研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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価値創造のための組織化——温室を用いた都市農業企業の事例
2012Sofie Engberg · · Global
本研究は都市農業を企業の視点から捉え、価値創造を可能にする要因を、文献レビューと、温室で生産を行う都市農業企業を分析単位とする事例研究(文書分析とインタビュー)により質的に検討した。ステークホルダー理論、トリプルボトムライン理論、ハイブリッド組織理論を理論枠組みとし、都市農業が経済的・環境的・社会的価値を同時に生み出しうること、価値創造を促す要因として好条件の資源利用可能性と積極的なステークホルダー対話が挙げられること、温室栽培は農薬・肥料の使用を最小限にとどめられることを結論づけている。
コミュニティ政策経済食料主権・社会正義都市農業——ある「無秩序な」論争
2012FALLETTI, MADDALENA · TERRITORIO · Italy
イタリアの学術誌『TERRITORIO』における都市農業をめぐる論争を主題別に再構成し、その中に見られるいくつかの矛盾した側面を浮き彫りにする序文的論考(2012年)。序文は3つの解釈の視座を提示する。第一は、論争を各々の「密閉された区画」の中で再現しつつも、対照的な立場を並置することで比較を試みるもの。第二は、都市計画に強い影響を及ぼす横断的な概念上の二分法——都市問題への処方箋としての都市農業か、新たな都市計画としての都市的農村地帯か——に光を当てるもの。第三は、ミラノを事例としてこの論争そのものを問い直すものである。
政策コミュニティ食料主権・社会正義ナイジェリア・カドゥナ都市域の農地におけるホウレンソウ・モロヘイヤ・トマトの重金属蓄積評価
2012John Jacob, Samuel E. Kakulu · American Journal of Chemistry · Nigeria
ナイジェリア・カドゥナ市内の20地区(および比較対照として市外約30キロメートルの農村2村)の農地・菜園から土壌と、広く消費される野菜3種(ホウレンソウ、モロヘイヤ、トマト)の試料を採取し、フレーム原子吸光分光光度計で重金属濃度を分析した研究。汚染負荷指数(PLI)の結果、都市の農地土壌はカドミウムとクロムで中程度、鉛とニッケルで強度に人為的濃縮が見られた。土壌中の鉛とカドミウムの平均濃度はWHO/FAOの農地基準の上限を上回った(ニッケルとクロムは下回った)一方、野菜中の重金属濃度はニッケルを除く全金属でWHO/FAO基準を上回っており、特に毒性が強く既知の生物学的有用性を持たない鉛とカドミウムについて懸念すべき結果とされた。
汚染・食品安全コミュニティ健康ダカールにおける都市農業の収量と栄養便益——2012年の再現研究
2012Amadou Diop, Seyni Ndiaye · Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) · Senegal
セネガル・ダカールの都市部における農業実践の収量と栄養への影響を検証するため、先行して行われた圃場調査の再現を目的とした研究。都市部の複数の集落で標準化した抽出手法を用いてデータを収集した結果、再現区画の作物収量は当初推定値より平均15%増加し、作物の種類(野菜と穀物)によってばらつきが見られた。栄養分析では、都市農業により主食における微量栄養素含有量が最大20%高まったことが示され、特に葉物野菜と果物で顕著だった。
コミュニティ健康経済食育台湾における農村活性化戦略
2012Zilian LIN, K. Akiyama · Institutional Repositories DataBase (IRDB) · Taiwan
台湾政府が50年以上にわたり実施してきた農村計画について、コミュニティ形成の観点からその進展を検討した研究。7つの論点に着目した事例研究として、関係当局との協力のもと農村コミュニティを支援してきた産業振興政策が、農村コミュニティの促進という成果をもたらしたことを分析している。結果として住民は計画の実施におおむね満足していたが、直売システムの強化、住民ニーズの把握、より広範な計画との連携、都市農地の維持、行政の支援サービスなど、依然として取り組むべき課題が残されていることも明らかになった。
政策コミュニティ食料主権・社会正義つながりの力——持続可能なライフスタイルと場所感覚
2012Zoey Rogers, Elizabeth Bragg · Ecopsychology · Australia
オーストラリア・メルボルンの住民を対象に、環境的に持続可能な暮らしを動機づける要因として「場所感覚」(sense of place)の役割を検討した。個人的な取り組み(省エネ・節水、ファーマーズマーケットでの購入)、グループでの取り組み(コミュニティガーデン、近隣での物の共有)、政治的な取り組み(ロビー活動や組織化)という3種類のサステナビリティ活動に従事する住民19人に詳細な聞き取り調査を行った。参加者はメルボルンという場所への場所感覚を語ったが、彼らを行動へと動機づけていたのは、自然や地球全体とのより広いつながりの感覚、人為的・文化的・政治的環境への意識、そして個人の健康・人間関係・コミュニティであり、メルボルン内の特定の地理的場所と必ずしも結びついたものではなかった。活動タイプ間で動機づけ要因にわずかな差はあったが、自然とのつながりは全グループに共通していた。都市環境では、場所感覚そのものが行動の動機というより、行動する場と共に行動する人々を提供する「促進要因」「補強要因」として働く可能性があるとしている。
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都市農業におけるイノベーションシステムとしての在来種子の保全
2012Maira Echeverry, Sebastián Gutiérrez, Julián Pineda, Nelson Ravelo · · Colombia
この記述は、農村から都市への移住によって形成され、いまだ合法化の途上にあるコロンビア・ボゴタ、チャピネロ東部丘陵地のインフォーマル居住区バリオ・サンルイスを描く。住民は集団的な取り組みを通じて、コミュニティ運営の上水道などのサービスを獲得してきた。約7年前に設立されたCasa Taller Las Moyasは、親が終日就労しているために放置されがちな地区の子ども・若者を対象に、学校のスケジュールに合わせた2交代制で、パン作り・陶芸・工芸・都市農業などのワークショップを提供している。原文は文中で途切れており、タイトルにある在来種子の保全活動そのものについての具体的なデータは示されていない。
固定種・在来種食料主権・社会正義コミュニティDIY・自作ガーデニングは学齢児童の野菜摂取を増加させる——メタ分析による統合
2012Gail Langellotto, Abha Gupta · HortTechnology · United States
米国内で子どもに提供された、菜園活動を伴う栄養教育プログラムに関する査読済み研究を対象に、児童の栄養知識・果物野菜への嗜好・摂取量への効果をメタ分析の手法で検証した研究。対照群(栄養教育なし)や菜園を伴わない栄養教育群と比較したところ、投票計数分析では対照群・栄養教育群の結果の大半は非有意だったのに対し、ガーデニング群では有意かつ正の結果が多かった。定量的なメタ分析は、必要な記述統計を報告した研究数が少なかったため限定的だったが、際立って頑健な結果として、ガーデニングは児童の野菜摂取を増加させた一方、栄養教育プログラム単独の効果はわずかか非有意だった。
食育健康コミュニティ北京における「R/都市」のトレンド——都市近郊周縁部の3事例
2012Annelies De Nijs, Pei-Chun Wen, Di Wu · TERRITORIO · China
現代中国で生産的な土地の変容が特定の政府政策や国土の空間条件の変化と結び付いている中、成長を続ける都市域と脅かされる農村域の摩擦地帯で特に発達している都市農業を、北京の都市近郊周縁部における3つの事例——劉民營、謝道、太湖——を通して描いた論文。前者2つ(劉民營・謝道)は持続可能な生産とアグリツーリズムを重視する一方、それぞれの立地文脈への根差しは弱いのに対し、太湖のプロジェクトはより地域に根差しており、立地の生態的な繊細さに対して強い応答を示している。太湖の事例は、中国で急増し無秩序に配置されがちなアグリツーリズム施設に対する代替のあり方を体現していると論じている。
コミュニティ近郊農業政策経済都市農業による都市ヒートアイランド現象緩和効果の定量化評価——韓国
2012엄기철, 정필균, So Hyun Park, 유성녕, 김태완 · · South Korea
韓国の6都市を対象に、作物の蒸発散と日射反射率の増加による都市周辺気温(UAAT)の低下、およびCO₂吸収・O₂放出・オゾン濃度低減による大気汚染の緩和という緑地の効果を、過去30年間(1979-2008年)の気候変化データから定量的に評価した研究。最も暑い時期は7月下旬から8月上旬で、30年間で最も高い10日間平均UAATは35.03℃だった。都市域における水稲・大豆の最大蒸発散量の平均はそれぞれ日量6.86mm、6.00mmであった。水稲・大豆の栽培によるUAAT低下効果は水原(スウォン)でそれぞれ10.5℃、3.0℃と評価され、安城(アンソン)の水田・畑地ではUAATと群落温度の差がそれぞれ2.6℃、2.2℃だった。一方、水原市の都市菜園はUAATと建物表面温度をそれぞれ2.0℃、14.5℃低下させた。さらに水稲・大豆によるCO₂吸収量は10a当たり日量それぞれ20.27kg、15.54kgと推定され、O₂放出量はそれぞれ14.74kg、11.30kgと評価された。夏季の最高気温期において、水稲栽培・大豆栽培・都市ガーデニングはそれぞれオゾン濃度を21.0ppb、8.8ppb、4.0ppb低減させたと推定された。
コミュニティ気候変動政策新都市における都市農業導入に対する住民の支払意思額の推定
2012임주호, 이경환, 윤인숙, 윤은주 · · South Korea
韓国の新都市(盆唐・東灘)住民を対象に、公共用地の一部を活用した都市市民農園の貸与に対する支払意思額を1.5段階二項選択式条件付き価値評価法(CVM)で推定した研究。アンケート調査の結果、回答者の72.6%が公園・緑地の一部を都市農場として整備し貸与された場合に利用する意思があると回答し、都市市民農園への潜在需要が示された。支払意思額は1区画(16.5m²基準)あたり年間約23万6千ウォンと推定され、これは首都圏近郊の既存週末農場の賃貸料を上回る水準だった。性別・年齢・職業が支払意思額に有意な影響を与える一方、その他の社会経済的特性や訪問可能回数、希望滞在時間は有意な影響を示さなかった。
コミュニティ経済食育20世紀初頭のヨークにおける社会改革とアロットメント・ガーデニング
2012Ross Wilson · Journal of Urban History · United Kingdom
イギリス北部の都市ヨークにおける20世紀初頭のアロットメント・ガーデン(貸し農園)の発展を、公文書資料と新聞報道を用いて検証した歴史研究。ギデンズの構造化理論を通じて、市民とヨーク市当局との関係がどのように展開したかを分析し、アロットメント・ガーデンを英国の都市生活を理解する手がかりとして再検討している。従来の市民改革・アイデンティティ・統治性研究ではアロットメント・ガーデンが部分的にしか扱われてこなかったが、英国の労働者階級の生活における中心的存在として、より注目に値すると論じている。
コミュニティ政策認識が現実をつくる——五大湖地域における商業アクアポニックスの普及
2012Thomas D. Eatmon, Zachary Piso, Elyse Schmitt · IGI Global eBooks · United States
米国五大湖地域の寒冷な気候条件下で、通年で地場食料を生産する組織が増加している状況を背景に、商業アクアポニックス(魚と作物の屋内複合栽培)の導入をイノベーション普及理論で説明した論考。温帯気候で商業アクアポニックス事業を採算性のある形で維持することには大きな課題があるとしつつ、都市農業分野での本技術の普及は拡大しているように見えるとし、相対的優位性・両立可能性・複雑性・試行可能性・観察可能性についての認識が、財政的困難にもかかわらずこの技術が採用される要因になりうると論じている。
コミュニティデジタル農業都市農業環境下における動物医学(獣医)専門人材育成に関する考察——北京を例に
2012李焕荣, 孙英键 · 教育教学论坛 · China
中国・北京市を事例に、都市農業環境下における動物医学(獣医)専門人材の育成のあり方を論じた2012年の考察論文(『教育教学論壇』誌掲載)。都市農業の生態機能と産業構造最適化の動向、郊外農業地域の特徴、都市化に対応した飼養構造転換を軸とする北京市畜産業の5カ年計画、北京市のペット産業の現状と課題、動物医学専門人材への要求、および「十二五」期間の2011年育成方案の特徴を整理し、今後の都市型動物医学人材育成のあり方について展望を述べている。
コミュニティ食育海外の都市農業発展の経験と参考事例
2012Ziying Zhang · Ningxia Journal of Agriculture and Forestry Science and Technology · Global
都市農業の定義から出発し、海外における都市農業の主要なモデルを整理し、その発展の経験と示唆をまとめた総説(中国寧夏の農林科学誌掲載)。具体的な数値データは示していない。
コミュニティデジタル農業都市家畜がもたらす健康・環境上のリスク
2012Anthonia N. Asadu, E. M. Igbokwe, Jane M. Chah, I A Enwelu · DOAJ (DOAJ: Directory of Open Access Journals) · Nigeria
ナイジェリア・エヌグ市を対象に、都市部での家畜飼育がもたらす健康・環境ハザードに関する農家の認識と、気候変動緩和への含意を調べた研究。世帯主75名を任意抽出し、インタビューによりデータを収集、パーセンテージと平均値で分析した。大半の農家は改良種のニワトリを集約的な方式で飼育していた。回答者全員が家畜飼育の健康・環境への影響を認識していたが、家畜が気候変動を引き起こしうると認識していたのはわずか4.0%だった。環境面では作物の被害(89.3%)、都市部の不衛生(89.3%)、騒音(88.0%)が、健康面では疾病の拡散(50.7%)、事故の発生(46.7%)、悪臭(86.7%)が挙げられた。対策として適切な廃棄物処理(平均1.79)、獣医サービスの利用(平均1.85)、小屋の定期清掃(平均1.80)、普及サービスの提供(平均1.85)が認識されていた。研究は、都市農業を都市の保健・環境政策に統合すること、普及サービスが家畜の気候変動への影響について都市部の飼育者の意識を高め、緩和策の助言を行うことを提言している。
健康コミュニティ政策「私たちは植える!」——マドリードの市民農園における参加型都市計画と都市農業(スペイン)
2012José Luis Fernández de Casadevante, Nerea Morán Alonso · Hábitat y Sociedad · Spain
スペインの都市で近年台頭している市民農園(コミュニティ・アロットメント)の動向を、マドリードを対象に検討した論考である。マドリードでは近隣住民団体、社会運動団体、環境保護団体の活動を通じて市民農園が生まれ、過去6年間にこの動きが拡大し、都市の持続可能性に関する批判的言説を構築し、この話題を公共の場と政治的アジェンダに持ち込む調整的な組織構造を形成してきたとされる。これらの市民農園は、都市、公共空間、集団的アイデンティティ、空間の専有手続きをめぐる省察と参加型の介入の経験を紡ぎ出す場となっている。こうした取り組みはまた、都市の将来にとって戦略的な論点としての食料主権という概念にも接近しつつある。
コミュニティ食料主権・社会正義政策ブレア・グロサリーにおける私たちの学校——批判的環境教育を通じた環境行動促進の事例研究
2012Donovon Ceaser · The Journal of Environmental Education · United States (New York City)
環境教育(EE)の目標については広く合意があるものの、行動の促進をめぐっては依然として議論があるとしたうえで、社会的・環境的問題への対処のために批判的省察と地域での行動参加を組み合わせることを教える「批判的環境教育」が、生徒の行動をどう扱っているかを検討した事例研究。対象はニューオーリンズのローワー・ナインス・ワードにある都市農業スクール「Our School at Blair Grocery」。分析の結果、不利な立場に置かれた地域における平等主義的で若者中心のコミュニティ内での批判的な学びは、変化を起こす力を身につけたより意識の高い生徒を育てることが確認された。しかし、資金と安全性に関する懸念から、スタッフが平等主義的な理念の維持を貫けなくなり、批判的環境教育の基盤となる個人主義と予測不可能性が損なわれ、生徒の教育に「断絶」を生じさせていたことも明らかになった。
食育コミュニティメキシコ・ベラクルス州シウダー・カルデルの周辺都市部世帯における食習慣・食事多様性・園芸実施への意欲
2012Marco Antonio Toral Juárez, A. Montes Pérez, Catalino Jorge Lopez Collado, Felipe Gallardo-López · Tropical and Subtropical Agroecosystems · Mexico
メキシコ・ベラクルス州シウダー・カルデルの周辺都市部世帯を対象に、主要食品の得点法による食事多様性の測定と、リッカート尺度による調査で食習慣と家庭園芸実施への意欲を評価した。世帯の35%が良好な食習慣、19%が普通、46%が不良な食習慣を示した。食事多様性スコアは主要食品で29.4±8.7だった。園芸実施意欲のリッカート指数は平均2.9で、周辺都市部での園芸実施への意欲は中程度だった。食事の多様性は世帯の経済力に応じて変化した一方、食習慣と社会経済的地位の間には関連が見られず、母親の家庭園芸実施への意欲には複数の要因が肯定的に影響していることが確認された。
コミュニティ近郊農業都市の中の農業——インド・ムンバイのスラム改善事業に都市農業をどう組み込むか
2012Ellen William-Olsson Heed, Pernilla Knutsson · · India
インド・ムンバイでの事例研究を通じ、インドのような発展途上国におけるスラム改善事業に都市農業をどのように組み込めるかを検討した。
コミュニティ福祉コミュニティガーデンの多様性——英国某地域の実証研究
2012David Pearson, Chris Firth · Biological Agriculture & Horticulture · United Kingdom
英国のある地域のコミュニティガーデンを対象としたプロファイリング調査。コミュニティガーデンは設立の経緯や時期、運営・資金調達の方法、規模、利用者や目的の点で互いに異なることが示された。運営者が挙げた目的の中で最も多かったのは、食に関わる活動を通じたコミュニティ形成と、環境の持続可能性への貢献であった。持続性については、調査対象地域のコミュニティガーデンの3分の1が活動を停止しており、長期存続は保証されていないことが明らかになった。存続性を高めるには、各ガーデンが地域コミュニティの当事者意識を醸成すること、および資金提供元の条件やボランティアの意向と整合的な運営を行うことが必要とされている。
コミュニティ政策都市周辺農業と人口増加——エリトリア・アスマラの事例
2012Tesfamichael Fessahaie · · Africa (Ethiopia)
エリトリアの首都アスマラを対象に、都市人口増加(自然増加、農村からの人口移動、都市拡大に伴う周辺部への人口流出)の枠組みから都市周辺農業を検討した学位論文。研究助手を伴う現地調査による一次データに加え、農業省・公共事業省の報告書などの二次データ、フォーカスグループディスカッションを用いた。自然人口増加の文脈にある回答者は都市周辺農業により生計を維持できているが、大きな課題にも直面していることが示された。農家は3つのサブグループに分類され、うち養鶏農家は資材費の高さ、鳥インフルエンザの不確実性、未整備の流通網により最も脆弱な立場にあった。野菜生産者は洗練された販売網を持つ一方、教育水準が低く世帯人数が多く、今後の土地・水不足に直面している。アスマラへ移住した農業従事者についての記述は要旨内で完結していない。
近郊農業政策コミュニティ飢餓と貧困緩和のための見過ごされた資源——都市食料生産(カメルーン・クンバ市の事例)
2012Enow Ajebe, Anna Granberg · · Sub-Saharan Africa
カメルーン・クンバ市の都市農業世帯24世帯を対象とした質的データ収集に基づく研究。農業担当の政府代表者へのキーインフォーマント・インタビューと、農家への質問票調査を実施した。結果として、都市農業は実践者にとって新鮮な農産物・雇用・所得の重要な供給源となっていることが示された一方、この活動と生計はいくつもの問題によって脅かされていることも明らかになった。また都市農業は世帯の食料供給に貢献しているものの、利用状況・入手可能性・食事の多様性・経済的貢献の大きさという点では過大評価すべきではないとされた。この分野の改善に向けたいくつかの提言も示されている。
コミュニティ経済福祉顧客のため・顧客による評価装置
2012Diane Rodet · Revue Française de Socio-Économie · Europe
フェアトレード商品、有機農業、コミュニティ支援型農業(CSA)といった特異な財としての性質を示す事例を通じて、消費者を研究する新たな領域を提示する論考。抄録に示された情報はこれのみで、具体的な調査方法や結果は記載されていない。
CSA・提携コミュニティチャカリッサのC・H・ナッシュ博物館
2012Robert Connolly, Samantha E. J. Gibbs, Mallory L. Bader · Museums & Social Issues · United States
米国テネシー州メンフィスにある先史時代の土塁遺跡群の敷地内に位置するC・H・ナッシュ博物館が、この10年間、周辺のアフリカ系アメリカ人コミュニティに向けて実施してきたアウトリーチ・プログラムを検証した論考。この考古学遺跡は最初に調査され、博物館も1930年代のジム・クロウ法期の人種隔離政策の産物として設立された経緯を持つ。設立以来、この遺跡と博物館は周辺コミュニティを顧みない学術的特権の場として機能してきた。アウトリーチ・プログラムの要となっているのは透明性とコミュニティ関与への取り組みであり、これまでにアフリカ系アメリカ人文化遺産展示の設置、コミュニティイベントの開催、コミュニティガーデンの設立、地域パートナーとの協働によるサービス事業の実施などが行われてきた。参加型モデルに基づき、博物館はサウスウエスト・メンフィス・コミュニティにおける社会的資産・関係者としての立場を担うようになった。
コミュニティ福祉政策