研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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都市農業における地域アイデンティティの役割
2016Insa Theesfeld, Nicole Rogge, Theesfeld, Insa, Rogge, Nicole · · Global
本論文は集合行為理論を都市ガーデンに適用し、特に先進国では都市ガーデンが経済的競争力や地域産品への欲求からではなく、都市開発への参加不足や公共空間の民主的利用・社会的交流の機会の乏しさへの応答として生まれると論じる。この動向を記述する基準と、庭園間で共同利用資源の程度を区別する基準を提示し、3つのパイロット事例研究を通じてその適用可能性を示す。都市ガーデン運動は、時間・知識の共有と公的意思決定への参加を通じて、参加者が新たな地域アイデンティティを築く機会を提供しうることを示した。
コミュニティ政策食料主権・社会正義セッチ・ラゴアス市(ミナスジェライス州)のコミュニティガーデンにおける栽培植物の多様性
2016Leila de Castro Louback Ferraz, E. R. de O. Carvalho, Mayara Márcia Sarsur Viana, Nathália Rabelo Pereira Oliveira · Cadernos de Agroecologia · Brazil
ブラジル・ミナスジェライス州セッチ・ラゴアス市で、市役所が約33年にわたり運営してきたコミュニティガーデン(ブラジルにおける都市農業の代表例の一つ)を対象とした調査。これらの場所では食用・調味用・観賞用・薬用を合わせて95種を超える植物が栽培されていることが確認された。これは多様性と質を伴う食料安全保障の確保、および都市部での所得保障の役割を通じて、住民の生活の質の向上に寄与しているとする。
コミュニティ生物多様性食料主権・社会正義福祉『インハビット』——パーマカルチャーを描いたドキュメンタリー映画のレビュー
2016Irina Stanishevskaya · Educational Media Reviews Online · Global
コスタ・ブツィカリス監督、エメット・ブレナン製作によるドキュメンタリー映画『Inhabit』(2015年、92分)のメディアレビュー。パーマカルチャー概念の共同提唱者ビル・モリソンの引用「良い暮らしに必要なものはすべて、太陽・風・人々・建物・石・海・鳥・植物として私たちの周りにある」で始まり、パーマカルチャーを「permanent(永続的)」と「agriculture(農業)」を組み合わせた語として、生態系の多様な原理を農業や暮らしに適応させる手法だと説明する。米国は年間9億トンの農薬を使用し、1エーカーあたり年間約3トンの表土を失っているという数字を挙げ、農場・果樹園・庭・造園・遊び場の設計にパーマカルチャーの原理を実践する人々——バーモント州のベン・フォーク(Whole System Design Permaculture Research Farm創設者)、マサチューセッツ州のエリック・トエンスマイヤーやリサ・デピアーノ、メイン州のリサ・フェルナンデス、ニューハンプシャー州のスティーブ・ホイットマン、ニューヨーク市の都市デザイナーであるドウェイン・リー(ランドールズ島のファイブ・ボロー・グリーンルーフ)ら——を紹介している。
有機資源循環コミュニティ健やかに育つ——農場からカフェテリアへ
2016Tylar Setser · Journal of Small Business Strategy · United States
米国ミシシッピ州でFoodCorpsメンバーとして活動した筆者による報告で、助成金申請書の作成、学校菜園の整備、教育アウトリーチを担当し、地元農家と学区の栄養担当責任者と連携して学校カフェテリアに地元産の農産物を導入した経験を記す。健康的な選択の説明、新しい果物・野菜の紹介、多様な栄養レシピや調理法の紹介など、子どもたちへの効果は大きいとする。自身と同僚の経験を踏まえ、教員が子どもたちの健康のために新鮮な地元産の農産物を確保するための情報と、「食を大切にする文化」を築くための指針を提供している。
食育健康コミュニティ都市農業用機能性菜園モデル参加者の利用実態分析
2016박은희, 유은하, 한경숙, 장윤아, 정순진, 박동금 · · South Korea
都市農業の持続的な成長を背景に、都市の家庭菜園利用者向けに提供された機能性テキストバット(家庭菜園)モデルの利用実態を分析した研究。実際に機能性菜園を育てている利用者を対象に、製品の種類・量・比率や既存の課題の是正点を分析した。栽培教育の経験がない利用者の割合が最も高く、育成活動を助ける教育を受けた利用者は半数にとどまった一方、栽培の際は自ら植え付け時期や方法の情報を判断すると回答した利用者が最多だった。家庭菜園で主に生産する植物の種類は野菜であり、秋にはキムチ用野菜の割合が最も高く、また現行の花・ハーブの分量は概ね適切とされ、野菜・薬用・花ハーブの比率は60.5:21.2:18.3が妥当とする回答が最も多かった。
コミュニティ食育食を育て、力を築く——ニューヨーク市の都市農業(書評)
2016Wende Marshall · Journal of Agriculture Food Systems and Community Development · United States (New York City)
クリスティン・レイノルズとネヴィン・コーエンの著書『Beyond the Kale』を扱った書評。ニューヨーク市の草の根都市農業・ガーデニング運動を分析した同書は、グラムシの「陣地戦」概念になぞらえ、都市ガーデニングを単なる食料生産ではなく人種・階級に基づく抑圧構造への異議申し立てや環境正義・解放の追求として描いていると紹介する。
コミュニティ福祉食料主権・社会正義政策論文は毎週増えています
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危機下における都市農業と都市計画の連携——ヨルダン・マフラクの事例
2016B. Borra, R. van Veenhuizen, Marc Schut, Andrew Adam‐Bradford · Coventry University Open Collections (Coventry university) · Global
RUAF(都市農業資源センター)とThe Spontaneous City International(SPcitI)による、2015年開始の共同活動の報告。シリア難民危機を背景に、ヨルダン北部マフラク地域を対象地とし、オランダ自治体協会国際協力機関(VNGI)の委託で食料・農業の役割に関する現況調査を実施したと述べる。グローバルサウスの都市を対象に、都市農業と都市計画を結びつけるパートナーシップ構築を進めているとする。
コミュニティ政策食料主権・社会正義コモンズからアーバン・アグリカルチャーへ——女性の経済としての小規模農業と菜園
2016Elisabeth Meyer-Renschhausen · L' Homme · Europe
「アーバンガーデニング」という語をめぐる近年の流行に対し、生存経済における意義を強調するため「アーバン・アグリカルチャー(Agrarkultur)」という語を選ぶべきだと論じるエッセイ。コミュニティガーデニングを、これまで見過ごされてきた家事労働を公共の場に取り戻す、女性主導の社会運動として位置づける。1806〜1813年のシュタイン・ハルデンベルク改革が農民のコモンズ利用権を抑圧し、寡婦たちが自給の手段を失って都市に流入したこと、19世紀末のマックス・ヴェーバーによる農業労働者の妻たちの自律的な自給経済の記述、1919年の帝国市民農園法が困窮者への割当地権を定めたこと、第二次世界大戦中に女性が自宅の庭・割当地・戦勝菜園から新鮮な野菜供給を担わされたことなど、女性と生存経済の歴史を辿る。現代では、アーバンガーデニングが声を持たない移民・難民の定住を助ける役割を果たしているとも述べる。
コミュニティ福祉経済ピョートル大帝植物園アルピナリウムにおける北米・ヒマラヤ山地区画コレクションの種構成の変遷
2016Tkachenko Kirill · HORTUS BOTANICUS · Russia
ロシア・ピョートル大帝植物園のアルピナリウム(高山植物園)にある北米区画とヒマラヤ区画を対象に、過去60年間の導入植物の記録を分析した研究。この間に61科約385種の植物が導入され、1960年代の展示は51科約130種、20年後には55科254種、21世紀初頭には52科249分類群となり、2010年以降の大規模な改修・コレクション追加を経て2015年時点では54科200種の展示構成になっていると報告している。
コミュニティ生物多様性持続可能な都市開発を実現する計画ツールとしての都市農業
2016Maya MITEVA · AGROFOR · Global
国連(2015年)の推計によれば、ブルガリアの人口は2050年までに27.9%減少するとされ(比較対象の日本は15.1%減)、この人口減少・都市縮小に対応する計画手法として都市農業を位置づけた事例研究。2010年に日本の柏市で始まった「カシニワ」制度——縮小都市における空き地対策のための革新的な地方ガバナンス手法——を分析し、日本における都市農業計画手法の研究・実践経験を明らかにしたうえで、ブルガリアの計画実務への応用可能性を論じている。
政策コミュニティ食料主権・社会正義ホスピタリティ産業における地元食材利用の障壁と制約
2016Hiran Roy, C. Michael Hall, Paul W. Ballantine · · Global
この序論部分は北米・欧州における地元食材への関心の高まりを扱う。新鮮な食材へのアクセス、地元農家や地域社会の支援、社会的交流への参加などを消費者が地元食材を支持する理由として挙げ、信頼・地域性・透明性・動物福祉・食品安全への関心の高まりとともに、ファーマーズマーケットや宅配ボックス、地域支援型農業(CSA)などの直売形態が1990年代後半以降に普及したと述べる。標題が示すホスピタリティ産業側の具体的な障壁・制約の内容は、この抜粋には記述されていない。
事業採算・継続性食料流通・フードマイルコミュニティ経済コミュニティガーデン実践ガイドの作成によるアラスカ州のコミュニティガーデニング支援
2016Ryan McWilliams · ScholarWorks-UA (University of Alaska Fairbanks) · United States
アラスカ大学アンカレッジ校の公衆衛生学修士(MPH)号取得要件の一部として、同校教員に提出された学位論文。アラスカ州でのコミュニティガーデニングを支援するための「コミュニティガーデン実践ガイド」の作成を扱うが、この抄録は表紙情報のみで、内容についての詳細は示されていない。
コミュニティ食育ガーデン・ストリートスケープ——「領域構成」としてのフロントヤード
2016Kris Scheerlinck, Yves Schoonjans · DOAJ (DOAJ: Directory of Open Access Journals) · United States
本稿は、庭(花壇・菜園・前庭・裏庭・市民農園・広場など)を街路景観の構造要素として捉える理論的枠組みを提示し、ニューヨーク・ウィリアムズバーグの事例研究を論じている。この事例は、ルーヴェン大学建築学部が進める国際プロジェクト「Streetscape Territories Research Project」の一環で、ニューヨーク、バルセロナ、ヘント、ブリュッセル、ハバナ、アディスアベバなど複数都市の街路景観を比較対象とする。街路景観を建物のファサードだけでなく、庭の塀・柵・芝生帯・並木・未舗装路・駐車用コンクリート版といった「領域の境界」によっても画定される空間として論じ、「現代の街路景観の形成と利用における庭の構造的役割を記述できるか」という研究課題を提起している。個別の実証結果は示されていない。
コミュニティ政策都市農村連携学校菜園への参加が子どもの健康行動に与える影響
2016Stefanie Schneider, Jennifer R. Pharr, Timothy J. Bungum · Health Behavior and Policy Review · Global
2015年4月にWeb of KnowledgeとSCOPUSのデータベースを用いて実施された系統的レビュー。菜園を用いた介入が栄養知識、果物・野菜摂取、味の嗜好、身体活動、算数・理科の学業成績に与える影響を検討した14件の研究を対象とし、うち11件が食事関連の結果を、2件が身体活動を、2件が算数・理科の成績を扱っていた。栄養に関する内容を組み込んだ学校菜園プログラムが、参加者の栄養知識や果物・野菜摂取、味の嗜好の幅を広げる上で有効である可能性が示された。菜園活動に教育カリキュラムを組み合わせることが、健康的な食への態度と食行動を高める効果的な方策であるとしている。
食育健康コミュニティ教室の中の魚——教育におけるアクアポニックス活用の実態調査
2016Laura Genello, Jillian P. Fry, J. Adam Frederick, Ximin Li, David C. Love · European Journal of Health and Biology Education · United States
米国でオンライン調査を実施し、アクアポニックス(養殖と水耕栽培を組み合わせた手法)を教育に活用する100件の回答を分析した。回答者の36%は初等・中等学校、53%は大学・カレッジ、11%は職業訓練校に所属していた。回答機関全体で年間推定1万2,320〜5万250人がアクアポニックス教育に参加しており、学校あたりの前年度の設備投資額は1,000〜4,999米ドルが典型で、全学術機関の投資総額は140万〜660万米ドルと推計された。大学やアクアカルチャー教育・研究センターからの継続的な連携、技術支援、研修が必要とされた。
食育コミュニティボサ環境協議会による都市農業プログラムへの接近
2016Puentes Torres, Róger Eduardo · · Colombia
本研究は、コロンビア・ボゴタ市ボサ地区における行政と市民の参加・協議の場である「ボサ環境協議会(Mesa Ambiental de Bosa)」が運営する都市農業プログラムについて、その活動を記述した文書を収集・分析し、プログラムの歩みと地域社会への貢献を明らかにしようとするものである。現地での一次データや測定結果を報告する研究ではなく、文書に基づく接近的考察として提示されている。
政策コミュニティアドルフォ・ペレス=エスキベル、ノーベル平和賞受賞者「農業の均衡を取り戻さねば、さもなくば私たちは終わりだ」
2016Javier Melero Llorente · Phytoma España: La revista profesional de sanidad vegetal · Global
本稿は、アルゼンチンの芸術家・建築学教授・人権活動家であり、1980年にノーベル平和賞を受賞したアドルフォ・ペレス=エスキベルへのインタビュー・プロフィール記事である。彼が数十年にわたりアグロエコロジーや、生態系に根ざした代替的な農業生産を擁護する社会運動を支援してきた経緯を紹介し、コロンビアの和平国民投票の国際監視員を務めた直後に、バレンシア工科大学農学部を訪れ、「アグロエコロジー・都市農業・食料主権・農村開発協力」に関する第5回講座を開講した様子を伝える。研究データや調査結果は含まれていない。
食料主権・社会正義コミュニティ政策都市農業、廃棄物管理、食料安全保障:ネパール
2016BibekDhital BibekDhital, Anusha Sharma, Santosh Adhikari · International Journal of Environment Agriculture and Biotechnology · Nepal
ネパールの都市化と農村部の土地遊休化の進行を背景に、ポカラ市とドゥリケル市を事例として都市農業の現状を調査した。その結果、4〜5人家族の野菜需要を満たすには150平方メートルの農地で十分であり、100平方メートルあたり年間6,000〜8,000ネパールルピーの支出削減につながることが示された。
食料主権・社会正義コミュニティ政策東京都市圏縁辺部における農村空間の商品化を伴う都市農業の維持・発展メカニズム——立川市砂川地区の事例
2016KIKUCHI Toshio, TABAYASHI Akira · E-journal GEO · Japan
東京都立川市砂川地区を事例に、農産物直売所の立地形態と農村空間の商品化との関連から、都市農業の維持・発展メカニズムを分析した。同地区の都市農業の維持・発展は農産物直売所の立地に大きく依存しており、直売所が都市住民のニーズに応える形で維持されることで農産物生産が継続していることが明らかになった。結果として、農村景観や農業的土地利用だけでなく農村コミュニティも維持され、都市住民が直売所を訪れて購買することで、当該農村空間は生産空間であると同時に消費空間としても意味づけられるようになっていた。
経済コミュニティ都市農村連携食料主権・社会正義都市農業——地域発展のための持続可能な代替策
2016Gabriela Ivonne Pérez Rodríguez, Rafael Delgado Morales, Lydia Guadalupe Bernal Negrete · · Mexico
メキシコ・グアダラハラ都市圏(ZMG)における都市農業(AU)の振興・発展に向けた取り組みの実態と、その成功・失敗事例を把握することを目的とした研究の進捗報告。本稿はグアナフアト州ラハ・バヒオ地域でAUモデルを再現することを目的とする研究の第一段階のみを示すもので、ZMGにおけるAUと都市菜園の現状に関する調査・分析から構成される。内容は3部からなり、第1部は世界・メキシコ・ZMGにおける都市農業の現状(地域発展にとっての意義、各国での展開状況、公共政策とその課題)、第2部はZMGで実施した文献調査と現地調査の内容と結果、第3部はメキシコにおける都市農業の展望と機会領域を扱っている。
コミュニティ政策食料主権・社会正義気候変動農村から都市への持続可能な農業とレジリエントな地域社会の実現
2016George R. Smith, Dilip Nandwani, Vanaja Kankarla · International Journal of Sustainable Development & World Ecology · Global
持続可能な農業に関する共通のパラメータと原則を検証するための概念的研究。代替的な持続可能農業の諸形態と、農村から都市への地域レジリエンスとの比較を行い、複数の持続可能・代替農業システム間の結論を導出・評価した。有機農業のパラメータと原則を概念枠組みとして提案し、米国と英国における都市・農村の持続可能農業のベストマネジメント・パラメータを検討した。都市農業は新鮮で入手しやすい農産物への需要増加とともに拡大しているとし、持続可能な農業と農村・都市コミュニティとの間に相互依存的な関係を支持する証拠があるとする一方、この関係が明確に定義されていないとする異論もあると述べている。
コミュニティ政策食料主権・社会正義都市農業——都市と農村の連続性を育む
2016François Mancebo, Sylvie Salles · Challenges in Sustainability · Global
20世紀末以降に世界各地で増加してきた都市農業プロジェクトが、都市景観や都市の構造そのものを再編し、伝統的な都市生活への代替を試み、新たなコモンズを生み出し、人々を結びつけていることを紹介する論説的論文。シンガポールは食肉、バマコは野菜においてそれぞれ自給を達成し、ベルリンには8万か所のコミュニティガーデンが公有地に存在し、さらに1万6千人が順番待ちであるといった各都市の事例が紹介されている。脱工業化に伴う遊休地・荒廃地やドイツ・日本のような人口減少、一部アフリカ都市での人口流出により生じた未利用地が都市農業の新たな機会となっているとし、デトロイトでは数千ヘクタールの都市用地が失業者に食料生産用として提供され、英国では20都市の議会が荒廃地での都市農業を推進してきたとする。都市農業は徐々に都市計画政策の選択肢となりつつあり、デルフトでは他の土地利用と組み合わせた計画文書に、パリでは農地景観を保護する包括的な地域土地利用計画に、それぞれ都市農業が組み込まれているとしている。
コミュニティ都市農村連携食料主権・社会正義コミュニティ主体の修復を通じて都市ガーデンにおける鉛曝露の環境的・社会的要因に取り組む
2016Rosalie M. Sharp · Wellesley College Digital RepositoryWellesley (Wellesley College) · United States
米国ボストンのダドリー地区を対象に、学際的な文献レビューと、同市の都市農業ネットワーク(The Food Projectを含む)関係者へのインタビューを通じて、都市ガーデンにおける鉛曝露の社会的・歴史的背景を分析した。レッドライニング(差別的融資区分)や投資の欠如といった構造的レイシズムの産物が、ダドリーのような低所得の有色人種コミュニティに鉛汚染が残存し続ける社会的・物理的環境を生み出してきたことを示す。代替となる栽培用資材(アメンドメント)は鉛濃度を希釈し、鉛の生物学的利用可能性を低下させ、微粒子の再飛散を抑制することが確認され、The Foodプロジェクトとの協働を通じてこの知見が菜園従事者の行動を鉛曝露低減の方向に変化させた。土壌鉛の生物学的利用可能性に関するこの知見は、安全な土壌・堆肥中の鉛濃度基準といった政策決定にも影響を及ぼす研究群に寄与するとしている。
公平性・立ち退きコミュニティ健康彼らの故郷から私たちへ——リスクを抱える若者への都市園芸を通じた環境・健康リテラシーの構築
2016Tiffany B. Hunter · CORE Scholar (Wright State University) · United States
パイロット研究(ライト州立大学CORE Scholar、2016年)は、イスラエル保健省でのインターンシップ中にアラブ人村落で見た地域菜園・環境教育モデルを、米国オハイオ州デイトンのマイノリティが多く在籍する都市部の学校集団に適用した。2016年7月、既存の都市菜園を持つ地域フードバンクにおいて8週間のカリキュラムを用いて実施されたこのパイロット研究では、都市部の低所得地域に住む参加者はベースライン時点で食習慣が悪く、識字スコアも低かったことが分かったが、プログラムは参加者の周囲の世界に関する学びと理解を高めたと報告されている。
コミュニティ食育健康地域支援型農業(CSA)プログラムは食生活行動と健康アウトカムの変化を促すか——出資者からの新たな知見
2016James E. Allen, Jairus Rossi, Timothy A. Woods, Alison F. Davis · International Journal of Agricultural Sustainability · United States
米国ケンタッキー州レキシントン近郊の中規模CSA(地域支援型農業)3か所の出資者151人を対象とした調査(International Journal of Agricultural Sustainability、2016年)は、これまで主に小規模サンプル(n<25)に依拠していた先行研究のギャップに取り組んだ。CSA参加の前後を問う20対の質問、対応のある両側t検定、社会経済的要因・自己申告の健康状態・CSA加入年数を用いたペア差分の回帰分析により、CSA参加後に食生活行動と健康アウトカムに変化が見られ、加入前に「健康状態が悪い」と回答していた層で最も大きな変化が見られたことが分かった。著者らはこの結果を、CSA参加が出資者の食生活行動・健康アウトカムに与える影響についての初期分析であると位置づけている。
CSA・提携健康コミュニティ食育