研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
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パークを守る——Deed of Dedication / Minute of Agreement
2023Fields in Trust · Fields in Trust · United Kingdom
英国の慈善団体Fields in Trustは、土地所有者(自治体等)と法的拘束力のある協定(イングランド・ウェールズ・北アイルランドではDeed of Dedication、スコットランドではMinute of Agreement)を結ぶことで、公園・緑地をスポーツ・レクリエーション用途に永久に確保する仕組みを提供している。申請から登記までは10段階のプロセスで進み、署名から3か月以内に土地登記機関へ登録することが求められる。同団体はこれまでに約3,000か所の公園・緑地を保護してきたとしている。
政策コミュニティカッシーナ・キエーザ・ロッサ
2023· Wikipedia (Italian) · Italy
カッシーナ・キエーザ・ロッサは9〜13世紀に建てられた農家・教会複合施設で、ミラノ市が1960年に取得した。2009年以降は果樹園と森林区画を含む公共公園、バール、図書館として一般開放されており、1988年設立の保存会が保護・文化活動を担っている。歴史的農業建築が市民の公共空間に転用された事例。
コミュニティ都市農村連携固定種・在来種P-Patchプログラムの歴史
2023Seattle Department of Neighborhoods · Seattle Department of Neighborhoods · United States
シアトル市P-Patchコミュニティガーデンプログラムの歴史を市の近隣局が解説するページ。1970年にピカルド農場で始まった活動が1973年の市による農場買収と1974年の市営プログラム正式承認を経て発展し、2023年時点で90カ所のガーデン・3,500世帯以上の参加者を抱えるまでに拡大した経緯を年表で示す。2022年実績として、低所得ガーデナー858名への補助金66,152ドルの支給、寄付野菜44,403ポンドなどの数字も記載されている。
コミュニティ政策福祉ガーナ北部における土地保有・食料安全保障・ジェンダー・都市化
2023Eileen Bogweh Nchanji, Takemore Chagomoka, Imogen Bellwood-Howard, Axel Drescher, Nikolaus Schareika, Johannes Schlesinger · Land Use Policy · Ghana (Tamale)
ガーナ北部州タマレとその周辺で2013年10月〜2014年11月に実施した民族誌調査と食料・栄養不安調査から、土地へのアクセスと食へのアクセスの関係を検討した研究。農地不足を訴えた世帯の割合は都市部で20%、近郊部で1.3%、農村部で0%と、都市化が進むほどインフラ開発と農業が土地を奪い合う構図が鮮明になった。食料不安世帯は、作物を育てられない第一の理由として土地の不足を挙げる傾向が有意に強かった(フィッシャーの正確確率検定 p = 0.040)。住民は都市・近郊・農村をまたぐ移動耕作やバッファゾーンでの耕作といった手段で慣習的土地保有制度の制約に対処していた。栄養価の高いスープを用意する役割を担う女性は、土地にアクセスできないことを各種の手段で回避して食料を確保しており、土地と食のつながりが政治的・経済的・文化的要素の相互作用として成り立っていることを示す。
政策コミュニティ家庭菜園に映る都市:ジェンダーは関係するのか
2023Samah El Khateeb, Mariam Saber, Indjy M. Shawket · Ain Shams Engineering Journal · Egypt
COVID-19の流行下で低・中所得層を中心に広がった小規模な家庭菜園について、ジェンダー役割が菜園の習慣にどう影響し、便益が男女に等しく配分されているかを問うたエジプト・アインシャムス大学の研究者らによる2023年の研究。質問紙による量的調査を行い、WarpPLS(部分最小二乗構造方程式モデリング)で仮説を検定して、ジェンダー・菜園活動・そこから得られる便益の関係を検討した。著者は、便益が男女に等しく行き渡っているのか、それとも一方の性に偏っているのかを明示的な問いとして立て、都市行政が公正で包摂的な環境を整えるための材料になると位置づけている。標本の規模・抽出方法・対象都市は要旨からは特定できず、断面調査であるため因果関係は示されない。
コミュニティ福祉DIY・自作食料システムの転換:キューバの地域農業イノベーションをジェンダーの視点から見る
2023Bárbara Benítez Fernández, Erin Nelson, Anaisa Crespo Morales, Rodobaldo Ortiz Pérez, Rosa Acosta Roca, Regla María Cárdenas Travieso · Frontiers in Sociology · Cuba
キューバの地域農業開発イノベーション強化プロジェクト(PIAL)における20年間のジェンダー平等の取り組みを記述した2023年の事例研究。キューバは女性の権利とジェンダー平等で他国に比べ大きく前進したとされる一方、農村部と農業部門では女性が対等な参加と労働の価値の承認において依然として障壁に直面していると著者は述べる。PIALは2001年にトウモロコシやマメの遺伝的多様性を高める参加型植物育種(PPB)として始まり、その後に女性の参加拡大へと目標を広げた。当初は育種活動への women の参加が中心で、女性は粒の食感・調理の速さ・味といった自分たちが重視する形質を選抜基準に持ち込めるようになり、やがて種子バンクの管理、リーダーシップ研修、小規模な農業起業へと活動を広げた。成果として、生計の多様化による経済的改善と、世帯・地域での指導的役割の獲得という社会的変化が報告されている。単一プロジェクトの記述的事例であり、対照群による効果測定は行われていない。
コミュニティ固定種・在来種論文は毎週増えています
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小庭園の歴史によせて——ハノーファー・リンデンの一例
2023Josephine Rother · Stadt und Grün 11/2023 · Germany
ハノーファー市リンデン地区の一団地を通してドイツの小庭園史をたどる記事。1909年に借地記録へ初めて現れたリンデン協会が1925年には会員1,000人を超え、1926年に最初の団地建物が建ったと記す。市の行政については1919年に小庭園造成のための役所(Amtsstelle für den Kleingartenbau)が置かれたこと、1921年に各協会が帝国小庭園協会連合へまとまったことを挙げる。区画数は1927年から1932年の5年間で2万に増え、1935年には2万6,000でピークに達したとする。1983年に恒久小庭園としての指定で用地が保全され、現在のハノーファー市には約2万区画・1,048ヘクタール(市域の約5%)があり、住民28人あたり1区画にあたるという。
コミュニティ都市農村連携政策ボゴタを緑化する
2023Urban Sustainability Exchange (Metropolis) · Urban Sustainability Exchange (Metropolis) · Colombia
コロナ禍と気候危機への対応としてボゴタ市が進めた都市・周辺農業拡大の取り組みを紹介するケーススタディ。ボゴタ植物園の技術支援のもと、2020年後半から2022年2月までに14,266人が都市農業の基礎研修を受け、31,926人が技術支援を受け、11,970カ所の菜園に資材が提供された。2022年4月にはリアルタイムでデータを収集・更新できるモバイルアプリ「AUPA」が導入されている。
政策食育デジタル農業コミュニティ都市農業の社会文化的便益:文献レビュー
2022Ilieva R.T., Cohen N., Israel M., Specht K., Fox-Kämper R., Fargue-Lelièvre A., Poniży L., Schoen V., Caputo S., Kirby C.K., Goldstein B., Newell J.P., Blythe C. · Land (MDPI), 11(5):622 · Global
57カ国の事例を含む272本の査読論文を分析し、都市農業の社会文化的便益を「結束したコミュニティ」「健康と幸福」「経済的機会」「教育」の4領域に整理した大規模レビュー。社会的つながりや学びの場としての価値が最も多く報告された。
コミュニティ健康食育経済コミュニティガーデンが食事・健康・心理社会的・コミュニティ的成果に及ぼす影響:系統的レビュー
2022Hume C., Grieger J.A., Kalamkarian A., D'Onise K., Smithers L.G. · BMC Public Health, 22:1247 · Global
基準を満たした53研究を統合した系統的レビュー。コミュニティガーデンへの参加は野菜・果物の摂取量増加や一部の心理社会的・コミュニティ的成果と正の関連を示したが、身体的健康指標への効果は一貫しなかった。
コミュニティ健康食育社会住宅における学びの場としてのコミュニティガーデン:幸福感とコミュニティのつながりに関する参加者の認識
2022Gray T., Tracey D., Truong S., Ward K. · Local Environment, 27(5):570-585 · Australia
シドニーの社会住宅団地に住む42名を対象に、6つの新設コミュニティガーデンの効果を混合研究法で評価。参加者は健康・幸福への意識向上、新鮮な食物を育てる関心、収穫物やレシピの共有、幸福感、そして頻繁な交流とコミュニティのつながりを報告した。
コミュニティ福祉健康食育正規教育における食の持続可能性の導入:菜園を文脈とした中等教育向け教授・学習シークエンス
2022Eugenio-Gozalbo M., Ramos-Truchero G., Suárez-López R., Romanillos M.S.A., Rees S. · Education Sciences (MDPI), 12(3):168 · Europe
「食と栄養」をテーマに菜園を活用した授業単元の効果を、従来の教科書ベースの単元と比較評価。菜園ベースの学習は生徒の理解をより包括的にし、実生活での意思決定への準備を高めるなど、教育的改善をもたらした。
食育コミュニティ有機資源循環都市・近郊農業ソースブック:生産からフードシステムまで
2022FAO, Rikolto, RUAF · Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO), Rikolto & RUAF · Global
FAO・Rikolto・RUAFが共同刊行した、地方の意思決定者・都市計画者・実務者向けの包括的ガイド。都市・近郊農業を生産から都市フードシステム・政策へと位置づけ、短い流通による食品ロス削減、生物多様性保護、社会的包摂、都市-農村連携を推進する。
政策コミュニティ有機資源循環食品ロス経済生物多様性日本の都市農業における共通価値の創造の可能性:混合研究法によるアプローチ
2022Kiminami L., Furuzawa S., Kiminami A. · Asia-Pacific Journal of Regional Science (Springer), 6(2):541-569 · Japan
社会的企業家の認知的イノベーションと、都市住民の都市農業に対する認識・行動に着目し、日本の都市農業における共通価値の創造(CSV)のメカニズムを混合研究法で解明。多面的機能を活かした都市農業が社会的・経済的・環境的な共便益を生み出す可能性を示した。
経済コミュニティ政策学校菜園プログラムが学童の食事・栄養に関する知識・態度・実践に与える影響の評価:系統的レビュー
2022Chan C.L., Tan P.Y., Gong Y.Y. · BMC Public Health, 22:1251 · Global
学校菜園プログラム(SGBP)が学童の食と栄養に関する知識・態度・実践(KAP)に及ぼす影響を検討した系統的レビュー。複数データベースから抽出した研究を統合し、SGBPが健康的な食習慣の改善に有望かつ費用対効果の高い介入となりうることを示した。
食育健康コミュニティ精神疾患のある人のウェルビーイング・孤独感・生活満足度に対する療法的コミュニティガーデニングの影響
2022Wood C. J., Barton J. L., Wicks C. L. · International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(20):13166 · United Kingdom
英エセックスの療法的コミュニティガーデン『Growing Together』に紹介された精神疾患のある53名を縦断的に追跡し、ガーデニングへの参加がウェルビーイングを向上させ、孤独感を緩和し生活満足度を高めることを示した。コロナ禍をまたぐ期間でも効果が維持され、緑の社会的処方の有効性を裏づけた。
健康福祉コミュニティまちを変える都市型農園 コミュニティを育む空き地活用
2022Shimpo N. · 学芸出版社 (Gakugei Shuppan), ISBN 978-4-7615-2821-8, 208pp · Global
新保奈穂美の単著。郊外の耕作放棄地、都市公園の一角、商業施設の屋上、団地の敷地など、まちに点在する未活用空間を活かす「都市型農園」を主題に、ドイツ・オーストリア・ニュージーランド・カナダ・オーストラリア・日本国内の先進事例と実践者への取材から、空き地活用・コミュニティ再生・緑化・環境/食育の知見を整理する。
コミュニティ食育有機資源循環政策「生産緑地2022年問題」に対応した都市農地制度についての農地所有者への意向調査
2022· 日本地理学会発表要旨集(J-STAGE) · Japan
京都府八幡市の生産緑地所有者を対象に、特定生産緑地制度や都市農地貸借法など2022年問題対応の都市農地制度への意向を調査した学術発表。1992年改正による30年の営農義務と2022年の指定解除リスク、所有者の選択行動を実証的に検討する。
政策経済コミュニティ市民農園の供給とその影響要因:東京を事例として
2022Zheng H., Akita N., Araki S., Fukuda M. · Land 11(3):333 · Japan
行政オープンデータから抽出した東京の市民農園313区画を、区画数・区画面積・契約価格・契約期間・施設などの属性によりクラスター分析で分類した。市民農園の供給が農地割合や住民の人口・若年人口比・所得水準といった社会人口学的特性によって都心から郊外へと分化していることを明らかにした。
コミュニティ政策経済公・民・学の連携によるまちづくり -柏の葉スマートシティ-
2022三牧 浩也(柏の葉アーバンデザインセンター 副センター長) · 国土交通省 スマートシティ官民連携プラットフォーム 講演資料 · Japan
柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)副センター長による、三井不動産が関わる柏の葉スマートシティの公・民・学連携まちづくりの解説資料。市民・企業・大学が協働する仕組みと、健康・コミュニティを軸とした住民参加型の街づくりの考え方を示す。
コミュニティ政策健康都市農業とグリーンインフラによる生態系サービスの提供 — システマティックレビュー
2022Evans D.L., Falagán N., Hardman C.A., Kourmpetli S., Liu L., Mead B.R., Davies J.A.C. · Ecosystem Services, 54, 101405 · Global
157本の査読論文を統合し、都市農業とグリーンインフラの各タイプがどの生態系サービスをどの程度提供するかを比較したシステマティックレビュー。コミュニティガーデン・緑地・公園が最も多様なサービスを提供し、局所気候・大気質調整はグリーンインフラ単独で、生物的防除や遺伝的多様性の維持はグリーンインフラと都市農業を組み合わせたときに最もよく発現することを示した。
生物多様性コミュニティ健康経済ロンドンのための『meanwhile use(暫定利用)』
2022Greater London Authority, Arup · Greater London Authority (GLA) · Global
長期開発を待つ空地・空き物件の一時利用(meanwhile use)を制度化するGLAの報告書。コンペ・ガイダンス・用地提供・時限的用途変更許可で暫定的なコミュニティ利用(菜園を含む)を支援する枠組みを示す。
政策コミュニティ経済「コロナという引き金」:持続可能なリスボンを共創するための都市農業と都市計画へのシステム的アプローチへの新たな光
2022· Systemic Practice and Action Research · Portugal (Lisbon)
COVID-19を契機にリスボンの都市農業が果たした役割を、システム的な都市計画の視点から論じた研究。市民参加型の都市農を持続可能な都市づくりに組み込む可能性と、その共創のあり方を検討する。
コミュニティ政策南エチオピアにおけるエンセーテ(Ensete ventricosum)遺伝資源のオンファーム多様性・利用パターン・保全
2022Dilebo T., Feyissa T., Asfaw Z., Zewdu A. · Journal of Ethnobiology and Ethnomedicine 18:74 · Ethiopia
南エチオピアの主要4ゾーン240世帯を対象に、主食作物エンセーテの在来品種多様性・利用パターン・農家によるオンファーム保全の実態を調査した民族植物学的研究。
固定種・在来種生物多様性食育コミュニティ農場や菜園はあちこちにあるのに食べるものがない?ソルトレイクシティのフードアパルトヘイトへの批判地理学的アプローチ
2022Joyner L., Yagüe B., Cachelin A., Rose J. · Journal of Agriculture, Food Systems, and Community Development 11(2):67-88 · United States
ソルトレイクシティ西部のCSA農場と連携し、政治経済的慣行が生んだフードアパルトヘイトを検証。都市農業による食の公正への貢献と限界を批判的に論じる。
福祉コミュニティ政策