研究・論文
市民の都市農業・食育・コンポスト・福祉などに関する研究や報告書を集めています。
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批判的・否定的知見
11393 件(110 / 456)
農業活動の場としての都市公園の整備・管理の実態と課題
2024Guolin Xu, Shigeto YANAI · Journal of The Japanese Institute of Landscape Architecture · Japan
横浜市内で市民農園を有する都市公園11か所を対象とした調査に基づき、公園管理への多様な主体・形態の参加を促す特性と、より効果的な管理のあり方を検討した。結果、管理への地域団体の関与は一部のプログラムに限られていること、多様な主体の管理参加が地域交流の促進・世代間交流の改善・公園利用の増加と結びついていたこと、コミュニティガーデンが地域住民に共同での農業活動の場を提供し地域交流と多様な主体の参加を促していたことが示された。
コミュニティ政策コミュニティ・エンパワーメント・正義の場としての学校菜園:参加型アクションリサーチ研究
2024Colleen Saxen, Yoko Miura, Alan R. Wight, Michelle A. Fleming · Educational Action Research · United States
米国中西部の小規模都市にある低所得地域を対象に、学校菜園プロジェクトを率いたコミュニティパートナーと学校スタッフの参加のもと、参加型アクションリサーチ(PAR)を用いて学校菜園の意味を探究した。フォトボイス、マッピング、インタビューを通じて参加者の視点や振り返りを収集した結果、コミュニティ、エンパワーメント、正義という3つの主要テーマが浮かび上がった。学校菜園は、内容知識や身体的健康、生態系保護といった従来の評価指標を超えた、深い可能性を参加者に経験させるものであったとしている。
コミュニティ食育袋栽培によるサツマイモ植栽を通じた都市農業の食料強靭性実装
2024Nurul Hidayati, Pienyani Rosawanti, Djoko Eko Hadi Susilo, Fahruddin Arfianto, Hariyadi Hariyadi · Daun Jurnal Ilmiah Pertanian dan Kehutanan · Indonesia
インドネシアの都市部を対象に、垂直栽培・水耕栽培・鉢植え栽培、および袋・プランターでの食用作物栽培といった都市農業技術の実装を、実験・記述研究として検討した。家庭の食料安全保障に着目し、栽培のしやすさと環境適応性からサツマイモを対象作物に選び、塊根・葉の両方を野菜として利用可能とした。回帰相関分析の結果、40kg入り袋・挿し穂10本あたりのサツマイモ収量は1.4kgであり、塊根数と袋あたり総重量の間には96.77%(y=71.069x-878.93)、塊根数と個々の塊根重量の間には83.05%(y=1.6985x-9.87)という強い正の相関が見られ、塊根数の増加が個々の塊根重量を減少させる関係にはなかった。1世帯が袋10個で栽培した場合の潜在収量は14,000g(14kg)と算出された。
DIY・自作食育経済ウガンダ・ムババラ市の都市農家向け灰色水を用いた水耕野菜栽培とコリウスの浄化能力の探究
2024Jane Yatuha, Justus Asasira, Godfrey Begumisa, Pascal Amandu · East African Journal of Science Technology and Innovation · Sub-Saharan Africa
ウガンダ・ムババラ市で、2023年7月から9月にかけて8週間の実験を行い、灰色水(生活排水)を水耕栽培の培養液として利用した野菜(ブロッコリー、ワケギ、レタス)の栽培可能性と、観葉植物コリウスによる灰色水の浄化能力を検証した。灰色水はレストランの厨房から採取し、灰色水のみ、灰色水+NPK肥料、水道水のみ、水道水+NPK肥料の4処理区を各3反復で設定し、pH・電気伝導度・全溶存固形分・水温・濁度・硝酸塩・リン酸塩、および草丈・葉数、糞便性大腸菌群・重金属を測定した。全ての野菜が生存したが処理区間で収量に有意差があり、レタスは灰色水+NPK区を除く3処理区で最高の生産量を示し(分散分析 F(3,56)=2.970、p=0.039)、ワケギは灰色水+NPK区で他区と有意に異なり最も生育した(F(3,56)=3.328、p=0.026)。灰色水処理区では電気伝導度・全溶存固形分が極端な値(1001.38 µS/cm・502ppm、982.38 µS/cm・490.75ppm)を示し他処理区と有意に異なった(p=0.000)が、野菜組織から糞便性大腸菌群は検出されなかった。コリウスは全溶存固形分・電気伝導度を段階的に低下させ、灰色水から重金属を吸収する能力を示した。
DIY・自作コミュニティ健康南アフリカ・クワズール・ナタール州における小規模都市部野菜農家の市場参加水準の決定要因
2024P.N. Ndlovu, Joyce Chitja, Temitope O. Ojo · Cogent Food & Agriculture · South Africa
南アフリカ・クワズール・ナタール州ソバントゥおよびムポポメニのタウンシップ地域を対象に、構造化質問票を用いた多段階抽出により小規模都市部野菜農家156戸を調査し、記述統計とダブルハードルモデルにより市場参加の決定要因と参加水準を分析した。156戸のうち127戸が市場参加者、29戸が非参加者であった。ロジスティックモデルでは、市場参加の意思決定に信用利用(p=0.004)、無償投入財(p=0.096)、市場情報へのアクセス(p=0.001)、労働力へのアクセス(p=0.014)、スマートフォン所有(p=0.083)が有意に影響していた。分数応答モデルでは、市場参加の水準に年齢(p=0.093)、協同組合加入(p=0.002)、道路状況(p=0.001)、貯蔵施設(p=0.016)、投入財市場までの距離(p=0.069)が有意に影響していた。
コミュニティ経済都市固形分別廃棄物由来の有機廃棄物スラリーを原料とするバイオ炭生産のための圧力制御型熱分解炉の技術革新
2024Utis Sutisna, Junun Sartohadi, Nur Ainun Harlin Jennie Pulungan, Ngadisih Ngadisih, YB Praharto, Nurul Hidayati · Prosiding Seminar Hasil Penelitian dan Pengabdian Kepada Masyarakat · Indonesia
インドネシアで開発された熱分解炉技術(Prosiding Seminar Hasil Penelitian dan Pengabdian Kepada Masyarakat、2024年)は、分別収集された都市有機廃棄物スラリーを、自己完結型の圧力制御システムと内部利用される熱分解ガスによる燃料供給、自動温度制御のもとで400~500℃で処理し、バイオ炭へ転換する。土壌サンプルを用いた性能試験の結果、得られたバイオ炭は固定炭素含有率65~70%を有し、土壌改良材として適した物理的・化学的安定性を示した。土壌の陽イオン交換容量を最大30%、土壌水分を対照区(バイオ炭無添加)と比較して最大15%増加させた。この炉は有機廃棄物の体積を50%削減し、得られたバイオ炭は都市農業における土壌肥沃度と生産性を改善したと報告されている。
有機資源循環コンポストコミュニティスペイン・バリャドリッド市の都市貸農園における食料生産・冷却効果・利用者の認識評価
2024Francisco Tomatis, Monika Egerer, Luis Manuel Navas-Gracia · Horticulturae · Spain
スペイン・バリャドリッド市の都市貸農園4か所・区画12か所を対象とした研究(Horticulturae、2024年)は、食料生産、冷却効果、利用者の視点を検証した。作物選択は限られた区画面積に合わせて季節ごとに変化しつつ、グローバルノースの都市園芸の傾向に沿ったものであった。菜園は都市の灰色空間と比べて安定した低い気温を提供したが、その冷却効果は都市公園ほど大きくはなく、夏季に最も顕著であった。区画レベルでは、地表を覆う作物の被覆が大きいほど冷却効果が強かった一方、作物の量や多様性と冷却効果との相関は弱かった。利用者へのアンケートでは、気候変動への意識と、それが作物・健康・都市に直接的な脅威を及ぼすという認識、および将来の作物栽培・菜園発展のための水の確保への懸念が示された。
コミュニティ生物多様性気候変動街路と広場の都市園芸の歴史的起源
2024M. S. (Mahmudova) Abdusattorovna · Neliti · Global
論文(Neliti、2024年)は、ティムール朝時代における文化・レクリエーション公園、ランドスケープデザイン、公共公園の建設の結果として、道路・沿道・建築物の建設が大規模に行われたという事実についての調査を行ったと述べる。抄録にはデータ・手法・具体的な知見についてのそれ以上の記述はない。
コミュニティ政策生産的な都市景観における循環の再発見
2024Akiko Iida, Toru Terada, Kazuaki Tsuchiya, Tadashi Yamaguchi, Makoto Yokohari · Urban forestry & urban greening · Japan
都市と農地が歴史的に混在する東京を事例に、都市林から出る緑の廃棄物(green waste)を活用したコミュニティスケールの堆肥化システムが商業的都市農業にどう組み込まれているかを、郵送アンケートと都市農家への対面半構造化インタビューにより調査した研究(2024年、日本)。プロの都市農家のおよそ3分の1が、特に落ち葉を中心とした緑の廃棄物から堆肥を作り土壌改良に利用しており、自身の所有林だけでなく数キロメートル圏内の公園・学校・神社など近隣の都市林にまで落ち葉の調達先を広げて都市化に適応してきたことが分かった。都市化が景観そのものを大きく変えた一方で、農家はこの無形のシステムを仕組みを作り替えながら数百年にわたり継承してきたが、農家がこの仕組みを維持している主な動機は環境面ではなく経済的な理由であるとされた。著者らは、廃棄物の供給地と需要地が地理的に近接する生産的な都市景観では分散型堆肥化システムが有効に機能しうるとし、都市農業を通じた廃棄物リサイクルの拡大方法についてさらなる研究が必要としている。
有機資源循環コンポストコミュニティ近郊農業都市部と農村部の農場で栽培されたダーキボア・ケールの栄養素と非必須金属——予備研究
2024Brent F. Kim, Sara N. Lupolt, Raychel Santo, Grace H. Bachman, Xudong Zhu, Tianbao Yang, Naomi K. Fukagawa, Matthew L. Richardson, Carrie Green, Katherine M. Phillips, Keeve E. Nachman · PLoS ONE · United States
米国メリーランド州ボルティモア市とその周辺の都市農場3か所・農村農場4か所で、ダーキボア種のケール苗を植え付け、各農家の通常の栽培方法で育てた後に圃場と流通拠点から収穫し、カロテノイド・ビタミンC・ビタミンK1・栄養素10種・非必須金属8種の濃度を分析した予備研究(2024年、PLoS ONE)。一部の分析はサンプル数が統計的有意差を示すには少なすぎたが、都市産と農村産のケールの成分濃度には潜在的に意味のある差が確認された。農村産は都市産と比べカロテノイドとビタミンの平均濃度が22~38%高かった一方、8種の栄養素は都市産の方が高く、鉄は最大413%高かった。非必須金属9種のうち都市産の方が平均濃度が高かったものが多かったが、全サンプルの鉛・カドミウム濃度は公衆衛生上の基準値を下回っていた。6元素については都市・農村それぞれの農場内のばらつきが都市・農村間のばらつきより大きく、都市化の度合いが観測差の主因ではない可能性が示された。一部都市・農村差は先行研究で確認されたものより顕著だった。
健康経済生物多様性実践倫理——米国都市における都市農業
2024Nick DeMarsh, Alfonso Morales · Urban agriculture · United States
米国の都市を対象に、都市農業が現行の都市・食料システムの現状に異議を唱える機会を提供するとし、都市の人口増加と密度上昇が都市農業にもたらす機会と課題を、ハウとカウフマンの「手段と目的」の倫理的枠組みを用いて論じる論文(2024年)。倫理的な「目的」(経済的成果などのアウトカム)が「手段」やプロセスへの配慮を押しのけがちである点を踏まえ、手段と目的の両方を重視するこの枠組みを用いて、都市農業倫理を捉える3つの鍵となる論点(場所に基づく歴史的視座、都市と地域を結ぶ橋渡し、健全な社会生態システムを再構想するための入れ子構造的アプローチ)を提示する。都市農業の実践者は、都市の場所と農業プロセスの歴史を、国家的な歴史過程の帰結として、また現在の場所固有の文脈、および将来の目標・志向との関係の両面から理解する必要があるとする。都市農業の環境的に持続可能な未来への貢献は、食料の生産と消費が人間生活の不可欠な要素であるという認識に根差すとし、都市農業の変革的な潜在力は、日常生活に影響を与える都市システムと食料システムという2つのシステムにおいて重要な役割を果たす点に由来するとする。ただし、こうした変化の可能性は都市農業の実践を通じた変化が不可避であることを意味せず、変化には都市農業の参加者・利害関係者が自らの実践と期待を批判的に検討することが求められるとしている。
政策コミュニティ食料主権・社会正義農業セクターを通じた中部ジャワ州のグリーンエコノミー構築への準備状況
2024Mochamad Yusuf · Al-Masharif Jurnal Ilmu Ekonomi dan Keislaman · Indonesia
インドネシアで経済を支える有力セクターの一つである農業を対象に、国内3位の農産物生産量を誇る中部ジャワ州が、自然保護のブループリントを取り入れつつグリーンエコノミーを実現する準備状況を、記述的手法によって説明した論考(2024年)。二次データを収集・分析し、著者による提言の形で結果をまとめた。研究結果として、中部ジャワ州はグリーンエコノミーおよびサーキュラーエコノミーを農業セクターを通じて実践する準備を、有機作物栽培・都市農業(アーバンファーミング)・ファーマーズマーケット・環境に配慮した農産物に関する教育などの形で進めており、これを最大限機能させるには政府による規則・法整備と社会によるその実践が必要だとしている。
経済政策有機資源循環近接性を軸とした周辺都市空間における食料生産・消費 — 農業食料システム形成の社会的・領域的プロセス
2024Héctor Ávila Sánchez · Investigaciones Geográficas Boletín del Instituto de Geografía · Global
周辺都市化(periurbanización)が現代社会で最も動態的な領域的現象の一つであるとの立場から、大都市圏システムの一部をなす周辺都市の食料生産空間の再編を、社会的・領域的なプロセスとして論じる理論的考察。近接性、短い流通経路の定着、都市・地域フードシステムや「農業公園(parques agrarios)」といった新たな領域的形態の確立に言及し、特に欧州では農業公園が都市圏化の進行に対抗する領域的イノベーションとして機能していると位置づける。フードハブ、協同組合型スーパー、共同作業所など協同組合的基盤に立つ形態の広がりや、社会運動・生産者団体・行政機関が周辺都市のガバナンス形成に果たす役割を、連帯経済と社会正義の観点から検討する。
都市農村連携政策経済コミュニティ米国とスペインにおける食料不安に関連する脆弱性・危険性・リスクの研究
2024Iman Mamnoon · GeoFocus Revista Internacional de Ciencia y Tecnología de la Información Geográfica · Global
地理情報システム(GIS)を用いたリスク評価手法により、都市内で最も脆弱な人口が直面する食料不安を定量的に測定する尺度を開発した研究。リスクは社会的脆弱性と危険性(食料流通へのアクセス困難度)を組み合わせて算出し、米国ワシントンD.C.南東地区とスペイン・マドリードのプエンテ・デ・バジェカス地区の2事例に適用した。社会的脆弱性指数は平均所得・教育水準・失業率・年齢のデータから、危険性値はスーパーマーケットへの近接性から算出した。分析の結果、両地区で緊急の介入措置を必要とする高リスク地域が特定された。プエンテ・デ・バジェカスでは、国勢調査区07913143が食料不安の高リスクホットスポットとして特定され(社会的脆弱性指数1.646495、範囲0.901〜3.223、リスク値3、範囲3〜10)、ワシントンD.C.南東地区では国勢調査区7601・7605が高リスク地域として選定された(社会的脆弱性指数それぞれ2.221・1.737、範囲1.040〜3.525、リスク値それぞれ2・5、範囲0〜10)。両地区とも住宅地と商業地を組み合わせたエリアが全般的に不足していること、公共交通の供給に限界があることも指摘されている。
公平性・立ち退き政策コミュニティ福祉持続可能性の耕作 — ニュージャージー州のフードデザートにおける都市農業の障壁に関する定量的研究
2024Tatiana Hlinka · Journal of Student Research · United States
米国ニュージャージー州では50のフードデザート地域が、都市部・農村部を通じて最も深刻な食料不安に直面している。本研究は、ニュージャージー州の都市フードデザートにおける都市農業の導入を妨げる9つの障壁を特定した。食料システムの専門家への調査とGIS(地理情報システム)による空間分析を組み合わせた逐次的定量分析を実施し、ニュージャージー州の都市農業団体・関係者と連携して、都市農業事業の拡大にとって最も一般的に挙げられる障壁が資金不足であることを明らかにした。GISに基づく空間分析では、優先度の高い障壁は地域によって異なる一方、対象となったすべての団体が、活動する地域が低所得か高所得かにかかわらず、資金あるいは資金へのアクセスの不足を重大な障壁として挙げていた。政策立案者は、ニュージャージー州の都市フードデザートにおける都市農業団体の果たす役割を再評価すべきだとしている。
制度・ガバナンスの不全コミュニティ政策食料主権・社会正義福祉健康米国コーンベルトにおける食卓向け食料生産拡大の可視化——アイオワ州デモイン近郊の生産者調査
2024Tiffanie F. Stone, Janette R. Thompson, Emily Zimmerman, Tássia Mattos Brighenti, Matt Liebman · Renewable Agriculture and Food Systems · United States
米国コーンベルト(アイオワ州デモイン近郊)を対象に、土地利用の可視化と生産者アンケートを組み合わせ、2050年に都市人口の食事必要量の50%を地元産の食卓向け作物(テーブルフード)で賄う将来シナリオを検討した。穀物生産者1360人・特産作物生産者55人に調査を送付し、有効回答は穀物生産者316人・特産作物生産者25人だった。このシナリオの実現に必要な農地は利用可能農地の3%未満で、追加の生産者は約130人(主に穀物生産)にとどまると試算された。生産者の意向をもとにすると、住民の果物・野菜・穀物需要の約25%を地元産で賄える可能性があり、これは現状の2%からの増加にあたる。穀物生産者は食品安全規制を、特産作物生産者は労働力確保を生産拡大への強い制約要因として挙げ、両者とも農業保険と加工施設の重要性を指摘した。
近郊農業食料主権・社会正義政策経済タンガ・ムベヤ・モシのマスタープラン(1973-1975年)にみるガーデンシティ計画と北欧の(脱)植民地的両義性
2024Essi Lamberg · The Journal of Architecture · Africa
フィンランドの技術協力によって策定されたタンザニアのタンガ・ムベヤ・モシの3都市のマスタープラン(1973-1975年)を事例分析し、北欧諸国を中立的・善意の対外援助主体とみなす従来の語りに異議を唱えた。フィンランド人専門家は、植民地時代の遺産・脱植民地化政策・新植民地主義的実践が交錯する両義的な環境のもとで活動し、郊外化・近隣住区モデル・都市園芸といった移動する概念をタンザニアの脱植民地化政策の言葉に翻訳する計画的な語法を発展させた。これら3都市のマスタープランは、かつて白人欧州エリートに限定されていた計画原則を都市人口全体に拡張し、ウジャマー(社会主義的協同)政策を推進するためにガーデンシティ計画の考え方を用いた。
コミュニティ政策都市農村連携食育農地を持たない都市における都市農業(アーバンファーミング)概念の検討
2024Gunawan Adi Pratio, Siti Nur Rohmah, Muhammad Ali Akbarsyah, Arseto Endro Supriyanto · Jurnal Bengawan Solo Pusat Kajian Penelitian dan Pengembangan Daerah Kota Surakarta · Indonesia
農地がほとんど、あるいは全くない都市における農業課題に応える解決策として、都市農業(アーバンファーミング)の概念を文献レビューにより検討した研究。世界の大都市における農地制約下での都市農業実践に関する文献を収集し、水耕栽培・アクアポニックス・垂直栽培や、屋上・空き地の活用といった手法の特徴と利点を整理した。文献レビューの結果、都市農業は新鮮な食料へのアクセス向上・食料輸送に伴う排出削減・緑地増加による環境質向上に寄与しうるほか、雇用機会の創出や住民の食料管理への関与を通じた地域コミュニティのエンパワーメント、家庭ごみを有機肥料として活用する取り組みにも貢献しうるとされた。一方で、水・肥料・技術といった資源の制約や、規制・政策上の課題が実施における主な障壁として挙げられ、政府・民間セクター・地域コミュニティの連携が必要だと結論づけている。
デジタル農業食料主権・社会正義近郊農業ケラーラ州パラカド県における気候変動緩和のためのグリーンイニシアチブ——ミヤワキ森林とフードフォレストの比較
2024J Resmi, K Vismaya, V. Chitra, S K Anjana, K V Sumiya · International Journal of Environment and Climate Change · India
樹木や森林生態系が持続可能な開発、気候変動への適応・緩和に果たす役割に着目し、日本人植物学者・宮脇昭が開発した高密度植栽による緑化手法「宮脇方式(ミヤワキ)の森」と、年間を通じて多様な食料を供給するよう計画・植栽された「フードフォレスト」を比較分析した研究。インドのケラーラ州パラカド県にある、宮脇方式の森林区画を持つクリシ・ヴィグヤン・ケンドラ(KVK)パラカドと、フードフォレストを設置したV. T. バッタティリパド・カレッジ(スリークリシュナプラム)を対象地とした。両手法とも生態系の回復と生物多様性の向上を目指す点で共通するが、設計・目的・管理方法が異なり、宮脇方式の森は在来の動植物を育むことで自然との再接続を図り生物多様性保全と生息地回復を促進する一方、フードフォレストは花粉媒介者への食料供給源や多くの動物の生息地となることを通じて自然との再接続を図り、化学農薬を必要としないため環境に配慮した手法であるとされた。両手法は都市林の造成や、生産性の低い荒廃地を生態的・社会的に有益な生産的土地へ転換する上で効果的だとされている。
気候変動食料主権・社会正義生物多様性コンポストバーン型畜舎における固形・液体廃棄物の特性評価
2024Victor Crespo de Oliveira, Leonardo França da Silva, Érika Manuela Gonçalves Lopes, Ana Carolina Chaves Dourado, Matheus Mendes Reis, Bruna Nogueira Rezende, Letícia Duron Cury, Cássio Furtado Lima, Fabiane de Fátima Maciel, Silvana Ferreira Bicalho, Ariadna Faria Vieira · · Europe
世界人口の増加に伴い都市と土壌の持続可能性、気候変動、食料アクセス・安全保障への懸念が高まる中、多くの都市部が食料供給インフラの課題に直面しているとしたうえで、都市農業が貧困世帯の食料安全保障向上と収入創出に役立ちうる一方、従来型農業は土壌浸食や土壌・地下水汚染を招き、気候変動は動物の生活環を乱し種の絶滅を通じて人間や他の生物の食料入手可能性を大きく低下させると位置づける。この文脈でアクアポニックス(養殖と水耕栽培の統合)を都市農業における植物栽培と魚の安全な生産を統合する手法と位置づけ、ポルト工科大学工学校(ISEP)に最適化されたアクアポニックスシステムを構築・設置するプロジェクトを報告している。このソイルレス型垂直菜園は約2,000リットルの水を収容する水槽2基を用いて3階層にまたがって構築され、3つのプランターボックスと120以上の野菜栽培用スペースを備える。あわせて、バイオリソース工学・化学工学・生体医工学・電気電子工学・機械工学・情報工学の学生が参加する教育活動も実施された。
コミュニティ食育有機資源循環マラン市ムリョレジョ地区における蝶豆花栽培由来のバティック製作研修(BUNTEL)——天然染料としての活用
2024Mutia Devi Hidayati, Arief Rahmatulloh, Luchis Rubianto, Pritantina Yuni Lestari · Jurnal Abadimas Adi Buana · Indonesia
インドネシア・マラン市スクン区ムリョレジョ地区(面積2.75平方キロメートル)では、住民が空き地や遊休資源を都市農業(アーバンファーミング)の考え方に基づいて活用しており、その一環として蝶豆花(バタフライピー)の栽培が行われている一方、栽培された花の高付加価値な製品への多角化は十分に進んでいなかった。そこで、蝶豆花を天然染料として用いたバティック製作の技能研修を実施し、SDGsの「安全な水とトイレを世界中に」の理念にも沿う、やわらかな発色と高い商品価値、環境負荷の低さを特徴とする染色手法として、複数の天然染料の組み合わせによる色の作り方も紹介した。2023年10月7日に実施された研修には参加者8人が参加し、アンケート結果は各設問の平均値3.88、最頻値4.0となり、参加者が天然染料バティックの製作方法を理解し、恩恵を実感し、満足していることが示された。参加者には自作での生産に使える電動チャンティン(バティック描画道具)も提供された。
コミュニティ経済DIY・自作食料主権・社会正義グレシック県における都市農業コミュニティの社会関係資本を通じた食料安全保障モデル
2024Pawana Nur Indah, Gung Risa, Endang Yektiningsih, Indra Tjahaja Amir · Jurnal Ilmiah Manajemen Agribisnis · Indonesia
インドネシア・グレシック県ケボマス郡ゲンディン村で、2年以上都市農業と健康的な生活習慣を実践してきた住民のうち87人を対象に、有意抽出法とアンケート面接によって社会関係資本(信頼・社会規範・社会ネットワーク)がコミュニティのエンパワーメントに与える影響をPLS(部分最小二乗法)で分析した。信頼(T値0.786)、社会規範(T値0.511)、社会ネットワーク(T値0.810)はいずれもT検定の基準値1.96を上回り、エンパワーメントに有意な正の効果を持つことが示された。
コミュニティ食料主権・社会正義政策フードフローとともに――成長するアフリカ都市における都市農業の貢献:ダルエスサラームの事例
2024Matthijs T. Wessels, Lisa‐Marie Hemerijckx · Development Southern Africa · Sub-Saharan Africa
タンザニア・ダルエスサラームにおいて、都市・周辺部の生産者が新鮮な葉物野菜の供給と入手可能性に果たす貢献を、食品販売業者・消費者への700件超の調査と生産者への民族誌的調査に基づき定量的・空間的に分析した。市内で消費されるアマランサス(青菜)の70%が市内で生産されており、農場から食卓までの平均輸送距離は11kmと、葉物野菜の供給圏は強く地域化していた。都市域が自らの食料需要充足に果たす役割の大きさが示され、成長するアフリカ都市の都市計画に食料供給を明示的に組み込む必要性が指摘された。
食料主権・社会正義コミュニティ経済食料流通・フードマイルグローバルサウスにおける都市農業の空間的組織化——食料安全保障と持続可能な都市
2024Górna, Ada · · Global
ハバナ(キューバ)、シンガポール、キガリ(ルワンダ)の3都市の事例研究を通じて、グローバルサウスの都市における都市農業が空間・機能構造の中でどのような位置づけにあるかを検討した書籍。各都市での現地調査に基づき、社会経済・空間・政治・環境の条件が異なる中での都市農業の多様な特徴と、その発展を制約する要因を提示している。
食料主権・社会正義コミュニティ政策気候変動経済自給的農業のための都市オープンスペース利用——エシカレニ・タウンシップの事例研究
2024Zwelakhe Thulasizwe Mascot Maseko · Journal of Asian and African Studies · South Africa
南アフリカ・エシカレニ・タウンシップで、住民が都市のオープンスペースを自給的農業に利用する動機とその生活への影響を、地元農家への構造化インタビューとウムラトゥーゼ市当局者への詳細インタビューを組み合わせた混合手法で調査した。食料不安、生鮮食品への需要、農業への意欲、食料価格の上昇が住民をオープンスペース農業に向かわせる主な要因であり、生鮮食品への到達性向上、食費削減、産物販売による副収入といった生活面への寄与が確認され、都市計画に農地確保を組み込むことが提言された。
コミュニティ経済食料主権・社会正義