研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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公共空間を脱構築してコミュニティを構築する——環境コミュニケーションとしてのゲリラガーデニング
2016Anne Marie Todd · · Global
本章は、ゲリラガーデニングの手引書に用いられる修辞戦略を分析することで、環境コミュニケーションの一形態としてのゲリラガーデニングが、いかにコミュニティを構築すると同時に脱構築するのかを検討する。ゲリラガーデナーは、都市環境への身体的な批評や公共の規範・境界の侵犯を通じて公共空間を脱構築する一方で、美的な訴求力と市民参加を通じてコミュニティガーデンへの支持を動員し、コミュニティを構築すると論じている。
コミュニティ政策都市の環境的に持続可能な発展 ― 都市農業アプローチを中心に
2016Mashaallah Nabi · · Global
イランを念頭に、グローバル化した資本主義下での農村から都市への移住を論じる理論的な考察。こうした移住が急速な都市成長と貧困層の周辺化を招き、都市開発需要の高まりとともに、都市近郊の農地・果樹園・荒地といった周辺農村景観の価値が損なわれる圧力にさらされると論じる。特に天然資源が限られる乾燥・半乾燥地域において生態系と生物多様性を維持することの重要性を強調し、こうした都市近郊エリアの再定義には参加型かつ地域に根ざしたアプローチが必要だと主張する。実証研究ではなく論考であり、調査地のデータやサンプル、測定された成果の記載はない。
都市農村連携政策気候変動都市グリーンインフラが提供する生態系サービス
2016Thomas Elmqvist, Erik Gómez‐Baggethun, Johannes Langemeyer · · Global
急速に都市化が進む状況における生態系サービスを論じるレビュー。都市を、生態系サービスへの需要の中心地であると同時に環境影響の発生源でもある、社会・生態システムが密接に結びついた場として位置づける。都市農地や菜園からの食料供給は都市の歴史的発展において重要な役割を果たしてきたとし、都市グリーンインフラ、特に樹木は大気汚染物質やガスを除去し、粗大木質デブリ・水路内礫床・幅の広い植生バッファーなどの整備は養分保持を高めうるとする。世界各都市の行政がグリーンインフラと生態系サービスの維持・拡大を都市計画を通じて模索していると述べる。レビュー論文であり、独自データや事例の測定結果は示されていない。
政策生物多様性気候変動モントリオールを耕す——都市における市民と機関による都市農業統合の小史
2016Vikram Bhatt, Leila Marie Farah · Urban Agriculture & Regional Food Systems · Canada
カナダ・モントリオールにおける都市農業の展開を、市民の組織的行動、コミュニティ団体や公的機関の関与という観点から検証する。モントリオールの都市農業活動は1970年代初頭に始まり、1973年のオイルショック後に勢いを増した。論文は3部構成で、第1部はコミュニティガーデンの歴史、第2部は著者らが開発・実施したモントリオール発のパイロットプロジェクト、第3部は2012年に市の条例を用いて実施された市民運動と、それを契機に発足した「モントリオール都市農業共同体作業委員会」の成立過程を扱う。
コミュニティ政策ライフスタイルによる都市農業類型の選好分析
2016Dong-Gwan Lee, Se-Hwan Cho · Journal of the Korean Institute of Landscape Architecture · South Korea
韓国・ソウル特別市内で都市農業活性化を支援する根拠を有する9自治区の住民を対象にアンケート調査を実施し、ライフスタイルと都市農業活動の選好活動との因果関係を検証した。結果、「健康追求型」は都心型都市農業(教育プログラム参加、造景作物の植栽、都市農業博覧会参加など)に有意な関連を示し、「余暇活動型」は住宅活用型都市農業(室内菜園、アパートのベランダ菜園など)に有意な関連を示した。また「健康追求型」は学校教育型都市農業および農場・公園型都市農業にも有意な関連を示し、「家族志向型」は学校教育型都市農業に有意な関連を示した。研究は、今後の「都市農業活性化政策」策定のための基礎資料としてこれらの知見を位置づけている。
コミュニティ政策空き地から菜園区画へ——チュラビスタにおける都市農業
2016Jennifer E Gutierrez · USF Scholarship Repository (University of San Francisco) · United States
米カリフォルニア州チュラビスタ市を対象に、都市および郊外の性格を併せ持つ同市の都市構造へ農業をどう組み込めるかを検討した計画提案プロジェクト。同市の歴史・現状・人口動態を概観し、既存の都市農業政策を他のカリフォルニア州内都市と比較したうえで、評価基準を設定し市内2か所の対照的な立地に適用した。都市農業を都市・郊外双方の環境に統合する方法を示し、既存政策の改善指針とすることを目的としている。実施結果や効果測定のデータは示されていない。
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マラガ市における都市菜園
2016Javier Pérez-Lara, Antonio J. Matas, Miguel Angel Quesada-Felice · LA Referencia (Red Federada de Repositorios Institucionales de Publicaciones Científicas) · Spain
スペイン・アンダルシア州で過去10年間に広がった都市園芸の動きの中で、マラガ市における都市菜園の現状を特徴づけ、その強みと弱みを記述した研究である。マラガ市では特に直近5年間、不動産バブル崩壊に伴う都市用地利用の機会と、未利用市有地の管理維持ニーズおよび経済的資源(PROTEJA計画)による制度的支援、さらに15M運動に連なる市民団体の圧力(「カミニート菜園」など)が重なり菜園が広がり、その結果、より制度主導型のものと自主管理色の強い共同体主導型のものという多様な菜園類型・管理形態が生まれ、マラガ都市菜園ネットワーク(RHUMA)の設立につながったとしている。
コミュニティ政策彼らのイメージにおける場所(米国ニューヨーク市のコミュニティガーデン集団に関する分析)
2016Efrat Eizenberg · · United States
米国ニューヨーク市のコミュニティガーデンを事例に、菜園を生み出す集団の形成過程・境界・社会的ビジョンを分析した書籍の一章。菜園グループ・近隣連合・ニューヨーク市ガーデナーという三つの構造的単位から集団の構成を検討し、近隣連合が菜園を守るための闘争組織化の基盤となっていること、集団規模がガーデン界における資金力・発言力に直結する点を指摘した。
コミュニティ政策カリフォルニア州上院法案1383号(2016年)— 短寿命気候汚染物質:有機廃棄物
2016California State Legislature · California State Legislature · United States
2016年に成立したカリフォルニア州法SB1383は、短寿命気候汚染物質(メタン等)の排出削減を目的とし、州全体の有機廃棄物埋立処分量を2014年比で2020年までに50%、2025年までに75%削減する目標、食用として回収可能な食品の20%を2025年までに回収する目標、酪農・畜産由来のメタン排出を2013年比で2030年までに40%削減する目標を定めている。
政策有機資源循環気候変動国土交通省 都市局「生産緑地法等の改正について」
2016国土交通省都市局 · 国土交通省 都市局 · Japan
平成28年5月に閣議決定された都市農業振興基本計画を踏まえた生産緑地法等の改正資料。生産緑地地区の指定に必要な面積要件を、従来の一団500㎡以上から、条例により300㎡まで引下げ可能とした。あわせて、同一・隣接街区内の複数農地(個々は100㎡以上)を一団とみなして指定できるよう運用を改善した。また生産緑地地区内に設置可能な建築物の規制を緩和し、生産緑地内で生産された農産物を主原料とする製造・加工施設、直売所、レストランの設置を新たに認めた。
政策都市農村連携都市農業機能発揮対策事業実施要領
2016農林水産省 · 農林水産省 · Japan
農林水産省の本要領は、都市農業機能発揮支援事業・維持支援事業・福祉農園全国支援事業・福祉農園地域支援事業・防災協力農地等地域支援事業・都市農業機能発揮整備事業について、実施手続や助成対象経費を定めている。防災協力農地等地域支援事業では、指定対象となる農地の要件として概ね500平方メートル以上であること、直近の国勢調査で設定された人口集中地区内であることなどを定め、震災等の非常時に地域住民の安全・生活を守る「防災兼用農業用施設」の整備も支援対象としている。
政策福祉コミュニティ都市農村連携屋上緑化・壁面緑化
2016国立環境研究所 · 国立環境研究所 環境展望台 · Japan
国立環境研究所 環境展望台による屋上緑化・壁面緑化の解説記事(2016年5月改訂版)。中部電力が1985年に行った実験では、よしずに比べ20〜30%の省エネ効果が確認されたと紹介。2000年度から2014年度の15年間で屋上緑化約413.8ha、壁面緑化約68.0haが施工され、2014年度単年では屋上緑化約26.9ha、壁面緑化約5.0haとなった一方、2009年度は前年より約20%縮小したとしている。荷重検討や防根層設置、灌水管理などの実装上の課題にも触れている。
気候変動政策経済スイス・バーゼルの緑化屋根:緩和策と適応策の統合
2016European Environment Agency · Climate-ADAPT (European Environment Agency) · Switzerland
バーゼル市は2002年の建築法改正で新築・改修時の陸屋根の緑化を義務化し、2010年に規制を強化した。2006年時点で1,711件の粗放型と218件の集約型の緑化屋根があり、その後は年間約100件・8万m2のペースで設置が続き、2019年時点で市民1人あたり5.71m2と世界最大級の緑化屋根面積を有する。雨水流出を17〜20%削減し、屋内温度を最大5℃下げる効果も報告されている。
気候変動生物多様性政策都市農村連携都市農業(フランス語版Wikipedia)
2016· Wikipédia (français) · France
フランス語版Wikipediaの「都市農業(agriculture urbaine)」記事。パリ市が2016年に開始した「Parisculteurs」事業を紹介し、壁面・地下・屋上・平地など緑化可能な空間を洗い出し、都市農業プロジェクトの設置を促す毎年の公募(appels à projets)を実施していると説明している。ただし具体的な予算額や採択件数など詳細な統計は記事に記載がない。
政策都市農村連携コミュニティパリスキュルトゥール概要
2016Ville de Paris · Ville de Paris (Parisculteurs) · France
パリ市の都市農業事業「Parisculteurs」公式サイトの概要ページ。2016年に「100ヘクタール」を目標とする憲章に署名して発足し、現在までに約36ヘクタール・70件超のプロジェクトを実現(同数が開発中)。2013年のAPUR(パリ都市計画研究所)による調査で屋上農業の可能性が確認され、2014年時点では都市農業に使われる面積は約11ヘクタール(うち建物上はわずか0.3ヘクタール)だった。現在は官民約30団体・自治体14が参画している。
政策都市農村連携経済パリの都市農業アジェンダ:パリキュルトゥール
2016Resilient Cities Network · Resilient Cities Network · France
レジリエント・シティーズ・ネットワークによる記事。パリ市が2016年に開始した都市農業支援プログラム「パリキュルトゥール」を紹介する。「100ヘクタール憲章」に82の関係組織が参加し、これまでに50件以上のプロジェクトが実現、同数が開発中。目的として食料供給の短距離化、コミュニティ結束、健全な食生活、食料安全保障、生態系サービスの提供を挙げる。
政策コミュニティ食料流通・フードマイル経済2016年2月11日法律第2016-138号(食品廃棄との闘いに関する法律)
2016République française · Légifrance (République française) · France
フランスで2016年2月11日に公布された食品廃棄対策法の条文ページ。廃棄削減を最優先とし、次いで食用可能な売れ残りの寄付・加工、飼料化、堆肥化・エネルギー化の順に対応する優先順位を定める。一定規模を超える小売店には、まだ食べられる売れ残りを意図的に廃棄不能にすることを禁止し、認定慈善団体への寄付協定締結を義務づけ、違反には3,750ユーロの罰金を科すと規定している。
食品ロス政策IPBES 送粉者・送粉・食料生産に関する評価報告書
2016S.G. Potts, V.L. Imperatriz-Fonseca, H.T. Ngo · Secretariat of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES), Bonn, Germany · Global
IPBESが2016年2月の第4回総会(マレーシア・クアラルンプール)で承認した、送粉者・送粉・食料生産に関する初の国際科学評価報告書(全552ページ)。動物による送粉が食料生産・遺伝子流動・生態系回復を支える調整サービスであることを対象に、在来・外来送粉者の役割、送粉ネットワークの状況と傾向、変化の要因、人間の福祉への影響、政策対応の有効性を扱う。生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)で正式に支持され、フランス・オランダ・ブラジル・南アフリカ・韓国などで国別戦略・行動計画の策定につながった。
生物多様性送粉者・ミツバチ政策身の丈に合わせる——小規模チャリティのためのインパクト測定
2016Katie Boswell, Anne Kazimirski · New Philanthropy Capital (NPC) · United Kingdom
英国のシンクタンクNPCが2016年1月に出したブリーフィング。2015年7月9日に開いた小規模チャリティ向けセミナーの内容をまとめたもので、評価専任の職員や予算を持つ大規模団体と違い、小規模団体では測定の責任が職員間で分担されたり事務局長の長い作業リストの一項目になったりする現実を出発点にする。よい測定は限られた資源を効果のある活動に集中させ、資金獲得にも役立つが、団体の規模に見合った範囲に測定努力を収めることが重要だと論じ、「変化の理論(theory of change)」の作成を第一段階とする4本柱のアプローチを提示する。
経済政策コミュニティ評価の現在地2016——非営利セクターにおける評価の実践と体力
2016Innovation Network · Innovation Network, Inc. · United States
米国の評価専門機関 Innovation Network が2010年から続けている全国調査の2016年版で、米国の501(c)(3)団体1,125件から回答を得た。過去1年に何らかの評価を行った団体は92%と調査開始以来最高になり、評価に資金を得た団体も2012年の66%から92%へ増えた。一方で評価に取り組む体力を備えた団体は2012年と同じ28%にとどまり、組織予算の5%以上を評価に充てている団体は12%、評価担当の人員(内部・外部を問わず)を置く団体は8%と、いずれも前回から大きく減っている。
経済政策コミュニティ社会的インパクト評価の推進に向けて——社会的課題解決に向けた社会的インパクト評価の基本的概念と今後の対応策について
2016社会的インパクト評価検討ワーキング・グループ · 内閣府(社会的インパクト評価検討ワーキング・グループ) · Japan
平成28年(2016年)3月に社会的インパクト評価検討ワーキング・グループがまとめた報告書。人口減少と財政制約で公的資源が細るなか、社会課題の解決に民間資源を呼び込み、インパクト創出を目的とする事業主体を規模の大小を問わず育てることを狙いとしている。外部から資源を調達する前提となる利害関係者への説明責任(アカウンタビリティ)の観点を中心に、社会的インパクト評価がなぜ必要か、何であるか、どのように行うか、普及に向けた課題と対応策は何かを4章立てで整理し、ロジックモデルと変化の理論、英国の普及施策、Shared Measurementなどをコラムで補っている。
政策経済コミュニティ米国初のソーシャル・インパクト・ボンドで賄われた事業の評価結果
2016Vera Institute of Justice · Vera Institute of Justice · United States
2016年9月21日公開。ヴェラ司法研究所が、米国初のソーシャル・インパクト・ボンドで資金を得たニューヨーク市ライカーズ島のABLEプログラム(16〜18歳の若年収容者向け)を独立評価した結果を伝える。2013年に入所した対象群を、2006〜2010年に入所した比較群および対象外の19歳と照らす準実験デザインで、再犯による収容日数を1年間追跡した。結果は「16〜18歳の対象者における再犯の変化は統計的に有意でなかった」というもので、事前に定めた10%削減の閾値に届かず、プログラムは2015年8月31日に終了した。
効果は限定的政策経済福祉学校菜園は子どもの学業成績と食事の成果を高める
2015Berezowitz C., Bontrager Yoder A., Schoeller D. · Journal of School Health, 85(8):508-518 · United States
学校菜園プログラムの学業・食事への効果を検討したレビュー。菜園を取り入れた学びは学業成績を損なわず、科学・数学の成績や果物・野菜の摂取・嗜好に好影響を与えうることを示した。
食育健康政策計画者と利用者からみた「都市の農」の変遷に関する考察
2015Shimpo N., Saito K. · ランドスケープ研究 (Journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture), 78(5):629-634 · Japan
分区園・市民農園・コミュニティガーデンなど「都市の農」の変遷を、計画者と利用者双方の視点から文献調査により整理した査読論文。都市農の適切な計画には計画者と利用者の両視点を取り入れる必要があることを論じる。
コミュニティ政策食育都市農業振興基本法のあらまし
2015· 農林水産省・国土交通省 · Japan
2015年に制定された都市農業振興基本法の趣旨・基本理念・国と地方公共団体の責務を解説した行政資料。都市農業の多面的機能(新鮮な農産物供給、防災空間、緑地・景観、農業体験・交流の場など)を明示し、振興施策の法的枠組みを示す。
政策コミュニティ生物多様性