研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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都市の食用グリーンルーフにおけるセダム地被植物が多年生食用ハーブの生育とフェノール濃度に与える多様な効果
2017Selena Ahmed, Sarabeth Buckley, Anne Elise Stratton, Feven Asefaha, C. Butler, Matthew J. Reynolds, Colin M. Orians · Agroecology and Sustainable Food Systems · Global
土壌水分の乏しさという生態的課題を抱えるグリーンルーフでの都市農業を対象に、セダム(マンネングサ属)の地被植物と灌水という2つの水分管理手法が、タイム・ミント・オレガノという3種の多年生食用ハーブの生育と品質に与える影響を比較した研究。セダム地被植物と灌水は、単独でも相互作用としても、初期定着段階における生育(バイオマス・活力・モジュール被覆率)と品質(総フェノール濃度)の指標に有意な影響を与えた一方、その後の生育段階では影響が一定しなかった。結果は、植物の生育・品質の面で、セダム地被植物が丈夫な食用ハーブに対する灌水の代替となり得ることを示唆している。
コミュニティ生物多様性気候変動19世紀末から20世紀初頭のロシア帝国大都市の環境問題
2017G. Y. Afanasyev · Nauchnyi Dialog · Europe
19世紀末から20世紀初頭にかけてのロシア帝国大都市における環境問題の発生を扱った歴史研究。特にサンクトペテルブルクの水資源汚染に焦点を当て、統計・文書資料に基づき工業汚染の割合の増加を追跡し、同市がヨーロッパで最も汚染された都市のひとつであったと論じている。水質汚染と都市空間の再開発への対応が都市農業に関わる課題として市当局・学界の関心を集め、世紀初頭にかけて地方から国レベルへと議論が移行し始めたと指摘している。
コミュニティ政策都市農業への持続可能な代替としての社会農業(AS)
2017Antoni F. Tulla i Pujol, Ana Vera, Natàlia Valldeperas, Carles Guirado González · Dialnet (Universidad de la Rioja) · Spain
障害者、貧困層、依存症の当事者、受刑歴のある人々、ジェンダーに基づく暴力の被害者、高齢者、問題を抱える若者、移民、ホームレスなど社会的排除のリスクにある層の健康・雇用・エンパワーメントを促す社会農業(AS)を、バルセロナ近郊における都市農業の持続可能な代替として検証した研究。バルセロナ周縁部では住宅・インフラ・施設用地の需要をめぐる対立があり、農業用地(農業公園)の計画的確保や自然公園の活用が必要とされる中、こうした農地保護策が社会運動や第三セクターと結びついたAS事業の創出を後押ししてきた。カタルーニャ地方の161件のAS事業のデータベースを構築し、量的・質的手法(CANVASモデルによる構造・経済的実行可能性の把握、SROI法による社会的投資対効果の算定)を用いて調査した。
コミュニティ福祉政策食料主権・社会正義都市農業と適応力——セネガルの事例
2017Stephanie White · CABI eBooks · Senegal
レジリエンス理論を用いて都市農業を都市の食料システム・食料安全保障との関係で位置づけた章。セネガルのムブール(M'Bour)における都市農業を事例に、都市のプロセスや空間(アーバン・アセンブラージュ)が様々な食料の脆弱性とレジリエンスをどう生み出すか、また食の実践が変動的な都市環境の中で生き延び発展するためにどう活用されるかを検討している。
コミュニティ政策庭への権利について——ハノーファーのアーバンガーデニング・プロジェクトの事例研究
2017Tanja Mölders, Pia Kühnemann · Urban studies · Germany
アンリ・ルフェーヴルが提唱した「都市への権利」概念を「庭への権利」の要求へと読み替えた研究。まず社会生態学の理論的アプローチにおける「自然」と「社会」の関係の定義を提示し、ルフェーヴルの「空間」の3次元をめぐる考察と結びつけて、実証事例研究の基礎とした。ハノーファーのアーバンガーデニング・プロジェクト「ノルトシュタットガルテン」を事例として、このプロジェクトが支配的な空間関係への意図的な批判としてどこまで解釈できるかを検討する。独自の観察と発起グループの発言に基づき、空間の専有行為や庭の独自の利用・形成が、批判の手段であると同時に、共同的な空間・生活形成の別の形を試みる契機でもあることを示している。
コミュニティ政策都市部におけるコミュニティガーデンの立地・質の社会経済的規定要因と在来送粉者への潜在的影響
2017Benjamin Iuliano, Alexandra Markiewicz, Paul Glaum · Michigan Journal of Sustainability · United States
米国の都市部で過去10年間、都市農業の拡大が進む中、コミュニティガーデンがどのように広がり、地域の生態系にどのような影響を与えているかを論じた論文(表題は在来送粉者への影響を扱うとしている)。社会経済的な人口特性がガーデンの立地・質のパターンに影響し、都市生態学者がまだ理解し始めたばかりの形で生物群集に変化をもたらしうるとする。抄録は、研究者による花資源の増加に関する仮説を紹介する途中で終わっており、それ以上の具体的な結果は記載されていない。
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原点回帰——学校菜園を用いた学際的教育
2017Jason Martinek, Lynn Prosen · Transformations The Journal of Inclusive Scholarship and Pedagogy · United States
米国ニュージャージー州グラッドストンにある私立校ギル・セントバーナーズの理科教師リン・プロゼンへのインタビュー記事。同校は約0.8ヘクタール(2エーカー)の菜園を70×80フィートの4区画に分け、1区画には複数の高床花壇を設け、2区画を食堂・農場向けの食料生産に充てるほか、110本のリンゴ樹の果樹園と養蜂箱を備え、就学前から4年生までの理科教育と学校の菜園教育コーディネーター業務を担うプロゼンの実践を紹介している。
食育コミュニティグレシック県における都市農業プログラム実施の成否を左右する要因
2017Muhammad Nuri Shobry · Kebijakan dan Manajemen Publik · Indonesia
インドネシア・グレシック県の農業・水産・林業普及機関を対象に、ジョージ・C・エドワードⅢ世の政策実施モデルとヴァンホーン&ヴァンメーターの理論を組み合わせ、コミュニケーション・資源・実施者の性向・官僚制構造・社会経済政治的支援という5変数を用いて都市農業(アーバンファーミング)政策の実施状況を質的記述的手法(意図的サンプリングによる情報提供者への聞き取り)で分析した研究。分析の結果、グレシック県の農業・水産・林業普及機関による都市農業政策の実施は順調でも十分でもなく、実施プロセスの各段階が円滑に進んでいないこと、特にコミュニケーション・資源・対象集団の支援に関する変数が十分に組織化・機能しておらず、実施に有効に働いていないことが明らかになった。
政策コミュニティ食育まちづくり事業のためのコミュニティガーデン造成に関する研究
2017정나라, 정명일, 한승원, 김재순 · · South Korea
韓国で、村落におけるコミュニティガーデン造成の基礎資料とすることを目的に住民アンケートを実施した研究。週1回以上利用すると回答した割合が高く、回答者の年齢が高いほど利用頻度も高くなる傾向があり、平日・週末とも午後の時間帯の利用意向が高かったほか、徒歩約20分・1km圏内に立地する場合にガーデンの効率性が高まるとの結果が示され、画一的な設計ではなく地域特性を反映した施設構成が必要だと結論づけている。
コミュニティ健康食育地域支援型農業(CSA)——定義・利点・障壁と生産者向け資料
2017Kenna McMurray, Kelsey Hall, Roslynn Brain · Digital Commons - USU (Utah State University) · United States
米国ユタ州立大学(USU)が2017年に発行したファクトシートで、地域支援型農業(CSA)の定義、モデルの類型、利点、障壁、およびユタ州内のCSA事例を解説している。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義都市農業のための土壌管理システムの比較
2017Elizabeth A. Miernicki · Illinois Digital Environment for Access to Learning and Scholarship (University of Illinois at Urbana-Champaign) · United States
米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校での研究。土壌汚染は都市農業に普遍的な懸念とした上で、レイズドベッドなど代替的な土壌管理システムの長期的な便益はこれまで科学文献で検討されてこなかったと指摘する。研究の目的は、直播+化学肥料(DSF)、直播+有機資材(DSO)、レイズドベッド混合土+化学肥料(RBMF)、レイズドベッド混合土+有機資材(RBMO)、レイズドベッド堆肥のみ+化学肥料(RBCF)、レイズドベッド堆肥のみ+有機資材(RBCO)の6種類の土壌管理法がケール・ニンニク・ピーマン・コリアンダー・ラディッシュの収量、土壌の生物・化学・物理特性、水・養分保持などの生態系サービスに与える影響を明らかにすることとされ、収量(出荷可能分と規格外分)、土壌養分・有機物、土壌水分、雑草発生、浸透速度、容積密度のデータを収集したと述べるが、この抄録には比較結果そのものは示されていない。
汚染・食品安全コミュニティ健康有機資源循環都市化のもとでの現代都市農業の発展パターンの探究
2017Tong-Yu Li, Ziyi Wang, Xueshan Bai, Yue Wang · DEStech Transactions on Environment Energy and Earth Science · China
都市に密接に関わる新しい産業としての都市農業の起源と変遷を論じた上で、中国における現代都市農業の発展にみられる主要な問題点を整理した総説。都市化の文脈における都市農業の発展経験を踏まえ、中国の都市向けの新たな発展パターンを提示している。
政策都市農村連携コミュニティ正義への飢え——マサチューセッツ州における持続可能で公正なコミュニティの構築
2017Timothy F. LeDoux, B. W. Conz · CABI eBooks · United States
米国マサチューセッツ州パイオニアバレー南部を舞台に、フードジャスティス運動が食農システムの不公正や、より広い社会経済的・人種的格差にどう挑んできたかを記録した章。ホリヨーク市を拠点とするヌエストラス・ライセスと、スプリングフィールド市を拠点とするガーデニング・ザ・コミュニティの2団体が、都市農業を用いて食料不安の緩和とアクセス改善に取り組み、脱工業化と新自由主義的な経済改革により疲弊した地域で新たな生態的・社会空間的関係を再構想してきた過程を、都市政治生態学の視点から検討する。両団体が「都市への権利」を主張することが、現在の食料システムだけでなく地域に組み込まれた制度的人種差別と社会経済的な階層構造の解体につながる取り組みの基盤になっているとする。
コミュニティ政策食料主権・社会正義建成環境における都市農業空間——空間的特性と複合利用に関する分析的研究
2017Rawaa Fawzi Naom Abbawi, Fatima fouad Yaseen · Iraqi Journal of Architecture and Planning · Global
都市の緑地不足、人口増加、都市景観の継続的な軽視といった課題を背景に、持続可能な都市の潮流の一つとして都市農業の概念を取り上げた研究。文献レビューにより都市農業の起源と、その空間的特性・複合利用活動に関する主要な用語・指標を整理した上で、実際の都市農業プロジェクトを対象とした解体的・分析的な研究で仮説を検証した。結果、都市農業と都市景観との結びつきは文脈的な連結を主な特徴として達成されること、社会的・文化的用途が都市景観における都市農業の存在によって実現される最も重要な用途であることが示された。最終的に、都市景観における都市農業の理論モデルを構築した。
コミュニティ政策CSA(地域支援型農業)における消費のエスノグラフィー——多様で対立し補完しあう世界観
2017Philippe Robert-Demontrond, Vanessa Beaudouin, Isabelle Dabadie · Recherche et Applications en Marketing (English Edition) · Global
代替的な直接販売の仕組みである地域支援型農業(CSA)プログラムへの消費者の関わりを、エスノグラフィー調査と文化理論という人類学的分析枠組みを用いて検討した論考である。CSAプログラムは市場の外側で、あるいは市場に対抗する形で機能する「コミュニティの飛び地」として現れると分析している。分析からはCSA運動内に複数の文化が共存していることも明らかになった。この世界観の多様性は緊張を生む一方、それらの補完関係はCSA運動にとってプラスに働くとされている。
CSA・提携コミュニティ食料主権・社会正義高密度市街地における都市ガーデン導入によるグリーンネットワークの実現可能性(ソウル・驛三洞)
2017Heejoon Choi, Junga Lee, Heejung Sohn, Dong-Gil Cho, Youngkeun Song · Korean Journal of Environment and Ecology · South Korea
高密度市街地内の緑地の景観生態学的特性を分析し、緑地パッチの潜在的活用可能性を評価した上で、都市ガーデンの導入による住宅地でのグリーンネットワーク形成の可能性を検討した研究である。ソウルの緑化重点地区かつ公園サービスの空白地域に指定されている驛三洞を対象地とし、街路樹、私有庭園、公共ポケットガーデン、屋上庭園、公園の5区分で緑地現況を把握した上で、FRAGSTATSによる景観指数分析と多重バッファ分析による接続性評価を実施した。結果、緑地面積の分布量は街路樹、私有庭園、公共ポケットガーデン、公園、屋上庭園の順に大きかった。街路樹のコア面積合計(TCA、1,618m²)は公園(1,128m²)に匹敵した。私有庭園はパッチ形状が不整形(ED=78.1m/ha)でパッチ間距離が近い(ENN=33.9m)ため、庭づくりによるグリーンネットワークの潜在力があった。公共ポケットガーデンも均等な分布(LPI=5.7%、SHEI=0.9)を示す一方、外部撹乱にさらされている(TCA=66m²)ため潜在力があるとされた。対象地の84%が接続緑地から50mバッファ圏内の小規模グリーンネットワークに覆われており、公共ポケットガーデン(27%)と街路樹(26%)でのガーデニングによるグリーンネットワーク効果が見込まれた。
コミュニティ生物多様性近郊農業脆弱な人口集団における菜園・アグロエコロジー菜園でのコンポスト化とミミズ堆肥化による有機廃棄物転換の提案
2017Luz Dary Agudelo Gutiérrez · Journal of research in engineering sciences. · Colombia
コロンビアで、脆弱な人口集団を対象に、健康的な食品の生産と消費に関する訓練の教育的手法として都市農業を実践し、食料安全保障につなげることを目的とした研究。アグロエコロジー菜園として実装しうる設計案をまとめるにあたり、地域コミュニティと現地専門家の支援を得た参加型の検証を行い、知識の普及とプロジェクトへの住民の当事者意識の獲得を目指した。この取り組みは、都市部の空き地を活用しながら生物多様性を高める菜園づくりと食料安全保障の強化を目的としている。
コンポストコミュニティ食料主権・社会正義福祉バギン・アウト:ガーデン昆虫入門101——無料ワークショップ
2017Cat Buxton · · United States
2017年6月22日(木)18時30分から19時30分まで、バーモント州ホワイトリバージャンクションのラトクリフ公園コミュニティガーデンで開催された、庭の昆虫をテーマとする無料ワークショップの告知。アッパーバレー・フード・コープの協賛によりガーデンコンサルタントが実施した。
食育コミュニティ生物多様性BFT内水面養殖からの排水のミニトマト栽培を通じた都市農業用肥料としての利用可能性検証
2017Yong Hyun Kim, Moo Ryong Huh, Jeong Ho Lee, Young Sik Lee, Hye Sung Choi · Journal of people, plants, and environment · Global
バイオフロック技術(BFT)を用いた内水面養殖からの排水を、都市農業向けの化学肥料の代替として資源循環の観点から検証した研究。栄養分を含まない園芸用土に定植したトマト苗を8週間にわたり、対照区、市販の液肥(ハイポネックス溶液)、緩効性肥料、排水を毎日施用する区、排水を週1回施用する区の5処理区で栽培し、慣行肥料と排水との効果を比較した。生育特性は根長を除きいずれも処理間で有意差が見られた。草丈はハイポネックス区と週1回排水区が最も高く、次いで毎日排水区と緩効性肥料区、最も低いのが対照区であった。茎径は毎日排水区と緩効性肥料区が最も太く、次いで週1回排水区とハイポネックス区、対照区が最も細かった。ハイポネックス区と週1回排水区の間、および毎日排水区と緩効性肥料区の間には草丈・茎径に有意差はなかった。葉数はハイポネックス区・毎日排水区・週1回排水区が緩効性肥料区・対照区より有意に多かった。果実の糖度は対照区を除き処理間で有意差はなかったが、果実重と収量はハイポネックス区と週1回排水区が毎日排水区・緩効性肥料区より有意に高かった。これらの結果から、都市農業における養液の利用は化学肥料と比較して同等の効果を持つと考えられるとしている。
有機資源循環コミュニティケロウナの都市農業政策コミュニティ
2017Cassandra Lee Hamilton · cIRcle (University of British Columbia) · Canada
カナダ・ブリティッシュコロンビア州ケロウナの都市農業政策コミュニティを対象とした質的記述的事例研究。セイバティアのアドボカシー連携フレームワークを枠組みとして用い、食料システムの多様な部門を代表する政策アクター11名への半構造化インタビューを実施した。政策アクターはおおむね同様の言葉で都市農業を理解し、健全なコミュニティ形成への貢献という点でその重要性を語ったが、自身の役割が変化しつつあることを認識するアクターも多かった。連携をめぐる課題もいくつか確認された。政策コミュニティ全体としてはネットワーク化が進んでおらず、大半のアクターは互いに連携しておらず、互いの存在を認識していないことが明らかになった一方、一部のアクター間の連携が緩やかな政策連合の形成を示唆していた。参加者は共同で取り組む明確な意欲を持ち、都市農業がケロウナにとって有益であり、より多くの機会を追求・推進すべきだという点で一致していた。
政策コミュニティ都市を耕す最前線で——バンクーバーにおける小規模商業的都市農業のエスノグラフィー研究
2017Sharla Stolhandske, Terri Evans · Journal of Agriculture Food Systems and Community Development · Canada
カナダ・ブリティッシュコロンビア州の大都市圏バンクーバーにおける小規模商業的都市農業の出現と初期発展を、5年間にわたる栽培者の生きた経験を捉えるエスノグラフィー手法により検証した研究。商業的都市農業は、栽培と直接販売を組み合わせて都市空間で都市消費者向けに展開する草の根の起業活動であり、従来住宅・商業・公共施設用に区分されていた低利用・非生産的な土地を集約的な食料生産空間に転換するものと位置づけられる。この活動の先駆者たちは高い職務満足度、健康とウェルネスの向上、環境面での貢献といった便益を報告した一方、土地保有権の不安定さ、財務的な収益の低さ、農業活動のみで生計を立てることの難しさといった課題にも直面していた。
コミュニティ経済都市、緑、そして食べられるもの——中国西安における都市農業
2017Tarina Levin · · China
中国・陝西省西安市を対象に、文献調査、地図調査、現地訪問、インタビュー、フィールド観察を通じて都市農業(UA)の現状と都市の緑のインフラにおける位置づけを分析した修士論文。中国では都市化の進展により農地が不動産開発に転用され、農産物の輸入依存が強まる一方、旧来の農業社会的な価値観から西洋的な理想への文化的な移行が進み、その一例として中国の気候に適さない芝生の短草単一栽培が普及し、環境への悪影響をもたらしていると指摘する。一方で、かつて芝生であった場所を含め、中国各地で都市農業が実践されている例も多く見られるとし、西安のUAの効果と可能性を分析した上で、食料生産のために環境的・文化的に有益なUAを支援する設計原則の策定を試みている。UAには食料源であることに加え、コミュニティ形成、都市の生物多様性の充実、中国の農業的なルーツへの再接続の可能性といった多くの潜在的便益があると結論づける一方、これらの便益は絶対的なものではなく、UAは対立の原因になり得るほか、環境汚染や食品汚染の原因にもなり得るとしている。この主題を巡っては多くの不確実性が残されており、UAが行政の計画プロセスにおいてしばしば軽視されているため、こうした課題への対処が難しくなっているとしている。
コミュニティ政策メイカースペース、ムンドラウプ・ツアー、フードシェアリング
2017Jens A. Geißler, Tim Schumann · Bibliotheksdienst · Germany
ドイツ・バートオルデスローの公共図書館は2015年、シェアリングやアーバンガーデニングの潮流をメイカースペースの発想と結びつけたプロジェクトシリーズ「Ernte deine Stadt(あなたの街を収穫しよう)」を開始した。図書館という空間をサステナビリティをテーマにした出会いと創造の場として提供し、市内の新たな取り組みを喚起することができた。
コミュニティDIY・自作リスクへの関与(あるいは非関与):バイオセキュリティ監視における責任共有とコミュニティガーデンの役割
2017Matt Curnock, Carol Farbotko, Kerry Collins, Cathy Robinson, Kirsten Maclean · Geographical Research · Australia
オーストラリア北部クイーンズランド州で、地域のバイオセキュリティ活動が活発化する状況下、コミュニティガーデンの活動主体がバイオセキュリティ監視にどう関わるかを、ガーデングループのリーダーと地方自治体担当者計16人へのインタビューで検討した。土地保有形態や管理方針の有無といった制度的特徴よりも、社会的ネットワークのような非公式な要因の方が関与の度合いを大きく左右しており、非関与の関係者は害虫・病害リスクを認識しておらず行政とのネットワークも乏しいが学習には関心を示す一方、関与を避ける関係者はリスクの知識やネットワークを持ちながらも通報への関心・意欲は低いことが分かった。
コミュニティ政策エスピリトサント州コミュニティ学校の教育プロジェクト——農村教育に連なる提案
2017Jorge Luiz de Góes Pereira, Fabrício Darley Paixão Fernandes · Revista Brasileira de Educação do Campo · Brazil
ブラジル・エスピリトサント州アギア・ブランカ市の公立初等学校ペドラ・トルタ(通称コミュニティ・アグロエコロジー学校)で行われた2つの教育プロジェクト「コミュニティ菜園」と「作る手」を、2016年4月8日から6月22日にかけての現地観察と関連文書分析による質的事例研究として検証した。結果として、これらの取り組みは農村的現実の多様な側面の認識と、農村文化の価値づけを可能にすることが示された。
食育コミュニティ有機資源循環