研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
1471 件(31 / 59)
欧州における自然との関わりの都市的実態
2020B.H.M. Elands, Bianca Ambrose‐Oji, Annegret Haase, Karin Peters · · Europe
欧州の都市を対象に、レクリエーション、コミュニティガーデニング、住民主導の自然管理という3つの市民参加形態を通じて、多様化する都市住民による都市緑地との関わりを検討した章。ガーデニングと住民主導の自然管理は、公園でのレクリエーションよりも既存の友人関係の強化や新たな関係構築(文化的に多様な集団間を含む)につながりやすいことが示された。一方で、文化的多様性への対応が特定集団による空間占有を通じて他集団を排除する結果を招く場合もあることが指摘されている。
コミュニティ健康都市の食を考える:オランダ・アルメーレにおける農業の都市計画への社会実践論的視点
2020J.E. Jansma, Sigrid Wertheim‐Heck · Landscape and Urban Planning · Netherlands
オランダ・アルメーレ市の新市街地「オースターウォルド」を事例に、都市農業を都市計画に統合する実践がどのように形成されてきたかを、社会実践論の視点から55年間にわたって分析した研究。意味・材料・能力という観点から4つの時期に分けて計画実践の歴史的変遷を検証した結果、農業は同市の創設当初から計画の一要素であり続けてきたが、農業を完全に統合したハイブリッドな都市・農村計画実践として現れるまでに55年を要したことが示された。さらに、この統合には学際的かつ従来にない運営や指導力が必要であり、都市計画という専門領域の枠を広げるものであったことが指摘されている。
コミュニティ政策都市フード・イニシアティブにおける共同実践の組織化——菜園づくり・調理・共食の比較分析
2020Benjamin Hennchen, Michael Pregernig · Sustainability · Europe
本研究はドイツ南部の2つの中小規模都市における5つの都市フード・イニシアティブを事例に、菜園づくり、調理、共食といった共同実践がどのように組織化されているかを体系的に分析した。データはインタビュー、参与観察、文書分析といった質的手法により収集された。分析は制度的統合、募集の仕組み、目標設定、時間管理、知識の類型という5つの次元にわたり、これらに基づき都市フード・イニシアティブの2つの異なる組織プロファイルを描き出した。本稿は地方自治体が食のイニシアティブを支援し持続可能な都市食料システムに貢献しうる方法についての考察で締めくくられている。
コミュニティ食育農と食のケアの実践
2020Jan Hassink, Angela Moriggi, Saverio Senni, Elisabeth Hense, Dries de Moor · · Europe
ケアの倫理を分析枠組みとして、コミュニティ支援型農業(CSA)、都市農業、ケア農業・社会的農業、有機・バイオダイナミック農業といった再生的な農食料実践を検討した論文(2020年)。オランダとイタリアの実証事例を対象に、社会正義・協働・尊重的関係・包摂・教育に導かれた実践として、コミュニティ・脆弱な市民・環境・家畜・食に対するケアがどのように営まれているかを記述する。農業者が直面する課題として土地アクセス、資金、既存の慣行農業体制との折り合いを挙げ、こうしたケアの実践が支配的な農食料システムにどこまで影響を及ぼしうるかを問いとして提示している。
コミュニティ食料主権・社会正義CSA・提携福祉世界、自然、そして庭への関係論的まなざし
2020Nicholas Henderson, Quentin Lefèvre · Sens-Dessous · France
この論考は、社会科学と生命科学の双方に浸透しているとする関係論的パラダイムのレンズを通じて、生物学・経済学・景観を検討し、世界の関係論的な性質を、目には見えにくいがアクタントとして働く現実として位置づける。生きとし生けるものとの関係が危機にあるとしたうえで、パーマカルチャーの共同菜園を、関係を中心に据えた設計のあり方である「関係論的デザイン」の一つの現れとして分析している。
コミュニティ有機資源循環DIY・自作オルタナティブな食の政治学
2020Cordula Kropp, Clara Da Ros · · Europe
ドイツ・ライプツィヒ市とフランス・ナント市の都市農業運動について、エスノグラフィー調査に基づく事例研究を行った。ライプツィヒの運動は環境に配慮した持続可能な脱成長経済の構築に強く志向する一方、ナントの運動は社会的不平等と排除の克服を主眼としており、両都市の参加者はそれぞれ都市開発の中で自らの必要や利害に反すると感じる力に対応し、地域の空間を市民が取り戻しコミュニティの自給のために耕作するよう他の住民に働きかけていた。
コミュニティ食料主権・社会正義政策気候変動論文は毎週増えています
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第一次世界大戦下の食糧事情——ベルリンの都市栽培空間
2020Angela Bernadete Lima · História e Cultura · Germany
第一次世界大戦期および戦後のドイツ・ベルリンにおける食糧事情を扱った歴史研究。同市の住民が当時の食糧不足に対してどのような代替手段を模索したか、また19世紀以来すでに日常に存在していた都市栽培の前提のもと、都市空間が食料生産にどう活用されたかを検討している。
食料主権・社会正義都市農村連携グリーンの多様性——コペンハーゲンのコミュニティガーデンをめぐる都市サステナビリティの美的対立
2020Jakob Laage‐Thomsen, Anders Blok · Environment and Planning E Nature and Space · Europe
デンマーク・コペンハーゲンの市民主導型パーマカルチャーガーデンの事例研究を通じて、都市の多様な緑地空間への介入や評価をめぐる緊張関係を形づくる、公共的な美的規範の想像的・物質的領域を分析する枠組みを提示している。この領域を「秩序」対「野生性」、「牧歌的自然」対「都市と自然の融合(imbrication)」という2つの軸で捉え、コペンハーゲンのパーマカルチャーガーデンをめぐる内部の議論や外部からの批判を読み解く上でのこの枠組みの有用性を示す。都市の自然を重視する都市であるにもかかわらず、このガーデンが正当な位置づけを得ることに苦労してきた経緯を説明し、都市の緑をめぐる美的なコミットメントの多様性に注目することが、都市サステナビリティの政治をめぐる問いを捉え直す上で有効だと論じている。
コミュニティDIY・自作幻術か?——バイオダイナミック農法におけるスピリチュアリティと土壌ケア
2020Anna Pigott · Environment and Planning E Nature and Space · United Kingdom
英国ウェールズ南部のCSA(地域支援型農業)プロジェクトでの長期的なフィールドワークに基づき、農業におけるスピリチュアリティという見過ごされがちな主題を通じて、土壌を活き活きとした複雑な、人間以上の存在からなる生態系として再考する論文。占星術的・霊的原理を取り入れた非慣行的な農法であるバイオダイナミック農法を通じて、いかにケアが涵養されるかを検討する。バイオダイナミックの語りや儀礼は、人間以上の主体性やエネルギー、地下だけでなく地上の大気や天体の影響という「深さ」、土壌生物と人間の間の互恵性への注意を促すとする一方、測定や地図化への衝動に抵抗し、神秘のための余地を残すものでもあるとする。同時に、バイオダイナミック農法の人気が高まる中でも、そのスピリチュアルな要素はあまり語られず、より馴染みのある世俗的な語りの陰に置かれがちであるとも指摘している。
CSA・提携有機資源循環コミュニティ地域の小規模農業経営発展のための展望モデルとしての地域支援型農業(CSA)
2020Mirosław Struś, Magdalena Kalisiak-Mędelska, Michał Nadolny, Marian Kachniarz, Magdalena Raftowicz-Filipkiewicz · Sustainability · Poland
ポーランド・ドルヌィシロンスク県ヴロツワフ郡の9自治体にある農業経営400件を対象に実施された調査。ヴロツワフ市場への近接性を背景に、地域支援型農業(CSA)が郡内でどう発展しうるかを検討した。CSAモデルは生産者と消費者との長期的な協働の機会を開くと示された一方、その導入には生産者が提供する農産物の価格を約50%引き上げる必要があり、さらに農産物輸送にかかるコスト面の課題への対応も必要であることが示された。
CSA・提携コミュニティ経済マイヨル・パスカル、ガニュロン・エティエンヌ『都市農業——持続可能な都市のための決定的な手段』フランス経済社会環境評議会(CESE)意見書、フランス官報版、2019年6月、98頁
2020Pierre Donadieu · Territoire en mouvement · France
フランス経済社会環境評議会(CESE)が2019年6月に発表した意見書『都市農業——持続可能な都市のための決定的な手段』(全98頁)を紹介する書評的記事。2010年代を通じて、フランスおよび世界で少なくとも20年前から出現あるいは再興してきたこの経済的・社会的現象を捉えようとする主要な出版物が6件あったとし、その背景には、フランス語圏で先行して刊行された『都市農業を整備する』など3件の共著書があったことを述べている。
政策コミュニティ気候変動食倫理の文脈におけるコミュニティ支援型農業(CSA)モデルに関する研究
2020Fatih Özden · Turkish Journal of Bioethics · Turkey
トルコにおいて、食倫理の観点からコミュニティ支援型農業(CSA)モデルを論じた。合成農薬が人体・生態系の健康に及ぼす悪影響、食料供給網における企業支配、知的財産権をめぐる問題などが、食倫理をめぐる論点として挙げられている。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義地域支援型農業(CSA)における消費者の不平等回避とリスク選好
2020Kévin Bernard, Aurélie Bonein, Douadia Bougherara · RePEc: Research Papers in Economics · France
フランスのCSA(地域支援型農業)消費者162人を対象に、インセンティブ付きフィールド実験を用いて不平等回避とリスク選好を測定した研究。消費者は利得の不平等を気にかけており、CSA農家に対する有利な不平等の回避(自分が得をする不平等を避ける傾向)が見られる一方、不利な不平等を選好する傾向(自分が損をする不平等をむしろ選ぶ傾向)も確認された。消費者はリスク回避的・損失回避的であり、確率評価に歪みが見られた。損失領域における不平等回避とリスク選好は互いに補完し合い、CSA農家への支援を強める可能性があるとされている。
経済コミュニティCSA・提携有機生産栽培戦略の実践による生態学的菜園への基質導入
2020Madeleyne Ivonne Demera-Pico, Carlos Francisco Ortega-Ordóñez · Dialnet (Universidad de la Rioja) · Spain
有機生産のための戦略を適用しながら、生態学的菜園(huerta ecológica)に基質(培土)を導入する取り組みを報告した研究。固形廃棄物を分別し有機廃棄物を活用して3種類の堆肥を作成した。第1の堆肥は腐植質土壌に砂質土壌10%、第2はシルト質土壌に砂質土壌20%、第3はシルト質土壌に砂質土壌40%を配合し、水の濾過と保水性の改善を図った。各堆肥にはバイオスティミュラント(生物刺激剤)や生態学的な微量・多量栄養素を用いた生産戦略も加え、灌漑用水の塩素濃度とpHを事前にモニタリングした。結果として、シルト質土壌に砂質土壌40%を配合した堆肥に、アルカリ性の水を中性pHに調整するバイオスティミュラントを5ミリリットル加えた条件が、土壌肥沃度を高め、発芽・栽培・収穫後の生育を最も改善した。
有機資源循環コンポスト地中海地域の都市・農村境界域における持続可能な土地管理、山火事リスクと放牧の役割——ギリシャの地域分析
2020Andrea Colantoni, Gianluca Egidi, Giovanni Quaranta, R. D’Alessandro, Sabato Vinci, Rosario Turco, Luca Salvati · Land · Europe
1961年から2017年までのギリシャの統計データ分析と文献レビューにより、地域レベルでの山火事の頻度・延焼面積と家畜(主に羊・山羊の遊牧)の減少との関係を検証した。特に、ギリシャの首都アテネを含む都市周縁地域アッティカと、それ以外の地域とを比較した。結果、アッティカ地域では他の地域と比べて遊牧家畜の急激な減少が観察され、それが山火事リスクの上昇につながっていることが示された。この結果は、遊牧家畜による放牧が森林や未管理の自然地における燃料(バイオマス)の蓄積を防ぎ、都市周縁部の土地の持続可能な管理に寄与しうることを示唆している。
環境負荷のトレードオフ近郊農業政策気候変動採鉱・製錬の過去を持つ地域で生産された野菜の摂取によるカドミウム・鉛・亜鉛曝露リスク
2020Małgorzata Ćwieląg‐Drabek, Agata Piekut, Klaudia Gut, Mateusz Grabowski · Scientific Reports · Europe
ポーランドで最も汚染された地域の一つであるシレジア県の家庭用市民農園(FAG)を対象に、219点の土壌サンプルと64点の可食植物サンプルを分析し、採鉱・製錬活動に由来する地球化学的環境の攪乱と、消費者のカドミウム・鉛・亜鉛への曝露との関連を明らかにした研究。表土中の有害微量金属元素(MTE)含有量は空間的にばらつきがあり、主に工業汚染源の立地に依存していた。野菜中のカドミウム(平均0.52 mg/kg 生重量)と鉛(平均0.57 mg/kg 生重量)の平均含有量は、いずれも欧州品質基準の許容濃度上限を超えていた。カドミウム・鉛・亜鉛への食事性曝露について3つのシナリオに基づき健康リスク評価を行ったところ、いずれのシナリオでも3元素すべてについて、ポーランド人の食事の主要な構成要素であるジャガイモにおいて最高の1日平均摂取量が推計された。本研究は、シレジア県の家庭用市民農園で栽培された野菜の摂取が、消費者にとって有意な健康リスクをもたらしうることを示した。
汚染・食品安全健康近郊農業コミュニティ環境正義と食料安全保障のための都市農業計画
2020Graciela Arosemena Díaz · · Spain
スペインを対象に、現行の都市食料供給システム(農薬使用・作物や畜産・加工・貯蔵・流通が複雑な地球規模の輸送網に依存し、特に化石燃料消費による深刻な環境影響を伴う)を背景として、都市・都市近郊農業の展開が環境影響と化石燃料依存の低減、および経済的・気候的脆弱性に対する食料安全保障の改善手段になりうると論じる(2020年)。環境正義は社会的にも政策的にも複雑であり、社会経済的に低い層に位置づけられる集団ほど環境負荷を大きく負う傾向があるとした上で、事例として市の自然保護審議会がリョブレガト川流域の農業地域とその農業経済活動を農業公園によって保全していることを紹介している。
政策食料主権・社会正義近郊農業気候変動に対する都市のレジリエンス構築における都市ガーデニングの役割
2020Małgorzata Burchard‐Dziubińska · Economics and Environment · Europe
都市ガーデニングが経済・社会の変化や地球温暖化による負の影響に対する都市のレジリエンス構築にどう寄与しうるかを検討し、ポーランドの都市が気候変動へのレジリエンス強化に都市ガーデニングを実際に活用しているかを検証した論考。世界的には都市ガーデニングを気候変動へのレジリエンス強化に用いる動きが広がりつつある一方、ポーランドの都市はこの潮流にまだ加わっていないと指摘している。
気候変動コミュニティ政策リスボンの都市農業——歴史的考察と将来展望
2020Flora Del Debbio · estudoprévio revista do centro de estudos de arquitectura cidade e território da Universidade Autónoma de Lisboa · Europe
古文書や歴史地図といった一次資料を用いて、ポルトガル・リスボン市の歴史を通じて都市空間と農村空間が相互に浸透してきた特徴を検討し、市街地における農業的土地利用の分布を詳細に地図化しようとした論考。要旨は数世紀にわたり保たれてきた均衡について述べる途中で終わっており、それ以上の具体的な調査結果は示されていない。
コミュニティ都市農村連携山岳地域における都市ガーデンの動機――南チロルの事例
2020Valentina Cattivelli · Sustainability · Italy
都市ガーデンは近年、学術的に大きな関心を集めており、複数の研究がその社会的統合、コミュニティの健康、都市再生、食料安全保障への肯定的な貢献と、個々のガーデナーの動機を明らかにしてきた。こうしたテーマは大都市圏についてはよく研究されている一方、山岳地域における研究は少ない。この関心の低さは、山岳地域では都市化の度合いが低いこと、自宅の庭など他の園芸形態が好まれること、あるいは社会的問題を緩和する別の手段が用いられていることなどが背景にあると考えられる。近年イタリアの山岳州である南チロルで都市ガーデンが急増していることから、同州は社会的に革新的な都市ガーデニングの実践とその語りを研究する興味深い実験場となっている。本稿は、地図表現を用いて南チロル全域の都市ガーデニング活動の特徴づけを行い、ガーデナーと公的機関の動機、および非ガーデナーの認識を説明する。都市ガーデニングプロジェクトが実施されている南チロルの複数の自治体で半構造化インタビューを実施した。結果は、都市ガーデンの社会的・環境的側面が非常に重視されていること、また食料へのアクセスが優先課題でない場合であっても食に関する実践との再接続への関心があることを示唆している。
コミュニティ健康食料主権・社会正義未来の家におけるアーバンマイニングとアーバンファーミング
2020Devi Bühler · Zürcher Hochschule für Angewandte Wissenschaften digital collection (Zurich University of Applied Sciences) · Germany
スイス応用科学大学(ZHAW)のデジタルコレクションに収録されたエッセイは、都市部における「アーバンマイニング」と「アーバンファーミング」の概念を論じ、従来の鉱山や農場とは異なり、建物そのものが未来の鉱山・農場になりうるという視点を提示する。具体的な調査や測定データは示されていない。
コミュニティオルタナティブフードネットワーク(AFN)の組織化——3EU諸国における各類型の課題と促進条件
2020Ana Poças Ribeiro, Robert Harmsen, Giuseppe Feola, Jesús Rosales Carreón, Ernst Worrell · Sociologia Ruralis · Europe
ポーランド・ポルトガル・オランダの3か国にまたがる17件のオルタナティブフードネットワーク(AFN)の運営者への聞き取りに基づき、AFNの形成・定着を制約・促進する要因を検討した研究。マルチアクター視点の枠組みを用い、AFNを消費者主導型、生産者主導型、第三セクター主導型、コミュニティ支援型農業(CSA)、公的機関主導型、ビジネスプラットフォーム型の6類型に分類した。主な課題と促進条件はAFNの類型と国によって異なり、オランダと対照的にポルトガルとポーランドでは社会関係資本の低さが課題としてしばしば指摘された。AFN運営者は新たな食料供給の形を生み出す上で革新的な役割を果たす一方、より多くのAFNの形成を支えるには政府・非政府双方のアクターによる幅広い取り組みが必要だと結論づけている。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義政策ローマ、政治なき政策:大都市圏スケールの食料政策に向けた参加型プロセス
2020Giampiero Mazzocchi, Davide Marino · International Journal of Environmental Research and Public Health · Italy (Rome)
イタリア・ローマにおいて、地域の関係者からなる集団が大都市圏スケールの食料政策案を作り上げていった過程を、参加した主体と論点のネットワーク分析、およびローマの食料システムの分析を通じて検討した2020年の研究。著者は、近年ローマで食をめぐる多数の取り組みが立ち上がったにもかかわらず、それらが相互に無関係で、調整も政治的な一貫性も欠いていることを出発点としている。分析ではプロセスに関与した主体と扱われた論点を可視化し、大都市圏レベルの体系的な食料戦略へ進むために何が必要かを示した。表題の「政治なき政策」が示すとおり、参加型の政策案づくりが進んでも、それを制度化する政治的裏づけがない状態が続いていることを記録した研究であり、参加型プロセスそれ自体が政策の実現を保証しないことを示している。イタリアの都市食料政策の状況も併せて整理されている。
政策コミュニティ経済ナス市販品種と在来種におけるグリコアルカロイドのLC-FTICR-MS/IRMPD全解析および抗コリンエステラーゼ・抗酸化活性
2019Lelario F., De Maria S., Rivelli A.R., Russo D., Milella L., Bufo S.A., Scrano L. · Toxins 11(4):230 · Italy
市販ナス品種Mirabellaと在来種『Melanzana Bianca di Senise』の果実から19種のグリコアルカロイドを同定し、抗コリンエステラーゼおよび抗酸化活性を評価。在来種の機能性成分を明らかにした。
固定種・在来種生物多様性健康システム的アプローチが明らかにする都市の送粉者ホットスポットと保全機会
2019Baldock K.C.R., Goddard M.A., Hicks D.M., Kunin W.E., Mitschunas N., Morse H., Osgathorpe L.M., Potts S.G., Robertson K.M., Scott A.V., Staniczenko P.P.A., Stone G.N., Vaughan I.P., Memmott J. · Nature Ecology & Evolution, 3(3):363-373 · United Kingdom
英国4都市の360地点で花資源と送粉者を大規模に調査し、都市内の土地利用ごとの送粉者の豊かさを比較した研究。個人の庭やアロットメント(市民農園)・コミュニティガーデンが都市の送粉者ホットスポットであることを示し、市民が耕す菜園が都市の生物多様性保全の要になりうることを明らかにした。花壇の増設など具体的な保全策の効果もモデル化している。
送粉者・ミツバチ生物多様性コミュニティ政策