研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
2477 件(46 / 100)
フォトボイスを通じたコミュニティ主導の介入に対する住民の認識——健康・ウェルビーイング・コミュニティへの包摂
2021Clare Jackson, Sara Ronzi · Health Education & Behavior · United Kingdom
イングランド北西部の貧困度が高く健康状態の悪い地域で行われた、コミュニティハブと菜園を組み込んだ住民主導の複合的介入「The Grange」を対象に、フォトボイス手法を用いて住民の認識と経験を探った研究(2021年)。写真、半構造化インタビュー、フォーカスグループ、写真展を通じて6名の住民と集中的に関わり、コミュニティガーデンやコミュニティショップなどの活動についての肯定的・否定的な側面を住民自身が特定し、政策立案者への提言を写真展の場で直接伝えた。参加者は特定の活動そのものよりも、The Grangeに結びついた包摂の文化や友情のほうを重視していたと報告している。
コミュニティ健康福祉都市型ソーシャルファーミングの実現:都市における急進的グリーンインフラの必要性
2021Louise Mitchell, Lawrence Houston, Michael Hardman, Michelle Howarth, Penny A. Cook · Cogent Social Sciences · Global
世界人口の増加、特にグローバルノースにおける高齢化により保健医療サービスが逼迫している状況を背景に、都市部・困窮地域におけるソーシャルファーム開発を含むグリーンインフラ(GI)介入を論じる論文。ソーシャルファームは、ケア・リハビリテーション・教育プログラムなど、療法的成果のための空間として農業実践を活用する。自然を基盤とした療法(social prescribing)の一環として位置づけられ、コミュニティガーデンや都市農園と並ぶ非医療的アプローチとされる。ソーシャルファーミング・social prescribing研究は現状スカンジナビア諸国や米国に偏っており、本論文は英国環境・食料・農村問題省(DEFRA)の25年環境計画の文脈で英国における注目の高まりに焦点を当てる。調査結果は、こうした施設が農村部に集中していることを示し、都市部での開発の必要性と、開発のためのツール・障壁を論じる。
コミュニティ健康食育政策コミュニティガーデニングと都市近隣における社会的結びつきを豊かにする可能性
2021Shahida Mohd Sharif, Norsidah Ujang · INDONESIAN JOURNAL OF URBAN AND ENVIRONMENTAL TECHNOLOGY · Indonesia
2050年までに人口の50%以上が都市部に居住すると見込まれる中、都市への移住に伴う社会的支援の不足が個人主義や社会的孤立、孤独につながりうるという問題意識から、コミュニティガーデニング活動への参加者における社会的結びつき(ソーシャルボンディング)の水準を検証するための概念的枠組みを提示した概念論文である。都市緑地の種類選定がウェルビーイング上重要だと論じ、コミュニティガーデンを孤立した人々をコミュニティ生活に再統合する介入戦略として位置づけ、都市デザイナーや政策立案者に対し安全な公共空間としての導入を提案している。
コミュニティ健康福祉根圏微生物群集と重金属
2021Anna Barra Caracciolo, Valentina Terenzi · Microorganisms · Global
植物と微生物の間で活発な化学的やり取りが行われる根圏について、重金属(HM)汚染を含むストレス条件への応答を含む植物の機能・生産性を高める共生作用と、重金属存在下でのリスクを概説する総説である。農地土壌に重金属が存在すると可食部植物への金属取り込みを通じてヒトや動物への生体濃縮とそれに伴う健康への悪影響が生じうるほか、植物の生産性そのものにも悪影響が及びうる一方、多くの細菌は重金属への防御機構を持ち植物の重金属ストレス応答を改善しうるが、収量最大化に偏重した従来型の農法を用いる農業生態系ではこうした根圏相互作用を成立させることは難しいとしている。
汚染・食品安全健康生物多様性死別ケアにおける自然基盤介入——スコーピングレビュープロトコル
2021Anne Cleary, Julie Dean, Danielle Pollock, Lisa McDaid, Frances M. Boyle · JBI Evidence Synthesis · Global
死別ケアで現在用いられている自然基盤介入の種類を把握し、その介入がどのように死別ケアを支えうるかを説明する変化の理論を整理することを目的としたスコーピングレビューのプロトコル。死別は心理社会的健康への悪影響と関連しうるとした上で、これは発展途上の研究領域であり、自然基盤介入(動物介在療法、ケアファーム、園芸療法、コミュニティガーデンなど)の種類とその背景にある変化の理論を文献から明らかにする必要があるとしている。組み入れ基準は、身近な人の死による死別を経験し自然基盤介入に参加した対象者を扱う研究またはレビューで、あらゆる自然環境・地理的所在を対象とする。方法として、Web of Science、Scopus、PubMed、PsycINFO、CINAHL、Social Science Database(ProQuest)、PTSDpubs(ProQuest)、Research Library: Health and Medicine(ProQuest)の8データベースでの検索に加え、収録文献の参考文献リストの手動検索と主要誌のキーワード検索を行い、介入の種類、対象集団、健康アウトカム、測定・方法、変化の理論に関するデータを抽出し、表形式と説明的要約で提示するとしている。
コミュニティ健康福祉環境管理の適正条件——市民農園野菜における病原体の不検出(ブラジル・アラサトゥーバ)
2021Denise Junqueira Matos, Fernanda Pinto Ferreira, Natália Ingrid Pezzoti, Luana de Melo Scardovelli, Italmar Teodorico Navarro, Letícia Santos Balbino, Gabrieli Dutra Gonçalves, Kátia Denise Saraiva Bresciani · Brazilian Journal of Development · Brazil
ブラジル・サンパウロ州アラサトゥーバ市の市民農園(同市農工業開発局に登録された6園全て)を対象に、環境管理条件と、灌漑用水中の大腸菌(E. coli)、野菜中の蠕虫、土壌・肥料・水・野菜中の原虫(クリプトスポリジウム属、ジアルジア属、トキソプラズマ)の発生を調査した研究(2021年)。各農園の作業者への聞き取り疫学質問票に加え、処理水40リットルまたは未処理水10リットル、土壌約10g、肥料10g、レタスと他の野菜のそれぞれ1株を無作為採取した。灌漑用水の大腸菌検出にはColilertキット(IDEXX社)を、野菜中の蠕虫・卵検出には光学顕微鏡を、クリプトスポリジウム属・ジアルジア属・トキソプラズマのPCR検査を水・土壌・肥料・野菜の各試料に行った。結果、都市部に立地すること、処理水の使用、汚水溜め(素掘りピット)がないこと、壁やフェンスによる区画の制限、家畜がいないことが揃えば、灌漑用水中の大腸菌、野菜中の蠕虫、水・土壌・肥料・野菜中のクリプトスポリジウム属・ジアルジア属・トキソプラズマの検出を防ぐのに十分であることが示された。
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危機下での自家栽培——COVID-19ロックダウン初期における食料不安感・幸福感に対する自家食料栽培の役割(英国)
2021Bethan R. Mead, Jessica Davies, Natalia Falagán, Sofia Kourmpetli, Lingxuan Liu, Charlotte A. Hardman · Emerald Open Research · United Kingdom
2020年3-4月の英国全土ロックダウン期間中に実施されたオンライン横断調査。自家食料栽培、食料不安感、幸福感、都市農業(UA)への意見を測定した。回答者は英国在住成人477人(女性369人、平均年齢39.57歳±13.36)で、うち152人はパンデミック以前から自家食料栽培を行っていた。回答はパンデミック以前に収集された別サンプル(N=583)と比較された。結果、自家食料栽培に取り組んでいた参加者は非栽培者と比べ食料不安感が低く(U=19894.50、z=-3.649、p<0.001、r=-0.167)、幸福感が高かった(U=19566.50、z=-3.666、p<0.001、r=-0.168)。食料不安感は自家食料栽培と幸福感の関係を部分的に媒介していた。UAに対する意見はパンデミック以前のサンプルと比較して差がなかった。自家食料栽培は、パンデミック初期における食料安全保障感と幸福感に保護的な効果を持っていた可能性があり、UAへの意見はパンデミック以前と比べ肯定的で変化がなかった。
食料主権・社会正義健康コミュニティCOVID-19パンデミック下におけるコミュニティ・レジリエンスを支える選好活動としての家庭菜園
2021Irina Mildawani, Arief Rahman · The Journal of Synergy Landscape · Indonesia
インドネシアのジャボデタベック地域で2020年7月から12月にかけてGoogleフォームを用いて148名の回答者を対象に実施した調査。COVID-19パンデミックによる在宅時間の増加の中で家庭菜園がどう選好されたかを、パンデミック前後と比較しつつ質的内容分析(QCA)で情緒的ウェルビーイングの観点から検討した。野菜か観賞植物か、コミュニティ型か家庭型か、誰が関わるかといった菜園の種類の違いを探索し、菜園活動は家族との楽しい時間を生む好ましい活動として捉えられ、パンデミック後も継続したいという意向が示された一方、専門的な支援が必要な場面で造園家(ランドスケープアーキテクト)が担い手として選ばれることはまだなかったとしている。
コミュニティ健康福祉シエラレオネ・フリータウンの主要ごみ集積場における自然放射線量調査
2021Anthony Kamara, Foday Thullah · Journal of Nuclear Technologyin Applied Science (JNTAS) /Journal of Nuclear Technologyin Applied Science (JNTAS) · Africa
シエラレオネの首都フリータウンで都市農業の場としても利用され、若者らが日々スクラップ金属やプラスチック袋などを拾い集める2大ごみ集積場(キングトムとグランヴィル・ブルック)を対象に、携帯型放射線サーベイメーターとGPSを用いて現地で放射線量率を各10地点測定した研究。平均等価線量率はキングトムが年間0.8ミリシーベルト、グランヴィル・ブルックが年間1.1ミリシーベルトで、キングトムは国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)の許容限度をわずかに上回るが国際放射線防護委員会(ICRP)の限度は下回った一方、グランヴィル・ブルックはUNSCEARとICRP双方の許容限度を上回った。この結果から、両ごみ集積場とも、労働者や廃品回収者、その他の曝露者にとって累積的な放射線被曝により将来的に安全でなくなり得ると結論づけている。
汚染・食品安全健康ブラジルにおける顧みられない未利用種
2021N. R. Madeira, Valdely Ferreira Kinupp, Lídio Coradin · · Brazil
ブラジルにおける顧みられない未利用種(NUS、現地では非慣行食用植物「PANC」として知られる)に関する考察をまとめた章。豊かな生物多様性と文化的多様性を持つ大陸規模の国であるブラジルにおけるこれら植物利用の歴史的背景を論じ、その知識の普及、利用と保全の再興のために行われてきた主要な取り組みを紹介するとともに、アグロエコロジー、気候変動、都市農業、地域生産、栄養、ガストロノミー、食料主権に関連する論点を取り上げている。
食料主権・社会正義生物多様性健康ホワイトヒルファーム——イスラエル南部における砂漠農業とユダヤ人・ベドウィン間の栄養・対話促進
2021Norbert Goldfield · · Israel
イスラエル南部において、イスラエル系ユダヤ人とベドウィンの共同農業イニシアチブを支援するHATD助成プロジェクトを扱った章。地理的背景、関与する組織、HATD助成による取り組みの概要、初期成果、今後の方向性を記述している。米国における地域支援型農業(CSA)に関する既存研究では、無作為化臨床試験によりCSAへの参加が食事の質の臨床的に意味のある改善をもたらしたことが報告されていると述べ、ホワイトヒルファーム(WHF)を、緊張が続くイスラエルのベドウィンとユダヤ人の間で両者の関与を具体的に促す数少ない取り組みの一つと位置づけている。
CSA・提携コミュニティ健康食料流通・フードマイルコミュニティガーデニングへの参加——ウェルビーイングの種をまく(カナダ)
2021Melinda Suto, Shelagh A. Smith, Natasha Damiano, Shurli Channe · Canadian Journal of Occupational Therapy · Canada
深刻な精神的健康上の課題を抱える人々にとってウェルビーイングの維持は難しい課題である。コミュニティガーデニングはクライアントのウェルビーイングを促進するために用いられる活動だが、この介入を裏づけるエビデンスは限られている。本論文は、支援付きコミュニティガーデニングプログラムが、精神的健康上の課題を抱えて生活する人々の主観的ウェルビーイングと社会的つながりをどう変化させたかを検討した。支援付き住宅に暮らし、支援付きコミュニティガーデニングプログラムに参加する成人23人を対象に、コミュニティに基盤を置く参加型研究アプローチと質的手法を用い、構成主義的立場から帰納的にデータを分析した。コミュニティガーデニングプログラムへの参加は、居心地の良い居場所、所属感、行動を通じたポジティブな感情の獲得を通じてウェルビーイングを高めていた。生き物とのつながりや植物への責任は、参加者を「今ここ」に根づかせ、園芸と自分自身の双方について学ぶ独自の場を提供した。臨床家とサービス利用者は、コミュニティガーデンにおけるリーダーシップ、プログラム、場、プロセスの構築において協働すべきであるとされている。
コミュニティ健康福祉迫りくるジェントリフィケーションと闘いながら健康を守ろうとするコミュニティ
2021James J. Connolly · · United States (California)
サンフランシスコ市中心部からサードストリートのTストリートカー路線沿いに広がるジェントリフィケーションの最前線を扱った事例研究。同路線の第一期区間の終点にあたるベイビュー・ハンターズポイント(B.V.H.P.)は、民族的に多様な労働者階級の地区で、サンフランシスコに残る最後の歴史的なアフリカ系住民集住地区である。路線上流部では既に顕著なジェントリフィケーションによる再編が起きている一方、B.V.H.P.ではその影響はまだ表面的なものにとどまる。しかし多くの住民や地域活動家は、急速に迫るジェントリフィケーションの前で、汚染された脱工業的で気候リスクにさらされた環境にとどまるか、健康を訴えて住み続けようとして立ち退きのリスクを負うかという板挟みに置かれていると捉えている。同地区では地域菜園や親水プロムナードなどの緑化が進む一方、根強い人種分離、環境上の特権、緑によるジェントリフィケーション、高級開発、気候由来の健康リスク、汚染への継続的な曝露といった不平等が指摘されている。
公平性・立ち退きコミュニティ福祉健康食料主権・社会正義小中高生の保護者による学校菜園教育サービスへの認知度調査
2021In-Kyoung Hong, Hyung-Kwon Yun, Young-Bin Jung, Sang-Mi Lee, Choon-soo Lee · Journal of people, plants, and environment · South Korea
韓国の主要5地区に住む小中高生の保護者1,010人を対象に、2020年10月22日から26日の5日間、非対面オンライン調査機関Mを通じて実施された調査。学校菜園を活用した教育サービスへの認知度、参加意向、支払い意思を尋ね、SPSS for Windows 25.0とExcelで各項目の頻度・比率を分析した。回答者の平均は1.83(子どもの人数)で、52.8%が男性であった。55.3%が学校菜園を活用した教育サービスを認知しており、27.9%が実際に経験していた。このサービスを必要と回答した割合は全体で79%だったが、サービスを経験した保護者に限ると91.8%が必要と回答した。全回答者のうち54.9%が学校菜園にかかる費用を支払う意思を示し、所得税を支払い手段とした場合の平均支払意思額は13,193ウォン、税率換算で2.02%であった。経験者は非経験者より必要性の認識と支払い意思は高かったが、運営実態を知っているため実際の金額や税率はむしろ低かった。
食育コミュニティ健康IoTを基盤とした都市農業が医療に与える影響
2021Sanyam Arora, Luv Sethi, Shruti Agarwal, Vimal Kumar · · Global
本章は、IoT(モノのインターネット)センサーで温度・水分・湿度などを計測・制御することで、食料生産の質と量を高め、人手による作業を減らし、都市部の家庭菜園従事者の時間と資源を節約できると述べる解説であり、独自のデータや測定、対象集団は示されていない。
健康デジタル農業パンデミック後の都市の健康的側面――ブラジル都市計画の視点
2021Ana Maria Girotti Sperandio, Ângela Alessandra Torezan Silingardi, Giovanna Gastaldo Cifoni, Rafael de Souza Salomão · The urban book series · Brazil
本章は、COVID-19パンデミックに対するブラジルの都市計画上の対応を検証し、健康都市の概念、ブラジルの法制度レビュー、国際文書、実践事例の記録を結びつけながら、都市間の連携・協働がパンデミックの影響を最小化する上で不可欠だったと論じる。実践例として、アクティブモビリティ施策、公共空間利用の見直し、都市コミュニティガーデンの導入をパンデミック対応における即時的成果として提示しているが、独自の定量データは示していない。
政策健康コミュニティ南アフリカ・ハウテン州エムフレニ地方自治体のコミュニティガーデンにおける都市農業者の野菜摂取パターン
2021TP Modibedi, MMS Maake, MR Masekoameng, SS Tekana, Oluwaseun Samuel Oduniyi · African Journal of Food Agriculture Nutrition and Development · South Africa
南アフリカ・ハウテン州エムフレニ地方自治体の6つの大規模タウンシップにある30のコミュニティガーデン(登録農業者418人)から無作為抽出した254人の都市農業者を対象に、野菜摂取パターンを調査した定量研究。対面式の半構造化調査票を用い、24時間思い出し法によるデータをSPSS23で記述統計・順序ロジスティック回帰により分析した。結果、96.1%がおかずとして、93.3%がサラダとして野菜を摂取しており、日中は菜園にいることが多いため夕食時の摂取が最も多かった。摂取パターンに影響する10の独立変数のうち、年齢層・教育水準・主な収入源の3つのみが統計的に有意な正の関連を示した。研究は、朝昼夕すべての食事に野菜を取り入れることと、野菜摂取の重要性に関する教育の提供を提言している。
健康食育コミュニティサステナビリティ教育の観点からの食・農教育の再評価
2021Midori ASAOKA · Japanese Journal of Environmental Education · United States (California)
米国カリフォルニア州サンタクルーズの「ライフラボ」プログラムの歴史をたどり、サステナビリティ教育の観点から再評価した論文。1979年設立の非営利団体ライフラボは、小学校の菜園での「自然学習」から発展した、科学に基づく環境・サステナビリティ教育プログラムであり、児童中心の教育と批判的思考を通じて地球への愛着を育むことを重視する。プログラムでは、生態系の健全性やアグロエコロジーの主要概念、昆虫・花・野菜・その他の食物・人間の関係について学ぶ。論文はサンタクルーズ地域のファーマーズマーケット、地域支援型農業(CSA)、コミュニティ・アグロエコロジー・ネットワーク(CAN)を有機・アグロエコロジー運動の事例として取り上げ、生産者と消費者の直接的な関係構築が世界的な企業型市場に代わる直販システムの発展を促すと論じている。さらに、学校菜園の整備を通じて日本の食農教育にサステナビリティ教育を導入する可能性を提起している。
食育健康コミュニティ都市・農業混在地域の地表水・堆積物における志賀毒素産生大腸菌の薬剤耐性——カナダ・ブリティッシュコロンビア州
2021Yvonne Ma, Jessica Chen, Karen Fong, Stephanie Nadya, Kevin J. Allen, Chad Laing, Kim Ziebell, Ed Topp, Laura M. Carroll, Martin Wiedmann, Pascal Delaquis, Siyun Wang · Antibiotics · Canada
カナダ・ブリティッシュコロンビア州の都市・農業混在地域の地表水と堆積物から回収された、多様な血清型を持つ志賀毒素産生大腸菌(STEC)分離株55株を対象とした遺伝子・表現型解析(Antibiotics誌、2021年)は、複数の薬剤クラスにわたる感受性の低下を明らかにした。フロルフェニコール(65.5%)、テトラサイクリン(52.7%)、アンピシリン(49.1%)、ストレプトマイシン(34.5%)、アモキシシリン/クラブラン酸(21.8%)、カナマイシン(20.0%)、セフチオフル(18.2%)、トリメトプリム・スルファメトキサゾール(12.7%)、ゲンタマイシン(10.9%)、クロラムフェニコール(7.3%)、セフトリアキソン(3.6%)、セフォキシチン(3.6%)に対して耐性が確認された一方、シプロフロキサシン、ナリジクス酸、エルタペネム、イミペネム、メロペネムに対してはすべての分離株が感受性を示した。8株(14.6%)が多剤耐性であり、floR、dfrA、sul1/2、tetA/B、aadA、aphに加えblaTEM-1bおよびblaCMY-2を含む耐性遺伝子と複数のプラスミド複製起点型が検出された。耐性プロファイルは食用動物由来の一般的な大腸菌で報告されているものと一致しており、著者らは同地域の水域が薬剤耐性STECおよびその耐性遺伝子・プラスミドの維持と伝播の潜在的な貯蔵庫であると結論づけている。
汚染・食品安全健康学校菜園と中学生向け栄養教育の相関
2021Loren Alcorn · Proceedings of Student Research and Creative Inquiry Day · United States
米国の中学生を対象に、学校菜園の設置と栄養教育との相関について論じた学生研究発表(2021年)。学校給食に依存する生徒が多い中、給食が満たすべき基準はあっても実際に生徒の益になっているかを問い、学校菜園の導入により生徒が自ら食物を育てる方法を学び、新しい食材に触れ、食品が心身に与える影響をインタラクティブに学べるとし、菜園で育てた食材を給食に組み込む可能性を論じる。果物・野菜へのアクセス増加が摂取量を増やすとの既存の知見、給食からの食品廃棄が多いという既存の知見を引用し、栄養教育と学校菜園を通じた新しい食材への接触により、こうした廃棄を減らせる可能性があるとしている。この発表自体は、独自の測定データによって学校菜園と栄養教育の相関を直接検証したものではない。
食育健康コミュニティパルマス市(トカンチンス州)のコミュニティガーデンで栽培されたアロエベラの乾燥葉皮と凍結乾燥ゲルの化学組成・フィトケミカルおよび重金属分析
2021Gabriela Eustáquio Lacerda, Julliany Lopes Dias, Guilherme Nobre Lima do Nascimento, Ilsamar Mendes Soares · Revista Brasileira de Plantas Medicinais · Brazil
ブラジル・トカンチンス州パルマス市のコミュニティガーデンで栽培されたアロエベラ(Aloe vera)を対象に、乾燥させた葉皮と凍結乾燥したゲルの化学組成・フィトケミカル組成・重金属含有量を分析した。水分含量は7.06〜10.62%、灰分は13.62〜32.63%、粗タンパク質は5.58〜7.47%、脂質は0.58〜2.04%、粗繊維は16.22〜16.49%であった。フィトケミカル分析では没食子酸、カテキン、ガロカテキン、エラグ酸、ナリンギン、ミリセチン、ケルセチン、ケンペロールが検出された。分析した試料からは重金属は検出されなかった。季節変動がこれらの成分含有量に与える影響についてはさらなる研究が必要とされている。
健康コミュニティ有機資源循環汚染環境で栽培される都市アグロフォレストリーの食品安全性
2021Olga Romanova, Sarah Taylor Lovell · Urban Agriculture & Regional Food Systems · Global
都市の果樹・堅果類を含む樹木・低木種が、多環芳香族炭化水素(PAH)、重金属(HM)、メタロイドをどの程度蓄積し得るかについて、既存文献をレビューした。全体的な傾向として、(a)野菜と比べ木本種はHMやPAHを蓄積するリスクが低く、(b)同じ木本種の中でも果実は他の部位より蓄積が少ない傾向が見られた。ただしこれらの傾向は一貫しておらず、蓄積量は環境中の汚染物質濃度、汚染物質の種類、樹種・品種など複数の要因に左右される。都市環境で果樹・堅果類を栽培する際の安全性について、さらなる研究の必要性を指摘している。
汚染・食品安全健康生物多様性基礎医療における健康促進の場——パライバ州立大学歯学部学生の経験
2021Lilian Nadja Silva Brito, Renally Cristine Cardoso Lucas, Fernanda Ferreira de Andrade, Ygor Alexandre Beserra Sousa, Rilva Suely de Castro Cardoso Lucas, Renata Rocha Cardoso Madruga, Gabriella Barreto Soares · Revista da ABENO · Brazil
ブラジル・パライバ州立大学歯学部の学生グループが、カンピナグランデ市の家族保健ユニット(USF)アルジェミーロ・デ・フィゲイレド校において、2018年後半に文化・芸術と統一保健システム(SUS)の出会いを促す「健康促進の場」を形成した経験を報告した論文。この場は、「命をもたらすグラフィティ」と題した体験活動と、当該USFにおけるコミュニティ菜園の建設過程を通じて作られた。これらの活動は学生・地域住民・保健チーム・地域社会資源の強い相互作用を特徴とし、保健チームと住民の結びつきを強化した。基礎医療における歯学生の存在の重要性が観察され、歯科医の基礎医療での役割が口腔保健の提供にとどまらないことが認識された。
コミュニティ食育健康小学校における食リテラシー介入——システマティック・スコーピングレビュー
2021Rebecca K. Kelly, Rosie Nash · Journal of School Health · Global
PubMed、Web of Science、EBSCOのデータベースを検索し、4~12歳の児童を対象とした小学校における食リテラシー(FL)介入を特徴づけたシステマティック・スコーピングレビュー。除外を経て116件の研究(うち独自の介入105件)が対象となり、介入期間は45分から4年間にわたった。最も参照された理論は社会的認知理論で、教室での授業、ゲーム、学校菜園、調理準備、料理教室が一般的な介入内容であった。ほとんどの研究(96%、111件)がFLの成果を定量的に測定し、全研究(116件)が機能的FLを扱った一方、相互作用的FLを扱ったのは77%(89件)、批判的FLを扱ったのは28%(32件)にとどまった。小学校におけるFLプログラムの国際的な初のレビューとして、介入設計とFLの測定方法に大きな異質性があることが判明し、批判的FLを扱う介入が少ないことから、これを今後の介入の重点とすべきだと結論づけている。
食育健康フォトボイス調査:補助金付きCSAプログラムが参加者の健康に与える影響
2021Allea Martin, Amy Coplen, Lauren Lubowicki, Betty T. Izumi · Health Education & Behavior · United States
米国の低所得世帯向けに生鮮食品の入手コストという障壁を下げるために設計された補助金付きCSA「CSA Partnerships for Health」プログラムについて、フォトボイス法による調査を行った。参加者28人が2〜4週間かけてプログラムに関する写真を撮影し、その一部をフォーカスグループで議論した。参加者は、プログラムが自身の身体的・社会的健康への好ましい変化を後押しし、新しい食品・調理法・農業について学ぶ助けになったと語った。こうした自己申告に基づく質的な結果から、著者らは調理教育を組み合わせた低価格CSA会員制度が、新しい食品を試す力・スキル構築・健康アウトカムの改善を支えうると述べている。
コミュニティCSA・提携健康福祉