研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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都市農業活動におけるコミュニティの役割
2017Norul Hafizah Yusoff, Mohd. Ramzi Mohd. Hussain, Izawati Tukiman · PLANNING MALAYSIA · Malaysia
本稿は、都市内における都市農業活動の枠組みの重要性を検討・分析し、環境、経済、社会の持続可能性を達成するためのコミュニティの役割を記述しています。限られた都市空間における都市農業活動の利点と可能性を評価し、生活の質の向上と食料不足危機への対処に貢献すると述べています。本稿は、都市化された地域で都市農業活動を実施する上で、コミュニティの役割が極めて重要であると結論付けています。
コミュニティ食料主権・社会正義経済気候変動世界の都市農業の定義と理論化
2017Antoinette WinklerPrins · CABI eBooks · Global
本章は、都市農業(UA)に関する定義と理論的枠組みを提供する。UAの研究は、食料生産システムの説明を超え、コミュニティ、抵抗、エンパワーメントの空間を創出する役割へと進化している。UAは、権力者によって都市機能の中心と見なされない人々が都市への権利を主張する手段であり、都市の持続可能性のための学際的な探求の豊かな分野である。
コミュニティ食料主権・社会正義政策気候変動フード・ジャスティス運動の言説と実践の過小評価された力学的効果
2017Éric Darier · · Global
本章は、ミシェル・フーコーの貢献を生物政治的災害の環境影響の文脈でレビューし、フーコー的アプローチを3つ提示する。その後、フード・ジャスティス運動の3つの具体的な構成要素、すなわちビア・カンペシーナ、都市農業、スローフードを例示する。フード・ジャスティス運動は、権力/知識、抵抗、倫理という3つのフーコー的視点の理論的レンズを体現している。
食料主権・社会正義コミュニティソーシャルキャピタルを育むか?都市コミュニティガーデニングとソーシャルキャピタル
2017Søren Christensen · Civil Engineering and Architecture · Global
本メタ分析は、2000年から2016年の間に発表された文献を対象に、都市コミュニティガーデンがソーシャルキャピタルを生成する能力を調査しました。いくつかの研究が、都市コミュニティガーデンが結合型および橋渡し型のソーシャルキャピタルを創出し、連結型のソーシャルキャピタルの兆候を示すことを確認しました。分析は、これらのガーデンがどのようにソーシャルキャピタルを育むかをさらに理解するために、活動の意味に焦点を当てた定性的アプローチや社会人口統計学的構成の記録を含む複合的な手法を将来の研究で用いるべきだと示唆しています。
コミュニティ健康食料生産景観の社会的パフォーマンスの拡張——健康とウェルビーイング便益の測定
2017Ellen Burke · Landscape Research · Global
本稿は都市・郊外・キャンパスなどにおける食料生産景観の効果測定手法を扱った学際的な文献レビューである。従来、食料生産景観の効果は収穫物の重量や金額といった限られた指標で測定されることが多かったのに対し、本稿は特に健康とウェルビーイングに関する便益を測定するための拡張的な手法と指標を特定することを目的としている。学際的な文献レビューを通じて、精神的ウェルビーイング、身体活動、栄養に関する便益のエビデンスを提示し、パフォーマンス指標と評価手法を整理・カタログ化した。
健康コミュニティ福祉食育食、ジェントリフィケーション、変わりゆく都市
2017Joshua Sbicca · Digital Collections of Colorado (Colorado State University) · Global
食を切り口にジェントリフィケーションの政治・過程を論じた論考(対象地域は明示されず、世界の都市を事例として言及)。従来の説明が政治経済的要因または文化的要因のいずれかに偏りがちであったのに対し、両者の関係を示すことで食のジェントリフィケーションが多面的であり、近隣地区の階級・エスノレイシャルな人口構成、フードスケープ(食の風景)とフードウェイ(食習慣)、住宅事情を変化させると論じる。世界各地の貧困地域では、開発業者が新規住民を呼び込み不動産価値を高める手段として都市農業を利用するなど、食を媒介としたジェントリフィケーションの有害な影響を受けうるとしている。さらに、食そのものもジェントリフィケーション化され、人種・エスニシティにより周縁化されたコミュニティにとって文化的に重要な食が「クール」なものとして扱われ手が届かなくなる収奪と、従来のバー・カフェ・レストラン・食料品店・菜園を排除する食品小売の高級化という二つの側面があるとする。論考の結びでは、食のジェントリフィケーションの有害な影響を防ぐための社会運動戦略と政策アプローチについて簡潔に論じている。
公平性・立ち退きコミュニティ政策福祉経済論文は毎週増えています
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ガーナ北部都市における野菜マーケティング:その意味と展開
2017Imogen Bellwood‐Howard, Eileen Bogweh Nchanji · CABI eBooks · Ghana
都市農業(UA)の市場機能が、都市域の特性と相まって、都市農民やマーケット業者の生活戦略において生態的側面を社会的・経済的側面と再結合させていることを論じる章。都市政治生態学と生計フレームワークを参照し、生産者・消費者間の政治化と結びつきの程度に応じて、グローバルノースとサウスの双方でこれが異なる程度に生じていることを示す。ガーナ北部タマレにおける野菜マーケティングの一次データを、グローバルノースの事例研究と比較する。市場志向型都市農業の今後について、両地域間の類似点・相違点が持つ含意を論じて結ぶ。
経済コミュニティ食料主権・社会正義景観の連結性を通じた空き地の再利用
2017Galen D. Newman, Alison L. Smith, Samuel D. Brody · Landscape Journal · 米国(湾岸都市)
高潮防護などで都市化が進む一方、空き地が増える地域を対象に、生態的ポテンシャルの高い空き地を既存生息地パッチをつなぐ緑地ネットワークとして再配置する成長フレームを提示した研究。防災インフラと開発圧力の下でも、空き地を断片化の緩和と生態系サービス供給に転用できる可能性を論じる。斜面地・空き地を農園や緑地としてつなぐまちづくり(さかのうえん型の点在活用)の生態・空間計画的な裏付けになる。
コミュニティ生物多様性政策乾燥気候における小規模都市食料菜園のための作物選定の最適化
2017James Ward, John Symons · Horticulturae · Global
二段階線形計画モデルは、作物の種類と収量を決定変数とし、食品群別の摂取基準、タンパク質・エネルギー要件、一人当たりの利用面積を制約条件として、異なる気候・水価格下での都市農業の純価値を検討した。モデルの結果、高い利益率を持つ作物が一貫して選ばれるため最適な作物構成は気候や水価格が異なっても類似すること、また一人当たりの菜園面積が小さいほど水利用効率と純価値の観点で最適であることが示され、保守的な収量・水使用量の前提のもとでも、適切に選ばれた小規模な食料菜園は費用対効果が高いことが分かった。
コミュニティ経済気候変動イラン・マシュハドにおける都市農業と都市計画の統合——現状と制約に関する概況調査
2017Giuseppe Cinà, Fahimeh Khatami · Agroecology and Sustainable Food Systems · Iran
持続可能な発展の観点から、イラン・マシュハドにおける都市・近郊農業(UPA)の役割を扱い、その発展を妨げる条件と後押ししうる要因を明らかにすることを目的とした研究。西側諸国・イスラム諸国での主要な計画事例を参照しつつUPA現象を位置づけた上で、変化の主要因を伴う「移行期の都市」としてのマシュハドの概況を示し、マシュハドの現行都市計画の制度的枠組みを記述して、UPAに対する計画政策の執行メカニズムが弱いことを明らかにした。さらに、市街地中心部から周縁部にかけて、農業利用に適した未建築地の物理的特性・所有形態・資源を3つの区分に整理したネットワークを提示し、政策・教育・社会的関与という3領域が多機能的な都市農業のための効果的な政策・実践を後押しする主要因になるとして論を結んでいる。
政策近郊農業都市農村連携コミュニティガーデンにおける自然・食・コミュニティとの関わり方——オーストラリア・シドニーの事例
2017Ellen van Holstein · Local Environment · Australia
比較的裕福な地区のコミュニティガーデナーの動機と実践を批判的に検討した研究。オーストラリア・シドニーの3カ所のコミュニティガーデンで参与観察と半構造化ウォーキングインタビューを実施し、人々が日常生活に食料生産をどう組み込み、植物との関係をどう築き、それがグループ内の人間関係をどう形づくるかを分析した。忙しい生活の中でコミュニティガーデニングを続けるため、人々は個人的・共同体的な事情の双方に合う生物物理的特性を持つ植物を戦略的に選んでいること、共同区画と私有区画での栽培や食物の授受をめぐって緊張が生じ得る一方、それが個人・グループとしての役割について住民の内省を促すことも示された。
コミュニティ砂漠における生産的パーマカルチャー・キャンパス——カタール大学の構想
2017Anna Grichting · Kobra (Universitätsbibliothek Kassel) · Global
カタールにおける食料・水安全保障を背景に、生態的景観デザインと結びついていない急速な都市化が都市のスプロールと景観の分断、生物多様性の喪失をもたらしているとの認識のもと、カタール大学建築学科が進める再生型都市(リジェネラティブ・シティ)の概念に基づき、キャンパス内での食料供給に貢献しつつ生物多様性を促進する食用景観(エディブル・ランドスケープ)研究を紹介する論考。世界のエディブルキャンパス事例とパーマカルチャー・食のアーバニズム文献を踏まえ、既存・将来の建物と景観を分析し、既存建物への緑の屋根・壁と生物多様性生息地の設置による改修、既存景観の転換、未利用地の食料生産への活用、将来建物への食用菜園の統合という介入類型を特定した。水の再利用・処理、有機廃棄物のリサイクル、再生可能エネルギー、市民参加による啓発活動、食料が食卓に届くまでの移動距離(フードマイル)の定量データ収集も構想に含まれる。
コミュニティ食育生物多様性家畜と野生動物のブルセラ症——パンデミック化はしないが「ワンヘルス」の刷新的アプローチを要する人獣共通感染症
2017Jacques Godfroid · Archives of Public Health · Global
本稿は家畜・野生動物・ヒトの接点におけるブルセラ症の「ワンヘルス」的対応を、先進国と低中所得国の双方について論じたオピニオン論文である。血清学的調査の弱点や限界を指摘したうえで、開発途上国では都市・都市近郊での農業がブルセラ症の再興に関与していると述べ、野生動物が潜在的な感染源となりうる点と、感染拡大抑制のための野生動物の間引きをめぐる倫理的論点を検討している。
汚染・食品安全近郊農業政策コミュニティガーデンをつくる——オーストラリア地方都市(ビクトリア州)の高齢者にとっての意義と参加理由
2017Pranee Liamputtong, Erin Sanchez · Activities Adaptation & Aging · Australia
オーストラリア・ビクトリア州の地方都市在住の高齢者10人を対象に、コミュニティガーデンに関する認識と参加理由を半構造化面接で調べた研究。参加は社会的支援ネットワークの形成や社会関係資本の醸成につながり、参加者間の社会的つながりを生み出していた。参加の主な動機は、その地域に新しく越してきたことであり、新しい生活環境で支援ネットワークを築くために参加していた。
コミュニティ健康福祉都市農業景観におけるトロピカル二次林の能動的・自然的再生と鳥類多様性(エクアドル・アマゾン)
2017M. Bare, Raymond M. Danner · Ecological Restoration · Global
エクアドル領アマゾンの熱帯都市農業景観内にある、伐採から20〜40年が経過し復元方法が異なる3つの森林サイト(人為的な森林修復地と自然再生地)で鳥類群集を調査した研究(2017年)。森林断片には多様な鳥類群集が訪れ、生息しており、その中にはIUCNの準絶滅危惧種2種も含まれていた。鳥類種の豊富さは管理履歴の異なるサイト間で同程度であり、種構成のばらつきもわずかだったが、大型果実食性鳥類や森林性食虫性鳥類など森林依存性の高いグループについては、生息と占有状況に違いが見られた。人為的に修復されたサイトでは、森林構造が未発達であることが鳥類多様性を制限した可能性があるが、パッチサイズと景観マトリックスの影響を切り分けることはできなかった。研究は、今後の修復活動において植物種多様性に加えて森林構造を考慮すること、また修復事業を評価する際には景観・マトリックスのパラメータにも留意することを提案している。
生物多様性送粉者・ミツバチ近郊農業コミュニティ都市農業への参加における期待——マレーシアの事例
2017Noriah Othman, Rabiatul Adawiyah Latip, Mohd Hisham Ariffin, Noralizawati Mohamed · Environment-Behaviour Proceedings Journal · Malaysia
マレーシアにおいて、政府の後押しにもかかわらず都市農業活動への市民参加が乏しく、参加者の関心維持にも課題があるという背景のもと、期待理論(Expectancy Theory of Motivation)を構成する期待・道具性・誘意性の3要素を用いて都市農業への参加動機を測定した研究。本稿では、そのうち期待(expectancy)の側面に関する知見を報告している。
コミュニティ政策都市農業と食の格差
2017Jim Downing · DOAJ (DOAJ: Directory of Open Access Journals) · Global
2017年にDOAJに掲載された論文の抄録は、技術・市民社会・持続可能性の交点で食料安全保障と大学・地域連携の構築に取り組むと述べるのみで、具体的な調査地や方法、結果は記載されていない。
コミュニティ食料主権・社会正義福祉都市の食用グリーンルーフにおけるセダム地被植物が多年生食用ハーブの生育とフェノール濃度に与える多様な効果
2017Selena Ahmed, Sarabeth Buckley, Anne Elise Stratton, Feven Asefaha, C. Butler, Matthew J. Reynolds, Colin M. Orians · Agroecology and Sustainable Food Systems · Global
土壌水分の乏しさという生態的課題を抱えるグリーンルーフでの都市農業を対象に、セダム(マンネングサ属)の地被植物と灌水という2つの水分管理手法が、タイム・ミント・オレガノという3種の多年生食用ハーブの生育と品質に与える影響を比較した研究。セダム地被植物と灌水は、単独でも相互作用としても、初期定着段階における生育(バイオマス・活力・モジュール被覆率)と品質(総フェノール濃度)の指標に有意な影響を与えた一方、その後の生育段階では影響が一定しなかった。結果は、植物の生育・品質の面で、セダム地被植物が丈夫な食用ハーブに対する灌水の代替となり得ることを示唆している。
コミュニティ生物多様性気候変動都市農業における土壌の健全性評価——土壌酵素と微生物特性
2017Avanthi Deshani Igalavithana, Sang Soo Lee, Nabeel Khan Niazi, Young Han Lee, Kye Hoon Kim, Jeong‐Hun Park, Deok Hyun Moon, Yong Sik Ok · Sustainability ·
都市農業の土壌の質を、微生物学的評価によって検証した研究。有機肥料または無機肥料をそれぞれ10年間施用した土壌を対象に、脱水素酵素・β-グルコシダーゼ・アリールスルファターゼ・ウレアーゼ・アルカリ性および酸性ホスファターゼといった土壌酵素の活性を微生物機能の指標として測定し、脂肪酸メチルエステル分析で土壌微生物群集組成を判定した。その結果、無機肥料施用土壌と比べて有機肥料施用土壌でより高い微生物群集の豊富さと酵素活性が認められ、主成分分析でも有機肥料が微生物群集に及ぼす正の影響が説明され、都市農業の長期的な健全性と安全性の面では無機肥料よりも有機肥料の方が優れた選択肢になりうるとしている。
有機資源循環都市農業と適応力——セネガルの事例
2017Stephanie White · CABI eBooks · Senegal
レジリエンス理論を用いて都市農業を都市の食料システム・食料安全保障との関係で位置づけた章。セネガルのムブール(M'Bour)における都市農業を事例に、都市のプロセスや空間(アーバン・アセンブラージュ)が様々な食料の脆弱性とレジリエンスをどう生み出すか、また食の実践が変動的な都市環境の中で生き延び発展するためにどう活用されるかを検討している。
コミュニティ政策建成環境における都市農業空間——空間的特性と複合利用に関する分析的研究
2017Rawaa Fawzi Naom Abbawi, Fatima fouad Yaseen · Iraqi Journal of Architecture and Planning · Global
都市の緑地不足、人口増加、都市景観の継続的な軽視といった課題を背景に、持続可能な都市の潮流の一つとして都市農業の概念を取り上げた研究。文献レビューにより都市農業の起源と、その空間的特性・複合利用活動に関する主要な用語・指標を整理した上で、実際の都市農業プロジェクトを対象とした解体的・分析的な研究で仮説を検証した。結果、都市農業と都市景観との結びつきは文脈的な連結を主な特徴として達成されること、社会的・文化的用途が都市景観における都市農業の存在によって実現される最も重要な用途であることが示された。最終的に、都市景観における都市農業の理論モデルを構築した。
コミュニティ政策CSA(地域支援型農業)における消費のエスノグラフィー——多様で対立し補完しあう世界観
2017Philippe Robert-Demontrond, Vanessa Beaudouin, Isabelle Dabadie · Recherche et Applications en Marketing (English Edition) · Global
代替的な直接販売の仕組みである地域支援型農業(CSA)プログラムへの消費者の関わりを、エスノグラフィー調査と文化理論という人類学的分析枠組みを用いて検討した論考である。CSAプログラムは市場の外側で、あるいは市場に対抗する形で機能する「コミュニティの飛び地」として現れると分析している。分析からはCSA運動内に複数の文化が共存していることも明らかになった。この世界観の多様性は緊張を生む一方、それらの補完関係はCSA運動にとってプラスに働くとされている。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義脆弱な人口集団における菜園・アグロエコロジー菜園でのコンポスト化とミミズ堆肥化による有機廃棄物転換の提案
2017Luz Dary Agudelo Gutiérrez · Journal of research in engineering sciences. · Colombia
コロンビアで、脆弱な人口集団を対象に、健康的な食品の生産と消費に関する訓練の教育的手法として都市農業を実践し、食料安全保障につなげることを目的とした研究。アグロエコロジー菜園として実装しうる設計案をまとめるにあたり、地域コミュニティと現地専門家の支援を得た参加型の検証を行い、知識の普及とプロジェクトへの住民の当事者意識の獲得を目指した。この取り組みは、都市部の空き地を活用しながら生物多様性を高める菜園づくりと食料安全保障の強化を目的としている。
コンポストコミュニティ食料主権・社会正義福祉BFT内水面養殖からの排水のミニトマト栽培を通じた都市農業用肥料としての利用可能性検証
2017Yong Hyun Kim, Moo Ryong Huh, Jeong Ho Lee, Young Sik Lee, Hye Sung Choi · Journal of people, plants, and environment · Global
バイオフロック技術(BFT)を用いた内水面養殖からの排水を、都市農業向けの化学肥料の代替として資源循環の観点から検証した研究。栄養分を含まない園芸用土に定植したトマト苗を8週間にわたり、対照区、市販の液肥(ハイポネックス溶液)、緩効性肥料、排水を毎日施用する区、排水を週1回施用する区の5処理区で栽培し、慣行肥料と排水との効果を比較した。生育特性は根長を除きいずれも処理間で有意差が見られた。草丈はハイポネックス区と週1回排水区が最も高く、次いで毎日排水区と緩効性肥料区、最も低いのが対照区であった。茎径は毎日排水区と緩効性肥料区が最も太く、次いで週1回排水区とハイポネックス区、対照区が最も細かった。ハイポネックス区と週1回排水区の間、および毎日排水区と緩効性肥料区の間には草丈・茎径に有意差はなかった。葉数はハイポネックス区・毎日排水区・週1回排水区が緩効性肥料区・対照区より有意に多かった。果実の糖度は対照区を除き処理間で有意差はなかったが、果実重と収量はハイポネックス区と週1回排水区が毎日排水区・緩効性肥料区より有意に高かった。これらの結果から、都市農業における養液の利用は化学肥料と比較して同等の効果を持つと考えられるとしている。
有機資源循環コミュニティ垂直農業の持続可能性における機会と課題――レビュー論文
2017Fatemeh Kalantari, Osman Mohd Tahir, Raheleh Akbari Joni, Ezaz Fatemi · Journal of Landscape Ecology · Global
本論文は、土地の乏しい都市部で高層建築物などの垂直面を利用して植物や家畜を育てる「垂直農業」について、環境・社会・経済という持続可能性の3側面から検討する、公開文献60件を対象とした批判的レビューである。この分野を批判的に検討した公表レビューはまだ乏しいと述べている。経済的な実現可能性は環境・社会的要因と並んで検討される課題の一つとして挙げられているが、抄録自体には、それを裏づける具体的なコスト・収益・失敗事例のデータは示されていない。抄録は、それらの数値的根拠を挙げないまま、垂直農業は食料生産・品質・安全性・食料安全保障の面で「潜在的に有益」でありうると結論づけている。
事業採算・継続性政策気候変動経済