研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
7853 件(176 / 315)
米国農家における直接販売チャネルの選択——地域食料マーケティング実践調査に基づく実証分析
2019Zoë Plakias, Iryna Demko, Ani L. Katchova · Renewable Agriculture and Food Systems · United States
米国農務省(USDA)が2016年に実施した2015年地域食料マーケティング実践調査(Local Food Marketing Practices Survey)のデータを用い、二項ロジットおよび多項ロジット回帰分析により、どのような農場・農家の特性が各種直接販売チャネルへの参加や、その組み合わせの選択を予測するかを分析した。分析の結果、特定の販売チャネルへの参加には品目ごとの障壁があることが示された。畜産農家は他の農家に比べて小売業者への直接販売を行う可能性が低く、野菜農家は仲介業者への販売を行う可能性が低かった。また、新規就農者は確立した農家に比べて小売業者への直接販売を行う可能性が高い一方、仲介業者への販売を行う可能性は低かった。
CSA・提携コミュニティ経済隙間の街から健やかさの街へ——グラスゴー・メリーヒルのDOT TO DOT©コミュニティガーデンの事例研究
2019Laura Petruskeviciute · · United Kingdom
英国スコットランド・グラスゴー市メリーヒル地区で、2017年から2018年にかけてEUの欧州社会基金Aspiring Communitiesプログラムの助成を受けて実施された社会イノベーション・プロジェクト「DOT TO DOT©」の事例を扱っている。社会起業家、研究者、教育者、若者など地域の多様な世代からなる分野横断的な取り組みで、放棄された空き地を一時的に再利用し、廃材を用いた再生的デザインとライブプロジェクトを通じて不利な立場にあるコミュニティの暮らしの改善を目指した。実験的サイトは(a)食用植物を育てるコミュニティガーデン(第1段階)、(b)リメイクステーション(第2段階)、(c)感覚の森、の3つの異なる区域で計画され、体感的な学習手法、実践を通じたリサーチ、廃材再利用による実験、協働的なデザインモデリング手法を組み合わせ、空間・視覚・量的・質的データを統合した。健康的で快適な屋外環境をめぐる統合的な意思決定とボトムアップのガバナンスの改善に資する知見の共有と実演の提供を目指しているとしている。
コミュニティ生物多様性地域支援型農業(CSA)における農家の経営上の便益・課題に関する認識
2019Antonella Samoggia, Chiara Perazzolo, Piroska Kocsis, Margherita Del Prete · Sustainability · United States
米国とハンガリーを拠点とする35人の地域支援型農業(CSA)農家からデータを収集し、一元配置分散分析、カイ二乗検定、主成分分析、重回帰分析を用いて、CSA農場経営における便益・課題についての農家の認識と、その認識が国によって異なるかを検証した。結果として、米国・ハンガリーの農家はともに、食品の品質、栄養価、環境面、コミュニティへの便益といった点でCSA経営に対して概ね同様に肯定的な認識を持っていた。一方、経済・財務・経営に関する認識は両国間で違いが見られた。CSAの成功は会員を巻き込む能力に左右され、コミュニケーションとコミュニティ関与の実践を機能させるため農家の経営スキルは発展させる必要があるとしている。CSAの主要な懸念事項は、農家と労働力にとって公正な収入と生活賃金を確保することであり、金銭的便益と非金銭的便益のバランスをより良く取る必要があるとしている。
CSA・提携コミュニティ経済コミュニティガーデン——ブラジル、ディアデマ市におけるロンドン計画とメトジスタ大学の連携
2019Cláudia Bomfá Caldas, Carina Almeida Souza, Grace Kelly Silva Jesus, Indira Taina Mata Silva, Karolina Vitoria Santos, Stefany Lima, Viviane de Oliveira Batista Souza · · Brazil
ブラジル、ディアデマ市とメトジスタ大学の連携による「ロンドン計画(Projeto Rondon)」の一環として実施された学校・大学向けコミュニティガーデン事業「新たな道と知」について、コーポレートガバナンス、サステナビリティ、社会的責任の観点から文献調査と資料調査により検討した研究。事業がこれら3つの基本原則に沿っているか、政府と教育機関の連携をどう構築しているかを分析することを目的とした。
コミュニティ政策都市に食料を供給する——英国における市民農園(アロットメント)の重要性、レスターの事例
2019Jill L. Edmondson, Dylan Z. Childs, Miriam C. Dobson, Kevin J. Gaston, Philip H. Warren, Jonathan R. Leake · The Science of The Total Environment · United Kingdom
英国レスターの市民科学データ(自家消費用作物の収量調査)と、フィールドマッピングおよびGIS解析による市民農園(アロットメント)の分布データを組み合わせ、都市スケールでの果物・野菜生産量を推計した研究。作付けに使われている個々の区画の平均面積は52%で、市全体のアロットメント生産量は年間1200トン超の果物・野菜と200トン超のジャガイモ、8500人超を養う量に相当すると推計された。未耕作の区画(全体の13%)を利用すればおよそ1400トン超、約1万人分に増やせる可能性があるが、その生産地は必ずしも新鮮な果物・野菜へのアクセス改善が最も必要とされる地域と一致しないとしている。アロットメント用地は1950年代に475ヘクタールでピークを迎えたが現在は97ヘクタールまで減少し、養える人数も年間4万5000人超から1万人未満へと減少したと推計されている。
コミュニティ経済食料主権・社会正義ジョグジャカルタ市における都市農業のための宅地活用に対する住民の動機水準の測定
2019Defira Suci Gusfarina, Irham Irham · Jurnal Kawistara · Indonesia
インドネシア・ジョグジャカルタ市を対象にしたこの記述的・質的研究は、住民113世帯にリッカート尺度の質問票を用いて調査し、野菜や果物を育てるための宅地(ペカランガン)活用への動機を測定した。動機は高い順に、健康動機、環境動機、社会・コミュニティ動機、経済動機となった。
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ボゴール・インダ住宅地における近隣公園の整備——インドネシア・ボゴール市
2019Rahmat Rejoni, Andrianto Kusumoarto, Agus Gunawan, Devi Libriati · Lakar Jurnal Arsitektur · Indonesia
インドネシア・ボゴール市のヴィラ・ボゴール・インダ住宅地で、住民参加に基づく近隣公園(緑地)の設計と整備を行った事例。記述的質的手法とコミュニティ主導型デザインの手法を用い、面積1,680.749㎡の公園を計画した。住民の希望は都市農業(アーバンファーミング)用途55%、植物コレクション(樹木園)用途40%、受動的レクリエーション用途5%であった。
コミュニティDIY・自作アージェンシー(Urgenci)——CSA(地域支援型農業)国際ネットワーク
2019Suzanne Stapleton · Journal of Agricultural & Food Information · Global
世界の食料生産構造の「4/5パラドックス」——食料の80%が家族農家によって生産される一方、飢餓・栄養不良人口の80%もまた家族農家とその子どもたちであるという逆説——を紹介する記事。CSA(地域支援型農業)の国際ネットワークであるUrgenciを取り上げているが、要旨は途中で途切れており詳細は示されていない。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義都市コミュニティガーデンにおけるつる性植物植栽への意識分析
2019Sang Mi Lee, Young Chae, Young-Bin Jung, In-Kyoung Hong · Journal of people, plants, and environment · Global
都市コミュニティガーデンにおけるつる性植物の適切な植栽・活用方法を明らかにするための意識調査。回答者の過半数はコミュニティガーデンの区画内につる性植物を植えることを許容すると回答し、特にガーデニング経験のある人はより肯定的だった。つる性植物は装飾・観賞目的やフェンス作りのために用いる傾向が高く、多くの回答者は他区画にはみ出さないよう、つる性植物を庭の外周や境界に植えるべきだと答えた。庭の外周・境界に植えるべきだと答えた人は装飾・観賞目的での利用を望む傾向があり、日陰作りの目的で利用したい人は庭の外周・境界への植栽を望んだ。
コミュニティDIY・自作都市農業——都市の圧力と都市農家が交わる場所
2019Claire Elizabeth Haselhorst, Grace Baldwin, Robert M. Stwalley · International Journal of Business and Economics Research ·
都市農業の推進者と地元行政の間に理解のギャップがあり、それがゾーニングされた自治体空間での事業展開と経済的持続可能性を阻んでいると論じる論考。関係者を十分考慮しない計画は実施の遅延や経済的失敗を招くとし、都市農業施設には近隣統合、都市計画、既存インフラへの適合や設備更新、悪臭対策、視覚的遮蔽などが求められると指摘するが、具体的な調査データは示されていない。
政策コミュニティ近郊農業アフリカ都市における気象・気候の極端現象への適応とジェンダー主流化
2019Alice A. Oluoko-Odingo · Journal of Climate Change and Sustainability · Sub-Saharan Africa
気象・気候の極端現象への適応におけるジェンダー主流化を、サブサハラアフリカの都市周縁農業を軸に検討した論文。女性は農業労働の大半を担うにもかかわらず、土地・資産・現金といった主要な生計資源の所有と意思決定における不平等のため、依然として貧しく気象・気候の極端現象に最も脆弱な立場に置かれている。都市周縁農業は適応戦略として重要な意義を持ちうるが、計画的に整備されたアフリカ都市であっても開発・環境上の課題が不平等・差別・低開発を存続させており、特に低所得コミュニティは重要なサービスへのアクセスなしにリスクの高い地域に居住し脆弱性が高まっている。ケニアのナイロビ周辺(マチャコス県・カジアド県)での現地調査に文献レビューを組み合わせた本研究は、都市周縁農業におけるジェンダー主流化が持続可能な開発目標(SDG5・SDG13)達成に資する可能性を論じているが、この分野の実証研究の少なさ自体が課題として指摘されている。
公平性・立ち退きコミュニティ気候変動福祉食料主権・社会正義都市農業がもたらす恵み——フェニックスの持続可能性目標への貢献
2019Nazli Uludere Aragon, Michelle Stuhlmacher, Jordan P. Smith, Nicholas Clinton, Matei Georgescu · Environmental Research Letters · United States (Phoenix)
米国で人口5位の都市フェニックスを対象に、都市農業(UA)が同市の2050年持続可能性目標(フードデザートの解消、緑のオープンスペースの提供、建物のエネルギー・CO2排出削減)にどう貢献しうるかを都市スケールで分析した研究。未利用の空き地・平屋根・建物ファサードという3種類の展開面を検討した結果、既存の建物ストックが調査地域で利用可能なUA用地の71%を占めることが分かった。UAによる推計総食料供給量は年間18万3千トンで、フェニックス市内の既存フードデザート全域に地元産農産物を供給し、全米平均の一人当たり消費パターンに基づく年間新鮮農産物消費量の90%を満たす水準に相当する。UAはグリーンオープンスペースも追加し、公園整備が不足するブロックグループの数を60%減らし、屋上でのUA展開は建物のエネルギー使用量を削減し年間5万トン超のCO2排出を代替しうる可能性を持つ。
コミュニティ政策食料主権・社会正義気候変動水源分離型トイレシステム——採取された尿混合物の品質と他の有機肥料との比較
2019Arne Backlund, Annette Holtze · Linnaeus Eco-Tech · Europe
デンマーク・ストアストロム県とA&B Backlund ApSが1998年以降共同で実施している、水源分離型トイレ(ダイバーティングトイレ)技術と、採取した尿混合物・堆肥化した糞便の分析に関する廃水プロジェクトの一つを報告する論文。デンマーク環境保護庁(EPA)が管轄するアクションプランのもとで実施された。デンマーク国内での利用経験として、分離型トイレ技術は住宅地で受け入れられ、公共の場でも良好に機能し、市民農園ではさらなる技術改良の余地はあるものの高く評価されているとする。採取した尿混合物の栄養分・重金属・有機化合物・微生物含有量を、デンマークの農業で使われる有機肥料と比較したところ、分析された尿混合物は高品質であった。
コンポスト有機資源循環コミュニティ従来型都市廃棄物管理システムに代わる残渣流の分散型資源化——チリ・サンティアゴ、ペニャロレン地区の事例
2019Jeltsje de Kraker, Katarzyna Kujawa-Roeleveld, Marcelo Villena, C.P. Pabon Pereira · Sustainability · Global
チリ・サンティアゴのペニャロレン地区を事例に、都市の廃棄物流に含まれる有機物・窒素・リンなど資源化可能な養分の分散型回収の可能性を、技術的・社会経済的基準から検討した研究。台所ごみ・庭ごみ・尿を投入資源、都市農業・自治体緑地・都市近郊農業を回収養分の用途先として想定し、嫌気性消化・ミミズコンポスト化・堆肥化、尿の貯留とストルバイト沈殿による養分回収技術を対象とした。マテリアルフロー分析により、従来型の集中管理式廃棄物管理システムと、家庭・自治体レベルでの分散型資源化シナリオの投入・産出を可視化した。結果、台所ごみと庭ごみの分散型資源化は、埋立処分費用や廃棄物運搬コストの削減という経済的便益を伴うという結果が示された。
有機資源循環コンポスト食料主権・社会正義コミュニティ東ジャカルタ・クラマットジャティ区テンガ地区における野菜垂直栽培の加工食品製品多様化
2019Julfi Restu Amelia, Ira Mulyawati, Lisa Ratnasari · Agrokreatif Jurnal Ilmiah Pengabdian kepada Masyarakat · Indonesia
インドネシア・東ジャカルタ、クラマットジャティ区テンガ地区の住民を対象に、狭小地に適した垂直栽培(バーティカルチャー)技術の普及と、収穫野菜を用いた加工食品(ほうれん草・にんじん・パイナップルの飲料「Batelnas」、オクラ・蜂蜜・生姜の飲料「The Kraduu」、生姜・ごまのドダール「Dojawi」、生姜・にんじんのドダール「Dojawo」)の開発、オンライン販売手法の研修を組み合わせた地域活動報告。栽培技術移転と伴走支援により対象住民の緑化活動への関心・参加が高まり、経済的付加価値を持つ新規加工食品が生み出され、継続すれば世帯収入の向上につながるとしている。
コミュニティ食育経済都市可食景観に対する住民の関心と認識——中国武漢市の事例研究
2019Qijiao Xie, Yang Yue, Daohua Hu · Forests · China
中国武漢市の8つのサンプルコミュニティでアンケート調査を実施し、都市可食景観(エディブルランドスケープ)に対する住民の関心と認識を調べた研究。回答者の約3分の1が調査以前に可食景観を知らず、57.26%が土地利用の効率化、54.64%が観賞効果を評価する一方、37.10%は食料生産量の増加を、40.12%は食品品質の向上を信じていなかった。栽培者の45.65%は私有空間で、32.73%は準私有空間で栽培しており、栽培者の55.86%・非栽培者の59.51%が公共スペースの不足を都市園芸普及の主要な障壁と回答し、マンション管理者の反対、近隣との対立や複雑な関係も懸念事項として挙げられた。
コミュニティ政策都市農業——ブラジル・モンチスクラロスにおける移住者の慣習と農業実践の影響
2019Giliarde de Souza Brito, Hélder Dos Anjos Augusto, A Ribeiro · LA Referencia (Red Federada de Repositorios Institucionales de Publicaciones Científicas) · Brazil
ブラジル・ミナスジェライス州モンチスクラロス市の都市部における農業実践を対象に、出身自治体と移住先を結ぶネットワークの中で循環する農産物・農業生物多様性・知識の流れを分析することを主目的とした質的研究。地元の情報提供者との継続的な対話を通じ、都市の空間で食料が栽培されている実態と結びつけて結果を示している。
コミュニティ食料主権・社会正義都市農村連携エスワティニにおける農業高成績校・低成績校の比較分析
2019Alfred Tsikati, Sanele Motsa · Journal of International Agricultural and Extension Education · Africa
エスワティニの農業科目の対外試験成績に基づき、高成績校15校・低成績校12校の計27校(教員はそれぞれ38人・26人が参加)を対象に、質問票調査(妥当性検証は専門家3人・農業教師2人、信頼性検証はクロンバックのα係数.82)を用いて特徴を比較した研究。高成績校は低成績校に比べ、学業に励む生徒の動機づけ、学校菜園での実習、生徒と教師の相談、補習授業の実施、出席・欠席の監視、教師の授業への定期的な出席という特徴を備え、教育訓練省・校長・農業教師・保護者の関与も高成績校でより活発であった。
食育コミュニティ社会生態学的ウェルネス・ホイール——コミュニティガーデンにおけるグリーン・ジェントリフィケーション測定への適用
2019Micajah Daniels, Courtney Coughenour · Digital Scholarship - UNLV (University of Nevada Reno) · United States
ブラックフェミニスト・ヘルス・スタディーズを学際的アプローチとして用い、コミュニティガーデンが栄養行動に与える包括的影響を分析するプロジェクト。コミュニティガーデンのような緑地の整備は便益だけでなく意図しない悪影響(グリーン・ジェントリフィケーション)とも相関することを、独自の「社会生態学的ウェルネス・ホイール」を通じて示し、この監査ツールを用いればガーデンの質、食料不安を抱える人々の果物・野菜摂取に影響する栄養環境を体系的・実証的に測定できる可能性があるとしている。
公平性・立ち退きコミュニティ健康福祉ローウォクワル住宅クラスターのファサードにおける都市農業コンセプトの垂直庭園デザイン
2019Masito Masito, Irawan Setyabudi, Rizki Alfian · Fakultas Pertanian · Indonesia
インドネシア・マラン市ローウォクワル地区の住宅地20戸を対象に、狭小地における垂直農法(バーティカルカルチャー)と都市農業を用いたファサードデザインを質的手法で検討した研究。壁面・吊り下げ・フェンス・棚を用いた垂直農法や水耕栽培、アクアポニックスを住宅の前庭に適用することで、庭の用途転用問題に対応するデザイン案を作成した。
DIY・自作コミュニティデジタル農業代替的都市農業による持続可能な都市——花卉栽培の事例
2019Ioannis Manikas, George Malindretos, Konstadinos Abeliotis · Journal of International Food & Agribusiness Marketing · Global
都市部での食料生産は都市由来の汚染物質に高いレベルでさらされているとした上で、花卉栽培は単位面積あたりの収益性が他のどの農業部門よりも高い集約的な農業形態であり、都市食料生産よりも持続可能で社会的に受け入れられやすい代替となりうるとする論考。切り花輸送に伴う炭素排出の削減や季節に応じた高品質な製品の提供にもつながるとし、世界的な花卉サプライチェーンの負の影響を緩和する手段として都市花卉栽培の概念を検討している。
環境負荷のトレードオフコミュニティ気候変動食料主権・社会正義政治的ガーデニングにおける融合——概念と実践
2019Lucy Rose Wright, Ross Fraser Young · Manchester University Press eBooks · Global
「政治的ガーデニング」という概念を紹介する章。民営化・権限委譲・起業家主義という新自由主義的なプロセスを通じた「日常空間」の再評価を出発点に、都市ガーデニングをめぐる学術的関心の高まりと、その運動が持つ政治的側面を結びつける。ロールズの社会正義論に基づき、政治的ガーデニングの概念を不公正(injustice)と結びつけ(コンフレーション)、事例を用いてこの不公正への対処プロセスを6段階で解きほぐし、参加者が「民主化された」市民になっていく過程・用語としての政治的ガーデニングの定義に至る。
公平性・立ち退きコミュニティ政策食料主権・社会正義「共通世界」の創出としての学びの実践——都市農業イニシアチブTorekesの教育的力学
2019Hans Schildermans, Joke Vandenabeele, Joris Vlieghe · Teoría de la Educación Revista Interuniversitaria · Global
本論文は、ブルーノ・ラトゥールが提起した「どこに着地するか」という問いへの応答として「学びの実践(study practices)」という概念を提示する論考である。都市農業イニシアチブ「Torekes」を学びの実践として分析し、構成・問題化・注意という教育的力学を析出した上で、社会的結束や政治的主体化を目的とする取り組みとして同イニシアチブを捉える社会学的・政治学的分析と対比した。実証データの提示ではなく理論的考察が中心であり、学びの実践が損なわれた地球で共に生きる方法への応答となりうると論じている。
コミュニティ食育食料主権・社会正義気候変動がダルエスサラーム(タンザニア)の都市・都市周辺農業に及ぼす影響
2019Asnath Alberto Malekela · · Tanzania
タンザニア・ダルエスサラームで都市・都市周辺農業(UPA)に従事する住民201人を対象に、構造化・半構造化面接、観察、フォーカスグループディスカッションおよび文献調査を組み合わせて、気候変動の影響を検証した。回答者の84%が食料と収入のためにUPAに従事しており、UPAは食料安全保障に肯定的に寄与していた。しかしUPAは気候変動によって深刻な影響を受けており、作物の枯死(41%)、病害虫(28%)、収量減少(13%)、土壌肥沃度の低下(8%)、家畜の疾病(43%)、牧草地の乾燥(41%)、家畜の死亡(16%)が確認された。研究は、都市・都市周辺農業が気候変動によって著しく損なわれていることは明らかであるとし、限られた水資源で運用できる垂直農法などの新しい栽培方式の導入を提言している。
環境負荷のトレードオフ気候変動政策コミュニティ都市型垂直水耕農業システムの環境影響評価(スウェーデン)
2019Michael Martin, Elvira Molin · Sustainability · Sweden
スウェーデン・ストックホルムの垂直水耕農場を事例に、ライフサイクル評価(LCA)の手法を用いて都市部における垂直水耕農業の環境影響を検討した研究である。栽培用地の環境性能を評価し、改善オプションを想定したシナリオと比較した。結果、栽培用培地、鉢、電力需要、原材料の輸送および製品配送が、このシステムにおいて重要な環境負荷要因であることが示された。プラスチック鉢を紙製の鉢に置き換えることで、温室効果ガス排出、酸性化影響、非生物的資源の枯渇を大きく削減できる可能性があり、従来の園芸用土壌をココヤシ繊維(コイア)に置き換えることでも大幅な環境影響の削減が見込まれた。しかし研究は、システムからの影響をさらに削減するには、電力需要による影響を改善するための、より資源効率の高い手段が必要であると指摘しており、都市廃棄物や副産物を活用した共生的な資源交換の余地があるとした。すなわち鉢や培地の変更だけでは電力由来の環境負荷は解決されないことが明らかになった。
環境負荷のトレードオフ気候変動デジタル農業コミュニティ政策食料主権・社会正義