実践の変化を測定した結果、介入群では女児(p=0.010)で知識・意識の向上が確認されたが男児(p=0.272)では確認されず、また過体重・肥満の参加者(p=0.033)では知識が有意に向上した一方、標準体重・低体重の参加者(p=0.215)では有意な向上が見られなかった。果物・野菜摂取に対する態度(p=0.980)および実践(p=0.233)には、介入後も統計的に有意な改善は見られなかった。
食育健康コミュニティ都市農業——持続可能な都市開発への道筋
2025Nurulanis Ahmad, Zarita Ahmad Baharum, Yasmin Mohd Adnan, Nor Nazihah Chuweni · PLANNING MALAYSIA · Malaysia
マレーシアにおける都市農業(UA)の持続可能な都市開発に向けた利害関係者の視点を、ステークホルダー理論に基づき半構造化インタビューを用いて質的に探究した研究。連邦レベルのマレーシア農業省・PLANMalaysia、州レベルのペラ州農業局、地方レベルのスバンジャヤ市議会、民間の不動産管理者、学識経験者から選ばれた15名の利害関係者(都市農業・都市計画・不動産分野の管理職・実務者・専門知識を持つ職員)を対象とした。その結果として、社会・経済・環境・政策・技術革新を軸とする行動計画の枠組みが示され、政策立案者・都市計画者がUAを持続可能な都市開発への道筋として進めるための行動計画策定に活用できる知見を提供している。
コミュニティ政策経済客体化の中に失われるもの――定量化はいかに建築環境におけるサステナビリティの意味と公共性を損なうか
2025Jan Grossarth · Discover Cities · Global
本稿は、都市・建築分野(および都市農業)のサステナビリティ実践における認証スコアやKPIなどの定量化手法を批判的に検討し、データ駆動型の評価がサステナビリティの持つ感情的・物語的な意味を切り捨てていると論じる。著者は、文化的に豊かな志向から技術的・定量的な実践への移行を「サステナビリティの悲劇」と呼び、KPIや評価基準に加えて、建築・都市計画の場でナラティブに基づくインタビューや実体験の語りを付随させるだけでなく優先させる必要があると主張する。この論文は概念的な批評であり、実証データや事例分析は提示していない。
方法論への批判政策気候変動健康論文は毎週増えています
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コンゴ民主共和国キンシャサにおける周辺部農業の起業動機・持続可能性をめぐるプロファイル・課題・戦略
2025Augustin Tshilumba Ilunga, Michel Mbumba Bandi, Albert Tshinyama Ntumba, Damien-Joseph Muteba Kalala · Revue Africaine d’Environnement et d’Agriculture · Democratic Republic of Congo
急速な都市化、食料不安、失業を背景に、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにおいて食料安全保障と雇用の要となっている都市農業を対象に、(i)農業起業家の動機、(ii)その動機が経営の存続可能性に与える影響、(iii)事業の持続に影響する経済的・非経済的要因、の3点を検討した研究。3つの周辺地域でスノーボールサンプリング法による半構造化インタビュー20件と文献分析を組み合わせた質的・量的調査を実施した。結果、起業家は(1)副業として営む公務員、(2)投資として参入する民間セクター従業員、(3)生計維持を目的とする商人、の3類型に分類された。社会的関与や情熱といった非金銭的動機がレジリエンスを支える一方、農地は土地圧力・与信アクセスの制限・制度的支援の欠如という大きな課題に直面していることが明らかになった。主な障壁は土地保有の不安定さ、資金調達の不足、研修機会の欠如であり、農家は多角化や非公式なパートナーシップの構築といった適応戦略を取っていた。結論として研究は、土地保有の安定を確保し、与信アクセスを容易にし、都市計画プロセスに周辺部農業を組み込みつつ部門の専門職化を進める統合的な戦略の必要性を提言している。
事業採算・継続性経済政策コミュニティ都市の芝生を再考する――リワイルディングとその他の自然を基盤とした代替案
2025Diana Dushkova, Maria Ignatieva · Diversity · Global
継続する都市化、生物多様性の減少、気候変動の激化が、従来型の集約的管理を伴う芝生に支配された都市緑地の持続可能性に課題を突きつけているとする論文。芝生は生物多様性への貢献が低く資源需要が高いことが批判されており、本稿はこの都市の芝生に代わる、レジリエンスと多機能性を高めるための自然を基盤とした解決策(NBS)を検討する。芝生を生態的・デザイン的・社会文化的システムが絡み合ったものとして概念化し、その転換戦略を評価する。10のユーラシア都市の事例研究、ナラティブな文献レビュー、著者らの学際的・超学際的な研究経験に基づき、種の豊富な都市草地、半自然草地、自然主義的な多年生草本植栽、混植グラウンドカバー、食用芝生、絵画的(一年生)草地、リワイルディングされた芝生を含むNBS代替案の類型論を構築している。主な介入手法は刈り取り頻度の削減、多機能緑地の整備、順応的管理、住民参加である。結果として、こうしたアプローチは生物多様性・生態系サービス・気候レジリエンスを高めることを示すが、その成功は地域の生態条件、景観デザイン、都市の自然に対する住民の受け止め方に左右されるとしている。論文は、在来種で乾燥・踏圧耐性のある植物と文脈に応じたデザイン構成を用い、都市緑化の文化的伝統を尊重しながら社会的受容を醸成すべきだという実践的提言と今後の研究の方向性を示している。
生物多様性コミュニティ食育ザグレブ・リビング・ラボ
2025Bojan Baletić, Iva Bedenko, Marijo Spajić · · Croatia
クロアチアの首都ザグレブの旧工業地区セスヴェテを舞台に、EU proGIreg プロジェクトの一環として実施された自然を基盤とした解決策(NBS)の導入事例を扱う章。主な取り組みとして、市民に持続可能な都市園芸のための無料区画を提供する「シティ・ガーデンズ」プロジェクトと、障がいのある人向けに設計されたセラピューティック・ガーデンが挙げられる。緑化技術の統合として、アクアポニックスとグリーンルーフ・グリーンウォールを組み合わせたモジュール式都市農場も紹介されている。新型コロナウイルスのパンデミックと地震という課題にもかかわらず、これらの取り組みはNBSが都市再生・社会的包摂・環境的持続可能性を高める可能性を示したとされる。地元の関係者・市民を巻き込んだ共同設計(コ・デザイン)プロセスがコミュニティの参加とNBSの受容を効果的に促した点が強調される一方、都市計画・政策の中でNBSを実行に移す上での課題と機会についても論じられ、こうした解決策が旧工業都市地域のより広範な再生にどう寄与しうるかについての知見が示される。最後に、これらの解決策の拡張可能性と、セスヴェテの今後のまちづくりにおける役割について考察している。
コミュニティ政策CSAへの参加は消費者の意識と持続可能な行動に影響するか——縦断研究からの知見
2025Aldona Glińska‐Neweś, Paweł Brzustewicz, Iwona Escher, Yusheng Fu, Anupam Singh · Food Quality and Preference · Global
CSA(地域支援型農業)の消費者と非消費者を比較した2つの研究により、CSAへの参加が環境・社会・健康への意識と持続可能な行動を強めるかを検討した。CSA消費者は非消費者より環境意識・社会意識が高く、参加期間が長くなるほど社会意識が高まる傾向がみられ、食以外の消費領域にも及ぶより持続可能な消費行動を示した。
CSA・提携食料主権・社会正義システムダイナミクスモデルによる、途上国インフォーマル居住地の社会生態的状況改善に向けた都市シナリオの検討
2025Alejandra Acevedo-De-los-Ríos, Favio R. Chumpitaz-Requena, Daniel R. Rondinel-Oviedo, Úrsula Cárdenas‐Mamani, Johan Manuel Redondo · Environmental Science & Policy · Global
本研究は、システムダイナミクス(SD)モデルを用いて、途上国のあるインフォーマル居住地を対象に、居住地の定着化と女性の正規雇用アクセス改善に関する5つの10年シナリオ(現状維持、労働時間の質向上、女性の正規雇用、水・有機廃棄物の循環利用(都市菜園・都市農業を含む堆肥化を含む)、これらを統合した包括シナリオ)をシミュレーションした。個別の対策のみでは潜在的な相乗効果を十分に活かせなかった一方、包括シナリオでは女性の正規雇用条件改善に要する時間を47.5%短縮しており、これは居住地定着化プロセスと関連していた。
コミュニティ政策食料主権・社会正義ガーデニングを通じた土地への反人種主義的な向き合い方——移住してきた有色人種の若者たちとの取り組み
2025Riann Lognon, Chetna Khandelwal, Megha Sanyal, Santanu Dutta, Pallavi Banerjee, Pratim Sengupta · Frontiers in Climate · Global
北米に移住した有色人種の難民の若者たちと共に立ち上げた3年間にわたるコミュニティガーデン・プロジェクトを基に、本研究はコミュニティガーデンの立ち上げと維持における最初の2年間の若者たちの参加的・身体的・言説的な取り組みを質的に分析した。彼らが新たな居住地において、土地・空気・水、そして人間以外の生とどのように関係を再構築するかを検討している。分析の結果、若者たちの参加はガーデンにおける反人種主義的実践を中心に据えたものであったことが明らかになり、本研究は移住において人種と気候がどのように絡み合っているかについて、より広い視座を提示している。
コミュニティ気候変動食料主権・社会正義気候変動の緩和・適応策としての都市農業 ― コロンビア・パルミラ市の事例
2025Edwin Javier Ortega Zúñiga · Ediciones Comunicación Científica eBooks · Colombia
コロンビアの農業首都としての伝統を持つパルミラ市を対象とした研究は、その伝統にもかかわらず同市が深刻な食料不安に直面していることを明らかにした。既存研究のレビューによれば、その要因は、農村人口の高齢化と若者の農業離れ(労働力減少と新技術導入の制約)、女性が農業資源や意思決定へのアクセスで直面するジェンダー不平等、干ばつや洪水など気候変動が生産に及ぼす悪影響、そして急速な都市化による農地の減少と農業景観の分断化である。対応策として、市内4カ所での小規模野菜生産システムのパイロット事業を実施し、密集した都市環境における新鮮な食料の供給源として機能したと報告している。著者らは、パルミラの食料安全保障に取り組むには社会・経済・環境の各要因を組み合わせた学際的アプローチが必要だと結論づけている。
制度・ガバナンスの不全コミュニティ気候変動政策食料主権・社会正義都市農業とジェントリフィケーションの関係について、どのようなエビデンスがあるのか:システマティックマップのプロトコル
2025Parisi A., Walthall B., Clerino P., Firmbach P., Onyszkiewicz M., Vicente Vicente J. L. · Environmental Evidence · Global
都市農業(UA)とジェントリフィケーションの関係について、これまでの研究が何をどう論じてきたかを体系的に地図化するための計画書(プロトコル)。著者らは、UAがジェントリフィケーションを引き起こす要因として描かれる説明、逆にUAの取り組み自体がジェントリフィケーションの被害を受ける(立ち退きのリスクにさらされる)と描かれる説明、さらにそれ以外の関係を示す説明が混在していることを指摘し、その食い違いは「ジェントリフィケーション」という概念の理論的な扱いの違いと、「都市農業」が指す活動の幅広さによって部分的に説明できるとする。検索・レビューの戦略を示したうえで、支配的な学術的言説にどのような空白があるかを明らかにすることを目的に掲げる。プロトコル段階の論文であり、結果そのものはまだ報告されていない。
公平性・立ち退き政策コミュニティ土壌動物の生物多様性保全の場としての都市農業:ブラジル・リオデジャネイロ市西部地区での調査
2025Pires M. J. F. C. D. S., Ribeiro S. A., Ferreira L. S., Antunes L. F. S., Uzeda M. C., Correia M. E. F. · Environmental Monitoring and Assessment · ブラジル・リオデジャネイロ市
アグロエコロジーにもとづく都市農業の区画が、都市のなかに残された生物多様性の断片として土壌動物を養う力を持つかを検証した調査。リオデジャネイロ市西部のカンポ・グランデ地区とヴァルジェン・グランデ地区で、作付けの異なる農地から森林までの勾配をなす15か所を選び、各地点に3点(5m間隔)の調査点を置いて、専用オーガーでリター層と深さ10cmまでの土壌中土壌動物(メソファウナ)を採取し、ミミズはTSBF法で採取した。同じ深さの土壌試料で肥沃度と土性を分析し、周囲500mなどのバッファで景観要素の割合を計測したうえで、主成分分析を含む多変量解析で、局所スケールの土壌特性と景観要素のどちらが土壌動物の出現と個体数により強く影響するかを検討している。
生物多様性有機資源循環アグロフォレストリーにおける食料生産の協働モデルとしてのコミュニティ支援型農業(CSA)
2025Tanja Kähkönen, Joshua Finch, Michael den Herder · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Global
コミュニティ支援型農業(CSA)を、農家と消費者が関わる食料の生産・流通・消費の協働モデルとして説明する。CSAの消費者には個人や家族のほか、レストラン、学校、幼稚園なども含まれるとしている。
CSA・提携コミュニティキューバと大韓民国——持続可能な発展に向けた共通の道における科学外交の食料安全保障・主権への可能性
2025Sunamis Fabelo Concepción, Elizabeth Peña Turruellas, Maruchi Alonso Esquivel · Latin American and Caribbean Studies · Global
キューバと大韓民国との国交回復を契機に、両国間の食料安全保障・主権分野における協力可能性を論じた論考。健康的で十分な栄養への権利を法的枠組みとして認める重要性とともに、両国がともに成果を上げてきた分野として都市農業の発展を、主権的・地域的・持続可能な食料システム構築の鍵となる戦略として位置づける。相互尊重・共感・長期的パートナーシップに基づく科学外交の進展の可能性を論じるものであり、実証データや測定結果は示されていない。
食料主権・社会正義政策コミュニティ屋上での園芸作物生産における台所ごみの活用——概観
2025ER Ramesh Chand, Ridhima Arya, Ravi Pratap Singh, Devi Singh, Vedant Singh · International Journal of Advanced Biochemistry Research · Global
屋上での野菜栽培による炭素・騒音の吸収、屋上および周辺の気温低下、ヒートアイランド現象の緩和効果と、堆肥化した台所ごみを鉱物性肥料の代替として活用する可能性を整理したレビュー論文。既存研究では堆肥が土壌水分の保持を高め、土壌侵食を減らし、害虫・雑草・病害の管理にも寄与しうることが示されているとする。バングラデシュでは屋上ガーデニングが比較的新しい取り組みであるとし、本レビューはその理解促進とさらなる研究の一助となることを意図している。
コンポストDIY・自作気候変動循環型都市農業――食品廃棄物由来肥料はトマト温室実験で対照区と同等の収量をもたらす
2025Sarah Kakadellis, Herman D. Delgado, Russell Teall, R. Gándara León, Christopher W. Simmons, Edward S. Spang · Journal of Agriculture and Food Research · Global
コミュニティ学習菜園を想定し、液状の食品廃棄物由来消化液(FWDD)を生物肥料として用いた場合の効果を、トマト(Solanum lycopersicum)の温室栽培実験で検証した。培地のみ、合成鉱物肥料添加、堆肥添加、堆肥+FWDDブレンド添加の4処理を比較した結果、鉱物肥料区が総果実収量で最も高かったものの、可食部収量と総果実重量は堆肥+FWDDブレンド区と同程度で、同区は平均果実重量が最大だった一方、堆肥区・堆肥+FWDD区のトマトは軽く酸味が強い(ただし酸度自体は高くない)傾向があり、FWDD添加による土壌への悪影響は観察されなかったが、社会的な受容や施用のライフサイクル影響を評価するにはさらなる研究が必要だとしている。
有機資源循環コンポストコミュニティ汚染土壌で栽培された野菜中のAs・Cd・Cr・Ni・Pbの経口生体利用率に関する系統的レビュー
2025Jennifer Newell, Siobhan Cox, Rory Doherty · Urban Agriculture & Regional Food Systems · Global
都市・周辺部の遊休地(ブラウンフィールド)で栽培された野菜における重金属・半金属汚染物質の経口生体利用率(bioaccessible fraction, BAF)について、複数のオンラインデータベースから収集した文献を対象に系統的レビューを行った。都市・周辺部のブラウンフィールドの多くは土壌の金属・半金属汚染の履歴を有し、そこで栽培された作物が健康リスクをもたらしうることを前提に、汚染元素・in vitro試験法・野菜種別ごとのBAF値の序列を整理した。中央値ベースのBAFはCd>Ni>Cr>As>Pbの順に高く、in vitro試験法ではUBM法が最も高い中央値BAF(胃相63.0%、胃腸相59.6%)を示し、作物区分では非葉菜(コメ・菌類)>豆類>根菜>球根>葉菜の順にBAFが高かった。
汚染・食品安全健康近郊農業政策ブルックリンのコミュニティガーデンにおける容器発生性の蚊の多さ
2025Kelley AT, Boger R · EcoHealth · 米国・ニューヨーク市ブルックリン
ブルックリンのコミュニティガーデン22か所で蚊の幼虫の量と属を調べた研究。著者らは、これらの庭が多くのニューヨーク市民にとって食の自給と交流の場である一方で、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が到達し、アカイエカ(Culex pipiens)が以前から生息していることで、そこで過ごすこと自体のリスクが上がっていると位置づける。ヒトスジシマカはデング熱・ジカ熱・チクングニア熱の媒介と関係し、アカイエカは西ナイル熱の長年の媒介種である。両種とも人工のプラスチック容器で繁殖するため、どの容器・どの置き場所を好むかを知ることが菜園側の管理につながる、というのが調査の動機。結果として、本来の用途ではない容器(non-purposeful container types)と、貯まっている水の総量が少ないことが、蚊の密度が高いことの有意な予測因子だった。ただしこれらの変数は産卵場所の選好までは予測しなかった。
環境負荷のトレードオフコミュニティ健康生物多様性カナダ・アルバータ州の黒人アフリカ系移民にとって、共同菜園への参加を阻むもの・後押しするもの
2025Otoadese D, Kamara I, Onyango E · International Journal of Environmental Research and Public Health · カナダ・アルバータ州
コミュニティガーデンはカナダの都市で広がっており、移民が文化的になじみのある健康な食べものにたどり着くための自立的な手段になりうる場だが、黒人と自認する移民のような人種化された集団の参加を狭める要因も多い。本研究は社会生態学モデル(SEM)を枠組みに、アルバータ州の黒人アフリカ系移民の共同菜園参加を阻む要因と後押しする要因を探った。コミュニティ参加型リサーチ(CBPR)の手法をとり、アフリカ系移民を支援する地域団体のネットワークを通じて対象者を募って、参加状況・促進要因・障壁を測る構造化調査(n=119)、生きられた経験を掘る詳細インタビュー(n=10)、集団としての見方を探るアフロセントリックなシェアリングサークル(2回)を組み合わせた。障壁は社会生態学モデルの複数の層にまたがって相互に絡み合い、関心と参加を形づくっていた。一方、共同菜園にアクセスできることは、健康な食のあり方の維持、知識の交換、ソーシャルキャピタルの成長、ウェルビーイングを支える地域とのつながりといった大きな便益と結びついていた。
コミュニティ福祉食育健康サヘルのニアメ市第5コミューンにおける都市部トウジンビエ農家の気候変動認識と適応戦略
2025Lafia N' Gobi GM, Moussa S, Falalou H, Degla P · Scientific Reports · ニジェール・ニアメ市(サヘル)
サヘルの首都ニアメの第5コミューンで、市内でトウジンビエを育てる農家150人(40歳以上)を対象に、気候変動をどう認識し、どう適応してきたかを調べた研究。著者らは「気候研究の多くはより広い農業システムに向いており、この地域の都市農家はしばしば見落とされてきた」と問題設定する。スノーボール法で対象を選び、構造化面接・フォーカスグループ・普及機関への聞き取りに加え、1991〜2020年の30年分の降水データを分析した。その結果、農家は過去30年の変化を高い水準で認識しており、在来の工夫と普及機関由来の対策の両方を採用していた。降水には有意な攪乱が確認された。採られていた適応策は、土壌肥沃度の回復技術、作物の多様化、作物防除、改良種子、有機肥料、作付けカレンダーの調整、節水技術、そして祈願・儀礼だった。多項ロジスティック回帰で適応策の採否を左右する要因を特定している。
気候変動食料主権・社会正義都市農村連携無機肥料 2002-2023年
2025FAO · FAO (FAOSTAT Analytical Brief) · Global
FAOSTAT分析概要によれば、世界の農業用無機肥料使用量は2002年の1億4,200万トンから2023年には1億9,000万トンへと34%増加した。窒素・リン・カリのヘクタール当たり施用量もこの間に上昇し、世界生産量は2002年比40%増の2億800万トンに達した。
有機資源循環経済政策農業における災害リスク削減(FAO)
2025Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) · Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) · Global
FAOによれば、災害は近年40.3億人に影響を及ぼし、これは過去20年間平均比124%増となる。直接的経済損失は約3兆米ドルに達し、1980〜1999年比で182%増加した。気候関連災害は世界の直接経済損失の91%を占め、36億人に影響を与えた。2008〜2018年の後発開発途上国・低中所得国では、農業が中規模〜大規模災害による全体的影響の26%を吸収した。世界で25億人が生計を農業に依存しており、FAOは仙台防災枠組・パリ協定・SDGsの一貫した実施を通じた災害リスク削減を推進している。
政策気候変動経済食料主権・社会正義